金曜日, 5月 12, 2017

経済計算論争 ランゲ、そしてカレツキ


                 ( 経済学リンク::::::::::

ケインズ=カレツキ往復書簡 Keynes ,Kalecki Correspondence 1937 
http://nam-students.blogspot.jp/2015/12/keynes-kalecki-correspondence-1937.html


NAMs出版プロジェクト: 経済計算論争 ランゲ、そしてカレツキ

http://nam-students.blogspot.jp/2017/05/blog-post_76.html@


経済評論1968/10 [17(11)]

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1429421?tocOpened=1

計量経済学モデルと史的唯物論〔"Econometric Model and Historical Materialism"

(On Political Economy and Econometrics--Essays on Honour of Oskar Lange,1964所収)〕

 / KaleckiM. ; 森重泰 訳/154~159


(ランゲ記念文集のために書かれたランゲに関する文章。)


カレツキは自らの立場を史的唯物論とする(ただし計量経済学モデルも「一般化された計量経済学モデル」としての史的唯物論に包摂される)。そうするとカレツキも一般化された計量経済学者ということか???


結局カレツキは経済に自足する計量経済学と土台から上部構造への一方的な影響関係を強調した史的唯物論の両方を批判している。


《マルクスの再生産表式は、結局のところ、単純な計量経済学モデルにほかならない。》


自然資源、生産関係、上部構造の影響を受けるので関数fは安定していない。だから、


Bt=f(Bt,Bt-1, ……,Bt-r)
ではなく[Btはひとつのベクトル]
Bt=ft(Bt,Bt-1, ……,Bt-r)

fが安定しているときのみ上の式が当てはまる。



カレツキは史的唯物論を「上部構造もまた土台に影響をおよぼすというフィードバック効果」

と再定義する。

これだとFTPLを唱える経済学者は皆、史的唯物論者ということになる。


(カレツキにおける史的唯物論)山本英司

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/45393/1/10167104.pdf

《「計量経済学モデルと史的唯物論とは,社会の発展にたいするふたつの相異なるアプローチをなす。

前者は,考察される期間における計量経済学的変数相互の,およびこれらの変数と過去の諸期間にお

ける同一変数のあいだの関数関係を基礎としている。この関係は所与であり,また変化しないものと

仮定される。かくして,特定の動態過程が措定されるが,それは,上記の関数関係の不変性という基本

的な仮定が満足される場合にのみ現実の発展に対応する。

 史的唯物論は,社会の発展過程をすべての他の社会現象,たとえば政府,文化,科学,技術など(上部

構造)をかたちづくる生産力と生産関係(土台)のそれとして考える。ここには上部構造もまた土台

に影響をおよぼすというフィードバック効果が包合されている」(Kalecki[1965],邦訳*154ページ)。


 ここにおいて注目すべきなのは,カレッキは史的唯物論を,計量経済学モデルの「機械論的性格」(Ibid,邦訳155ページ)と対比させて,「上部構造もまた土台に影響をおよぼすというフィードバック効果」が包含されているものとして解釈しているということである。カレツキは同論文全体を通して,計量経済学モデルを,「現在および過去の経済変数相互の変化する関係を包摂する「一般化された計量経済学モデル」(lbid.,邦訳159ページ)としての史的唯物論に包摂されるものとして定式化しようとしている。
 マルクスの『経済学批判』(マルクス[1859])の「序言」における「唯物史観の公式」.はあまりにも有名であるが,「物質的生活の生産様式が,社会的,政治的および精神的生活過程..般を制約する。人間の意識が彼らの存在を規定するのではなく,彼らの社会的存在が彼らの意識を規定するのである」(同上書,6ページ)との記述は,土台から上部構造への規定性が強調されるあまり,上部構造から土台への反作用を無視ないし軽視する解釈を広範囲に生み出してきた。その中にあって,「上部構造もまた土台に影響をおよぼすというフィードバック効果」こそが史的唯物論を計量経済学モデルから分かつとのカレツキの解釈は実に新鮮である。



経済計算論争(けいざいけいさんろんそう)とは - コトバンク

https://kotobank.jp/word/経済計算論争-1308740

経済計算論争
けいざいけいさんろんそう


社会主義経済には資源配分を合理的に行うための計算的基礎が存在するかという問題をめぐって、両大戦間期に欧米の経済学者の間で展開された論争をいう。この論争は1920年にオーストリアの経済学者ミーゼスの論文「社会主義共同体における経済計算」によって開始されたが、その論旨は、社会主義のもとでは生産手段が公有であるため、少なくとも生産財については市場および市場価格が成立せず、価格のないところに経済計算はありえないから、そこでは資源配分が恣意(しい)的に行われ、つまるところ社会主義経済は運営不可能に陥る、というものであった。
 ところがミーゼスのこの問題提起は、理論的にはすでに1908年にイタリアの経済学者バローネの論文「集産主義国家における生産省」によって解決済みであることが、その後明らかにされた。バローネは、生産手段の公有制のもとでも中央計画当局(生産省)が各種の財や用役に一種の計算価格を設定し、これに市場価格と原理的に同一の機能を果たさせることが可能であり、したがって社会主義のもとでも資源の合理的配分が可能であることを数学的に証明していたのである。そこで、ミーゼスと同じ立場にたつイギリスの経済学者ロビンズとハイエクはこの点を考慮に入れて、1930年代なかばに、社会主義経済においてそのような計算価格が設定可能であることが理論的に証明されたとしても、現実問題としてそうするためには中央計画当局は膨大な量の統計資料を収集・加工し、それに基づいて数十万(ハイエク)ないし数百万(ロビンズ)の連立方程式を解かねばならないから、それは実行不可能であると主張した。
 これらの議論に反論しつつ社会主義のもとでの経済計算可能論を主張したのは、アメリカの経済学者F・M・テーラー、A・P・ラーナー、およびポーランドの経済学者で当時滞米中のO・R・ランゲらで、うちもっとも有名なのがランゲの論文「社会主義の経済理論」(1936~37).★であった。ランゲはこの論文において、第一に、社会主義のもとでも合理的な資源配分を実現するためには、価格をシグナルとして個々の経済主体の意思決定が行われるという意味での「価格のパラメータ機能」が保持されなければならないが、その際の価格はかならずしも市場価格である必要はなく、技術的代替率に基づく計算価格であれば十分であること、第二に、その実際的解決の仕方として、企業に自律性(生産上、販売上の自由)を与え、中央計画当局は任意の計算価格をこれらの企業に伝達し、その結果生ずる需給の不均衡に応じて計算価格を逐次修正してゆけば、価格のパラメータ機能が果たされうることを明らかにした。このランゲの見解は、「競争的解決」とか「市場社会主義」とかよばれたが、要するに、ソ連で集権的計画経済システムが成立した1930年代に早くも、計画経済と市場メカニズム(価格メカニズム)のフィードバック機能との結合を内容とする分権的社会主義経済モデルを提唱したものであり、ランゲの見解は60年代以降の東欧やソ連における市場メカニズム導入論(それは結局、失敗に終わったが)に大きな影響を与えた。[宮鍋 幟]
『A・F・V・ハイエク編、迫間真治郎訳『集産主義計画経済の理論』(1950・実業之日本社) ▽O・ランゲ、F・M・テーラー著、B・E・リピンコット編、土屋清訳『計画経済理論』(1951・社会思想研究会出版部) ▽W・ブルス著、鶴岡重成訳『社会主義経済の機能モデル』(1971・合同出版)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例




計画経済理論―社会主義の経済学説 (1951年), 1951
テーラー (著), ランゲ (著), 土屋 清 (翻訳)  : 198ページ
出版社: 社会思想研究会出版部 (1951) ASIN: B000JBFYPG 発売日: 1951
《若し価格のパラメーター機能が保有されれば、同じ客観的価格体系が社会主義経済においても得られる。》「社会主義の経済理論」95頁

1937. "On the Economic Theory of Socialism, Part Two," Review of Economic Studies, 4(2), pp. 123–142.
1938. On the Economic Theory of Socialism, (with Fred M. Taylor), Benjamin E. Lippincott, editor. University of Minnesota Press, 1938.


『政治経済学』でランゲは限界効用学派を快楽主義、主観主義的として切り捨てている。
歴史学派にも歴史的発展理論を欠いていると厳しい批判をしている。
『計量経済学』に関しては投入産出表を丁寧に説明している。

カレツキとランゲは親しかった…

2 Comments:

Blogger yoji said...

カレツキの政治経済学 (奈良産業大学経済・経営研究叢書) 単行本 2009/4/10
山本 英司 (著)
カレツキの政治経済学ー 千倉書房
http://www.chikura.co.jp/ISBN978-4-8051-0923-6.html
山本英司 著
 マルクスから批判的視点を受け継ぎ、ケインズに先駆けて「有効需要の理論」にたどり着いたミハウ・カレツキ。
イスラエル、メキシコ、インド、母国ポーランドで自らの経済理論の実践に携わった彼は、いま話題の「低開発国
問題」や「持続可能社会の構築」に最も早い時期から取り組んだ経済学者でもあった。その理論と生涯を丹念に追った労作。
2009年3月18日 定価4,104円(税込) A5判 232頁
目次
第1章 カレツキ入門
第2章 カレツキの資本主義経済研究における『景気循環理論』の位置
第3章 カレツキ資本主義経済論体系の形成と展開
第4章 カレツキの開発経済学
第5章 カレツキ開発経済学の実践
第6章 カレツキの比較経済体制論
第7章 「マルクス主義者」としてのカレツキ *
第8章 「根本的な改革」から「決定的な改革」へ

*はネットで購読可能

6:02 午前  
Blogger yoji said...


計画経済理論―社会主義の経済学説 (1951年)- – 古書, 1951
テーラー (著), ランゲ (著), 土屋 清 (翻訳)  : 198ページ
出版社: 社会思想研究会出版部 (1951) ASIN: B000JBFYPG 発売日: 1951
《若し価格のパラメーター機能が保有されれば、同じ客観的価格体系が社会主義経済においても得られる。》「社会主義の経済理論」95頁

1937. "On the Economic Theory of Socialism, Part Two," Review of Economic Studies, 4(2), pp. 123–142.
1938. On the Economic Theory of Socialism, (with Fred M. Taylor), Benjamin E. Lippincott, editor. University of Minnesota Press, 1938.


『政治経済学』でランゲは限界効用学派を快楽主義、主観主義的として切り捨てている。
歴史学派にも歴史的発展理論を欠いていると厳しい批判をしている。
『計量経済学』に関しては投入産出表を丁寧に説明している。

カレツキとランゲは親しかった…

2:09 午前  

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