金曜日, 10月 08, 2010

『百科全書』の口絵


NAMs出版プロジェクト: 『百科全書』の口絵
http://nam-students.blogspot.jp/2010/10/1verite-5memoire-7-botanique.html
NAMs出版プロジェクト: 『百科全書』の口絵:再掲
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/blog-post_49.html
図版
https://www.library.pref.osaka.jp/France/France.html


ディドロ、ダランベールらの百科全書(1751-1772)について検索してみた。
百科全書の口絵の銅版画(1772年、シャルル・ニコラ・コシャン原画、ブノワ・ルイ・プレヴォス作画)の登場人物には、それぞれ意味があるらしい。

Frontispice de l’Encyclopédie : on y voit la Vérité rayonnante de lumière; à droite, la Raison et la Philosophie lui arrachent son voile (peint par Charles Nicolas Cochin et gravé par Benoît-Louis Prévost en 1772 (Frontispice entier)

EXPLICATION DU FRONTISPICE DE L'ENCYCLOPÉDIE
Sous un Temple d'Architecture Ionique, Sanctuaire de la Vérité, on voit la Vérité enveloppée d'un voile, & rayonnante d'une lumiere qui écarte les nuages & les diperse.
A droite de la Vérité, la Raison & la Philosophie s'occupent l'une à lever, l'autre à arracher le voile de la Vérité.
A ses piés, la Théologie agenouillée reçoit sa lumiere d'en-haut.
En suivant la chaîne des figures, on trouve du même côté la Mémoire, l'Histoire Ancienne & Moderne; l'Histoire écrit les fastes, & le Tems lui sert d'appui.
Au-dessous sont grouppées la Géométrie, l'Astronomie & la Physique.
Les figures au-dessous de ce grouppe, montrent l'Optique, la Botanique, la Chymie & l'Agriculture.
En bas sont plusieurs Arts & Professions qui émanent des Sciences.
A gauche de la Vérité, on voit l'Imagination, qui se dispose à embellir & couronner la Vérité.
Au-dessous de l'Imagination, le Dessinateur a placé les différens genres de Poësie, Épique, Dramatique, Satyrique, Pastorale.
Ensuite viennent les autres Arts d'Imitation, la Musique, la Peinture, la Sculpture & l'Architecture.


百科事典の口絵:真理(真実)が光による線で示されており、右の理性、哲学は、彼が彼女のベールを引き裂こうとしている。

百科事典の口絵の説明
イオニア式建築の寺院、神聖な自然のもとにある真理、ベールに包まれた真理、雲を切り裂く晴れやかな光が見える。
真理の右で、理性つまり哲学は契約の真理のベールを引き裂くために、高い場所にいます。
彼女の足もとでは、神学が膝に光を受けます。
記憶、古代史と現代史の同じ側につらなりがあり、さらに、歴史の年代記を書くのを時間が助けています。
以下は、幾何学、天文学と物理のグループです。
この下には光学、植物学、化学と農業があります。
下部には、いくつかの芸術と科学者、職人がいます。
真理の左側に、冠を真理に渡そうとしている、美、想像が見えます。
以下に想像力、漫画、詩、叙事詩、演劇、風刺、牧歌劇(パストラーレ)のジャンルを置きます。
その下に、他の模倣の芸術、音楽、絵画、彫刻と建築があります。

以上、google自動翻訳参照。

右ページに掲げられた図は、『百科全書』第1巻の口絵。真理の殿
堂を表わす寓意画で、ヴェールに包まれた真理の女神が、光を放っ
て暗雲を追い払っており、左右には理性・哲学・想像力が仕え、そ
の足下にはもろもろの学問、芸術、技芸、職業のあらゆるジャンル
を象徴する女性の群像が描かれている。1764年にシャルル・ニコラ・
コシャン(子)が原画を描き、1772年にブノア・ルイ・プレヴォが彫
版し、すでに刊行されていた『百科全書』の第1巻に、口絵として
後から挿入された。


邦訳『フランス百科全書絵引』
ジャック・プルースト 平凡社  扉より



真理の女神が肌をあらわにする=真理を開示するという意味らしい。

それぞれの登場人物にも意味がある。
以下の目次(記憶、理性、想像力、と並んでいる)を参考に並べ替えてみた。→参考図


 1) Vérité  真理

5) Memoire 記憶           
 7) Botanique 植物学
 8) Agriculture 農業
 9) Optique 光学
 10) Chimie 化学
 11) Histoire ancienne 古代史
 12) Historie moderne 近代史


2) Raison 理性
 3) Théologie  神学
 4) Philosophie 哲学
 13) Physique 物理学
 14) Géometrie 幾何学
 15) Astronomie 天文学

6) Imagination 想像力
 16) Musique 音楽
 17) Architecture 建築
 18) Peinture 絵画
 19) Sculpture 彫刻 
 20) Epopeé 叙事詩
 21) Comedie 喜劇
 22) Tragedie 悲劇
 23) Pastorale 牧歌劇
 24) Satire 風刺
 25) Artistes. artisans. philosophes 芸術家、職人、哲学者

 26) Temps 時間

参考:
http://www.mapageweb.umontreal.ca/melancon/frontispice_liste.html
http://www.mapageweb.umontreal.ca/melancon/images/frontispice_liste.jpg

http://fr.wikipedia.org/wiki/Utilisateur:MG/Encyclop%C3%A9die-Diderot

http://aix1.uottawa.ca/~sperrier/europe/cours9/cours9.html
http://aix1.uottawa.ca/~sperrier/europe/cours9/images/tree.french.jpg

追記:
冒頭『百科全書』の口絵に邦訳を加えてみた。


この口絵は以下で拡大鑑賞できる(ただし、バージョン違い。初期版かも知れない〜〜wiki では1764版らしい。特に左下が違っていて、製版など職人らの多様なはずの群像がこの版では一面的である)。


http://encyclopedie.uchicago.edu/node/171
http://diderot.uchicago.edu/encyclopedie/frontispice.jpg

上記サイトの高画質口絵から、各部分を切り取ってみた。
想像力が左、理性が中央上、記憶が右(中央端)というように配置されている。
前出の目次(table)とは左右が逆。

真理、理性

幾何学

植物学


記憶


想像力

悲劇


絵画、音楽、彫刻


芸術家、職人他


時間(幾何学の陰、近代史の下、という絶妙な配置)



以下、松岡正剛のサイトより
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0180.html

悟性 1記憶―歴史(1)神の歴史
         (2)教会の歴史
         (3)人間の歴史
         (4)自然の歴史
   2理性―哲学(1)一般形而上学または存在論
         (2)神の学
         (3)人間の学
         (4)自然の学
   3想像―芸術

 これを少し詳しくすると、次のようになる。実際にはこの各項目の下位にもっと詳細な小項目があがっている。参考のためにあげておく。


1記憶―歴史 5
(1)神の歴史‥‥予言者の歴史
(2)教会の歴史
(3)人間の歴史‥市民の歴史――回想録
                古代遺物11
                通史  12
        ‥文学の歴史
(4)自然の歴史‥自然の斉一性―天文 15
                気象誌
                大地と海洋の記述
                鉱物誌
                 ほか
        ‥自然の逸脱――天体の異常
                気象の異常
                奇形の鉱物
                ほか
        ‥自然の利用――技術
                技能
                マニファクチュア
2理性―哲学 4
(1)一般形而上学または存在論
(2)神の学‥‥‥自然神学 3
         啓示神学
         吉凶を占う霊の学
(3)人間の学‥‥精神論または心の学 4?
        ‥論理学――――思考術→知覚
                    判断
                    推理
                    方法
                保持術→記憶 5
                  記憶補助
              伝達術→話の道具
                  話の性質
        ‥道徳学――――一般的
                特殊的
(4)自然の学‥‥物体の形而上学のたは一般物理学
        ‥数学――――――純粋幾何学 14
                  混合数学
                  物理数学
        ‥一般物理学 13
        ‥特殊的物理学――動物学→解剖学
                     生理学
                     医学
                     獣医学
                     ほか
                 物理的天文学
                 気象学
                 宇宙論→天体学 15
                     大気学
                     地質学
                     水理学
                 植物学 7
                 鉱物学
                 化学→本来の化学10
                   冶金学
                   錬金術
                   自然的魔術
3想像―芸術
 (1)詩‥‥‥‥‥聖―――――物語
    20   俗      劇21、22、23、24
                比喩
 (2)音楽16
 (3)絵画18
 (4)彫刻19
 (5)建築17
 (6)製版

(引用者注:上記の全角英数字は前出の口絵の番号を付記した。)


以下、参考図:

                               /\
                              /__\
                             /\  /\
                            /__\/__\
                           /\      /\
                          /__\ その他/__\   
                         /\建築/\  /\銅版画\ 
                        /__\/__\/__\/__\
                       /\              /\
                      /比喩\   想像=詩(芸術) /__\ 
                     /(寓話詩)          /\彫刻/\
                    /__\/__\        /__\/__\
                  小説\  詩   /牧人劇    /\      /\
                  風刺劇(:世俗詩)歌劇\  器楽、声楽\ その他/__\
                 /\物語/\  /\劇 /\  /\音楽/\  /\絵画/\
          (宗教詩:)叙事詩\/恋歌\/悲劇\/喜劇\/理論\/実践\/__\/__\     
               /\                              /\
              /技術\                            化学、錬金術
             自然の利用\                          /特殊物理学
            /__\/__\                        動物学\/宇宙学、植物学
           /\      /\        百科全書          /\      /\
          /天文\自然の歴史__\         =悟性        /__\自然の学/__\
        自然の斉一性\  /自然の逸脱                 物理学、身体学等 /\数学/\
        /__\/__\/__\/天体\    、           /__\/__\/幾何学/__\
       /\              /\              /\              /\ 
      /__\            /__\            /__\            /__\
     /\  /\  記憶=歴史   /\  /\          /\  /\   理性=哲学  /\  /\
    /__\/__\        /__\/__\        /__\/__\        /__\/__\
   /\      /\      /\      /\      /\      /\      /\      /\
  /__\教会、神/__\    /__\人間の歴史__\    /__\ 神学 /占い\    /伝達\人間の学/__\
 /預言者/\  /\教会/\  /\市民/\  /\文学/\  /\存在論\  /\神学/\  /論理学/\  /\道徳学\
/__\/__\/__\/__\古代史\/近代史/__\/__\理性的\感情的\/自然\/啓示\/思考\/保持\/一般\/特殊\ 
                                                理性/感情

あるいは、


                               /銅版画
                              /__\
                             /\建築/\
                            /__\/__\
                           /\      /\
                          /__\ その他/__\   
                         /\絵画/\  /\彫刻/\ 
                        /__\/__\/__\/__\
                       /\              /\
                      /比喩\   想像=詩(芸術) /__\ 
                     /(寓話詩)          /\  /\
                    /__\/__\        /器楽\/声楽\
                  小説\  詩   /牧人劇    /\      /\
                  風刺劇(:世俗詩)歌劇\    /__\ 音楽 /__\
                 /\物語/\  /\劇 /\  /\理論/\  /\実践/\
          (宗教詩:)叙事詩\/恋歌\/悲劇\/喜劇\/__\/__\/__\/__\     
               /\                              /\
              /技術\                            化学、錬金術
             自然の利用\                          /特殊物理学
            /__\/__\                        動物学\/宇宙学、植物学
           /\      /\        百科全書          /\      /\
          /天文\自然の歴史__\         =悟性        /__\自然の学/__\
        自然の斉一性\  /自然の逸脱                 物理学、身体学等 /\数学/\
        /__\/__\/__\/天体\    、           /__\/__\/幾何学/__\
       /\              /\              /\              /\ 
      /__\            /__\            /__\            /__\
     /\  /\  記憶=歴史   /\  /\          /\  /\   理性=哲学  /\道徳学\
    /__\/__\        /__\/__\        /__\/__\        /一般\/特殊\
   /\      /\      /\      /\      /\      /\      /\      /\
  /__\教会、神/__\    /__\人間の歴史__\    /__\ 神学 /占い\    /__\人間の学/伝達\
 /預言者/\  /\教会/\  /\市民/\  /\文学/\  /\存在論\  /\神学/\  /精神論/\  /\論理学\
/__\/__\/__\/__\古代史\/近代史/__\/__\理性的\感情的\/自然\/啓示\/理性\/感性\/思考\/保持\ 
                                                        分析/総合



真理/記憶/理性/想像力

上図はなるべくフランス語原典のニュアンスを大事にした。岩波文庫『百科全書』などでは下図のように想像の項が詩、音楽、その他にきれいに分かれている印象を与える(ベーコンの対系図は参考になるが)。その点中央公論『世界の名著』(串田孫一責任編集)の方が優れている。また、ダランベールの序論では「絵画、彫刻→詩→音楽」の順となり、音楽の序列における末位が強調されている。

参考:
 ディドロ・ダランベール、『百科全書』の対抗運動 〈1〉田口卓臣

目次(及び「人間知識の系統図」)に関しては以下も詳しい。
RE+nessance(タグ:百科全書)百科全書 序論 から 人間知識の系統図 想像力編 他
http://renessance.jugem.jp/?day=20091210
http://renessance.jugem.jp/?day=20091211

以下、上記サイトより(松岡正剛は人間の歴史を独立させていたが、神の歴史=聖史に人間の歴史を従属させたこちらが正しいかもしれない。教会向けのレトリックのような気もするが、、、)

人間知識の系統図 Figurative system of human knowledge


悟性 ・記憶力(歴史)
    ・理性(哲学)
    ・想像力(詩)

/1記憶力(歴史)/


聖史
(1)預言書の歴史
(2)教会の歴史
(3)古代および近代の世俗史
・厳密な意味での世俗史
 回想録
 古代遺跡
 通史
・文化史


自然史
(1)自然の一定不変性
①天文 ②気象誌 ③陸、海洋の記述 ④鉱物誌 ⑤植物誌 ⑥動物誌 ⑦元素の記述

(2)自然の変貌
①天体の異常 ②異常気象 ③陸、海洋の異常 ④異常鉱物 ⑤異常植物 ⑥異常動物
⑦元素の異常

(3)自然の利用
①技術 ②手織 ③手工業生産

金銀の加工と利用
・貨幣鋳造工/金箔工/金モール工/金銀細工師/平磨工/象牙工など

宝石の加工と利用
・宝石研磨工/ダイヤモンド細工師/宝石細工師

鉄の加工と利用
・製鉄/錠前製造/刃物製造/兵器製造/火縄銃製造など

ガラスの加工と利用
・ガラス製造/板ガラス製造/鏡製造工/眼鏡師/ガラス張り工など

皮革の利用と加工
・なめし工/なめし皮工/染皮工/手袋工など

石、石膏、スレートの加工と利用
・実用建築/実用彫刻/石工/屋根職など

絹の利用と加工
・織物製造/生糸紡績/ビロード等の製造/シルク・ウール錦織り製品など

羊毛の加工と利用
・ラシャ製品/帽子・靴下・編み物類の製造など

・その他 諸産物の加工と利用


//2理性//

理性(哲学)は4つに体系化される。
(1)一般形而上学、
   または存在論、存在一般・可能性・実在・持統に関する学問

(2)神についての学問
①自然神学
②啓示進学
・・・宗教およびその誤用から生じる迷信
③善悪を行う諸霊についての学問・・・占い、妖術

(3)人間についての学問
①精神論
または心についての学問・・・理性的
                ・・・感情的
②論理学
・思考性
理性-観念の学問/判断-命題の学問/推論-帰納
方法-論証・・・理性的
       ・・・感情的
・保持法
記憶・・・自然的
   ・・・人為的・・・先天的観念
          ・・・表象
記憶の補足・・・・・・筆記
        ・・・・・・印刷
               ・・・アルファベット
                記号
                    ・・・綴字法 
                      書き方/印刷法/読み方/解読法
・伝達法
叙述の手段の学問-文法・・・記号・・・身振り・・・物真似/演説法
                         文字・・・・表意文字
                              象形文字
                              紋章的文字、紋章
                ・・・韻律法
                ・・・統辞法
                ・・・博言法
                ・・・批判
                ・・・教育学・・・学問の選択/教授法
叙述の質の学問 ・・・・・・・・・経済学/詩の技法/または作詩法
③倫理学
一般的・・・善悪一般の学問、義務一般、徳・有徳の必要などに関する学問

特殊的・・・法律の学問、または法学・・・自然法学(個人的義務)
                       ・・・経済法学(家庭的義務)・・・
                       ・・・政治法学(社会的義務)・・・
                                          ・・・国内商業
                                          ・・・対外貿易
                                          ・・・陸上貿易
                                          ・・・海上貿易

(4)自然についての学問
・物体についての形而上学、
 または一般物理学、延長・不可入性・運動・真空等についての学問

・数学
①純粋数学
算術・・・算数
   ・・・代数・・・初等代数
        ・・・無限小代数・・・微分
                  ・・・積分
幾何学-初等幾何学-軍事建築術、兵法
     -超越幾何学-曲線の理論
②混合数学
力学-静力学・・・厳密な意味での静力学
        ・・・流体静力学
   -動力学・・・厳密な意味での動力学・弾道学
        ・・・流体動力学 ・・・水力学
                  ・・・航海術、造船
幾何学的天文学-宇宙形状誌・・・天体記述学
                   ・・・地理学
・・・水圏学
           -年代学
           -日時計製作法
光学・・・厳密な意味での光学
   ・・・屈折光学、投影図法
   ・・・反射光学
音響学
気体学
確立計算術-偶然の分析
③数学物理

・特殊物理学
①動物学-解剖学・・・単純解剖学
           ・・・比較解剖学
      -生理学
      -医学・・・衛生学・・・厳密な意味での衛生学
                 ・・・美容衛生学-整形術
                 ・・・体育衛生学-体操術
          ・・・病理学
          ・・・微侯学
          ・・・治癒学・・・食餌療法
                ・・・外科学
                ・・・薬学
      -獣医学
      -調馬術
      -狩猟
      -漁撈
      -鷹狩
②物理的天文学-天体の影響についての学問、占星術
                                ・・・占星術
                                   物理学的占星術
③気象学
④宇宙学・・・天体学/大気学/地理学/地質学/水理学
⑤植物学・・・農園/園芸
⑥鉱物学
⑦科学・・・厳密な意味での科学・・・火薬製造術
                    ・・・染色など
     ・・・治金術/錬金術/非超自然的魔術

///3想像力///


想像力-詩・・・宗教詩
       ・・・世俗詩
             ・・・物語詩・・・叙事詩
                    ・・・恋歌
                    ・・・風刺詩
                    ・・・小説など
             ・・・劇詩 ・・・悲劇
                    ・・・喜劇
                    ・・・歌劇
                    ・・・牧人劇など
       ・・・寓話詩・・・寓話

そしてこの配下のように次が体系化されている。

音楽・・・理論的
   ・・・実践的
   ・・・器楽
   ・・・声楽
絵画
彫刻
建築
彫版


追記:
http://members.at.infoseek.co.jp/studia_humanitatis/encyclopaedie.html
以下上記サイト(思想としての百科全書)より

最終的にダランベールがディドロとともに選んだのが、本文をアルファベット順配列にしながら、全体を内容的に見渡すための一覧表(「タブロー」!)を付録に付けるという解決策だった。そしてその内容順の一覧表の分類基準として模範とされたのが、ベーコンの『学問の改革』のプログラムである。
(略)ベーコンの呈示した分類では、その最上位の項を成しているのが、「記憶・想像・理性」である。ベーコンによれば、これは人間の知性の発展段階に対応した区分であった。それを下敷きにしながらディドロが呈示したのが、「記憶・理性・想像」である。ここで気づくのが「想像」と「理性」の位置の逆転である。(略)そう、ここでは「時間」と「理性」というものの基本的な捉え方が劇的に変貌しているのである。
 
  追記:
  口絵については鷲見洋一著「『百科全書』と世界図絵」 (224-6頁)に詳しい。

10 Comments:

Blogger yoji said...

http://members.at.infoseek.co.jp/studia_humanitatis/encyclopaedie.html
以下上記サイト(思想としての百科全書)より

ダランベールの「百科全書」序文を読み直してみると、ダランベールがなぜアルファベット配列と内容別配列ということを巡ってあれほど思い悩んでいるのかが見えてくる。ツールとしての事典の使い勝手ということだけには終わらない、世界観上の問題がその背景には潜んでいるということを、時代の先端を走る者独特の鋭敏な感受性は、それとなく察知していたのではないだろうか。そして最終的にダランベールがディドロとともに選んだのが、本文をアルファベット順配列にしながら、全体を内容的に見渡すための一覧表(「タブロー」!)を付録に付けるという解決策だった。そしてその内容順の一覧表の分類基準として模範とされたのが、ベーコンの『学問の改革』のプログラムである。

 しかし、ここにはきわめて18世紀的な「改作」が施されている事実も見逃すことはできない。ベーコンの呈示した分類では、その最上位の項を成しているのが、「記憶・想像・理性」である。ベーコンによれば、これは人間の知性の発展段階に対応した区分であった。それを下敷きにしながらディドロが呈示したのが、「記憶・理性・想像」である。ここで気づくのが「想像」と「理性」の位置の逆転である。ベーコンの理解では、人間の知性は、子供のときから順に、ものを覚え(記憶)、漠然とものを考え(想像)、最後に論理的に推論する(理性)という成長過程を踏むのだから、学問分類の基準もそれに倣うのが最も「自然」であった。ところがディドロ/ダランベールにとっては、人間のこれらの能力は、それぞれ過去・現在・未来に関わるのだから、それに応じて、「記憶(過去)・理性(現在)・想像(未来)」という配列のほうが「自然」に見えてくる。さて、この両者の違いのあいだには、何が起こっているのか。同じく「時間」という尺度で分類しているように見えながら、その結果には違いが生じている。それぞれが「自然」と思い、当然の前提としていることが俄かに変わってきたのだ。そう、ここでは「時間」と「理性」というものの基本的な捉え方が劇的に変貌しているのである。

 ベーコンの場合の「時間」は、理性の具体的な成長過程を貫く自然の経過を表す概念である。その意味で、ここでの理性と時間は、ともに経験的なごく普通の次元を表しているものにすぎない。それに対して、ディドロ/ダランベールの場合の「時間」は、理性が自分の意識経験の中で何を対象とするか、あるいはその際に、理性自体がどのような時間的なあり方をしているかということを表している。ここでは時間が、意識遂行の際に理性そのものを支配する「構造」として名指されているのである。もはやこれらの「時間」も「理性」も、経験的な次元のものではない。いわばここで理性全体の分類基準は、経験的次元から、超越論的次元に昇格したわけである。超越論的「理性」の成立と、その「構造」としての「時間性」という近代的装置が、ここで一挙に立ちあがる。アルファベット順・内容順という問題は、この新たな次元の問題群を起動させるための前哨戦にすぎなかったのだ。カントが「コペルニクス的転回」として言い表そうとした事態が、フランスでも同時進行的に起こっていたとも言えるだろう。しかもその両者の符合には驚くべきものがある。フランスの『百科全書』の膨大な全35巻が、ヨーロッパ中央で幾多の艱難を乗り越えて完結したのが1780年。その翌年1781年に、あたかもこの『百科全書』の理論的解説であるかのように、ヨーロッパの辺境ケーニクスベルクで『純粋理性批判』初版が公刊される。

6:03 午前  
Blogger yoji said...

フランスの啓蒙派と違い、論理学を基礎におくヘーゲルはデカルトの分類に回帰したとも考えられる。

以下、wikiデカルトの項より

『哲学の原理』の仏語訳者へあてた手紙の中に示されるように、哲学全体は一本の木に例えられ、根に形而上学、幹に自然学、枝に諸々のその他の学問が当てられ、そこには医学、機械学、道徳という果実が実り、哲学の成果は、枝に実る諸学問から得られる、と考えた。

デカルトの哲学体系は人文学系の学問を含まない。これは、『方法序説』第一部にも明らかなように、デカルトが歴史学・文献学に興味を持たず、もっぱら数学・幾何学の研究によって得られた明晰判明さの概念の上にその体系を考えた事が原因として挙げられる。これに対して後にヴィーコなどが反論する事となった。

7:00 午後  
Blogger yoji said...

http://nam-students.blogspot.jp/2012/08/jjder-staat.html

NAMs出版プロジェクト: J・J・ヴァーグナーによる国家(Der Staat)

3:42 午前  
Blogger yoji said...

http://nam-students.blogspot.jp/2011/12/blog-post_06.html
NAMs出版プロジェクト: くじ引き関連資料 +ヴェネツィアのくじ引き


http://nam-students.blogspot.jp/2012/10/william-godwinenquiry-concerning.html
NAMs出版プロジェクト: ウィリアム・ゴドウィン『政治的正義』(William Godwin "Enquiry concerning Political Justice"):目次 

3:52 午前  
Blogger yoji said...

『百科全書』と世界図絵 鷲見 洋一 (単行本 -2009/11/27)
に詳しい

9:18 午後  
Blogger yoji said...

『百科全書』と世界図絵 鷲見 洋一 (単行本 -2009/11/27)224-6頁
に詳しい

9:22 午後  
Blogger yoji said...



…ディドロとダランベールの『百科全書』巻頭に掲載された扉絵を解読して
みよう。これは挿絵画家コシャンの原画に基づく銅版画で、『百科全書』本文第一巻に後から挿入されたもので
ある。「啓蒙」(理性の光で告知の闇を照らす)の旗印をそのまま絵にした寓意画だ。画中に見られる二七名の人物
(女性二六名、男性一名)を、手にしている「持ち物」などから絵解きした結果は以下の通りである。(1)「真理」
(ヴェールを纏っている。「理性」「哲学」にヴェールを脱がされかけて光を発し、光は周囲にある無知蒙昧の黒
雲を吹き散らしかけている)。(2)「理性」(右手で「真理」のヴェールを脱がせようとしている。左手には轡があ
り、手前の「神学」を牽制している。この轡は、本来は罪深い情念を抑制する「キリスト教理性」を表す)。冠
も、もともとは諸学の王である「神学」がかむるべきものだ。(3)「記憶力」(光の方を見ている)。(4)「想像力」
(裸体になる「真理」に芸術花飾りを差し出している)。(5)「神学」(真理に背を向け、天から射してくるはずの光
を待って仰ぎ見ている。左手に聖書。本来は地球儀の上に坐っているはずである。また、跪いた姿勢は「祈祷」
を表すもの。啓示を待つ恍惚の表情からすると「聖性」。きわめて曖昧に描かれた寓意図である。要するに「宗
教」が「理性」に負けている事態がカムフラージュされていると解せる)。(6)「哲学」(右手で「真理」のヴェー
ルを引っ張り、左手で「神学」を制している)。(7)「古代史」(右手に骨董屋で売っているような小像、左手にス
フィンクスとブレスレット。(8)「近代史」(暗闇で光に背を向け、一心不乱に年代記を執筆中)。(9)「時」(足下に
鎌を待った老人で、「近代史」のノートを机代わりに背中で支える)。(10)「物理学」言バート・ボイルの実験器具
に右手で触っている。器具の中では空気を抜かれた小鳥が死んでいる。雨中の多くの女性は、「真理」ではなく、
この器具を注視しているように見える。これは図像学の伝統を打ち破る新しい要素である)。(11)「幾何学」(ピタ
ゴラスの定理を描いた図形を眺めている)。(12)天文学犬後ろ姿で、髪の毛に星があしらわれており、左手で天
球儀に触っている)。(13)「光学」(右手にルーペ、左手に顕微鏡)。(14)「化学」(左手で実験器具を抱えている)。(15)
「植物学」(左手に鉢植を抱える)。(16)「農業」(右手に新型の鋤を抱え、左手で「植物学」と接触。この新型鋤も、
図像学の伝統を打ち破る新しい要素である)。(17)「牧歌詩」(牧人の杖と笛)。(18)「叙事清三右手に竪琴、左手にラ
ッパ。(19)「悲劇」(右手に短剣、左手におそらくは毒の入った杯)。(20)「喜劇」(右手に道化杖、左手に仮面)。(21)
「風刺詩」(右手に矢)。(22)「音楽」(右手にハープ)。(23)「建築」(右手に定規、物差し、コンパス)。(24)「絵画」(左手
に絵筆の束)。(25)「彫刻」(右手に鑿(のみ)、左手に槌(つち)。「彫刻」の前に上半身だけ見せて仰向けに横たわる女性は、すで
に完成した作品か)。(26)「金銀細工師」(お盆に乗ったスープ皿)。(27)「織物職人」(布地)。
 だが、右にのべたようなお行儀のいい寓意絵の伝統は、一八世紀になると、図版がテクストを裏切り、過剰な
意味や刺流々はのめかしを発信するようになって、たちまち揺らぎ始める。『百科全書』補遺の巻に収録された
一巡の「両性共有者」解剖図などは、科学や教育を隠れ蓑にした、きわめて隠微な欲望の発現形態として解釈す
ることもできよう。

11:01 午後  
Blogger yoji said...



…ディドロとダランベールの『百科全書』巻頭に掲載された扉絵を解読して
みよう。これは挿絵画家コシャンの原画に基づく銅版画で、『百科全書』本文第一巻に後から挿入されたもので
ある。「啓蒙」(理性の光で告知の闇を照らす)の旗印をそのまま絵にした寓意画だ。画中に見られる二七名の人物
(女性二六名、男性一名)を、手にしている「持ち物」などから絵解きした結果は以下の通りである。(1)「真理」
(ヴェールを纏っている。「理性」「哲学」にヴェールを脱がされかけて光を発し、光は周囲にある無知蒙昧の黒
雲を吹き散らしかけている)。(2)「理性」(右手で「真理」のヴェールを脱がせようとしている。左手には轡があ
り、手前の「神学」を牽制している。この轡は、本来は罪深い情念を抑制する「キリスト教理性」を表す)。冠
も、もともとは諸学の王である「神学」がかむるべきものだ。(3)「記憶力」(光の方を見ている)。(4)「想像力」
(裸体になる「真理」に芸術花飾りを差し出している)。(5)「神学」(真理に背を向け、天から射してくるはずの光
を待って仰ぎ見ている。左手に聖書。本来は地球儀の上に坐っているはずである。また、跪いた姿勢は「祈祷」
を表すもの。啓示を待つ恍惚の表情からすると「聖性」。きわめて曖昧に描かれた寓意図である。要するに「宗
教」が「理性」に負けている事態がカムフラージュされていると解せる)。(6)「哲学」(右手で「真理」のヴェー
ルを引っ張り、左手で「神学」を制している)。(7)「古代史」(右手に骨董屋で売っているような小像、左手にス
フィンクスとブレスレット。(8)「近代史」(暗闇で光に背を向け、一心不乱に年代記を執筆中)。(9)「時」(足下に
鎌を待った老人で、「近代史」のノートを机代わりに背中で支える)。(10)「物理学」言バート・ボイルの実験器具
に右手で触っている。器具の中では空気を抜かれた小鳥が死んでいる。雨中の多くの女性は、「真理」ではなく、
この器具を注視しているように見える。これは図像学の伝統を打ち破る新しい要素である)。(11)「幾何学」(ピタ
ゴラスの定理を描いた図形を眺めている)。(12)天文学犬後ろ姿で、髪の毛に星があしらわれており、左手で天
球儀に触っている)。(13)「光学」(右手にルーペ、左手に顕微鏡)。(14)「化学」(左手で実験器具を抱えている)。(15)「植物学」(左手に鉢植を抱える)。(16)「農業」(右手に新型の鋤を抱え、左手で「植物学」と接触。この新型鋤も、
図像学の伝統を打ち破る新しい要素である)。(17)「牧歌詩」(牧人の杖と笛)。(18)「叙事清三右手に竪琴、左手にラ
ッパ。(19)「悲劇」(右手に短剣、左手におそらくは毒の入った杯)。(20)「喜劇」(右手に道化杖、左手に仮面)。(21)
「風刺詩」(右手に矢)。(22)「音楽」(右手にハープ)。(23)「建築」(右手に定規、物差し、コンパス)。(24)「絵画」(左手
に絵筆の束)。(25)「彫刻」(右手に鑿(のみ)、左手に槌(つち)。「彫刻」の前に上半身だけ見せて仰向けに横たわる女性は、すで
に完成した作品か)。(26)「金銀細工師」(お盆に乗ったスープ皿)。(27)「織物職人」(布地)。
 だが、右にのべたようなお行儀のいい寓意絵の伝統は、一八世紀になると、図版がテクストを裏切り、過剰な
意味や刺流々はのめかしを発信するようになって、たちまち揺らぎ始める。『百科全書』補遺の巻に収録された
一巡の「両性共有者」解剖図などは、科学や教育を隠れ蓑にした、きわめて隠微な欲望の発現形態として解釈す
ることもできよう。

11:01 午後  
Blogger yoji said...

扉絵については、『百科全書』と世界図絵 鷲見 洋一 (単行本 -2009/11/27)(224-6頁)に詳しい。


…ディドロとダランベールの『百科全書』巻頭に掲載された扉絵を解読してみよう。これは挿絵画家コシャンの原画に基づく銅版画で、『百科全書』本文第一巻に後から挿入されたものである。「啓蒙」(理性の光で告知の闇を照らす)の旗印をそのまま絵にした寓意画だ。画中に見られる二七名の人物(女性二六名、男性一名)を、手にしている「持ち物」などから絵解きした結果は以下の通りである。

(1)「真理」(ヴェールを纏っている。「理性」「哲学」にヴェールを脱がされかけて光を発し、光は周囲にある無知蒙昧の黒雲を吹き散らしかけている)。
(2)「理性」(右手で「真理」のヴェールを脱がせようとしている。左手には轡があり、手前の「神学」を牽制している。この轡は、本来は罪深い情念を抑制する「キリスト教理性」を表す)。冠も、もともとは諸学の王である「神学」がかむるべきものだ。
(3)「記憶力」(光の方を見ている)。
(4)「想像力」(裸体になる「真理」に芸術花飾りを差し出している)。
(5)「神学」(真理に背を向け、天から射してくるはずの光を待って仰ぎ見ている。左手に聖書。本来は地球儀の上に坐っているはずである。また、跪いた姿勢は「祈祷」を表すもの。啓示を待つ恍惚の表情からすると「聖性」。きわめて曖昧に描かれた寓意図である。要するに「宗教」が「理性」に負けている事態がカムフラージュされていると解せる)。
(6)「哲学」(右手で「真理」のヴェールを引っ張り、左手で「神学」を制している)。
(7)「古代史」(右手に骨董屋で売っているような小像、左手にスフィンクスとブレスレット。
(8)「近代史」(暗闇で光に背を向け、一心不乱に年代記を執筆中)。
(9)「時」(足下に鎌を待った老人で、「近代史」のノートを机代わりに背中で支える)。
(10)「物理学」言バート・ボイルの実験器具に右手で触っている。器具の中では空気を抜かれた小鳥が死んでいる。雨中の多くの女性は、「真理」ではなく、この器具を注視しているように見える。これは図像学の伝統を打ち破る新しい要素である)。
(11)「幾何学」(ピタゴラスの定理を描いた図形を眺めている)。
(12)天文学犬後ろ姿で、髪の毛に星があしらわれており、左手で天球儀に触っている)。
(13)「光学」(右手にルーペ、左手に顕微鏡)。
(14)「化学」(左手で実験器具を抱えている)。
(15)「植物学」(左手に鉢植を抱える)。
(16)「農業」(右手に新型の鋤を抱え、左手で「植物学」と接触。この新型鋤も、図像学の伝統を打ち破る新しい要素である)。
(17)「牧歌詩」(牧人の杖と笛)。
(18)「叙事清三右手に竪琴、左手にラッパ。
(19)「悲劇」(右手に短剣、左手におそらくは毒の入った杯)。
(20)「喜劇」(右手に道化杖、左手に仮面)。
(21)「風刺詩」(右手に矢)。
(22)「音楽」(右手にハープ)。
(23)「建築」(右手に定規、物差し、コンパス)。(24)「絵画」(左手に絵筆の束)。
(25)「彫刻」(右手に鑿(のみ)、左手に槌(つち)。「彫刻」の前に上半身だけ見せて仰向けに横たわる女性は、すで
に完成した作品か)。
(26)「金銀細工師」(お盆に乗ったスープ皿)。
(27)「織物職人」(布地)。

 だが、右にのべたようなお行儀のいい寓意絵の伝統は、一八世紀になると、図版がテクストを裏切り、過剰な
意味や刺流々はのめかしを発信するようになって、たちまち揺らぎ始める。『百科全書』補遺の巻に収録された
一巡の「両性共有者」解剖図などは、科学や教育を隠れ蓑にした、きわめて隠微な欲望の発現形態として解釈す
ることもできよう。

11:06 午後  
Blogger yoji said...

和漢三才図会 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E6%BC%A2%E4%B8%89%E6%89%8D%E5%9B%B3%E4%BC%9A
和漢三才図会


アシカ(右)とオットセイ、38巻72頁
『和漢三才図会』(わかんさんさいずえ)は、日本の類書(百科事典)[1]。正徳2年(1712年)成立。

目次 [非表示]
1 概要
2 各巻構成
3 脚注
4 関連項目
5 外部リンク
概要[編集]

編集者は大坂の医師寺島良安で、師の和気仲安から「医者たる者は宇宙百般の事を明らむ必要あり」と諭されたことが編集の動機であった。中国の『三才図会』を範とし、いわば絵入りの百科事典である。全体は105巻81冊に及ぶ膨大なもので、各項目には和漢の事象を天(1~6巻)、人(7~54巻)、地(55~105巻)の部に分けて並べて考証し、図(挿絵、古地図[2])を添えた。本文は漢文で解説されている。

三才図会をそのまま写した項目には、空想上のものや、荒唐無稽なものもあるが、博物学などにとり貴重な文化遺産といえる(博物学者南方熊楠は、全巻を筆写したという)。また著者が医師(もちろん漢方医)であるだけに、東洋医学に関する記事は非常に正確で、鍼灸師の中には、これをもっとも信頼できる古典と見る人もいる。

国立国会図書館や九州大学総合研究博物館では、本の複写がデジタル保存されていて、全項目の内容をウェブサイト上で閲覧することができる。(下記の外部リンクの項目参照。)

出版物としては島田勇雄ほか訳注<平凡社東洋文庫>全18巻が、最も手に取り易い。また東京美術に、高価だが1巻本の「原典復刻本」がオンデマンド版である。(元版は上・下巻で品切、1976年)



各巻構成[編集]


巻数 分類[3]
1 天部
2 天文
3 天象類
4 時候類
5 暦占類
6 暦択日神(暦日吉凶)
7 人倫類
8 人倫親族
9 官位部
10 人倫之用
11 経絡部

2:11 午前  

コメントを投稿

<< Home