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日曜日, 12月 23, 2012

カント『人間学』:メモ

(参考:→パーソンズが思想家を分類した図フーコーと『人間学』カント:インデックス、→リンク::::::

『人間学』(実用的見地における人間学 Anthropologie in pragmatischer Hinsicht. 1798)

 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版:概略目次  →原目次及び詳細目次

第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について)

 第一編 認識能力について
 第二編 快・不快の感情について☆☆
 第三篇 欲求能力について☆☆☆

第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

 分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格☆☆☆☆


(第二部冒頭1で気質を説明する四体液説が紹介されている。)

    A・・・・・・・・・・・B
das sanguinische    das melancholische
   多血質         憂鬱質
    ・           ・
    ・           ・
das cholerische     das phlegmatische
    C・・・・・・・・・・・D
   胆汁質         粘液質

AとB及びCとDは互いに矛盾し、AとC及びBとD
は互いに中和される。また、AとCは共に生命力の高揚、
BとDは共に生命力の沈静、AとBは単に感情的、CとD
は行動的である。
(高坂正顕『カント』1947年p56より)

<一般的な性格と理性的な自由を付与された存在としての性格そのものがあり、上記の図にある気質は前者。>


          __________________________________ 
         /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
        / (/認識/預言)       / |           感官 / |
       / |             /  |   悟性     構想力/  |プ
      /___|____________間___|____________/   |
     /|  |           /|   |   (/快、不快) /|   |ス
    / |   |          / | 個人、国民    感性的 / |   |
   /(/欲求)者|  学      /(性格論/ +民族)   知性的/  |   |・
  /___|___|________/___|_両性、人類______/   |   |
 |    |  の|       |    |   |       |    |   |ポ
 |永   |   |       |    |   |       |    |  論|
 |遠   |  夢|       |    |   |       |    |   |ス
 |平   |   |_______|____|___|_______|____|__理|
 |和   |  /|       |    |  /|       |    |  /|ト
 |の   | / | 自   然 | の  |形/ |而   上  |学   | /学|
 |た   |/  |       |    |/  |       |    |/  |ゥ
 |め   |___|_______|____|___|_______|____|   |
 |に  /|   |     (徳|論) /|   |       |   /|   |ム
 |  / |人 倫|の      |  / |理性の限界内における |  / |   |
 | /(法学)  |形 而 上 学| /宗教(目的論)       | /  |   |ム
 |/___|___|_______|/___|___|_______|/   |   |
 |    |   |       |    |   |       |    |   |
 |    |啓 蒙|と は 何 か|    |   |       |    |   |
 |    |   |_______|____|___|_______|____|___|
 |    |  /        |    |  /(空間)(時間)|(数学)|  / 
 |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
 |    |/          |    |/(物理学)     |    |/
 |    |___________|____|___________|____/
 |   /         (倫理|学) /          (美|学) /
 |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
 | /              | /(目的論)         | /
 |/_______________|/_______________|/

カントがほぼ四半世紀(一七七二年の冬学期から一七九五年の冬学期まで)にわたって行なった人間学の講義、その講義録。



「エゴイズム(Egoisumus)に対立せられうるのはプルラリスムス(Pluralismus=多元主義)だけである。それはすなわち全世界を自己の中に包みもっているものとして、自分を見なしたり振舞ったりするのではなく、自分を一人の単なる世界公民として考え、また振舞うような考え方のことである」

預言者的天賦という項目〜〜預言(経験則による自然的なもの)占言(既知の経験則に反したもの)、霊的預言(超自然的なものにもとずく霊感)に分けられるという。

☆☆
快には感性的快と知性的快があるという。 

☆☆☆:食事について
「真の人間性と最もよく調和すると思われるような歓楽生活は、よき社交仲間(それもできれば交代する)のよき食事である。これについてチェスタフィールドは、「その仲間の優雅の女神の数[三人]より少なくてもならず、また芸術の女神の数[九人]より多くてもならぬ」といっている」
(『人間学』第一部第三篇、理想社版全集第14巻255頁)

カント『人倫の形而上学』にも同内容の記述がある。本来の出典はゲリウス『アッティカの夜』より。

Kant bei seinem Mittagsmahl (1892) Emill Dörstling (1859-1939)


http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2011/11/--2011-8232.html  
以下、上記サイトより引用。
☆☆☆☆
「人間は生来上善である。とはいえ、人間は悪をあえておかそうとする。人間の本分に関して実用的人間学が達した総括的結論と人間の完成過程に関する特性は、人間が自己の理性によって定められた本分は~芸術やもろもろの学問により文明化し道徳化するにある。~ゆえに人間は善に行くように教育されねばならぬ、しかるに人間を教育するものはこれまた人間である、すなわちいまだに生来の粗野な状態にありながらもしかも、彼自身の必要とするところのものを実現せねばならぬ人間なのである。
 そして最後に、人類の意欲は一般的には善であるが、その実現には世界公民的に結合せられた一つの組織としての人類において、又かかるものとしての人類足らんとして、進歩してゆく世界市民の有機的組織によってのみ可能である。」

 この言葉が、「実用的人間学」の最後の言葉です。


★渋谷治美氏の全集の「人間学」の解説↓

 実用的人間学とはどのようなものか P518

(1)人間とは、文化(陶冶・洗練)を通して自己教育していく地上に生存する理性的生物であると認識すること(カントはこれを「世界知」としたー岩波文庫では世間知と呼び換えている)が実用的人間学の目標である。
(2)「実用的な人間学」の特徴は、人間は自由の主体として自ら何を形成し何をすべきかの究明にあること
(3)人間を「世界市民」とみなす視点にこそ実用的人間学の神髄があること


以下wikiより

日本語のいわゆる「人間学」はドイツ語の 'Anthropologie' の訳語であり、ドイツ語圏ではこの語はかつては人間に関する哲学的な研究を意味するものであった。この語を「人類学」と訳する者もいるが、英米圏のAnthropologyが人類を生物学的に研究する自然人類学のみならず、人類の文化的社会的な側面を研究する文化人類学を含むことから、20世紀に興った哲学の一部門を「哲学的人間学」(独:Philosophische Anthropologie、英:philosophical anthropology、仏:anthropologie philosophique)と呼び、人間学と人類学を区別するのが通例である。

イマヌエル・カントは、この「人間学」の立場を明確にした代表的な哲学者でもある。カントは、哲学には、、「わたしは何を知ることができるのだろうか」(Was kann ich wissen?)、「わたしは何をすべきなのであろうか」(Was soll ich tum?)、「わたしは何を望むのがよいのだろうか」(Was darf ich hoffen?)「人間とは何だろうか」(Was ist der Mensch?)という4つの問題に対応する4つの分野があるとした上で(『論理学講義』他)、最後の問題について研究する学を「人間学」であるとした。高坂正顕は、カント哲学の全体を人間学の大系であるとしており、以後、カントは「人間学」を自身の哲学の根本のひとつにしていたという見方がされるようになった。

_______________

以下の原目次は第二版以降。 岩波全集第15巻17ー9頁より。岩波版には独自の→詳細目次が別にある。
<>内は引用者メモ。数字は岩波全集版頁数。
目 次
第一部 人間学的な教訓論
 第一編 認識能力について
  自分自身を意識すること〔統覚〕について
  白己中心主義について
  自分の〔感性的〕表象が自由に〔悟性的に〕意識できることについて
  自分白身〔の内面〕を観察することについて
  われわれが意識しないまま抱いている類いの表象について
  自分の表象を意識する際の判明性と非判明性について
  悟性と対照された感性について
  感性の弁護
  認識能カー般に可能なこと〔のあれこれの程度〕について
  感官の仮象をめぐる技巧的な戯れについて <眩惑(自然ー技巧的、錯覚ー欺瞞)p56>
  許すことのできる道徳的な仮象〔ふり〕について
  五つの外的感官について
  内的感官について
  感官感覚の強度が増減する原因について
  感官能力の抑止、衰弱、全面喪失について
  種類の違いに応じた感性的能力について
  構想力によって過去のことや未来のことを現在化する能力について
  健康状態における意のままにならない創像、すなわち夢について
  表示能力〔記号の能力〕について <スウェーデンボルグ=夢想p118>
  悟性に根拠をおくかぎりでの認識能力について 

             <人間学遺稿ではこの後に、上位の3つの認識能力のうちの悟性における、神学/法学/医学、及び啓蒙についての考察がある。p358-
  認識能力に関するかぎりでの魂の弱さと病いについて
  認識能力におけるいくつかの才能、すなわち機知、明敏、独創性または天才について

 第二編 快と不快の感情
  感性的な快について
   A 愉快なものに関する感情、すなわち何かある対象を感覚するときの感性的な快について
   B 美しいものに閲する感情、または趣味について

 第三編 欲求能力について
   興奮について
   情念について <自然/文化  A自由奔放の傾向性・性・(B復讐欲)/C名誉欲・権勢欲・所有欲 p230->
   肉体的な最高善について
   道徳的かつ肉休的な最高善について <食事の集い、4人から最高10人まで p245>

第二部 人間学的な性格論
 A 個人の性格について
  1 気だてについて
  2 気質について<1感情aお調子者の多気質b苦虫君の気鬱質、2活動cお山の大将の胆汁質d沈着冷静型の粘液質 図p263>
  3 心構えとしての性格について
  人相術について
 B 男女の性格について
 C 国民の性格について
 D 人種の性格について
 E 人類の性格について
  人類の性格描写の概要
        ____________________




岩波版全集第15巻詳細目次人間学遺稿の目次は別にある)

目 次
<>はメモ。
はじめに
〔原目次〕
第一部 人間学的な教育論
     人間の内面および外面を認識する方法について
第一編 認識能力について
 自分自身を意識すること〔統覚〕について
 自己中心主義について 多元主義p28>
  余談 自分中心主義的な言葉遣いの煩わしさについて
 自分の〔感性的〕表象が自由に〔悟性的に〕意識できることについて
 自分自身〔の内面〕を観察することについて 
 われわれが意識しないまま抱いている類いの表象について
 自分の表象を意識する際の判明性と非判明性について
 悟性と対照された感性について
 感性の弁護
  第一の告発に対する感性の正当化
  第二の告発に対する感性の正当化
  第三の告発に対する感性の正当化
 認識能力一般に可能なこと〔のあれこれの程度〕について
 感官の仮象をめぐる技巧的な戯れについて <眩惑(自然ー技巧的、錯覚ー欺瞞)p56>
 許すことのできる道徳的な仮象〔ふり〕について
 五つの〔外的〕感官について
  触覚の感官について
  聴覚〔の感官〕ついて
  視ること〔視覚〕の感官について
  味覚と嗅ぐこと〔嗅覚〕の感官について
  外的諸感官に関する一般的な注
  いくつかの問題
 内的感官について
 感官感覚の強度が増減する原因について
  a 対 照
  b 新 鮮
  c 交 替
  d 〔感覚の〕充足状態に至るまでの漸増     
 感官能力の抑止、衰弱、全面喪失について
 構想力について
 種類の違いに応じた感性的創像能力について
  A 造形の感性的創像能力について
  B 連想の感性的創像能力について
  C 親和の感性的創像能力〔について〕
 構想力によって過去のことや未来のことを現在化する能力について
  A 記憶について
  B 先見能力(予見)について
  C 占い師の天分(予言者の能力)について
      <預言(経験則による自然的なもの)占言(既知の経験則に反したもの)、霊的預言(超自然的なものにもとずく霊感)に分けられる。p112>
 健康状態における意のままにならない創像、すなわち夢について
 表示能力(記号の能力)について  <スウェーデンボルグ=夢想p118>
  追 記
 悟性に根拠をおくかぎりでの認識能力について 
  分 類
 上位の三つの認識能力相互の人間学的な比較 
             <人間学遺稿では、上位の3つの認識能力のうちの悟性における、神学/法学/医学、及び啓蒙についての考察がある。p358->
 認識能力に関するかぎりでの魂の弱さと病いについて
  A 一般的な分類 <認識能力の欠陥=弱さ/病気(鬱病/狂気)p133>
  B 認識能力における心の弱さについて
  C 心の病いについて
  雑 注
 認識能力におけるいくつかの才能について
 比較する機知と詭弁を弄する機知との種別的な差異について
  A 生産的な機知について
  B 明敏または探究の才について
  C 認識能力の独創性または天才について <発明/発見。p165>

第二編 快と不快の感情〔について〕
  分 類
 感性的な快について
  A 愉快なものに関する感情、すなわち何かある対象を感覚するときの
    感性的な快について
   具体例による解明
   退屈と気晴らしについて <退屈→自殺p178、人生の短さp180>
  B 美しいしいものに関する感情、すなわち反省された直観における
    一部は感性的で一部は知性的な快について、または趣味について
   趣味は道徳性を外から促進する傾向を含んでいる
 趣味についての人問学的な診断
  A 旅行の趣味ついて
  B 技芸の趣味について
  贅沢について

第三編 欲求能力について
 興奮についてーー情念と対照して
 特に興奮について
 A 心による興奮の制御について
 B さまざまな興奮そのものについて
 臆病と勇敢について
 目的からすると逆効果に働く興奮について(魂の手に負えない衝動)
 自然が健康を機械的に促進するときに用いる興奮について
  総 注
 情念について 
 情念の分類 <自然/文化  A自由奔放の傾向性・性・(B復讐欲)/C名誉欲・権勢欲・所有欲 p230->
  A 情念としての自由奔放の傾向性について
  B 情念としての復讐欲〔の傾向性〕ついて
  C 情念としてべ他人に対して何らかの影響力をもつ能力に
    執着する傾向性について
   a 名誉
   b 権勢欲
   c 用心欲
 情念としての熱中〔狂想〕する傾向性について
 肉体的な最高善について
 道徳的かつ肉体的な最高善について <安楽←→徳。交際p244。食事p245>

第二部 人間学的な性格論
     人間の内面を外面から認識する方法について
  分 類
 A 個人の性格
  Ⅰ   気だてについて
  Ⅱ 気質について
   1 感情にまつわる気質
    A お調子者の多血質
    B 苦虫君の気鬱質
   2 活動の気質
    C お山の大将の胆汁質
    D 沈着冷静型の粘液質 <図↓p263>

C____A
胆    多
汁    血
質    質
|    |
|    |
D____B
粘    気
液    鬱
質    質

岩波カント全集15巻263頁より
ABは感情、CDは活動の気質に分類される。季節でいえば春秋夏冬の順である。通常の四体液説とは順番が違う。

  Ⅲ 心構えとしての性格について
   人間に一つの性格が備わっているかいないかから直ちに帰結する諸性質について
  人相術について
   人相術への自然の誘いについて
  人相術の分類
   A 目鼻の形について
   B 面貌に見られる性格的なものについて
   C 顔癖から読み取れる性格的なものについて
   他愛のない余談の数々
   D 男女の性格
     とりとめのない覚え書き
     いくつかの実用的な結論
   C 国民の性格〔国民性〕
   D 人種の性格
   E 人類の性格
    人類の性絡描写の概要 <権力と、自由と法律、p326試作図↓。善と悪p330>


   権 力
    |
 野蛮C|専制政治B
____|_____法律と権力
無政府A| 共和制D
    |
  自由と法律

p326
(法律の捉え方が一般と違う?)


 自由  権力  法律
____    ____A無政府
    ________B専制政治
    ____    C野蛮
____________D共和制


        _______________________



書評=フーコー『カントの人間学』:メモ(再送) 

重要なのは7章の「源泉・領域・限界」の『論理学』と『オプス・ポストゥムム』(遺稿、遺作)に触れた箇所だろう。

『論理学』での文法上の
「主語」「述語」「繋辞」(96頁)がそれぞれ、
『オプス・ポストゥムム』の
「源泉・領域・限界」、
つまり
「神」「世界」「人間」(94頁)に対応し、
さらに『第一批判』の
「理性」「知性」「感性」(106頁)、
全体系では
「純粋理性」「実践理性」「判断力」(106頁)に対応する、という指摘は参考になった。

(三幅対を強調すれば以下の図のようになるだろう)

   神 _________ 世界    遺稿
(源泉)|\       /|(領域) 
    | \人 間 学/ |     
  主語|__\   /__|述語    論理学
    |\  \人間  /|     
    | \ (限界)/ |      
  理性|__\ | /__|知性    能力  
    |\  \繋辞  /|     
純粋  | \  |  / |実践       
理性批判|__\_|_/__|理性批判  批判書(↑レベル)
     \  \感性  /  
      \  |  /
       \ | /
        \判断力批判


あるいは(ア・プリオリな認識の場所を強調した場合)、

           _________
        感性|   人    /|判断力
        / |  間    / |
       /知性__学___ /  |実践理性
人間(限界)|   |     |繋辞 |  
      |_理性|_____|___|純粋理性_______
世界(領域)|   |     |述語/|      ア
      | 能力|_____|_/_|批判書  プ・ 
神(源泉)_|_ /______|主語/______リ__
      | /       | /      オ
遺稿    |/________|論理学     リ


全体系は、


          __________________________________ 
         /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
        / |              / |              / |
       /  |             /  |             /  |プ
      /___|____________間___|____________/   |
     /|   |           /|   |    (快、不快) /|   |ス
    / |   |          / |   |          / |   |
   / (欲求) |  学      / (性格論)|         /  |   |・
  /___|___|________/___|___|________/   |   |
 |    |   |       |    |   |       |    |   |ポ
 |永   |   |       |    |   |       |    |  論|
 |遠   |   |       |    |   |       |    |   |ス
 |平   |   |_______|____|___|_______|____|__理|
 |和   |  /|       |    |  /|       |    |  /|ト
 |の   | / |  自   然| の  |形/ |而   上  |学   | /学|
 |た   |/  |       |    |/  |       |    |/  |ゥ
 |め   |___|_______|____|___|_______|____|   |
 |に  /|   |     (徳|論) /|   |       |   /|   |ム
 |  / |人 倫|の      |  / |理性の限界内における |  / |   |
 | /(法学)  |形 而 上 学| /宗教(目的論)       | /  |   |ム
 |/___|___|_______|/___|___|_______|/   |   |
 |    |   |       |    |   |       |    |   |
 |    |   |       |    |   |       |    |   |
 |    |   |_______|____|___|_______|____|___|
 |    |  /        |    |  /(空間)(時間)|(数学)|  / 
 |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
 |    |/          |    |/(物理学)     |    |/
 |    |___________|____|___________|____/
 |   /         (倫理|学) /          (美|学) /
 |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
 | /              | /(目的論)         | /
 |/_______________|/_______________|/




カント『視霊者の夢』1766年
- 『形而上学の夢によって解明された視霊者の夢』Träume eines Geistersehers, erläutert durch Träume der Metaphysik

カントは 『視霊者の夢』を 「形而上学的結び目」としての霊の考察から始めている。霊とは何か。霊は存在するのか、霊という語は何を意味しているか。これらの問いに対して、カントは 「大学の方法的な饒舌」を否定 す る こ と か ら 始 め 、 「私 は 何 も 知 ら な い 」とい う ソ ク ラ テ ス 的 無 知 を 出 発 点 と し て い る 。
し か し霊 と い う 言 葉 は 、 そ れ が 幻 影 で あ れ 、 現 実 的 な も の で あ れ 一 般 に 使 用 さ れ て い る こ と は 事 実 で あ る 。 し たがってその 「隠れた意味」が開示されなければならない。カントは 「霊的」という語を 「物質的」という語と の対比において考察を進める。「物質的」とは、(1)ある空間内において存在 (延長)し 、(2)他の物質の侵入に 抵抗する何かがある (不可入的)場 合をいう。
それらの合成が、不可入的かつ延長的な全体を与える単純な諸実体は、物質的統一 と称されるが、それ らの 全 体 は 、 物質と 呼 ば れ る 。
 これに対 して 「霊的」とは、(1)不可入性の特性を具有せず、(2)それをどんなに集め合わせても一つの固い全 体を形づくることはない。
この種の単純な存在者は非物質的存在者と名づけられ、またもしそれらが理性を持つ場合は、霊と名づけられる。 霊は、(1)単純な実体として空間内に現存し、活動性を持つが空間の充実としての抵抗をもたず、物質的存在 者に対しても可入的である。(2)直接的現在の場所は点ではなく、それ自体一空間であるが延長を持たない。延 長の限界が形を定めるのであるから、霊は如何なる形も考えられない。
ところで、いま 「人間の魂」が一つの霊であるとすれば、それは次のように考えなければならない。(1)物体 界における人間の魂の場所は、その変化が私の変化があるような物体である。すなわち私の身体が私の魂の場所 である。 (2)身体内の私の魂の場所については、「私が感覚するところに私は在る」とされている。カントは 霊の活動性、可入性、無延長性等の特性から推測して、人間の魂についても、それを脳髄の極小部分に閉じ込め るような物体的考え方をせず、私の身体において私の感ずるところに在るという考え方をしている。
以上がカントの霊の規定であるが、この際問題は、霊という超経験的概念に対するカントの認識論的基本姿勢 にある。注目すべき特徴をあげると、まず 「普通の経験を頼りにして」考察が進められていることである。そ れは端的には 「常識の立場」である。「常識は、真理を証明し、また解明しうる諸根拠を洞察する以前に、しば しば真理に気づく」からである。次に、この経験を頼 りにする常識の立場が、直ちに経験論の立場を意味する ものではないことである。この点に関しては、カントは極めて慎重である。「霊的と名づけられるような種類の 存在者が一体可能であるかどうか」。カントは自問して、次のように自戒している。
この際私はこの最も深遠で最も不分明な問題において、最も容易に切迫してくる性急な決定を警戒せざるをえない。
http://www.fukushima-nct.ac.jp/~welfare/lib/arc_fnct/47/06-008.PDF


「悟性の秤りは、やはりまったく偏りがないわけではない、つまり未来への希 望という銘をもつその腕木は、その腕木についている皿に乗る軽い根拠でも、他の側のそ れ自身ではより大きな重みの思弁を高くはね上げるような機構的な利点をもっている。こ れは、私が恐らく除きえない、また実際決して除こうとは思わない唯一の不正である」

「しかし、死とともにすべてが終わるという思想に堪えることができ、また その高貴な心術が未来への希望にまで高められなかったような誠実な心は、いまだかって なかったであろう。したがって、来世への期待を善良な心の感情の上に基礎づける方が、 逆に心の正しい態度を来世への希望の上に基礎づけるより、人間性と道徳の純粋さに一層 適合しているようにおもわれる」

http://www.kochinet.ed.jp/ko-rinri/pdf_data/

近代批判の鍵 - 柄谷行人
http://www.kojinkaratani.com/jp/essay/post-36.html>
カント論に関して、私はこの本(『理性の不安』)から決定的な影響を受けた。私の『トランスクリティーク…カントとマルクス』という著作は、『視霊者の夢』からカントの可能性を見る坂部氏の本なしにありえなかった、といっても過言ではない。しかし、最初に『理性の不安』を読んだとき、私はむしろそれを文学評論として読んだのである。というのも、坂部氏は、カントの『視霊者の夢』に関して何よりも、「自己を嘲笑する」ことから始めるカントの書き方に注目していたからである。氏はそこに、ディドロやスターンの文学との共時的な類似を見出している。一八世紀の小説では、サタイヤや書簡体など多種多様な表現形式がとられたが、一九世紀に「三人称客観」の手法が確立したとき、それらは未熟な形式として抑圧されてしまった。 「三人称客観」の視点は仮構であるが、それはカントでいえば、「超越論的主体」という仮構に対応するものである。逆にいうと、カントが超越論的主体を仮構した時点で、小説に生じたのと同じことが哲学におこった。坂部氏がとらえたのはそのような変化である。『視霊者の夢』に見られるカントの「理性の不安」や多元的分散性は、『純粋理性批判』では致命的にうしなわれてしまった、と坂部氏はいう。カントの柔軟な思考と文体は、「学校の文体といわば妥協し、伝統的な形而上学の枠どりに何らかの程度復帰して、自己の思考の社会化に乗り出すと同時に、必然的にうち捨てられることになる」(「カントとルソー」{坂部恵集第2巻}p232)。 とはいえ、坂部氏は、『純粋理性批判』よりも『視霊者の夢』のほうが重要だといっているわけではない。坂部氏がいいたいのは、『純粋理性批判』あるいは「批判哲学」は、それよりも前の『視霊者の夢』から見るとき、別の可能性、つまり、近代哲学を超える可能性をもちうるということである。すなわち、坂部氏は、近代批判の鍵を、近代以前にさかのぼるかわりに、十八世紀半ば、すなわち、啓蒙主義とロマン主義の境目の一時期に求めたのである。そこでは、もはや啓蒙的合理性が成り立たなくなっている。にもかかわらず、そこであくまで啓蒙的スタンスを維持しようとするならば、「自己嘲笑」的なスタイルによってしかありえない。カントが『視霊者の夢』でとった文体は、そのような苦境が強いたものである。
「近代批判の鍵」・『坂部恵集1』月報(岩波書店)より


※定本『トランスクリティーク』335頁におけるカント『人間学』引用部分、孫引き

  年若き人よ。満足してしまうこと(悦楽、耽溺、恋愛等等のことどもについて)のないようにさ
 れるがよい。それはこのような満足を全くもたずにすまそうとするストア的な考え方に従うので
 はなくて、ますます増大する享楽をいつも前途にもっていようとする、洗練されたエピクロス的
 な考えからいうのである。このようにあなたの生の感情の現金所有額を倹約することは、享楽を
 延期することによって、——よしんば生涯の最後に達して所持現金の使用を概ね断念することに
 なろうとも、——実はあなたをより富んだ人にするのである。享楽を意のままにすることができ
 るという意識は、一切の観念的なものがそうであるように、かの、享楽とともに消尽し、かくし
 て全体の量を滅少させながら感官を満足させるところの一切のものにも増して有効であり、かつ
 その及ぶ範囲が広大なのである、(『人間学』第一篇二五d、坂出徳男訳、岩波文庫)80頁


   


Kant's handschriftlicher Nachlaß
    Anthropologie.
岩波書店版カント全集第15巻(335-339頁)  A版 第15巻 55-899頁(抄訳)
カント遺稿 
 人間学
目 次

I 人間学への覚書集
  人間学の課題と区分について
第一部 人間学的な教訓論
 第一編 認識能力について
  自分自身を意識することについて(省略)
  自分の表象が自由に意識できることについて
  自分白身を観察することについて(省略)
  われわれが意識しないまま抱いているたぐいの表象について
  自分の表象を意識する際の判明性と非判明性について
  悟性と対照された感性について
  感性の弁護ーー感官の仮象をめぐる技巧的な戯れについてーー許すことのできる道徳的な仮象
  について
  認識能力が一般になしうることについて(省略)
  五感についてーー内的感官について
  感官感覚の強度が増減する原因について(省略)
  感官能力の抑止、衰弱、全面喪失について(省略)
  構想力について
  さまざまな種類の感性的創造能力について
  構想力によって過去のことや未来のことを現在化する能力について
   A 記憶について(省略)
   B 先見能力についてーーC 占い師の天分について
  健康状態における不随意な関係、すなわち夢について
  表示能力(記号の能力)について(省略)
  悟性に根拠をおくかぎりでの認識能力についてーー区分(省略)
  上位の三つの認識能力相互の人間学的な比較
  生産的な機知について
  認識能力に関するかぎりでの魂の弱さと病いについて
   A 一般的な区分ーーーC 心の病いについて
   B 認識能力における心の弱さについて
  認識能力における諸才能について(省略)
  比較する機知と理屈をこねる機知との種別的な差異について
   A 生産的な機知について
   B 明敏または探究の才について(省略)
   C 認識能力の独創性または天才について(省略)
 第二編 快と不快の感情
  区分(省略)
  感性的な快について
   A 愉快なものに関する感情、すなわち何かある対象を感覚するときの感性的な快について
   B 美しいものに関する感情、すなわち、反省された直観における一部は感性他で一部は知性的
     な快について、または趣味についてーー認識能力の独創性または天才について
  贅沢について(省略)
 第三編 欲求能力について
  特に興奮について
   A 心による興奮の支配について
   B さまざまな興奮そのものについて
  臆病と勇敢について
  自然が健康を機械的に促進するときに用いる興奮について(省略)
  情念について(省略)
  情念としての、他人に対して何らかの影響をもつ能力に執着する傾向性について
   a 名誉欲
   b 権勢欲
   c 所有欲(省略)
  肉体的な最高善について
  道徳的かつ肉休的な最高善について(省略)
第二部 人間学的な性格論
  区分(省略)
  A 個人の性格
   I 気だてについて(省略)
   II 気質について(省略)
   III 心構えとしての性格について
   人相術について
  B 男女の性格
  C 国民の性格     
  D 人種の性格(省略)
  E 人類の性格
  F 年齢の性格


II 一七七〇年代の講義草稿より

III 一七八〇年代の講義草稿より

一三五五
 ドイツの国民精神について。
 諸民族が合流するよりは、反発力によって互いに抗争するというのが、摂理の意図するところであるので、国と
しての自負とか、国同士の憎み合いなどは、諸国家を分離しておくために、不可避のこととなる。それゆえ、ユダ
ヤ人やトルコ人のように、他のすべての宗教は呪われた邪教であると信じている場合には、宗教を理由として、ま
た、他の民族はみな不器用で無知であると信じているところでは、悟性のうぬぼれが理由となって、あるいはまた、
誰もがわが民族の前に恐れおののかねばならぬと信じている場合には、勇気を理由として、さらに、他の民族はみ
な奴隷状態にあると思っている場合には、自由を理由として、いずれの場合も、ある民族は他国よりも自国を愛す
るのである。各国の政府はこの妄想を歓迎する。これが、われわれが本能に任せて互いに結合したり分離したりす
る、その世界編制のメカニズムなのだ。一方、理性はわれわれに法を与えて、本能は盲目だから、われわれの中の
動物性を導くことはするけれども、理性の格率によってとって代わられねばならない、と教えるのである。そうな 
るためには、ここに述べた国家の妄想は根絶やしにされるべきであり、祖国愛と世界市民主義がそれにとって代わ
らなければならない。

(同書410~1頁)

参考:柄谷行人『帝国の構造』(190~1頁)

81 件のコメント:


  1. http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2011/11/--2011-8232.html

     『人間学』の第一部は人間学的教授学で、人間の外部や内部を認識する方法について書かれています。

    第一編は認識能力についてです。

     その第一に、人間が自我を持っているために、人格を持ち、意識の統一性を持っている、というところから始まります。

     利己について、自分自身の観察について、感性と悟性など、認識論の諸問題が書かれています。面白いのは、預言者的天賦という項目があリます。それには、預言(経験則による自然的なもの)占言(既知の経験則に反したもの)、霊的預言(超自然的なものにもとずく霊感)に分けられるという。自分は超自然的な洞察をすると言ったら、彼は占いをするものと言わなければならない。カントは占いの欺瞞について述べ否定をしています。理性、悟性を重視するカントらしい立場です。

     認識能力に関しての、心の弱さ、病気というところではいろいろな例が示されています。精神薄弱とか愚鈍とか精神病などについていろいろ書かれています。精神医学のもとになるような記述です。また逆にさまざまな才能についても書かれています。天才とは何かなども書かれています。

    第二編は 快・不快の感情についてです

     快には感性的快と知性的快があるという。 

     趣味とは何かについて、いろいろのべられています。理想的な趣味は道徳性の外的促進に向かう傾向を含むものであるという。趣味に対する人間学的注意ということに関して、具体的に流行趣味について、芸術趣味についてと書かれています。

     最後に贅沢についてで。贅沢とは、共同体において、趣味を持って営まれる社交的逸楽的生活の過度である。これはなくてすませる浪費であり、趣味を伴わない場合は耽溺という。耽溺は人を病的にする。 いろいろと言葉の定義と、具体例が多いのですが、訳が固いのでかなり難しく感じてしまいます。最近の全集の中の人間学の訳はもう少しわかりやすくなっています。

    ◎ 例 カント全集 15 「人間学」 渋谷治美訳 2003年11月27日 岩波書店

    第三篇 欲求能力について

     欲望とは、その結果として生じた、ある未来のものの表象によって主観の力が自らを規定することである。難しい表現ですね。理性で抑えられないことを激情と言います。どうするか決まらないが現在での快不快の感情は情緒という。情緒が多ければ激情は少ない。

     フランス人はその快活さによって、イタリア人やスペイン人、インド人中国人より気分が変わりやすい、しかし後者は深く恨みを抱き復讐を試みる、などと書いています。 他人を自分の思い通りにしたいという欲望な表れとして、名誉欲、支配欲、所有欲がある。

     善についても書かれています。善には自然的善、と道徳的善とがある。 交際において、逸楽と徳とを合致せしめるという心術が人間性である。真の人間性と、まだしももっともよく調和するように思われる逸楽生活は、よき会食者達と共にとる食事(サロン)である。~ただ一人で食事することはいやしくも哲学する学者にとっては、不健康である。

     カントは、親しい人たちと会食しながら会話することを何より楽しみにしていました。そのメンバーは学者だけではなく様々な人たちがふくまれていました。何か気難しそうに見えるカントは、じつは楽しく会食し、ユーモアにあふれた人だったのです。

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格

    ①個人の性格では、気質について4つの基本型についてせつめいしています。気質や性格に関してのべていることはのちの心理学のもとになる考察をたくさん含んでいます。

     個人の性格のなかに「観相術について」という項目があリます。観相術とは、「ある人の可視的形態から、したがって外的なものからその人の内的なもの(心)を測定する技術である」と定義しています。人相術の好きな筆者にとって大変面白いと思ったところなので、ご紹介します。カントはいいます。「人相から人の性格をのべることはできるがこれは決して一つの科学となるものではない」と。これは概念的にのべられるものではなく、直感的にのべられることだからだと言っています。

     観相術の分類として、A顔立ち、B容貌、C習慣的な顔の表情に示された性格的なものについての三つがのべられています。

    いくつか書いてみます。 

    1、どこもかも、整った規則正しい顔は精神を欠いて、ごく平凡な人間であることを示す

     2、醜悪というのは、物を言うや否や陰険な笑いを浮かべる人、面と向かって相手の顔を覗き込み、自己に関する相手の判断などはものの数ともしない鉄面皮なそぶりをする人である。怪奇な恐ろしい顔をしている人でも、自分の顔について冗談を言えるほどの善良で快活な心を示していることがある。そういうのは決して醜いとは言わない顔である。また身体的に問題のある人を軽蔑することに、カントは怒りを覚えています。又、自国民以外の人たちの顔を、嘲笑する傾向がある。それをカントは非難しています。 

    3、表情とは活動している容貌である。情緒の印象はいかなる表情をもってしても隠しておくわけにはいかない。いかに苦心しても覆い隠すことができない。 その他いろいろ興味深い考察が書かれています。

    ②、両性の性格 男女の違い、特に女性に対しての考察がいろいろ書かれています   女性には、文化にとってなくてはならぬ繊細な感覚ーすなわち社交性と礼儀正しさに対する感覚を持っていること。男性は女性によりしつけよき礼儀をもつことになったと評価し、女性による社会の教化、および醇化という大きな役割を果たしていると評価しています

    ③ 民族の性格 各国国民の傾向について様ざまにのべています。民族学、人類学のもとにもなる考察です。

    ④ 人類の性格  人間は理性能力を与えられた動物として自己みずからを理性的動物たらしめる。人類が、教化によって文明化すること、人間は訓育並びに錬成(規律)に関して教育が可能であるし、又これを必要とする。           




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  2. また、同 じく『人倫の形而上学の基礎づけ』にお
    ける定言的命法の第一導出法式「汝の行為の格率が 汝の意志によって、あたかも普遍的自然法則となる べきかのように行為せよ」(36)(Handle so, als ob die Maxime deiner Handlung durch deinen Willen zum AllgemeinNaturgesetzewerdensollte.)(37)の適用に関 して、借りた金を返済する意志がないにもかかわら ず、金を返すという虚偽の約束をして他者から金を 借りることについて、次のようなことを述べている。 すなわちその要旨は、「自愛の原理に基づいて虚偽 の約束するという私の格率が、普遍的法則となった としたら、その場合、どのような事態が生起される であろうかと問を立ててみると、虚偽の約束をする という私の格率は、決して普遍的自然法則としては、 妥当することはできないことが理解される。私の自 愛の原理に基づいて成り立っている格率を普遍的法 則にすれば、私自身を否定せざるをえないという結 論にならざるをえなくなる」と。つまり、格率=普 遍的法則が普遍的に成り立たなければ、道徳は成立 しないのである。ここで、ルソー(Jean-Jacques Rousseau 1712-78)の著書である『社会契約論』(岩 波文庫)における「特殊意思」と「一般意思」とい う用語を借用させてもらうならば、第一導出法式を 分析・考察すると、格率は、「特殊意思」を表し、普 遍的法則は「一般意思」を表していると考えるかぎ りにおいて、この法式は、「特殊意思」としての格率 を、「一般意思」としての普遍的法則に合致させるこ とによって、「善なる意志」を実現させることを命ず る。したがって、この法式は、自己の「特殊意思」 が、他者一般によって肯定され、支持される「一般 意思」と合致させうる、「善なる意志」を実現させよ と、命令するのである。つまり、定言的命法は、す べての他者一般という「一般意思」を顧慮し、他者 の立場に自己をおく「共通感覚」(38)根ざした道徳的 「公共主義」(Pluralismus)の原理に基づく、自己と 他者との人格の相互尊重を基調とする世界公民的共 同体の法則としてつくられているである。プルラリ スムス(Pluralismus)に関して、カントは、

    「エゴイ ズム(Egoisumus)に対立せられうるのはプルラリス ムス(Pluralismus)だけである。それはすなわち全世界を自己の中に包みもっているものとして、自 分を見なしたり振舞ったりするのではなく、自分を 一人の単なる世界公民として考え、また振舞うよう な考え方のことである」(39)

    と述べ、プルラリスムス、 つまり、公共主義こそが自愛の原理と対決して、世 界的公民的共同体への道を広げうる解決策を可能と する原理であると主張している。エゴイズムは、自 愛の原理に基づいて自身の幸福のみを求めるばかり で、普遍的に妥当する世界公民的な道徳原理がない がゆえに、独り善がりであるとともに自己と他者と が人格を相互に尊重し合う関係を欠くばかりでなく、 絶えず自己と他者とのあいだに潜在的敵対関係を生 じさせて、さらに悪循環的にエゴイズムを助長させ ていく。それゆえに、プルラリスムス(Pluralismus) を強固にしていくことこそが、悪循環を断ち切り、 エゴイズムを克服していけるのである。

    (37)Grundlegung zur Metaphysi der Sitten. Felix Meiner Verlag. S.45 (38)カント著、牧野英二訳『判断力批判(上)』(『カ ント全集8巻』所収、岩波書店、1999、p.179-182 (39)カント著、山下太郎・坂部 恵訳『人間学』

    http://atlantic2.gssc.nihon-u.ac.jp/kiyou/pdf03/3-20-2002-Fukatu.pdf#search='カント+人間学+pdf'

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  3. Pluralismus 多元主義

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  4. また、同 じく『人倫の形而上学の基礎づけ』にお
    ける定言的命法の第一導出法式「汝の行為の格率が 汝の意志によって、あたかも普遍的自然法則となる べきかのように行為せよ」(36)(Handle so, als ob die Maxime deiner Handlung durch deinen Willen zum AllgemeinNaturgesetzewerdensollte.)(37)の適用に関 して、借りた金を返済する意志がないにもかかわら ず、金を返すという虚偽の約束をして他者から金を 借りることについて、次のようなことを述べている。 すなわちその要旨は、「自愛の原理に基づいて虚偽 の約束するという私の格率が、普遍的法則となった としたら、その場合、どのような事態が生起される であろうかと問を立ててみると、虚偽の約束をする という私の格率は、決して普遍的自然法則としては、 妥当することはできないことが理解される。私の自 愛の原理に基づいて成り立っている格率を普遍的法 則にすれば、私自身を否定せざるをえないという結 論にならざるをえなくなる」と。つまり、格率=普 遍的法則が普遍的に成り立たなければ、道徳は成立 しないのである。ここで、ルソー(Jean-Jacques Rousseau 1712-78)の著書である『社会契約論』(岩 波文庫)における「特殊意思」と「一般意思」とい う用語を借用させてもらうならば、第一導出法式を 分析・考察すると、格率は、「特殊意思」を表し、普 遍的法則は「一般意思」を表していると考えるかぎ りにおいて、この法式は、「特殊意思」としての格率 を、「一般意思」としての普遍的法則に合致させるこ とによって、「善なる意志」を実現させることを命ず る。したがって、この法式は、自己の「特殊意思」 が、他者一般によって肯定され、支持される「一般 意思」と合致させうる、「善なる意志」を実現させよ と、命令するのである。つまり、定言的命法は、す べての他者一般という「一般意思」を顧慮し、他者 の立場に自己をおく「共通感覚」(38)根ざした道徳的 「公共主義」(Pluralismus)の原理に基づく、自己と 他者との人格の相互尊重を基調とする世界公民的共 同体の法則としてつくられているである。プルラリ スムス(Pluralismus)に関して、カントは、

    「エゴイ ズム(Egoisumus)に対立せられうるのはプルラリス ムス(Pluralismus)だけである。それはすなわち全世界を自己の中に包みもっているものとして、自 分を見なしたり振舞ったりするのではなく、自分を 一人の単なる世界公民として考え、また振舞うよう な考え方のことである」(39)

    と述べ、プルラリスムス、 つまり、公共主義こそが自愛の原理と対決して、世 界的公民的共同体への道を広げうる解決策を可能と する原理であると主張している。エゴイズムは、自 愛の原理に基づいて自身の幸福のみを求めるばかり で、普遍的に妥当する世界公民的な道徳原理がない がゆえに、独り善がりであるとともに自己と他者と が人格を相互に尊重し合う関係を欠くばかりでなく、 絶えず自己と他者とのあいだに潜在的敵対関係を生 じさせて、さらに悪循環的にエゴイズムを助長させ ていく。それゆえに、プルラリスムス(Pluralismus) を強固にしていくことこそが、悪循環を断ち切り、 エゴイズムを克服していけるのである。

    (37)Grundlegung zur Metaphysi der Sitten. Felix Meiner Verlag. S.45 (38)カント著、牧野英二訳『判断力批判(上)』(『カ ント全集8巻』所収、岩波書店、1999、p.179-182 (39)カント著、山下太郎・坂部 恵訳『人間学』 (『カント全集 14 巻』所収)、理想社、1966、p.34

    http://atlantic2.gssc.nihon-u.ac.jp/kiyou/pdf03/3-20-2002-Fukatu.pdf#search='カント+人間学+pdf'

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  5. http://books.google.co.jp/books/about/Anthropology_from_a_Pragmatic_Point_of_V.html?id=TbkVBMKz418C&redir_esc=y


    目次

    Introduction
    3
    On the Cognitive Faculty
    9
    of Them
    18
    On the Admissible Moral Perception
    37
    Based on Understanding
    90
    On the Souls Weaknesses and Illnesses with
    97
    On the Feeling
    130
    On the Faculty of Desire
    155
    On the Highest Ethicophysical Good
    185
    a The Character of the Person
    195
    b The Character of the Sexes
    216
    The Character of Nations
    225
    On the Character of Races
    236
    著作権

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  6. http://www.questia.com/library/953198/anthropology-from-a-pragmatic-point-of-view

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  7. Table of contents
    The first page of every section is available free to non-members – click a section heading to start reading now!

    Title Page iii
    Contents v
    Preface viii
    Introduction xi
    [119] Introduction 3
    Part One - Anthropological Didactic On the Art of Knowing the Interior As Well as the Exterior of Man 7
    First Book - On the Cognitive Faculty 9
    [230] Second Book 1 - On the Feeling of Pleasure And Displeasure 130
    [251] Third Book - On the Faculty of Desire 155
    Part Two - Anthropological Characterization On How to Know a Man's Interior From His Exterior 193
    Notes / Index 253
    Notes 255
    Index 291

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  8. http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2011/11/--2011-8232.html

    『人間学』 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版

    第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について書かれています)

     第一編 認識能力について
     第二編 快・不快の感情について
     第三篇 欲求能力について

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格


              __________________________________      
             /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
            / |              / |              / |
           /  |             /  |             /  |プ
          /___|____________間___|____________/   |
         /|   |           /|   |   (/快、不快) /|   |ス
        / |   |          / |   |個人、民族     / |   |
       /(/欲求) |  学      /(性格論/)|  +      /  |   |・
      /___|___|________/___|___|両性、人類___/   |   |
     |    |   |       |    |   |       |    |   |ポ
     |永   |   |       |    |   |       |    |  論|
     |遠   |   |       |    |   |       |    |   |ス
     |平   |   |_______|____|___|_______|____|__理|
     |和   |  /|       |    |  /|       |    |  /|ト
     |の   | / |  自   然| の  |形/ |而   上  |学   | /学|
     |た   |/  |       |    |/  |       |    |/  |ゥ
     |め   |___|_______|____|___|_______|____|   |
     |に  /|   |     (徳|論) /|   |       |   /|   |ム
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     | /(法学)  |形 而 上 学| /宗教(目的論)       | /  |   |ム
     |/___|___|_______|/___|___|_______|/   |   |
     |    |   |       |    |   |       |    |   |
     |    |   |       |    |   |       |    |   |
     |    |   |_______|____|___|_______|____|___|
     |    |  /        |    |  /(空間)(時間)|(数学)|  / 
     |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
     |    |/          |    |/(物理学)     |    |/
     |    |___________|____|___________|____/
     |   /         (倫理|学) /          (美|学) /
     |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
     | /              | /(目的論)         | /
     |/_______________|/_______________|/

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  9. http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2011/11/--2011-8232.html

    『人間学』 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版

    第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について書かれています)

     第一編 認識能力について
     第二編 快・不快の感情について
     第三篇 欲求能力について

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格


              __________________________________      
             /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
            / |              / |              / |
           /  |             /  |             /  |プ
          /___|____________間___|____________/   |
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       /(/欲求) |  学      /  (性格論/  +    ) /  |   |・
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     |    |   |       |    |   |       |    |   |ポ
     |永   |   |       |    |   |       |    |  論|
     |遠   |   |       |    |   |       |    |   |ス
     |平   |   |_______|____|___|_______|____|__理|
     |和   |  /|       |    |  /|       |    |  /|ト
     |の   | / |  自   然| の  |形/ |而   上  |学   | /学|
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     | /(法学)  |形 而 上 学| /宗教(目的論)       | /  |   |ム
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     |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
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     |   /         (倫理|学) /          (美|学) /
     |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
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    『人間学』 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版

    第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について書かれています)

     第一編 認識能力について
     第二編 快・不快の感情について
     第三篇 欲求能力について

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格


              __________________________________      
             /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
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     |の   | / |  自   然| の  |形/ |而   上  |学   | /学|
     |た   |/  |       |    |/  |       |    |/  |ゥ
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    『人間学』 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版

    第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について書かれています)

     第一編 認識能力について
     第二編 快・不快の感情について
     第三篇 欲求能力について

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格


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     |遠   |   |       |    |   |       |    |   |ス
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    『人間学』 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版

    第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について書かれています)

     第一編 認識能力について
     第二編 快・不快の感情について
     第三篇 欲求能力について

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格


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    『人間学』 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版

    第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について書かれています)

     第一編 認識能力について
     第二編 快・不快の感情について
     第三篇 欲求能力について

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格


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    『人間学』 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版

    第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について書かれています)

     第一編 認識能力について
     第二編 快・不快の感情について
     第三篇 欲求能力について

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格


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  15. 『判断力批判』の序論(いわゆる第二序論)では,
    〈技術的一実践的〉(technisch-Praktisch)と
    〈遣徳的一実践的〉(moralisch-praktisch) の区別が挙げられている。この区別のもとには,かの自然哲学と道徳哲学の 区別,すなわち,自然概念の領域と自由概念の領域という区別が存すること は,明らかである。
    〈技術的一実践的〉は自然の領域でいわれ
    ,〈道徳的一実 践的〉は自由の領域でいわれる。

    http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/4508/1/92081_247.pdf#search='人間とは何だろうか」(Was+ist+der+Mensch?+純粋理性'

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  16. yoji5:21 午後
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    『人間学』 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版

    第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について書かれています)

     第一編 認識能力について
     第二編 快・不快の感情について
     第三篇 欲求能力について

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格


              __________________________________      
             /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
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     | /(徳論)  |形 而 上 学| /宗教(目的論)       | /  |   |ム
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     |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
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     |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
     | /(倫理)          | /(目的論)         | /
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  17. 上述の帰結をうけてなされていることの一つは,カントの「人間への問い」に着目することである.一その問いは次のように定式化されている. LWas kann ich wissen? 2.Was soll ich tun? 3.Was darf ich hoffen? 4.Was ist der Mensch? 1.私は何を知ることができるか.2.私は何をなすべきであるか.3私は何を希望してよいのか.4.人間とは何か.「1~3までの問いは,結局第4の問いに帰着乃至包摂されるから,第4の問いが,哲学の根本問題をあらわしている」と,これはカント自らが言明していることである. すぐに気付かれるように,この4つの問いの間にはある間隔,飛躍,位相の差がみとめられる.1~3においては主語はichであり,夫々komen, sollen, durfenという話法の助動詞を伴っている.第4にいた6ては主語はder Menschと一般化されて,直説法現在のse inを以て語られるのである. 1~3は権利の問題として,4は事実の問題としていいあらわされている. さて周知のように,この4つの問いは最初から4つであったのではない. a)最初に1~3の問いが「純粋理性批判」の先験的 方法論(1781,.1787/A805 B833)にあらわれる. 私の理性のすべての関心(思弁的ならびに実践的関心) は次のような三つの問いにまとめあげられる.すなわ ち〔1. 2.3.〕(前出)である.第1の問いは全く思弁的 問題である.(これはKrVで充分論じられた).第2問は全く実践的である.その性質上,純粋理性に属し はするが先験的問題ではなく道徳的問題であり,したがって,KrVの論究対象ではない(のちにKPVが論ずであろう.)第3問(これは「私がなすべきことをな したら私は何を希望することが許されるか」と布術さ れる)は,実践的・理論的問題である.希望はすべて幸福をめざす.そこで「幸福をうけるに値するように行為せよ」という命令(格率)が引き出され,「もし私が幸福に値するように振舞うならば,どうしたら私はそのような行状によって幸福にあずかりうるという希望をもっことが許されるか」というように具体化される.(これは宗教,神学の問題に至る).b)第4問が加わるのは著作(三「批判書」)ではなく,二つの講義「論理学」 (Logik)と「形而上学」(Metaphysik)においてである.1)「論理学」の公刊は1800年,G.B,イエシエ(GottloP Benjamin Jasche(1762~1842)による.Was aber Philosophie nach dem Weltbegriffe(in sensu cosmico)betrifft:so kann man sie auch eine rVtSsenschaft von der hδchstenル血X〃ne des GebraUCIZS unsrer Vernunft nennen, so fern man unter Maxime das innere Prinziip der Wahl unter verschiedenen Zwecken versteht.Denn Philosophie in der letztern Bedeutung ist ja die Wissenschaft der BeZiehung alles Erkenntnisses und Vernunft一

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  18. しかし,世界概念の上からの哲学に関しては,われわれが格率をいろいろな諸目的間の内的選択原理と解する限り,哲学はわれわれの理性使用の最高格率についての学問ともよばれうる。というのは後者の意味での哲学は,人間理性の究極目的に関するすべての認識および理性使用の関係の学問であり,最高目的としてのこの目的にはすべての他の諸目的が従属し,そしてこの目的において統一へと結合されねばならないからである.このような世界市民的意味における哲学の分野は,つぎの諸問題に帰着する.(1》私は何を知ることができるか.② 私は何をなすべきか.③ 私は何を希望してよいのか.(4)人間とは何か.第1の問いには形而上学が,第2の問いには道徳が,第3の問いには宗教が,そして第4の問いには人間学が答える.根本的にはわれわれは,これらすべてを人間学に数え入れることができよう.はじめの3つの問いは最後の問いに関係しているから.それ故哲学者はつぎのことを規定できなくてはならない.(1)人間的知識の源泉② すべての知識の可能的で有効な使用の範囲.(3)理性の限界最後のものはもっとも必要なもの,且つもっとも困難なものであるが,臆見を愛する者はそれに頓着しないでいる.2)「形而上学」の講義でも同じ内容が語られる.この方の公刊は1821年,K.L.ペーリツ(Karl Heinrich P61itz)による. この第4問が加わった講義はいつ行われたか.論理学及び形而上学講義の開始の時期とは一致しないとみられるので,その具体的な日付けはいつか,ということが問われることになる. それには,1793年5月4日,シュトイトリン宛の書簡が一つの目安を与える(あくまでも目安にとどまるが.)1793.5.4an Carl Friedrich Staudlin...Mein schon seit geraumer Zeit gemachter Plan der mir obliegenden Bearbeitung des Feldes der reinen Philosophie ging auf die Aufl6sung der drei Aufgaben:1)Was kann ich wissen?(Metaphysik)2)Was soll ich tun?(Mora!)3)Was darf ich hoffen?(Religion);welcher zuletzt die vierte folgen sollte:Was ist der Mensch?(Anthropologie;Uber die ich schon seit mehr als 20 Jahren jahrlich ein Kollegium gelesen habe)・-Mit beikommender Schrift:Religion innerhalb den Grenzen etc。 habe die dritte Abteilung meines Plans zu vollfUhren gesucht, in welcher Arbeit mich Gewissenhaftigkeit und wahre Hochachtung fUr die christliche Religion, dabei aber auch der Grundsatz einer geziemenden FreimUtigkeit geleitet hat,nichts zu verheimlichen, sondern, wie ich die m691iche Vereinigung der letzteren mit der reinsten praktischen・Vernunft einzusehen glaube, offen darzulegen・一一(純粋哲学の領域においてすでに久しい以前から私に課せられていた研究の計画は,三つの課題を解決することでした.すなわち第一に,私は何を知りうるか,(形而上学),第二に,私は何をなすべきか(道徳),第三に,私は何を希望してよいのか(宗教)がそれです.そして最後に第四の課題,すなわち人間とは何か(人間学.これについて私はすでに20年以上も年々講義を続けてきました

    http://ir.tokyo-kasei.ac.jp/metadb/up/kasei/2011_k_0679.pdf#search='人間とは何だろうか」(Was+ist+der+Mensch?+純粋理性'

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  19. カントがほぼ四半世紀(一七七二年の冬学期から一七九五年の冬学期まで)にわたって行なった人間学の講義、そして公刊された『実用的見地における人間学』(AnthropologieinpragmatischerHinsicht.1798)(以下『人間学』と略称)を、カント哲学の全体においてどう位置づけるかという問題、さらに、ここに言われる「純粋哲学」と人間学との関係といった問題は、別にお措かざるをえない*15。少なくともその発言につ即くかぎり、カントはみずからの探究活動を導く枢要な問いとして、「人間とは何か」(WasistderMensch?)という問いを立てていた。カントの思想的営為はこの問いにしゅうれん収斂していくものだったのである。本稿は、カント哲学から人間の顔を引き剥がし、しかもその責めはカントにあるとするような見方には、基本的に反対する。そうした基本的態度をもってカントの諸テキストに面するがゆえに、引用されたテキストが際立ってくるのである。そこでは、カントの視線ははっきりと人間の「現実存在」(Existenz)に向けられている。その上で「自己満足」が、さらには「幸福」、「徳」、「自由」が語られている。このテキストを理解し、その理解をもとにして、行為者あるいは行為する人間の姿をその現実存在を顧慮しつつ描き出すこと、つまり「人間の顔」を描き出すことが、本稿の最終的な目的である。したがって、本稿は部分的にであれ、現代の実践哲学で盛んに行なわれている議論にさお棹さしている。いまからおよそ四半世紀前の一九八四年、プライネス(J¨urgen-EckardtPleines)は『カントとアリストテレ

    http://www.wakayama-med.ac.jp/med/lasphieth/zettel/manzoku.pdf#search='カント+実用+Anthropologie'

    uberdieichschonseitmehrals20Jahrenj¨ahrlicheinCollegium gelesenhabe).周知のとおり、一から三の問いは『純粋理性批判』(KritikderreinenVernunft,1781,1787)の「超越論的方法論」(Die transzendentaleMethodenlehre)でも提示され論述されている(KrV,A804f.=B832f.)。また、イェッシェ編『論理学』(Immanuel Kant’sLogik:EinHandbuchzuVorlesungen)(Logik,IX.25)、ならびにペーリッツ編の形而上学講義では、四つの問いすべてが挙げられている。後二者の文言はほぼ同一だが、たとえば形而上学講義では、「哲学の分野は、世界市民的意味では次の問いに還元される」(DasFeldderPhilosophieinsensucosmopoliticol¨aßtsichauffolgendenFragenzur¨uckbringen)(ML2P¨ol, XVIII.533)とされたあとに四つの問いが列挙され、「これら[分野]をすべて人間学と呼んでもよいだろう。なぜなら、最初の三つの問いは最後の問いにつながっていくからである」(Mank¨onnteallesAnthropologienennen,weilsichdiedreiersten Fragenaufdieletzterebeziehen)と述べられる(ML2P¨ol,XVIII.534)。なお、この講義録の書誌については本稿p.93以下を参照されたい


    基礎づけ
    地球と火星という二つの惑星は、惑星系のちょうど中間の項であるから、それぞれの住人は他方、『道徳の形而上学』では、実践哲学一般の区分として道徳の形而上学と対をなす「道徳的人間学」(diemoralische Anthropologie)(MS,VI.217)が語られている。こちらの言い方もほかの箇所でなされていないこともあって、両者を同一と見なしてよいかどうか、さしあたり判然としない。*34以下において、『基礎づけ』にいたるまでのカントの所説を追跡するが、必ずしもカント実践哲学の発展史的記述を意図して


    いてよいだろう。『高慢な論調』同じように、もし私が、神の概念にほかの実在性を、つまり、神がそれによってみずからの外なる全事物の原因となる意志を措定するならば、その・満・足(acquiescentia)がみずからの外なる事物の現存在にまったく依存しないような存在者を、私は想定しなければならない。というのも、依存する*34「近世の……スコラ学」という言い方は奇妙に聞こえるかもしれないが、これで正しい。基本的文献として、ヴント(Max Wundt)の『一七世紀のドイツ講壇形而上学』(DiedeutscheSchulmetaphysikdes17.Jahrhunderts)[267]を、そして、既出のベックを参照されたい[21,esp.chap.VII]。*35ドイツの大学でドイツ語で講義がなされたのは、一六八七年、ライプツィヒ大学におけるトマージウス(ChristianThomasius, 1655–1728)が最初だとされる。ただしそれは、ラテン語と、当時の先進文化国家の言語であるフランス語をちりばめたものであったという。ドイツの人々がドイツ語を文化的学術的言語として精錬、豊饒化していく努力については、もちろん、ヴォルフならびにその学派の功績が大きい。ただし、先駆的貢献として、ライプニッツ(GottfriedWilhelmLeibniz,1646–1716)の名前も挙げなければならない。彼のドイツ語論二篇が収められた邦訳書『ライプニッツの国語論—ドイツ語改良への提言』[172]を、訳者解説とともに参照されたい。余談だが、現代の日本は英語教育やら英会話やらがかまびす喧しい。大学の教育は日本語ではなく英語で行なわれるべきだという声もある。泉下の彼らはこれをどう考えるであろうか
    としたら、それは制限(negatio[否定性…竹山補])ということになろうからである*36(VT,VIII.400, Anm.)。『人間学』だが、生きているあいだの・満・足(acquiescentia)ついてはどうであろうか。——それは、道徳的見地(立派な振舞いという点で自分自身に満足する)からいっても、実用的見地(熟練と怜悧によって手に入れようと目論む安息に満足する)からいっても、人間には達成不可能である*37(ApH,VII. 234f.)。他方、カントがSelbstzufriedenheitに対応させているラテン語は、本稿の出発点をなすテキスト(本稿p.2)で一度しか用いられない以上、公刊著作につ
    http://www.wakayama-med.ac.jp/med/lasphieth/zettel/manzoku.pdf#search='カント+実用+Anthropologie'


    しかし、この主張は、この人が幸福を欲求(願*70ここでは「成立する」と述べておく。いかなる様相において成立するのかは当然問題となる。*71エゴイズムについて『人間学』で行なわれている議論をここで参照するのが有益であろう。カントによれば、エゴイズムは「論理的」(logisch)、「美感的」(¨asthetisch)、「道徳的」(moralisch)の三種類に分けられる。実践的関心の僭越である道徳的エゴイズムの持ち主、すなわち「……道徳的エゴイストとは、・あ・り・と・あ・ら・ゆ・る・目・的・を・自・分・自・身・へ・と・限・定・し・てしまい、自分の役に立つものでなければ何の益も認めない者のことをいう。こういう人はまた幸福主義者として、みずからの意志の最上の規定根拠を利益と・自・分・の・幸・福・に・の・み・置・い・て、義務表象には置かない」(...istdermoralischeEgoistder,welcheralleZweckeaufsich selbsteinschr¨ankt,derkeinenNutzenworinsieht,alsindem,wasihmn¨utzt,auchwohlalsEud¨amonistblosimNutzenundder eigenenGl¨uckseligkeit,nichtinderPflichtvorstellungdenoberstenBestimmungsgrundseinesWillenssetzt.)(ApH,VII.130

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  20. http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2011/11/--2011-8232.html

     『人間学』の第一部は人間学的教授学で、人間の外部や内部を認識する方法について書かれています。

    第一編は認識能力についてです。

     その第一に、人間が自我を持っているために、人格を持ち、意識の統一性を持っている、というところから始まります。

     利己について、自分自身の観察について、感性と悟性など、認識論の諸問題が書かれています。面白いのは、預言者的天賦という項目があリます。それには、預言(経験則による自然的なもの)占言(既知の経験則に反したもの)、霊的預言(超自然的なものにもとずく霊感)に分けられるという。自分は超自然的な洞察をすると言ったら、彼は占いをするものと言わなければならない。カントは占いの欺瞞について述べ否定をしています。理性、悟性を重視するカントらしい立場です。

      預言
    占言霊的

    霊的占言
    預言

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  21. 霊的預言 経
    占言   験

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  22. 自然

    霊的預言 経
    占言   験

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  23.  自然

    霊的預言 経
    占言   験

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  24. http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2011/11/--2011-8232.html

     『人間学』の第一部は人間学的教授学で、人間の外部や内部を認識する方法について書かれています。

    第一編は認識能力についてです。

     その第一に、人間が自我を持っているために、人格を持ち、意識の統一性を持っている、というところから始まります。

     利己について、自分自身の観察について、感性と悟性など、認識論の諸問題が書かれています。面白いのは、預言者的天賦という項目があリます。それには、預言(経験則による自然的なもの)占言(既知の経験則に反したもの)、霊的預言(超自然的なものにもとずく霊感)に分けられるという。自分は超自然的な洞察をすると言ったら、彼は占いをするものと言わなければならない。カントは占いの欺瞞について述べ否定をしています。理性、悟性を重視するカントらしい立場です。


     自然

    霊的預言 経
    占言   験

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       /(/欲求) |  学      /(性格論/)|         /  |   |・
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     |和   |  /|       |    |  /|       |    |  /|ト
     |の   | / |  自   然| の  |形/ |而   上  |学   | /学|
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     |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
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     |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
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  28. 2)Martin Heidegger:Kant und das Problem der Metaphysik,1929。19512), S.187 ff.(また,とくにS.195.)カントが,(1彫而上学,(2)道徳③宗教としたのと異なり,(1)宇宙論,(2)心理学,(3)神学とする.

    「有限性は,純粋人間理性にたんに結びつくだけではなく,理性の有限性の有限化,すなわち有限で一あり一うることについてのSorge(配慮)であることが明らかとなる」.且つ「これら三つの問いはこの一つのもの,すなわち有限性をたずねるが故に,人間とは何かという第4の問いに関係づけられる」.且っ「第4の問いはたんに1~3の問いに付加されるのみでなく,1~3の問いから自己を解き放っ第1の問いに変化する」

    このように,様相の異にする権利問題としてでなく, もっぱら人間の有限性に関わる問題となる

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  29. http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2011/11/--2011-8232.html

    『人間学』 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版

    第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について書かれています)

     第一編 認識能力について
     第二編 快・不快の感情について
     第三篇 欲求能力について

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格


              __________________________________      
             /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
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       /(/欲求) |  学      /(性格論/)|  +   知性的/  |   |・
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     |永   |   |       |    |   |       |    |  論|
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     |和   |  /|       |    |  /|       |    |  /|ト
     |の   | / |  自   然| の  |形/ |而   上  |学   | /学|
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     |    |  /        |    |  /(空間)(時間)|(数学)|  / 
     |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
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     |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
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  30. http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2011/11/--2011-8232.html

    『人間学』 カント 坂田徳男訳 昭和27年(1952)岩波文庫版

    第一部 人間学的教授学(人間の外部や内部を認識する方法について書かれています)

     第一編 認識能力について
     第二編 快・不快の感情について
     第三篇 欲求能力について

    第二部 人間学的性格記述 (人間の内部を外部より認識する方法について) 

     分類 1.個人の性格 2、両性の性格 3、民族の性格 4、人類の性格


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  32. yoji4:02 午前
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     |    |   |_______|____|___|_______|____|___|
     |    |  /        |    |  /(空間)(時間)|(数学)|  / 
     |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
     |    |/          |    |/(物理学)     |    |/
     |    |___________|____|___________|____/
     |   /         (倫理|学) /          (美|学) /
     |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
     | /              | /(目的論)         | /
     |/_______________|/_______________|/

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  35.           __________________________________      
             /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
            / (//預言)         / |              / |
           / 視|             /  |             /  |プ
          /__霊|____________間___|____________/   |
         /|  者|           /|   |   (/快、不快) /|   |ス
        / |  の|          / | 個人、民族    感性的 / |   |
       /(/欲求)夢|  学      /(性格論/ +  )   知性的/  |   |
      /___|___|________/___|_両性、人類______/   |   |
     |    |   |       |    |   |       |    |   |ポ
     |永   |   |       |    |   |       |    |  論|
     |遠   |   |       |    |   |       |    |   |ス
     |平   |   |_______|____|___|_______|____|__理|
     |和   |  /|       |    |  /|       |    |  /|ト
     |の   | / |  自   然| の  |形/ |而   上  |学   | /学|
     |た   |/  |       |    |/  |       |    |/  |ゥ
     |め   |___|_______|____|___|_______|____|   |
     |に  /|   |     (徳|論) /|   |       |   /|   |ム
     |  / |人 倫|の      |  / |理性の限界内における |  / |   |
     | /(法学)  |形 而 上 学| /宗教(目的論)       | /  |   |ム
     |/___|___|_______|/___|___|_______|/   |   |
     |    |   |       |    |   |       |    |   |
     |    |   |       |    |   |       |    |   |
     |    |   |_______|____|___|_______|____|___|
     |    |  /        |    |  /(空間)(時間)|(数学)|  / 
     |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
     |    |/          |    |/(物理学)     |    |/
     |    |___________|____|___________|____/
     |   /         (倫理|学) /          (美|学) /
     |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
     | /              | /(目的論)         | /
     |/_______________|/_______________|/

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  36.           __________________________________      
             /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
            / (//預言)         / |              / |
           / 視|             /  |             /  |プ
          /___|____________間___|____________/   |
         /|  霊|           /|   |   (/快、不快) /|   |ス
        / |   |          / | 個人、民族    感性的 / |   |
       /(/欲求)者|  学      /(性格論/ +  )   知性的/  |   |
      /___|___|________/___|_両性、人類______/   |   |
     |    |  の|       |    |   |       |    |   |ポ
     |永   |   |       |    |   |       |    |  論|
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     |平   |   |_______|____|___|_______|____|__理|
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     |  / |人 倫|の      |  / |理性の限界内における |  / |   |
     | /(法学)  |形 而 上 学| /宗教(目的論)       | /  |   |ム
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     |    |   |       |    |   |       |    |   |
     |    |   |       |    |   |       |    |   |
     |    |   |_______|____|___|_______|____|___|
     |    |  /        |    |  /(空間)(時間)|(数学)|  / 
     |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
     |    |/          |    |/(物理学)     |    |/
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     |   /         (倫理|学) /          (美|学) /
     |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
     | /              | /(目的論)         | /
     |/_______________|/_______________|/

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  37. NAMs出版プロジェクト: 四体液説
    http://nam-students.blogspot.jp/2011/11/blog-post_07.html?showComment=1356362402250&m=1

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  38.           水d     
       冷_____/|\_____湿
       |    / 冬 \    |
       |   /  |  \   |
       |  /   |   \  |
       | /   粘液質   \ |
       |/    (鈍重)   \|
       /      |      \
      土_秋_黒胆汁質|_多血質_春_空気a
       \  (陰鬱)|(楽天的) /     
       |\     |     /|
       | \   黄胆汁質  / | 
       |  \  (短気) /  |
       |   \  |  /   |
       |____\ 夏 /____|
       乾     \|/     熱
              火b      


    a light-blooded,b heavy-blooded,c hot-blooded,d cold-blooded

    by this method. Finally, Kant also recognises that preventing and controlling affects will be easier for some people and harder for others due to differences in temperament, with the phlegmatic person in particular having the “support of nature” when it comes to fulfilling the duty of apathy.56 Kant thinks, on the basis of the humoral physiology of his day, that the constitution of a person’s “blood mixture” and other fluids is the primary determinant of his or her temperament. This leads him to hypothesise that there are exactly four “simple temperaments” which result from four types of blood mixtures, heavy, light, cold, and hot.57 The light-blooded sanguine is particularly susceptible to affects but, due to their thoughtlessness, is unlikely to develop passions. The hot-blooded choleric is susceptible to both affects and passions, especially ambition. The heavy-blooded melancholic and the coldblooded phlegmatic are both less susceptible to affects, but due to their thoughtfulness and persistence are susceptible to passions

    http://parrhesiajournal.org/parrhesia13/parrhesia13_formosa.pdf#search='a+lightblooded+coldblooded+kant+Anthropology'

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  39.           水d     
       冷_____/|\_____湿
       |    / 冬 \    |
       |   /  |  \   |
       |  /   |   \  |
       | /   粘液質   \ |
       |/    (鈍重)   \|
       /      |      \
      土_秋_黒胆汁質|_多血質_春_空気a
       \  (陰鬱)|(楽天的) /     
       |\     |     /|
       | \   黄胆汁質  / | 
       |  \  (短気) /  |
       |   \  |  /   |
       |____\ 夏 /____|
       乾     \|/     熱
              火


    a light-blooded,b heavy-blooded,c hot-blooded,d cold-blooded

    by this method. Finally, Kant also recognises that preventing and controlling affects will be easier for some people and harder for others due to differences in temperament, with the phlegmatic person in particular having the “support of nature” when it comes to fulfilling the duty of apathy.56 Kant thinks, on the basis of the humoral physiology of his day, that the constitution of a person’s “blood mixture” and other fluids is the primary determinant of his or her temperament. This leads him to hypothesise that there are exactly four “simple temperaments” which result from four types of blood mixtures, heavy, light, cold, and hot.57 The light-blooded sanguine is particularly susceptible to affects but, due to their thoughtlessness, is unlikely to develop passions. The hot-blooded choleric is susceptible to both affects and passions, especially ambition. The heavy-blooded melancholic and the coldblooded phlegmatic are both less susceptible to affects, but due to their thoughtfulness and persistence are susceptible to passions

    http://parrhesiajournal.org/parrhesia13/parrhesia13_formosa.pdf#search='a+lightblooded+coldblooded+kant+Anthropology'

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  40. カントは 『視霊者の夢』を 「形而上学的結び目」としての霊の考察から始めている。霊とは何か。轟は存在す るのか、霊という語は何を意味しているか。これらの問いに対して、カントは 「大学の方法的な第舌」は0を否定
    す る こ と か ら 始 め 、 「私 は 何 も 知 ら な い 」 ( 1 0 とい う ソ ク ラ テ ス 的 無 知 を 出 発 点 と し て い る 。
    し か し霊 と い う 言 葉 は 、 そ れ が 幻 影 で あ れ 、 現 実 的 な も の で あ れ 一 般 に 使 用 さ れ て い る こ と は 事 実 で あ る 。 し たがってその 「隠れた意味」が開示されなければならない。カントは 「霊的」という語を 「物質的」という語と
    の対比において考察を進める。「物質的」とは、(1)ある空間内において存在 (延長)し 、(2)他の物質の侵入に 抵抗する何かがある (不可入的)場 合をいう。
    それ らの合成が、不可入的かつ延長的な全体を与える単純な諸実体は、物質的統一 と称 されるが、それ らの 全 体 は 、 物 質 と 呼 ば れ る d み。
     これに対 して 「霊的」とは、(1)不可入性の特性を具有せず、(2)それをどんなに集め合わせても一つの固い全 体を形づくることはない。
    この種の単純な存在者は非物質的存在者と名づけられ、またもしそれらが理性を持つ場合は、霊と名づけら オしる(13)。
    霊は、(1)単純な実体として空間内に現存し、活動性を持つが空間の充実としての抵抗をもたず、物質的存在 者に対しても可入的である。(2)直接的現在の場所は点ではなく、それ自体一空間であるが延長を持たない。延 長の限界が形を定めるのであるから、霊は如何なる形も考えられない。
    ところで、いま 「人間の魂」が一つの霊であるとすれば、それは次のように考えなければならない。(1)物体 界における人間の魂の場所は、その変化が私の変化があるような物体である。すなわち私の身体が私の魂の場所 である。 (2)身体内の私の魂の場所については、「私が感覚するところに私は在る」(M)とされている。カントは 霊の活動性、可入性、無延長性等の特性から推測して、人間の魂についても、それを脳髄の極小部分に閉じ込め るような物体的考え方をせず、私の身体において私の感ずるところに在るという考え方をしている。
    以上がカントの霊の規定であるが、この際問題は、霊という超経験的概念に対するカントの認識論的基本姿勢 にある。注目すべき特徴をあげると、まず 「普通の経験を頼りにして」(崎)考察が進められていることである。そ れは端的には 「常識の立場」である。「常識は、真理を証明し、また解明しうる諸根拠を洞察する以前に、しば しば真理に気づく」COか らである。次に、この経験を頼 りにする常識の立場が、直ちに経験論の立場を意味する ものではないことである。この点に関しては、カントは極めて慎重である。「霊的と名づけられるような種類の 存在者が一体可能であるかどうか」。カントは自問して、次のように自戒している。
    この際私はこの最も深遠で最も不分明な問題において、最も容易に切迫してくる性急な決定を警戒せざるを
    えない●の。
    http://www.fukushima-nct.ac.jp/~welfare/lib/arc_fnct/47/06-008.PDF

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  41. 『視霊者の夢』におけるカントの啓蒙観 高知丸の内高校寺尾隆二 1766年 ... (Adobe PDF) -htmlで見る
    調は人々の心に奇妙に、かつ奇異に響いたに違いない」1)と、このようにカッシーラーは 伝. えている。確かに本書はそれ .... を一つに結実した精神を、ほのかにではあるが現 わしているともいえよう。しかしここで. のカント .... カントは「悟性の秤りは、やはり まったく偏りがないわけではない、つまり未来への希. 望という銘をもつその腕木は、 その腕木についている皿に乗る軽い根拠でも、他の側のそ. れ自身ではより ... その高貴 な心術が未来への希望にまで高められなかったような誠実な心は、いまだかって. なかったであろう。

    カント『視霊者の夢』

    「悟性の秤りは、やはりまったく偏りがないわけではない、つまり未来への希 望という銘をもつその腕木は、その腕木についている皿に乗る軽い根拠でも、他の側のそ れ自身ではより大きな重みの思弁を高くはね上げるような機構的な利点をもっている。こ れは、私が恐らく除きえない、また実際決して除こうとは思わない唯一の不正である」

    「しかし、死とともにすべてが終わるという思想に堪えることができ、また その高貴な心術が未来への希望にまで高められなかったような誠実な心は、いまだかって なかったであろう。したがって、来世への期待を善良な心の感情の上に基礎づける方が、 逆に心の正しい態度を来世への希望の上に基礎づけるより、人間性と道徳の純粋さに一層 適合しているようにおもわれる」

    http://www.kochinet.ed.jp/ko-rinri/pdf_data/





    www.kochinet.ed.jp/.../...

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  42. 相 互 関 係 に あ る よ う な 思 考 的 存 在 に お け る 道 徳 的 誘 因 の 現 象 を 、同 様 に 霊 的 存 在 者 が そ れ に よ り相 互 に 影 響 し あ う真 に 活 動 的 な 力 の 結 果 と し て 表 象 す る こ と は 可 能 で は な い で あ ろ う か 。 そ う な れ ば 道 徳 的 感 情 は 、 私 的 意 志 の 普 遍 的 意 志 へ の こ の 感 じ られ た 依 存 性 と い う こ と に な り、ま た 非 物 質 的 世 界 が そ れ に よ つ て 道 徳 的
    統 一 を 獲 得 す る と こ ろ の 、 自 然 的 か つ 普 遍 的 な 相 互 作 用 の 結 果 と い う こ と に な ろ う 。そ れ は 非 物 質 的 世 界 が 、
    そ の 世 界 に 独 自 の 関 連 の 法 則 に し た が つ て 霊 的 完 全 性 の 一 体 系 へ と 自 ら を 形 成 す る こ と に よ つ て で あ る 0 °。

    (ニュートンの自然界とルソーの
    人間界の両界だけでは、「行為の一切の道徳性」を説明し得ない。カントは考える。)
    行為の一切の道徳性は、自然の秩序に従えば、その完全な結果を人間の肉体的生命の中に決 して持ち得ない、
    しかし霊的法則に従う霊界においては十分に持ちうるGD。

    それらは非物質的世界に関しては、霊的法則に従つて私的意志と普遍的意志との結合、すなわち霊界の単一 性と全体との結合の結果として、自由な選択意志の道徳的性質に適合した影響を及ぼしたり、あるいは相互 に受け取りあつたりするであろう。というのは行為の道徳的なものは、霊の内的状態に関係するがゆえに、 実際当然霊の直接的交互関係においてだけ全道徳性に適合した結果を招くことができるからである。り。


    それゆえに現在と未来は、自然の秩序に従つてさえ、いわば一つの纏まりをなしたものから生じ、一つの恒
    常の全体を構成するであろメ2)。


    「英知界Jの 意義について カント『視霊者の夢』における 「英知界」の意義について
    On thc Meaning oflntellccml WOrld in Kant'sD′′ αtt Qだン′′′す′′冴なプ
    (平成 18年 9月 受理)
    笠 井 哲 米(KASAI Akira)

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  43. 近代批判の鍵 - 柄谷行人
    http://www.kojinkaratani.com/jp/essay/post-36.html

    私が坂部氏の『理性の不安』に収められた諸論文を読んだのは、以上のようなことを書いていた時期である。カント論に関して、私はこの本から決定的な影響を受けた。私の『トランスクリティーク…カントとマルクス』という著作は、『視霊者の夢』からカントの可能性を見る坂部氏の本なしにありえなかった、といっても過言ではない。しかし、最初に『理性の不安』を読んだとき、私はむしろそれを文学評論として読んだのである。というのも、坂部氏は、カントの『視霊者の夢』に関して何よりも、「自己を嘲笑する」ことから始めるカントの書き方に注目していたからである。氏はそこに、ディドロやスターンの文学との共時的な類似を見出している。一八世紀の小説では、サタイヤや書簡体など多種多様な表現形式がとられたが、一九世紀に「三人称客観」の手法が確立したとき、それらは未熟な形式として抑圧されてしまった。
    「三人称客観」の視点は仮構であるが、それはカントでいえば、「超越論的主体」という仮構に対応するものである。逆にいうと、カントが超越論的主体を仮構した時点で、小説に生じたのと同じことが哲学におこった。坂部氏がとらえたのはそのような変化である。『視霊者の夢』に見られるカントの「理性の不安」や多元的分散性は、『純粋理性批判』では致命的にうしなわれてしまった、と坂部氏はいう。カントの柔軟な思考と文体は、「学校の文体といわば妥協し、伝統的な形而上学の枠どりに何らかの程度復帰して、自己の思考の社会化に乗り出すと同時に、必然的にうち捨てられることになる」(「カントとルソー」{本全集第巻}p232)。
    とはいえ、坂部氏は、『純粋理性批判』よりも『視霊者の夢』のほうが重要だといっているわけではない。坂部氏がいいたいのは、『純粋理性批判』あるいは「批判哲学」は、それよりも前の『視霊者の夢』から見るとき、別の可能性、つまり、近代哲学を超える可能性をもちうるということである。すなわち、坂部氏は、近代批判の鍵を、近代以前にさかのぼるかわりに、十八世紀半ば、すなわち、啓蒙主義とロマン主義の境目の一時期に求めたのである。そこでは、もはや啓蒙的合理性が成り立たなくなっている。にもかかわらず、そこであくまで啓蒙的スタンスを維持しようとするならば、「自己嘲笑」的なスタイルによってしかありえない。カントが『視霊者の夢』でとった文体は、そのような苦境が強いたものである。
    坂部氏は「批判」期以後のカントをふくむ近代哲学からの出口を、ほかならぬカントの前期の仕事に見られる「多元的分散の思考」に求めた。しかし、このような問題は、一八世紀半ばの西ヨーロッパに最初に生じたとはいえ、それに限定されるものではない。それは先に述べた漱石の例が示すように、明治日本にもあったことだから。実際、坂部氏は『仮面の解釈学』では、そのような日本における「近代」の経験に、近代批判の鍵を見出そうとしたといってよい。
    さらにいえば、このような問題は哲学や文学に限定されるものではない。西ヨーロッパでは、十八世紀後半から十九世紀にかけて、国民国家と産業資本主義が確立した。そして、それが全世界に及び、現在もますますグローバルに深化しているわけである。そのような近代システムに対抗しようとする場合、その鍵を「前近代」に求めることはできない。求めるとしたら、それはファシズムか原理主義のようなものにしかならないだろう。坂部氏が示唆したように、近代哲学を超える鍵が、それが確立される直前に見出せるとするならば、同様に、近代国家と資本主義を超える鍵も、それらが確立される直前、つまり、十八世紀半ばの思想や社会システムに見出せるのではないか、と私は考える。
    それは、経済史的な観点からいえば、資本によって組織された機械的工場生産に先行する状態、つまり、多様な職人的手仕事の結合からなるマニュファクチャーの形態である。政治的な観点からいえば、絶対主義王権に対抗して、中間集団の多元的な分散と連合からなる市民社会である。これらは前近代ではない。にもかかわらず、中央集権性と目的合理性に特徴づけられる近代システムとは異質なのである。資本・ネーション・国家という近代システムの閉域を出ようとするならば、それらが確立される直前に戻って考える必要がある。私は以上のような事柄を、他の葉によりも、坂部氏の独創的なカント論に示唆されて考えるにいたったのである。

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  44. 近代批判の鍵 - 柄谷行人
    http://www.kojinkaratani.com/jp/essay/post-36.html

    坂部恵氏は、一九七六年一月に『仮面の解釈学』、同六月に『理性の不安―カント哲学の生成と構造』を出版している。刊行は前者のほうが少し早いが、所収論文は後者のほうが早く書かれている。つまり、この二冊は、ほとんど同時に書かれ、同時に出版されたといってよい。しかも、たまたまそうなったのではない。それは、意志的になされてきたことの必然的な結果なのである。
    この二冊は連関しつつも、ある意味で異質な著作である。『理性の不安』はカント、つまり、西洋哲学の可能性をめぐる本である。それに対して、『仮面の解釈学』は、日本と日本語で哲学することが可能か、可能だとしたらいかにしてかを問うような本である。日本で哲学を志す者なら、西洋哲学を目指すだろう。しかし、自分が日本と日本語という現実の中にあるということを無視することはできない。ゆえに、誰でも早晩その問題に直面する。その場合、幾つかのタイプがある。大きく分ければ、一つは、西洋の哲学が普遍的であると考え、その水準に追いつき追い抜こうと試みる人たちである。もう一つは、西洋哲学の普遍性を疑い、日本あるいは東洋で形成されてきた思想に普遍性を見出そうとする人たちである。彼らは、近代西洋の行き詰まりを超える途を、日本あるいは東洋に見出す。
    坂部氏はそのどちらでもない。氏は、西洋に由来するものであろうと、近代国家と近代資本主義という意味での「近代」に、われわれが否応なく属しているという認識から始めている。このような条件は考え方を変えたぐらいで超えられるものではない。さらにいえば、坂部氏は、日本に回帰するまでもなく、はじめから日本の中に立っている。だが、日本および日本語による経験がそのままで普遍的であると考えたりはしない。ただ、それは普遍的な認識のために重要な貢献をなしうる、と考えるだけである。その意味では、日本の外に立っている。とはいえ、このように、日本の中にあり且つ外にあるというアンチノミーは、論理的に解決することはできない。これを解決するためには、いわば分裂を生きるほかない。ほぼ同時に出版された二冊の本が示すのは、そのような生の在り方である。
    坂部氏が二冊の本を出した一九七六年といえば、私はその前年から、イェール大学で近代日本文学について教えていた。『日本近代文学の起源』(一九八〇年)に書いたような事柄はこのとき考えたのである。この著作の中で、私はもっぱら日本の事例を扱っているが、私が考えたかったのはむしろ西洋の近代のことである。当時は日本でもアメリカでも一般に、明治の日本文学は西洋近代文学の歪んだ受容として見られていた。しかし、私は逆に、日本の近代化という短期間の出来事の中に、歪んだ西洋近代の諸問題が圧縮されて現れていると考えたのである。
    さらに、私は、近代文学の批判において、前近代(中世・古代)に回帰することは的外れだと考えた。なぜなら、そのような中世や古代のイメージは近代文学によって構築されたものであり、そのようなものでは近代の枠組を出ることにはならないからだ。そのとき私が思ったのは、近代文学批判の鍵は、広い意味では近代文学に入るにもかかわらず、そこでは周辺的なものとして排除されてしまったものにあるということであった。
    その一例は夏目漱石の文学である。漱石は近代文学の中にありながら、それに対する違和を感じていた。彼は一九世紀半ばに確立された西洋の小説を好まず、同時代のイギリスで軽視されていた一八世紀のスウィフトやスターンを高く評価していた。しかも、彼はそのような文学を、日本で正岡子規の俳句運動から始まった写生文と結びつけていた。というより、むしろ、そのことがスターンなどを評価する視点を与えたのかもしれない。漱石は、自然主義文学とネオロマン主義文学が全盛の最中に、『吾輩は猫である』を発表した。日本の文壇が彼を承認したのは、彼が晩年に自然主義的な作品『道草』を書いてからにすぎない。さらに、漱石を擁護した批評家たちも、漱石が初期の作品から「発展」したという見方を少しも疑わなかった。しかし、私は漱石の中に、それ自体近代文学でありながら、しかもそれを根本的に否定するような文学の可能性を見ようとしたのだった。

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  45. 柄谷のカントへの転回はジジェクも寄稿したフーコー論集以降である
    ジジェクはラカンのカントとサド論考に負ってる

    つまり柄谷のカントへの転回はラカンに負っている

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  46. 柄谷の交換への着目は探究3連載とトラクリの間
    プルードン発見の過程にある

    柄谷の交換への着目はプルードンに負っている

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  47. C____A
    胆    多
    汁    血
    質    質
    |    |
    |    |
    D____B
    粘    気
    液    鬱
    質    質

    岩波カント全集15巻263頁より


    ABは感情、
    CDは活動の気質に分類される。

    春秋夏冬の順である

    通常は以下、

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  48. http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/sinrei-1.html

    感官に現前している現実的な世界の諸現象を、(スヴェーデンボルクの言うごとく)背後に隠されている可想的世界の象徴に過ぎぬと称するのがすなわち狂信である。(『人間学』岩波文庫、122頁)

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  49. 退屈が自殺に結び付くなど、人間学におけるカントの暇と時間への考察はハイデガーより深い。

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  50. p112占い師の


    超    自然的

    お告げ 予言
       +    経験
    占い

      反自然

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  51. 人間学を「日常性の立場」と高坂氏は書いている

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  52.     A・・・・・・・・・・・B
    das sanguinische    das melancholische
       多血質         憂鬱質
        ・           ・
        ・           ・
    das cholerische     das phlegmatische
        C・・・・・・・・・・・D
       胆汁質         粘液質

    AとB及びCとDは互いに矛盾し、AとC及びBとD
    は互いに中和される。また、AとCは共に生命力の高揚、
    BとDは共に生命力の沈静、AとBは単に感情的、CとD
    は行動的である。
    (高坂正顕『カント』1947年p56より)

    <一般的な性格と理性的な自由を付与された存在としての性格そのものがあり、上記の図にある気質は前者。>

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  53. 高坂は三批判書の前に人間学を論じており、それは成功している

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  54.           __________________________________ 
             /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
            / (//預言)         / |              / |
           / 視|             /  |             /  |プ
          /___|____________間___|____________/   |
         /|  霊|           /|   |   (/快、不快) /|   |ス
        / |   |          / | 個人、国民    感性的 / |   |
       /(/欲求)者|  学      /(性格論/ +民族)   知性的/  |   |・
      /___|___|________/___|_両性、人類______/   |   |
     |    |  の|       |    |   |       |    |   |ポ
     |永   |   |       |    |   |       |    |  論|
     |遠   |  夢|       |    |   |       |    |   |ス
     |平   |   |_______|____|___|_______|____|__理|
     |和   |  /|       |    |  /|       |    |  /|ト
     |の   | / | 自   然 | の  |形/ |而   上  |学   | /学|
     |た   |/  |       |    |/  |       |    |/  |ゥ
     |め   |___|_______|____|___|_______|____|   |
     |に  /|   |     (徳|論) /|   |       |   /|   |ム
     |  / |人 倫|の      |  / |理性の限界内における |  / |   |
     | /(法学)  |形 而 上 学| /宗教(目的論)       | /  |   |ム
     |/___|___|_______|/___|___|_______|/   |   |
     |    |   |       |    |   |       |    |   |
     |    |啓 蒙|と は 何 か|    |   |       |    |   |
     |    |   |_______|____|___|_______|____|___|
     |    |  /        |    |  /(空間)(時間)|(数学)|  / 
     |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
     |    |/          |    |/(物理学)     |    |/
     |    |___________|____|___________|____/
     |   /         (倫理|学) /          (美|学) /
     |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
     | /              | /(目的論)         | /
     |/_______________|/_______________|/

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  55.           __________________________________ 
             /|               /|    人  (教育論/認識)/|オ
            / (//預言)         / |              / |
           / 視|             /  |             /  |プ
          /___|____________間___|____________/   |
         /|  霊|           /|   |国民 (/快、不快) /|   |ス
        / |   |          / | 個人、民族    感性的 / |   |
       /(/欲求)者|  学      /(性格論/ +  )   知性的/  |   |・
      /___|___|________/___|_両性、人類______/   |   |
     |    |  の|       |    |   |       |    |   |ポ
     |永   |   |       |    |   |       |    |  論|
     |遠   |  夢|       |    |   |       |    |   |ス
     |平   |   |_______|____|___|_______|____|__理|
     |和   |  /|       |    |  /|       |    |  /|ト
     |の   | / | 自   然 | の  |形/ |而   上  |学   | /学|
     |た   |/  |       |    |/  |       |    |/  |ゥ
     |め   |___|_______|____|___|_______|____|   |
     |に  /|   |     (徳|論) /|   |       |   /|   |ム
     |  / |人 倫|の      |  / |理性の限界内における |  / |   |
     | /(法学)  |形 而 上 学| /宗教(目的論)       | /  |   |ム
     |/___|___|_______|/___|___|_______|/   |   |
     |    |   |       |    |   |       |    |   |
     |    |啓 蒙|と は 何 か|    |   |       |    |   |
     |    |   |_______|____|___|_______|____|___|
     |    |  /        |    |  /(空間)(時間)|(数学)|  / 
     |    | /   純   粋 | 理  |性/  批   判  |    | /
     |    |/          |    |/(物理学)     |    |/
     |    |___________|____|___________|____/
     |   /         (倫理|学) /          (美|学) /
     |  / 実 践 理 性 批 判 |  /  判 断 力 批 判  |  /
     | /              | /(目的論)         | /
     |/_______________|/_______________|/

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  56.  自由  権力  法律
    ____    ____A無政府
        ________B専制政治
        ____    C野蛮
    ____________D共和制

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  57. yoji8:46 午後
                   /絶対知
                 *啓示_\
                 /\宗教/\
                /自然\/芸術\
               /\ ~絶対知 /良心、美しい魂
              自覚_\ドンキ /_道徳   
             /\理性/ホーテ/\精神/\ディドロ
            /観察\/実現\/人倫*/教養\
           /\  ゲーテ、シラー     /\
      「ソフィスト」\            /_新プラトン主義  
         / 悟性 \  <精神現象学> /不幸な意識(*後に頻出) 
        /_プラトン_\        /__\/__\
    ヘラク/\      /\      /\      /\
     レイトス\ 意識 /  \    /__\自己意識 /懐疑派
     / 感性 \  / 知覚 \  /\生命/\  /主と僕/\
    /パルメニデス\/レウキッポス\アリストテレス\/同_\/ストア派  
                       「霊魂論」「政治学」

    意識
    自己意識
    理性(観相術などはこのa観察にあたる)
    精神
    宗教
    絶対知

    人相、観相術はカントの人間学でも触れられていた

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  58. カント『人間学』(実用的見地における人間学 Anthropologie in pragmatischer Hinsicht. 1798)、
    第二部冒頭で気質を説明する四体液説が紹介されている。

        A・・・・・・・・・・・B
    das sanguinische    das melancholische
       多血質         憂鬱質
        ・           ・
        ・           ・
    das cholerische     das phlegmatische
        C・・・・・・・・・・・D
       胆汁質         粘液質

    AとB及びCとDは互いに矛盾し、AとC及びBとD
    は互いに中和される。また、AとCは共に生命力の高揚、
    BとDは共に生命力の沈静、AとBは単に感情的、CとD
    は行動的である。
    (高坂正顕『カント』1947年56頁より)

    一般的な性格と理性的な自由を付与された存在としての性格そのものがあり、上記の図にある気質は前者。

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  59. http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/sinrei-2.html
    3 洗濯物を干そうとするといつも雨が降る
     1843年から44年にかけての冬のことだったそうだ。英国マンチェスターで、スペンサー・ホールという人物が磁気的骨相学の実演を行なったという。
     骨相学とはガルの頭蓋論を大衆化したものである。ガルという医師によって提唱された頭蓋論は、脳には、感情や意志や思考といった精神のさまざまな働きをつかさどる部分があり、それは頭蓋骨の形状から観察できるとした。いわば当時の「脳科学」である。この説は大脳機能の局在説の先駆として評価されることもあるらしいが、世間に流布されるや「骨相学」と名を変えて、頭のかたちから性格診断や相性判断ができるという触れ込みで広まっていったというから、現代の「脳科学」なみにいかがわしい。それどころか、「白人による人種差別の根拠としても利用された」(吉村正和『心霊の文化史』河出書房新社)というから、かなりトンデモな代物である。
     ちなみに、この骨相学は、ヘーゲルが『精神現象学』で人相学と並べて槍玉に挙げている。『精神現象学』と言えば難解で何回読んでもわからないので有名だが、もちろん私にもチンプンカンプンだ。ただ、人相学と骨相学のところだけは、ヘーゲルの論理は難解だが結論は明快である。
     すなわち、人相学者の横っ面を張り倒せ、骨相学者の頭蓋を叩き割れ。
     いや、表現はもう少し重厚だが、本当にそう言っている。ヘーゲルによれば、結局、人相学の言うところは、いわゆるマーフィーの法則のようなあやふや経験則による思い込みなのであてにならない。

    人相学の観察の特徴を前記のリヒテンベルクはこうも表現している。「『お前は正直者のようにふるまってはいるが、おまえの面つきを見れば、むりにそんなふるまいをしていて、本当はごろつきであるのがわかってしまう』などとだれかにいわれたら、平手打ちをお見舞いする正直者がこの世に絶えることはないだろう。」――平手打ちを見舞うのが当然で、そうした思いこみの学問の第一前提が、人間の現実はその顔にある、というのだから、もちろん、それは拒否されねばならない。

     ヘーゲルは骨相学についても、死んだ骨からは生きた精神を観察できないとして、人相学同様に退ける。

    したがって、ある人間をつかまえて、「お前の頭蓋はこうなっているから、お前は(お前の内面は)こういう人間だ」というとしたら、その意味するところは、頭蓋がお前の現実のありさまだ、というにほかならない。人相学でそんな判断を示されたとき、人相学者に平手打ちをお見舞いする話をしたが、それは人相学の見解と現状にたいする軟らかい部分への反撃にすぎず、平手打ちされる軟らかい顔面が精神の本体でもなければ、現実のありさまでもないことを示すにとどまったが、ここでは、判断にたいする反撃が相手の脳天を打ち割るところまで行くべきで、骨が人間にとってそれ自体ではなんの意味もなく、まして、人間の現実のありさまをあらわしてなどいないことを、相手の知恵にふさわしい明確さをもって示すには、そうするしかないのである。

    いま引用したのは、まぎれもなく『精神現象学』(長谷川宏訳、作品社)からであり、樫山欽四郎訳(平凡社ライブラリー)でも、「平手打ち」が「横面をはりとばす」に、「脳天を打ち割る」が「頭蓋骨を打ち砕いて」になっているだけで、大きな違いはない。だがら、ここで述べられているヘーゲルの主張を要約すれば、やはり「人相学者の横っ面を張り倒せ、骨相学者の頭蓋を叩き割れ」としかならないのではないかと思うのだ。
     人相学と骨相学についてのヘーゲルの明快な論断は、観察された事実から法則を導き出す際に思いこみが混入することへの洞察から導かれている。ヘーゲルが挙げている例の一つに、洗濯物を干そうとするといつも雨になる、という主婦のぼやきがある。その主婦が洗濯物を干した、その日に雨が降ってきた、いずれも観察された事実だろう。けれども、その主婦が洗濯物を干したことと、その日に雨が降ったこととの間には必然的な関係はない。「実際は、自分の思いこみを語っているにすぎず、したがって、事柄をあきらかにするのではなく、自分にかんする思いをもちだしているにすぎない」。
     もっとも、その主婦にとって晴天の日は畑仕事や買い物などで外出することが多いことから、結果的に自宅で洗濯などをする日は雨になるという事情もあったかもしれないが、ヘーゲルがそれに気をまわした形跡はない。忙しくて雨の日くらいしか洗濯するヒマがないのよ、というのがその主婦の言い分だったかもしれないが、それこそ「自分にかんする思いをもちだしているにすぎない」ということなのだろう。「観察する意識は、思いこみのままに、人相、筆跡、声調、等々を手がかりとして、そのむこうにあるものをさぐりだそうとする」。人相学も骨相学も、このようなものだとヘーゲルは断じた。

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  60.   第三の告発に対する感性の正当化
     認識能力一般に可能なこと〔のあれこれの程度〕について
     感官の仮象をめぐる技巧的な戯れについて <眩惑(自然ー技巧的、錯覚ー欺瞞)p56>
     許すことのできる道徳的な仮象〔ふり〕について

     五つの〔外的〕感官について
      触覚の感官について
      聴覚〔の感官〕ついて
      視ること〔視覚〕の感官について
      味覚と嗅ぐこと〔嗅覚〕の感官について
      外的諸感官に関する一般的な注
      いくつかの問題
     内的感官について
     感官感覚の強度が増減する原因について
      a 対 照
      b 新 鮮
      c 交 替
      d 〔感覚の〕充足状態に至るまでの漸増
     感官能力の抑止、衰弱、全面喪失について

     構想力について
     種類の違いに応じた感性的創像能力について
      A 造形の感性的創像能力について
      B 連想の感性的創像能力について
      C 親和の感性的創像能力〔について〕
     構想力によって過去のことや未来のことを現在化する能力について
      A 記憶について
      B 先見能力(予見)について
      C 占い師の天分(予言者の能力)について
          <預言(経験則による自然的なもの)占言(既知の経験則に反したもの)、霊的預言(超自然的なものにもとずく霊感)に分けられる。p112>
     健康状態における意のままにならない創像、すなわち夢について
     表示能力(記号の能力)について  <スウェーデンボルグ=夢想p118>
      追 記

     悟性に根拠をおくかぎりでの認識能力について 
      分 類
     上位の三つの認識能力相互の人間学的な比較 
     認識能力に関するかぎりでの魂の弱さと病いについて
      A 一般的な分類 
      B 認識能力における心の弱さについて
      C 心の病いについて
      雑 注
     認識能力におけるいくつかの才能について
     比較する機知と詭弁を弄する機知との種別的な差異について
      A 生産的な機知について
      B 明敏または探究の才について
      C 認識能力の独創性または天才について <発明/発見。p165>

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  61. 人間学遺稿では人類の性格の課題が4カテゴリーのクラスに分けられる
    岩波全集419頁

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  62. 第一編 認識能力について
     自分自身を意識すること〔統覚〕について
     自己中心主義について <多元主義p28>
      余談 自分中心主義的な言葉遣いの煩わしさについて
     自分の〔感性的〕表象が自由に〔悟性的に〕意識できることについて
     自分自身〔の内面〕を観察することについて 
     われわれが意識しないまま抱いている類いの表象について
     自分の表象を意識する際の判明性と非判明性について

     悟性と対照された感性について
     感性の弁護
      第一の告発に対する感性の正当化
      第二の告発に対する感性の正当化
      第三の告発に対する感性の正当化
     認識能力一般に可能なこと〔のあれこれの程度〕について
     感官の仮象をめぐる技巧的な戯れについて <眩惑(自然ー技巧的、錯覚ー欺瞞)p56>
     許すことのできる道徳的な仮象〔ふり〕について

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  63. http://blog.livedoor.jp/yojisekimoto/?p=3
    ちなみにラカンは、1私は何を知りうるか。 2私は何をなすべきか。 3私は何を望むことが許されるか。 4人間とは何か。

    というカントの有名な問いに『テレヴィジオン』のなかで断片的に答えていて、それぞれ1何も知りえない 2自分がやっていることをなすべき 3何をではなく、どこから望むかが問題、と答えています。

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  64. 人間とは何か、には答えていない???

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  65. http://blog.livedoor.jp/yojisekimoto/archives/51762392.html

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  66. ミトコンゴリアDNAでみる日本人の起源

     ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━アフリカ人
    ━┫    ┏━━━━━━━━━━━━ヨーロッパ人
     ┗━━━━┫  ┏━━━━━━━━━アメリカ先住民
          ┃  ┃         モンゴル人?
          ┗━━┫     ┏━━━アイヌ
             ┗━━━━━┫┏━━中国人
                   ┗┫┏━琉球人
                    ┗┫ 韓国人
                     ┗━┫
                       本土日本人


    宝来聡「ミトコンゴリアDNAでみる日本人の起源」より
    (黒岩常祥祥『ミトコンゴリアはどこからきたか』270頁からの孫引き。改訂)

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  67. ミトコンゴリアDNAでみる日本人の起源

     ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━アフリカ人
    ━┫    ┏━━━━━━━━━━━━ヨーロッパ人
     ┗━━━━┫  ┏━━━━━━━━━アメリカ先住民
          ┃  ┃         モンゴル人?
          ┗━━┫     ┏━━━アイヌ
             ┗━━━━━┫┏━━中国人
                   ┗┫┏━琉球人
                    ┗┫┏韓国人
                     ┗┫
                      ┗本土日本人

    黒岩常祥『ミトコンゴリアはどこからきたか』270頁より
    (宝来聡「ミトコンゴリアDNAでみる日本人の起源」からの孫引きを改訂)

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  68. ミトコンゴリアDNAでみる日本人の起源:

     ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━アフリカ人
    ━┫    ┏━━━━━━━━━━━━ヨーロッパ人
     ┗━━━━┫            モンゴル人?         
          ┃  ┏━━━━━━━━━アメリカ先住民
          ┗━━┫     ┏━━━アイヌ
             ┗━━━━━┫┏━━中国人
                   ┗┫┏━琉球人
                    ┗┫┏韓国人
                     ┗┫
                      ┗本土日本人

    黒岩常祥『ミトコンゴリアはどこからきたか』270頁より
    (宝来聡「ミトコンゴリアDNAでみる日本人の起源」からの孫引きを改訂)

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  69. ミトコンドリアDNAでみる日本人の起源:

     ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━アフリカ人
    ━┫    ┏━━━━━━━━━━━━ヨーロッパ人
     ┗━━━━┫            モンゴル人?         
          ┃  ┏━━━━━━━━━アメリカ先住民
          ┗━━┫     ┏━━━アイヌ
             ┗━━━━━┫┏━━中国人
                   ┗┫┏━琉球人
                    ┗┫┏韓国人
                     ┗┫
                      ┗本土日本人

    黒岩常祥『ミトコンドリアはどこからきたか』270頁より
    (宝来聡「ミトコンドリアDNAでみる日本人の起源」からの孫引きを改訂)

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  70. http://p2.2ch.net/p2/read.php?host=kohada.2ch.net&bbs=eleven&key=1343564968&offline=1&b=i&nt=91920&ls=647-672n&jsanc=r648
    657 _ 8/4(日)23:27 wmBrUv5dP(2)↓
    <GK> 現代表   川島O、西川AB、権田A
        レジェンド  川口A、松永A、楢崎AB

    <DF> 現代表   今野A、吉田O、栗原A、伊野波B
        レジェンド  井原O、中沢AB、闘莉王B、秋田B、柱谷B
               宮本A、森岡A、松田A、坪井O

    <サイド> 現代表  長友O、内田O、駒野O、両酒井A
         レジェンド 加地AB、三都主A、都並A、市川AB

    <MF> 現代表   本田AB、遠藤AB、香川A、長谷部O、清武O、
               中村憲O、細貝A、山口A
        レジェンド  中田O、中村O、小野O、稲本O、小笠原O、
               前園O、ラモスO、名波AB、福西A、明神A

    <FW> 現代表   前田AB、岡崎O、ハーフナーA、豊田A、柿谷B
         レジェンド 釜本B、高原B、カズA、久保A、大久保A
               中山O,柳沢O、城O、鈴木O、玉田

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  71. 682 あ 8/7(水)09:40 ID:0↓
    O型 頑張りFW
    ゴン、鈴木、岡崎、巻、柳沢
    運動量豊富でフィジカルコンタクトを厭わないがシュートチャンスでヘタレることが多い

    A型 シャドーFW
    佐藤、久保、香川、大久保、カズ
    シャドー的プレイが得意でシュート対決定率が高いが接触を嫌い逃げ回る

    B型 オレオレFW
    高原、大黒、宇佐美、柿谷
    シュートまで持っていく能力が高いストライカータイプで強引に撃ちまくる、守備や組み立てに難

    AB型
    前田、玉田
    サンプルが少なすぎてわからん

    現代サッカー特にワントップじゃO型が1番使いやすそう、誰かMFやDFも作って

    返信削除
  72. 定本トラクリ
    フォイエルバッハ、カント崇高論=剰余価値 334-5頁

    ヘーゲル>マルクス国家観 423頁


    335頁

    人間学
    引用

    岩波文庫80頁


    一篇25d

    返信削除
  73. ガンジー(マハトマ・).Gandhi,Mahatma,❸T.45,458,509,513(<◎N.35,38>)/❹A.170/◎N.39(『自叙伝』)
    関心,❸T.68(没-性),135,181(日常的-を括弧に入れる),509
    カント.Kant,Immanuel,
     ❶J.18,30@, 283,296@,297/❷M.14-7(-の批判),195/❸T.3,4(新-派,101),4(-派マルクス主義者),17,53(-主義者, ショーペンハウエル),59(:ラカン,フロイト),60(-の「転回」),63@,73(新-派,リッケルト),155(-的転回),197(新-左 派),197(-派倫理学),199(新-派,マールブルク派,ヘルマン・コーヘン),200(-の言葉),247(-的),480(-的転回) /❹A.29-30@,63-4@,67-71,96-7@,153 /❺H.194/◉W.102@(179@,181@,『道徳形而上学原論』*),180@(「たんなる理性の限界内での宗教」),181-4,221- 2@,223@(『世界公民的見地における一般史の構想』)/◎N.17,25,
     「永遠平和のために」,❸T.198/◉W.222@,
     『活力測定考』,❸T.91,92@,
     『啓蒙とは何か』,❸T.154,155@,195@,196@ ,198@,199@,478@/❹A.69-70@/◉W.223@(『世界公民的見地における一般史の構想』),
     『純粋理性批判』,❸T.53@,67,82@,84,200?/❹A.29-30@,63-4/❺H.147/◎N.17,25,
     『実践理性批判』,❸T.67,84,176@,181?,184,185@,
     『視霊者の夢』,❸T.17(『形而上学の夢によって解明されたる-』,74),74〜78,76@,
     『人生論』,❸T.144@,
     『人倫の形而上学』,❸T.337@,
     『一七六五年・一七六六年冬学期講義案内』,❸T.63,
     『たんなる理性の限界内での宗教』,◉W.180@
     『道徳形而上学原論』,❸T.3@,181?@,197@,339@/◉W.102@,179@,181@/◎N.25@,
     『人間学』,❸T.207@,335@,
     『判断力批判』,❶J.30@,296@/❷M,16@/❸T.61,64〜66,65@,66@,70,73,120,146,334@/❹A.31@,99@101-2@/❺H.148,
     『プロレゴメナ』,❸T.63,90@,468@,
     『論理学』,「緒論」,❸T.63@, 
     『〜書簡』,❸T.75@,467,470@,471@
     『美と崇高との感情性に関する観察』,❹A.96-7@
    カントール.Cantor,Georg,❷M.147(連続体仮説)/❸T.96(無限集合論),102(連続体仮説),131
    官僚,
    ❶J.231(柳田国男)/❷M.57(-機構)/❸T.227(行政権力),228(-と軍),231,420(官吏,422),514(-制, <◎N.64>)/❺H.22/◉W.53,61,119-,121-2(-制),123(-機構),125(軍・-機能),154(-制) /◎N.67(-化)

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  74. トラクリ335頁

      年若き人よ。満足してしまうこと(悦楽、耽溺、恋愛等等のことどもについて)のないようにさ
     れるがよい。それはこのような満足を全くもたずにすまそうとするストア的な考え方に従うので
     はなくて、ますます増大する享楽をいつも前途にもっていようとする、洗練されたエピクロス的
     な考えからいうのである。このようにあなたの生の感情の現金所有額を倹約することは、享楽を
     延期することによって、——よしんば生涯の最後に達して所持現金の使用を概ね断念することに
     なろうとも、——実はあなたをより富んだ人にするのである。享楽を意のままにすることができ
     るという意識は、一切の観念的なものがそうであるように、かの、享楽とともに消尽し、かくし
     て全体の量を滅少させながら感官を満足させるところの一切のものにも増して有効であり、かつ
     その及ぶ範囲が広大なのである、(『人間学』第一篇二五d、坂出徳男訳、岩波文庫)80頁


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  75. 普通はソクラテスの「無知の知」と比べられる。
    その方が対話主義的な部分が説明出来るから。
    ただ孔子にはシャーマニズムの伝統がある。
    北斗七星信仰もそうした要素の一つではないだろうか?
    02-01
    https://lh5.googleusercontent.com/-sBV0P6BfJb0/UsKmsCf2mnI/AAAAAAAAbHo/jujOTZDM3VA/s1600/blogger-image--774849395.jpg

    カントの『実践理性批判』のラストは以下、墓碑銘にもなっている。
    こちらはシャーマニズムではなく宇宙論が背景にある。
    http://1.bp.blogspot.com/-5ZD32ASeSuk/UL3qluevz1I/AAAAAAAAPFY/4IRWoUkWffM/s1600/IMG_01941.jpg

    「ここに二つの物がある、それはーー我々がその物を思念すること長くかつしばしば
    なるにつれて、常にいや増す新たな感嘆と畏敬の念とをもって我々の心を余すところ
    なく充足する、すなわち私の上なる星をちりばめた空と私のうちなる道徳的法則であ
    る。…」(岩波文庫317頁)


    Zwei Dinge erfüllen das Gemüth mit immer neuer und zunehmender Bewunderung und Ehrfurcht, je öfter und anhaltender sich das Nachdenken damit beschäftigt: der bestirnte Himmel über mir und das moralische Gesetz in mir.(V, 161)(1)
    (邦訳)繰り返し,絶え間なく熟考すればするほど,それだけ新たにたかまりくる感嘆と畏敬の念をもって心を満たすものが二つある。我が上なる星の輝く空と我が内なる道徳律とである。


    http://www.res.otemon.ac.jp/~yamamoto/works/Abhl_17.htm
    秘匿された〈まなざし〉
    ――カントの〈狂気〉論――
    山本博史

    Über dem verborgenen Blick
    ―― Kants Lehre von der Gemüthsstörung ――
    Hiroshi YAMAMOTO






    要約

     カントは,『脳の病気に関する試論(Versuch über die Krankheiten des Kopfes)』(1764年)および『実用的見地における人間学(Anthropologie in pragmatischer Hinsicht)』(1798年)において,〈狂気〉を認識能力の位相における狂いと捉え,それを認識諸能力との関係において分類している。カントの〈狂気〉に対する関心および〈狂気〉の表象の仕方は,当時の一般的なそれと共通していると考えられるが,そこには,〈狂気〉を不健全なもの・異常なものとして排除・否定しようとする暴力的な反道徳的な〈まなざし〉がある。〈狂気〉に対するこの規範的な〈まなざし〉は,批判哲学の方法論の根底に前提として潜んでいる同質性への〈まなざし〉に必然的に付きまとう異質性への〈まなざし〉に淵源があるのだが,そのような〈まなざし〉を秘匿したカントの道徳論は,方法論的に必然的に,自己破壊・自己解体の危機を胚胎していると言わざるをえない。
       『脳病試論』における分類

     カントは『脳病試論』において,「頭脳の疾患(die Gebrechen des Kopfes)」を以下のように大きく二つに分類し,そのうちの一つをさらに三つに分類している(Vgl.Ⅱ, 263f.)。

    1. 白痴(Blödsinnigkeit)
    2. 狂った精神(das gestörte Gemüth)
    (1) 精神異常(Verrückung)
    (2) 狂想(Wahnsinn)
    (3) 錯乱(Wahnwitz)

    カントは「白痴」と「狂った精神」について論じる前に,「より軽度」の「愚昧(Dummköpfigkeit)」および「まぬけ(Narrheit)」について論じているが(Vgl.Ⅱ, 260-263),より軽度のものと「いまわしい病気(ekelhafte Krankheiten)」(Ⅱ, 260)とに二分するこのやり方は,『人間学』において「認識能力における心の弱さ」と「心の病」との二分法に踏襲されている(Vgl. Ⅶ, 202)。そして,「愚昧」を「あほう(Tropf)」もしくは「単純(Einfalt)」から区別する際にも,また「まぬけ」を「愚か者(Thor)」から区別する際にも,悟性・判断力・理性など認識諸能力との関係が区別の基準になっているが(Vgl. Ⅱ, 260),認識諸能力との関係において区別するというやり方は,「白痴」と「狂った精神」との区別においても,「狂った精神」の三分類においても,さらには『人間学』における〈狂気〉の分類においても用いられている。このことは重要である。
    市野川容孝は,「カントは一方で,狂気の原因を遺伝という身体的なものに求めていながら,その他方で,狂気の存在を身体を超えた〈ことば〉の位相に求めている。これはある意味で矛盾かもしれないが,しかし,この矛盾にこそ,おそらく狂気という経験の本質があるのだ。」(5)と述べているが,このような理解は必ずしも十分なものとは言えないであろう。たしかに〈狂気〉は言葉の位相における狂いとして顕現するであろうが,カントは言葉の位相における狂いを認識諸能力の狂いとして捉えようとしているのである。そうであるからこそ,カントは首尾一貫して〈狂気〉を認識諸能力との関係において分類しようとしているのである。
     カントの分類をもう少し詳しく見てみよう。「白痴」は,脳の器官が「死滅」しているために起きる「たいていは治療不可能な」「頭脳の麻痺(die Lähmung des Kopfes)」であり,「記憶力,理性,そして一般的に感性的な感覚さえもがはなはだしく無力(Ohnmacht)」な状態に陥っているものであり(Ⅱ, 263),「頭脳の痙攣(Verzuckungen des Kopfes)」(Ⅱ, 260)としての「狂った精神」から区別されている。その「狂った精神」は,すでに述べたように,(1)「幻想(Chimären)」を現実の経験であると確信する「経験概念の倒錯」としての「精神異常(Verrückung)」,(2)「悟性の錯乱の第一段階」である,経験における「混乱した判断力」としての「狂想(Wahnsinn)」,(3)「より一般的な判断に関して倒錯してしまった理性」もしくは「無秩序に陥った理性」としての「錯乱(Wahnwitz)」に三分されているが,カントはそれをさらに細区分している(Vgl. Ⅱ, 264-269)。
    (1) 「精神異常」には,空想(Phantasterei),心気症(Hypochondrie),幻視者(Visionär)や夢想家(Schwärmer)の狂信(Fanatismus)が含まれる。(2) 「狂想(Wahnsinn)」には,気鬱症(melanchoria)が含まれる(気鬱症には,生の疾患に関する夢想という意味では精神異常の側面もあるとされている)。(3) 「錯乱(Wahnwitz)」には,経験判断を同時に無視する「気違い(Aberwitz)」,外的感覚に対して無感覚になった「狂乱(Unsinnigkeit)」,その狂乱を怒りが支配している「狂暴(Raserei)」,騒々しい激烈さを伴う「躁狂(Tobsucht)」,発狂を伴う躁狂である「癲狂(toll)」が含まれる。
     『脳病試論』における〈狂気〉の分類は,下位区分ならびに認識諸能力との関係を含めて図示すれば,以下のようになる。

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  76. 1. 白痴(Blödsinnigkeit)………………………………記憶力・理性・感性的感覚
    2. 狂った精神(das gestörte Gemüth)
    (1) 精神異常(Verrückung)…………………………経験概念の倒錯
    ……空想(Phantasterei),心気症(Hypochondrie),狂信(Fanatismus)
    (2) 狂想(Wahnsinn)…………………………判断力の混乱
    ……気鬱症(melanchoria)
    (3) 錯乱(Wahnwitz)……………………倒錯もしくは無秩序に陥った理性
    ……気違い(Aberwitz),狂乱(Unsinnigkeit),狂暴(Raserei),躁狂(Tobsucht),癲狂(Tollheit)

       『人間学』における分類……(その1)

     『脳病試論』から30数年後に書かれた『人間学』において,カントは再び〈狂気〉の分類を試みている。それは基本的な点では『脳病試論』における分類を踏襲したものであるが,必ずしも一致しているわけではない。ただし,認識諸能力との関係において区分するというやり方はより明示的になっている。『人間学』における〈狂気〉の分類を見てみよう。まず「認識能力の欠陥」を「心の弱さ」と「心の病気」とに区分したあとで,「心の病気」を「鬱病〔心気症〕(Grillenkrankheit [ Hypochondrie ] )と「狂気〔躁病〕(Gemüthsstörung [ Manie ])」とに二分し,後者を認識諸能力との関係において四つに分類している(Ⅶ, 202)。

    1. 鬱病〔心気症〕(Grillenkrankheit [ Hypochondrie ])
    2. 狂気〔躁病〕(Gemüthsstörung[ Manie ])
    (1) 狂乱(Unsinnigkeit),狂想(Wahnsinn)〔癲狂(Tollheit)〕(6)………感官表象
    (2) 錯乱(Wahnwitz)……………………………………………………………判断力
    (3) 気違い(Aberwitz)……………………………………………………………理性
    (4) 空想病者〔妄想病者〕(Phantast [ Grillenfänger ] )〔熱狂病者(Enthusiast)〕(7)……………………………………………………………………………………構想力

    この分類については,少し注意が要るであろう。ある種の内的な身体感覚から現実に存在しない身体的疾患を想像する「構想力の病」であるという点では空想病者に類似した点があり,「もっとも哀れな空想病者(妄想病者)」(Ⅶ, 212)とも言われている鬱病(Grillenkrankheit)は,『脳病試論』では,狂った精神(das gestörte Gemüth)の精神異常(Verrückung)に分類されているが,ここでは狂気(Gemüthsstörung)から除外されている。さらには憂鬱症〔気鬱症〕(Tiefsinnigkeit [melancholia])もまた,『脳病試論』では,狂った精神(das gestörte Gemüth)の狂想(Wahnsinn)に分類されているが,ここでは狂気(Gemüthsstörung)に至る可能性はあるが,狂気(Gemüthsstörung)ではないとされている(Vgl. Ⅶ, 213)。

       『人間学』における分類……(その2)

     カントは『脳病試論』を踏襲しているように見える〈狂気〉の区分を示したあとで,困難だと断りながらも,上記の区分とは異なった区分を同時に提示している。そこでは,狂気(Gemüthsstörung)という語ではなく,精神異常(Verrückung)という語が使用されているが,gestört(狂っている)という語はverrückt(精神が異常である)のマイルドな表現であるとカントが主張していることからすれば(Vgl. Ⅶ, 213),精神異常(Verrückung)と狂気(Gemüthsstörung)とは本質的に同一のものであり,それゆえ,ここでは上記の区分とは異なった〈狂気の〉区分が提示されているのだと考えてよい。ここでの区分を,認識諸能力との関係も含めて図示すれば,以下のようになる。

    1.騒々しい精神異常(tumultuarische Verrückung)
    狂乱〔無精神〕(Unsinnigkeit [amentia])…………感官表象(8)
    2.理路整然とした精神異常(methodische Verrückung)
    狂想〔精神麻痺〕(Wahnsinn [dementia])…………構想力
    錯乱〔精神錯乱〕(Wahnwitz [insania])……………判断力
    3.体系的な精神異常(systematische Verrückung)
       気違い〔常軌逸脱〕(Aberwitz [vesania])…………理性

     カントは〈狂気〉を以上のような三通りの仕方で分類している。それらの分類は,細かい点では異同も多いが,認識諸能力との関係において分類しようとしている点では首尾一貫している。精神医学が近代医学の専門分科の一つとして分化していなかった時代に,カントはそれなりの基準を用いて分類を試みているのであり,その分類が現代の分類の仕方と著しく異なっていたとしても,分類の試み自体は非難されるべきではないであろう。

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  77. NAMs出版プロジェクト: 索引(『帝国の構造』+『世界史の構造』):作業中
    http://nam-students.blogspot.jp/2014/12/blog-post_15.html#refka

    カント.Kant,Immanuel,43,/○23,○28@,○28,○30~4,○36,○39,○54,○143,○187~203,○192@,○205,~7,○255
       『純粋理性批判』(328)^494-495@,329@,
       『判断力批判』(329),
       『永遠平和のために』(43),349@^497,450@^501,451@^501,/○187@,○193~4,○198~9@.○201@,○206@.○208@
       「人類の歴史の憶測的起源」/○200@
       「世界公民的見地における一般史の構想」(岩波文庫『啓蒙とは何か』所収)447@^500,448@^500,449@^501,/○192@,○198@
       『道徳形而上学原論』345@^496-497@,
       『たんなる理性の限界内の宗教』346@^496,/○28@,○190@,○198@,○203@
       『人間学』/○190~1@(『人間学遺稿』理想社?)

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  78. 高坂正顕『カント』1947年は、書簡の紹介が優れている。
    18頁ではアンチノミーから始める案もあったという書簡の紹介がある。
    柄谷が言及した書簡だ。

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  79. ASMR - Wikipedia
    ja.wikipedia.org/wiki/ASMR
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    正式、及び一般的な日本語訳は今のところ存在しないが、直訳すると自律感覚絶頂反応となる。読み方は「 ...
    バイノーラル録音-まこと-慢性疼痛
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    2020年3月13日-「ASMR」とは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略で、直訳すると「自律感覚絶頂反応」という ...
    ハマる高校生が続出!聞くだけでゾクゾクするASMRってどんなもの ...
    shingakunet.com/journal/trend/20190710000006/
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    2019年7月16日-ASMRとは、Autonomous Sensory Meridian Responseの略で、直訳すると自律感覚絶頂反応という意味。

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