金曜日, 1月 04, 2019

マッチング理論:再考

             (経済学リンク::::::::::) 
新しい金融論―信用と情報の経済学 スティグリッツ他、Towards a New Paradigm in Monetary Economics -Stiglitz
http://nam-students.blogspot.jp/2016/02/towards-new-paradigm-in-monetary.html
NAMs出版プロジェクト: ブランチャード&フィッシャー 『マクロ経済学講義』1989,邦訳1999:目次 #9
http://nam-students.blogspot.jp/2015/09/blog-post_34.html
ローマー『上級マクロ経済学』(Advanced Macroeconomics,David Romer)1996~:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/advanced-macroeconomicsdavid-romer.html 
NAMs出版プロジェクト: 齊藤誠 他『マクロ経済学 New Liberal Arts Selection 』(2010年):目次
サーチ理論:メモ 
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_34.html

なぜ日本の会社は生産性が低いのか? 熊野英生/&ひたすら読むエコノミクス 伊藤秀史
http://nam-students.blogspot.com/2019/03/kindle-2019.html
マッチング理論:再考

https://nam-students.blogspot.com/2019/01/blog-post_4.html@
ロイド・ストウェル・シャープレー(Lloyd Stowell Shapley、1923年6月2日 - 2016年3月12日



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アルビン・ロス Alvin Roth 2012
https://nam-students.blogspot.com/2019/02/alvin-roth-2012.html
  • アルヴィン・ロスの専門は、ゲーム理論、実験経済学、マッチング理論、マーケットデザインである。特に実験経済学が専門で、具体的には医学生と病院のマッチング、公立学校選択システム、腎臓交換などが有名である。
  • 理論だけでなく、経済制度自体の設計を目指しているのが特徴である。彼は、何が可能かを示すだけでなく、「これは大半のケースでうまくいくか?」、「これが、いったい最善なのか?」という問いをたている。


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  • 医学生の研修先病院を割り振る際の問題を指摘し、解消した。例えば、結婚している医学生がいて同じ都市で暮らしたがっているといった場合の問題を解決してきた。
  • ロスが1984年に書いた全国医学実習生マッチングプログラム(NRMP)の論文は、1952年にJohn StalknakerとF. J. Mullenによって設計されたシステムを際だたせたものであり、1962年のデイビッド・ゲールロイド・シャープレーによる独立理論の基礎の上に導入されたものである。ロスは、全国医学実習生マッチングプログラムは未婚の医学実習生にとっては安定的で戦略保証つきであるかもしれないが、既婚カップルの場合はいかにすれば有効なマッチングが可能かといった問題に取り組み、将来にわたって拡張した。1999年、ロスは既婚医学生のカップルに安定したマッチングを確実にするマッチングプログラムを設計し直した。
  • これは日本の研修医マッチングでも導入されている。
マーケット・デザイン
https://nam-students.blogspot.com/2019/01/blog-post_14.html
モーリス・アレ:世代重複モデル(OLG:overlapping generations model,Modèle à générations imbriquées)再考
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/qlgoverlapping-generations-model.html
世代重複モデル:再考
http://nam-students.blogspot.com/2018/10/overlappinggenerationsmodel.html
ゲーム理論で解明されたユダヤの知恵
http://nam-students.blogspot.jp/2012/11/blog-post_28.html
森嶋通夫 Michio Morshima
http://nam-students.blogspot.com/2018/09/michio-morshima.html
(森嶋はサーチ理論を開発した経済学者のひとりであるピサリデスを指導した)

スティグリッツが近著でサーチ理論を絶賛している(「過去数十年で経済理論に生じた重要な進歩のひとつは..."サーチ理論"だ」『新しい教科書』2016邦訳245頁)。シャピロ=スティグリッツ・モデルでも表されていたが、不完全な労働市場(さらに離散的なそれ)はスティグリッツのいう情報の非対称性を前提にしたものだ。

サーチ理論
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%81%E7%90%86%E8%AB%96
ミクロ経済学において、サーチ理論(さーちりろん、英語search theory)は即座に取引相手を見つけることができず、そのために商取引の前にパートナーを捜し求めなければならないような売り手や買い手についての研究である。探索理論とも呼ばれる。
サーチ理論は経済学の多くの領域で利用されている。労働経済学においては、労働者の就職活動において起こる摩擦的失業を説明するために用いられてきた。消費者行動分析で は、購買決定を分析するために用いられてきた。労働者の観点から考えて引き受けられやすい仕事というのは、賃金が高く、望ましい利益を提供してくれ、快適 で安全な労働環境の下で働けるものであり、 消費者の観点から考えて購入されやすい商品というのは、価格が安く、高い品質を持っているものだろう。いずれの場合にしろ、仕事や商品が受け入れられるか どうかは、市場にある代替品について探索する人が持っている考えに依存している。
より厳密な意味で言うと、サーチ理論は、選択の遅れによって損失を被る状況下で価値がそれぞれ異なる複数の選択肢がある時、個人の最適な選択を行う ことを目的としている。 探索モデルは再選択を行った時の価値と、選択の遅れによる損失のバランスを釣り合わせる最も良い均衡点を示すものである。 数学的には、optimal stopping(最適な妥協点)を見つけだすために使われる。
マクロ経済学者はこのサーチ理論を一般均衡モデルにまで拡大し、マッチング理論*またはサーチ・マッチング理論と呼ばれている。

2012年Al Roth, Sydney Ideas lecture 2012c.jpgアルヴィン・ロスアメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国安定配分理論と市場設計の
実践に関する功績[143]
Shapley, Lloyd (1980).jpgロイド・シャープレーアメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国

Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 Kindle版

https://www.amazon.co.jp/dp/B01D1D3XTC


以外も原図にいない
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ゲーム理論で解明されたユダヤの知恵
http://nam-students.blogspot.jp/2012/11/blog-post_28.html

参考:
NAMs出版プロジェクト: パレート最適:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/blog-post_82.html

ディープラーニング
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_5.html

ゲーム理論トーマス・シェリング(Thomas Crombie Schelling)
http://nam-students.blogspot.jp/2016/12/thomas-crombie-schelling.html

ノーベル経済学賞:

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssst/25/4/25_4_4_20/_pdf
メカニズムデザイン(遂行理論、制度設計理論)は,逆ゲーム理論(înversed game theory)と考えることもできる。すなわち、ゲーム理論ではルールが与えられた上で結果を分析するが, メカニズムデザインではある望ましい結果を得ることができるようなルールを設計する。


アルヴィン・ロス(Alvin Elliot Roth、1951年12月18日 - )は、アメリカ経済学者ハーバード・ビジネス・スクールのジョージ・ガンド経済学・経営学講座教授(George GundProfessor of Economics and Business Administration)であった。この間、スタンフォード大学客員教授を兼ねていたが、2013年より専任のスタンフォード大学教授となる[1]
アルヴィン・ロス
Al Roth, Sydney Ideas lecture 2012c.jpg
Al Roth, Sydney Ideas lecture 2012
生誕アルヴィン・エリオット・ロス
1951年12月18日(66歳)
国籍アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究分野ゲーム理論
マーケットデザイン
実験経済学
マッチング理論
出身校コロンビア大学
スタンフォード大学
主な受賞歴ノーベル経済学賞(2012年)
プロジェクト:人物伝
ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2012年
受賞部門:ノーベル経済学賞
受賞理由:安定配分理論と市場設計の実践に関する功績を称えて
専門は、ゲーム理論、実験経済学、マッチング理論、マーケットデザインであるが、経済理論だけでなく、彼の理論を実社会の解決に利用するよう強調していることが知られている[2][3] 。
2012年、ロスはロイド・シャープレーとともに、「安定配分理論と市場設計の実践」の功績についてノーベル経済学賞を受けた[4]

目次

略歴編集

  • 1951年 学校教師の夫婦の間に生まれる。
  • 1960年代後期 ニューヨーク市クイーンズの中学のとき中退する。
  • 後にコロンビア大学の週末クラスの学生となり、その後、フルタイムの学生となる。
  • 1971年 コロンビア大学からオペレーションズ・リサーチの学位をえて卒業する。
  • 1973年 スタンフォード大学よりオペレーションズ・リサーチのM.S.(修士号)をえる。
  • 1974年 スタンフォード大学よりオペレーションズ・リサーチのPh.D.をえる。
  • 1974年~1977年 イリノイ大学の助教となる。
  • 1977年~1979年 イリノイ大学の准教授となる。
  • 1979年~1982年 イリノイ大学の教授となる。
  • 1982年~1998年 ピッツバーグ大学の教授(the Andrew W. Mellon Professor of Economics)となる。
  • 1998年~2013年 ハーバード大学経済学部の教授(the George Gund Professor of Economics and Business Administration)となる。
  • 2012年 ノーベル経済学賞を受ける。
  • 2013年~ スタンフォード大学の教授。

参加・栄誉



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ノーベル経済学賞編集

業績編集

主要業績編集

  • アルヴィン・ロスの専門は、ゲーム理論、実験経済学、マッチング理論、マーケットデザインである。特に実験経済学が専門で、具体的には医学生と病院のマッチング、公立学校選択システム、腎臓交換などが有名である。
  • 理論だけでなく、経済制度自体の設計を目指しているのが特徴である。彼は、何が可能かを示すだけでなく、「これは大半のケースでうまくいくか?」、「これが、いったい最善なのか?」という問いをたている。

研修医の問題編集

  • 医学生の研修先病院を割り振る際の問題を指摘し、解消した。例えば、結婚している医学生がいて同じ都市で暮らしたがっているといった場合の問題を解決してきた。
  • ロスが1984年に書いた全国医学実習生マッチングプログラム(NRMP)の論文は、1952年にJohn StalknakerとF. J. Mullenによって設計されたシステムを際だたせたものであり、1962年のデイビッド・ゲールロイド・シャープレーによる独立理論の基礎の上に導入されたものである。ロスは、全国医学実習生マッチングプログラムは未婚の医学実習生にとっては安定的で戦略保証つきであるかもしれないが、既婚カップルの場合はいかにすれば有効なマッチングが可能かといった問題に取り組み、将来にわたって拡張した。1999年、ロスは既婚医学生のカップルに安定したマッチングを確実にするマッチングプログラムを設計し直した。
  • これは日本の研修医マッチングでも導入されている。

公立学校選択システム編集

ニューヨークシティ公立学校システム編集

  • ロスはニューヨーク市立学校の生徒とハイスクールとをマッチングする市場設計を支援した。従来は、学校地区ごとに生徒に5つの志望校のリストを出させていた。しかし、生徒は5校というより1校を選ぶことが多いという傾向があった。そこで、ロスとその同僚は、インセンティブと両立できるメカニズムを設計した。2003年、学校局は志望校の選択方法としてニューヨーク市ハイスクール・アプリケーション・システムを採用した。

ボストン公立学校システム編集

  • 2004年、Tayfun Sonmezと共同で作業した。

腎臓交換編集

  • Tayfun SonmezとUtku Unverとともに、'ニューイングランド腎臓提供プログラム'の創設者である。
  • 腎不全患者に対して臓器供与の意思があるドナーがいても、臓器が適合しない場合がある。この場合、同様な状況にある他の組み合わせを探すことによって、患者とドナーの適切な組み合わせを探しだすことが出来るかもしれない。患者全員に適合する必要な臓器を提供できるドナーを探すことも不可能ではない。

著書編集

  • Axiomatic Models of Bargaining, Lecture Notes in Economics and Mathematical Systems, Springer Verlag, 1979.
  • Game-Theoretic Models of Bargaining, (editor), Cambridge University Press, 1985.
  • Laboratory Experimentation in Economics: Six Points of View, (editor) Cambridge University Press, 1997 (Chinese translation, 2008).
  • The Shapley Value: Essays in Honor of Lloyd S. Shapley, (editor), Cambridge University Press, 1988.
  • Two-Sided Matching: A Study in Game-Theoretic Modeling and Analysis, With Marilda Sotomayor, Cambridge University Press, 1990.
  • Handbook of Experimental Economics, Edited with J.H. Kagel, Princeton University Press, 1995.
  • Game Theory in the Tradition of Bob Wilson, Edited with Bengt Holmstrom and Paul Milgrom, 2001.
  • アルビン・ロス著『Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット)---- マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学』(日本経済新聞出版社、2016年;原著は2014年)ISBN: 978-4-532-35688-0

出典・脚注編集

  1. ^ Curriculum vitae, and consulting services Alvin E. Roth”. Alvin E. Roth. 2012年10月15日閲覧。
  2. ^ Adams, Susan (2010年8月9日). “Un-Freakonomics: A Harvard professor uses economics to save lives, assign doctors and get kids into the right high school”Forbes2012年10月26日閲覧。
  3. ^ Neyfakh, Leon (2011年4月3日). “The Matchmaker: The Harvard economist who stopped just studying the world and began trying to fix it”Boston Globe 2012年10月26日閲覧。
  4. ^ The Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel 2012”. Nobel Media AB (2012年10月26日). 2012年10月15日閲覧。


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ロイド・ストウェル・シャープレー(Lloyd Stowell Shapley、1923年6月2日 - 2016年3月12日[1])は、アメリカ合衆国経済学者数学者カリフォルニア大学ロスアンジェルス校(UCLA)名誉教授。UCLAでは数学部と経済学部の双方に所属している。数理経済学、とりわけゲーム理論への貢献で広く知られており、ゲーム理論の分野における権威と見なされている。
ロイド・シャープレー
Shapley, Lloyd (1980).jpg
ロイド・シャープレー(1980年)
生誕1923年6月2日
マサチューセッツ州ケンブリッジ
死没2016年3月12日(92歳)
アリゾナ州ツーソン
居住アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
国籍アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究分野数学経済学
研究機関カリフォルニア大学ロサンゼルス校、1981年-
ランド研究所、1948年-1949年、1954年-1981年
プリンストン大学、1953年-1954年
アメリカ陸軍、1943年-1945年
出身校プリンストン大学
ハーバード大学
博士課程
指導教員
アルバート・タッカー
主な業績シャープレー値
シャープレイ=シュービック投票力指数
確率ゲーム
ボンダレーヴァ=シャープレー定理
シャープレー=フォークマンの補題と定理
安定マッチングにおけるゲール=シャープレー・アルゴリズム
潜在的ゲーム
コアマーケット・ゲーム
ノンアトミック・ゲーム
主な受賞歴ジョン・フォン・ノイマン理論賞(1981年)
ノーベル経済学賞(2012年)
プロジェクト:人物伝
ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2012年
受賞部門:ノーベル経済学賞
受賞理由:安定配分理論と市場設計の実践に関する功績を称えて
2012年に(アルヴィン・ロスとともに)ノーベル経済学賞を受賞。(なお、姓についてはシャープリー、シャプリー、シャプレーと表記する場合もある。)

目次

経歴編集

業績編集

初期の研究編集

4 Comments:

Blogger yoji said...

マーケット・デザイン オークションとマッチングの経済学 (講談社選書メチエ) 単行本(ソフトカバー) – 2015/2/11
川越 敏司 (著)
kindleあり

マーケットデザイン: 最先端の実用的な経済学 (ちくま新書) 単行本 – 2013/9/4
坂井 豊貴 (著)

メカニズムデザインと意思決定のフロンティア2014/5/22
坂井 豊貴
単行本
¥ 3,024プライム

メカニズムデザイン―資源配分制度の設計とインセンティブ 単行本 – 2008/8/1
坂井 豊貴 (著), 藤中 裕二 (著), 若山 琢磨 (著)
5つ星のうち 4.8 5件のカスタマーレビュー

8:43 午後  
Blogger yoji said...

2018
医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者 Kindle版
大竹 文雄 (著), 平井 啓 (著)

医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者 Kindle版
大竹 文雄 (著), 平井 啓 (著)
5つ星のうち 4.1 9件のカスタマーレビュー
その他(2)の形式およびエディションを表示する
Kindle版
¥ 2,400
今すぐお読みいただけます: 無料アプリ

10:51 午後  
Blogger yoji said...

5つ星のうち5.0医療従事者だけではなく、患者になりうる人(=つまりすべての人)に対しておススメできる、よみやすくて面白い本。
2018年8月23日
形式: 単行本
行動経済学というと、数式やグラフが沢山出てくるんかなと勘繰っていたら、
とても読みやすい名著だった。
※NHKの番組『オイコノミア』にて大竹文雄先生がわかりやすい解説をしていたが、
やはりこの本もわかりやすかった。

この本の良いところは、
・まず、行動経済学の枠組みを説明し、
・医療現場での具体的な問題に対して、行動経済学的アプローチを提示する
ということである。
※枠組みの説明部分が若干速足なのはしょうがないことであろう。

基本的に通常の人より頭がいい(と思われる)医師は、
おそらくすべてを合理的に、簡潔に考えてしまう「癖」みたいなものが
あるからこそ、患者とのずれが生じてしまう。
この点に対しての行動経済学的アプローチが的確に提示されている点が
読んでいてすがすがしい。

また、医療現場での問題点ではあるが、おそらく医療とは程遠い
仕事の人でも、大変参考になる内容であろう。
人々の意思決定におけるバイアスを明らかにして、
それを認識することで、多くの人が間違った選択をせずに済むのではないかと思われる。

なお、個人的にわからない点として(経済学に明るくない私からすると)
本に書いてある枠組みは「どういった点が経済学なのか?どちらかというと心理学の分野ではないのか?」と
勘違いしてしまう。

ただ、その思いに対して、これを入門編としてもう少し他の本も読んでみよう、
とも思えるような「最初の本」としても有能であろうと感じた。
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Brown Mouse Lemur
5つ星のうち5.0行動経済学の医療現場への応用の良書
2018年7月29日
形式: 単行本
著名な行動経済学者による本書は、多くの書店で経済学コーナーよりむしろ、医学書のコーナーに置かれていると聞く。

ヒトの意思決定に関する新しい学問体系である行動経済学。臨床現場に応用できる知見がたくさんあるのに、多くの臨床家には、まだ馴染みが浅い。臨床心理の観点から医療従事者と患者の違いについて既出の書籍はあるが、行動経済学の分かりやすい図表を用いた本書は比類ない。

以前の経済学では、その前提である”合理的経済人"が現実的でない。そのため、モデル(経済学)と実態(実際の経済動向)が乖離していた。ところがリアルな人間の選択、意思決定を対象とする行動経済学、さらにその大脳生理的な背景に挑む神経経済学が登場して、「経済学」の地平が広がった。事実、行動経済学/神経経済学者がノーベル賞を獲得する時代となっている。

「おわりに」の章で、著書のひとり、大竹文雄先生が "医療は合理性を前提としているんですね" と喝破されたことが記されている。これが本書の発端であるとのことだ。臨床医である評者が、これまで考えていた昔の経済学の問題点 = ”合理的経済人”、これが実は臨床現場の現在の問題であることを見抜かれている ... ”胸を射抜かれた” 読後感である。
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くまじ
ベスト500レビュアー
5つ星のうち4.0決断を説明可能とすること
2018年11月4日
形式: 単行本Amazonで購入
 本書に述べてあるような内容を個人技として身体化してきた医療スタッフはたくさんいたのだろうけれど、そういうのは一握りの「天才」の個人技にとどまっていたことになる。それが伝達可能な技術として広く共有・実践されるのであればとても意義ある。いわゆる「ガイドライン」が治療者の治療法選択にまつわる不安を軽減するのと同様に、本書で取り上げられた「行動経済学」的な手法は患者・家族との対面場面での治療者の態度決定への不安を軽減することになるだろう。
 しかし、実際の治療の場面においてはガイドラインから逸脱する事態というもことも避けがたくある。そのようなガイドラインに背馳しないまでも逸脱的な方策を取る場合にも、あるいはそういう場合にこそ、「行動経済学」的な視点からの自己省察というものが有効なのかもしれない。正直言って筆者は本書はあまり面白いと思わなかったのだが、本書のコンセプトを理解し、その適用を考えれば結構役に立ちそう。
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popon
5つ星のうち5.0おもしろすぎる
2019年1月10日
形式: 単行本Amazonで購入
一気に読んでしまいました。おすすめです。読みやすい。ほとんどの説明はしっくりとくる。びんとこない章もあるが、それは個人差かもしれない。
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10:52 午後  
Blogger yoji said...

上記はマッチング理論ではなく行動経済学だった

後半は終末医療

10:55 午後  

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