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水曜日, 4月 15, 2015

トマス・アクィナス『神学大全』 - Wikipedia

              (経済学リンク::::::::::
神学大全 - Wikipedia
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/wikipedia.html(本頁)

特集:世界史を動かす聖書と金利 2015年6月2日号 - 週刊エコノミスト

タルコフスキーの芸術観には、トマス・アクィナスの『神学大全』に似ているところがある。被造物が創造行為を行う側に転じる部分だ。

               /\
              / ゆるし
             /\秘跡/\
            /堅信\/聖餐\
           /\第三部 : 90/\
          /__キリストに/洗礼\
         /\受肉/\ついて\秘跡/\
        /__\/__\/__\/__\
被造物(世界)の\              /(生活の分化)
     保全統率\  トマス・アクィナス /生活(観想的生活と活動的生活)
創造の7日間\  /\   神学大全   /\預言/\
    /__\/人間\ (全512問)/携挙\/恩寵\
 第一部 : 神について119      /第二部:303/\
  創造_聖なる教え_天使     /知恵\人間の /節制\
 神 三位一体 一般事物 善と悪 /\信仰/\運動/\思慮/\
/__\/__\/の区別/__\/希望\/_愛\/正義\/勇気\
                対神徳     枢要徳(四元徳)


シュンペーターによれば『神学大全』2:2,77問,4条に商業に関する記述があるそうだ(「商売はそれ自体について省察されるとき、多少の卑しさを持つ」『経済分析の歴史』新版上159頁)。同78問で利子が否定される(163頁)。ただしトマスは財産を自然法的に認めている(2:2,66,2.162頁)。『ニコマコス倫理学註解』にも経済学関連の記述があるらしい。

参考:
『ニコマコス倫理学註解』第1巻
http://aequivocum.net/class/03/ethica_01.html
《…目的と手段のあいだには対応関係があるからである。そしてこのことを彼は次のような事態にもとづいて明らかにしている。すなわち、医術には健康、造船術には航海、戦術には勝利、家政術(家を切り盛りする術)には富が、それぞれの目的として関わっている。ただし、これ〔=家政の目的が富であるということ〕をアリストテレスは多数意見にもとづいて語っているのであり、彼自身は『政治学』第1巻(1256a1-1258b8)で、富は家政の目的ではなくむしろ道具であることを証明している。》

神学大全 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E5%AD%A6%E5%A4%A7%E5%85%A8
神学大全』(しんがくたいぜん、Summa Theologiae, Summa Theologica, Summa)は、「神学の要綱」「神学の集大成」という意味の題を持つ中世ヨーロッパの神学書。13世紀に中世的なキリスト教神学が体系化されると共に出現した。一般的にはトマス・アクィナスの『神学大全』が最もよく知られているが、他にもヘールズのアレクサンデルアルベルトゥス・マグヌスの手による『神学大全』も存在する。
『神学大全』の特徴は、当時の神学において用いられていた『命題集』(センテンティエ)や『注解』(コメンタリウム)にばらばらに記されていた内容を有機的に分類し、体系的に整列し直しているところにある。つまり、聖書の言葉や教父・神学者の言葉が抜書きされていたものをわかりやすくまとめなおしているのである。さらに中世の司教座聖堂付属学校や大学において盛んにおこなわれた討論や解釈の成果が盛り込まれている。
以下ではトマス・アクィナスの『神学大全』を例に詳しい内容について述べる。

成立[編集]

『神学大全』はトマス・アクィナスの数ある著作の中でも最も有名なものであるが、序文の言葉によれば神学の初学者向けの教科書として書かれたものであるという[1]。決してキリスト教徒でない人々を想定して書かれているわけではないが、それでもきわめて明快に理性と啓示(信仰)の融合がはかられ、読者がキリスト教信仰に関する事柄でも理性で納得できるように書かれている。そして「大全」を名乗る以上、それまでの神学において扱われたあらゆるテーマについて論じようという意欲作であった。
『神学大全』はトマス・アクィナスのライフワークであり、彼の生涯の研究の集大成であった。彼はそれまでに『対異教徒大全(Summa Contra Gentiles)』という書を書き上げているが、『神学大全』はその成果も踏まえて、より洗練されたものになっている。
トマスは1265年ごろから『神学大全』の著述にとりかかっているが、第三部の完成を目指して著述を続けていた1273年12月6日ミサを捧げていたトマスに突然の心境の変化が起こった。神の圧倒的な直接的体験をしたと伝えられている。『神学大全』も秘跡の部の途中まで完成していたが、彼は以後一切の著述をやめてしまう[2]
1274年3月7日にトマスが世を去ると、残された弟子たちが師の構想を引き継いで第三部の残りの部分(秘跡と終末)を完成させた。

構成[編集]

全体構成[編集]

『神学大全』は以下のような三部構成からなっている[3]。第一部は119の問題が、第二部は303の問題が、第三部では90の問題が、合計512の問題が取り上げられている。
全体の構成としては、第一部で、神による創造を描き、第二部で神へと向かう理性的被造物である人間の運動について描き、第三部で、神へと向かう際の道しるべであるキリストについて描くという構想に基づくもので、ネオプラトニズム的な発出と還帰の原理を超えて、聖書に記された出来事を理解するためのキリスト中心的、救済史的な世界観があった[4]

叙述形式[編集]

個々の部分の構成を見ると、基本的には次のようになっている。
まず、冒頭に問題(テーゼ)が提示される。例えば、「イエスは貧しかったということは彼にふさわしいことであるか?」という質問を例としよう。次に質問に対するいくつかの異論が挙げられる。異論は聖書や過去の大学者の引用によっておこなわれる。例えば、例に対しては「アリストテレスは中庸を重んじ、金持ちでも貧乏でもない中庸を選ぶのが最高の生き方であるとしている」などという具合である。
次に対論が提示される。これは異論に反対する見方である。例えば、「聖書によれば神は正しいことをされる方であるという。イエスが貧しい生き方をし、イエスが神であるなら、貧しい生き方は正しい生き方であったにちがいない」などである。
最後にこれらの流れを踏まえた解答が示される。解答は異論あるいは対論をそのまま採用したものではなく、全体を統合した解答になっていることが多い。つまり単純に異論を否定していないところに『神学大全』の面白さがある。たとえば例に対する解答では「中庸に生きることが最高の生き方であるというのは正しい。ただ、その理由は、贅沢に心奪われる、あるいは毎日の暮らしに汲々とすることで人生の目的を見失わないためである。イエスにとって人生の目的は神のことばをより広めることであった。そのためには貧しい暮らしのほうが動きやすかったといえる。」といった具合にまとめられる。

内容[編集]

『神学大全』に引用される学者たち[編集]

『神学大全』に引用される学者たちは当時の神学において大きな影響力を持っていた人々である。特に重要な数人は特別な名前で呼ばれている。
「哲学者」と呼ばれるアリストテレス 
史上最高の哲学者であると考えられていた。スコラ学者たちはアリストテレスの手法を用いて神学を再構成しようとした。
「教師」と呼ばれるペトルス・ロンバルドゥス 
彼のあらわした『命題集』は当時の大学において最もよく用いられていたテキストであった。これは教父たちの著述を注解したものである。
アウグスティヌス 
トマス・アクィナスは彼を最高の神学者であると考えており、著述でもしばしば引用している。
偽ディオニシウス・アレオパギタ 
『使徒行伝』にあらわれるディオニシオスの名を借りて著述をおこなった5世紀のシリアの修道者の著作もトマスはよく引用している。
モーゼス・マイモニデス 
トマスと同時代のユダヤ教神学者であるマイモニデスの著作もスコラ学の発達に大きく寄与している。
アヴェロエスことイブン=ルシュド 
イスラム教神学者・哲学者。トマス・アクィナスに限らず、中世のキリスト教神学の形成に大きな力を与えた。中世のアリストテレスの知識はアヴェロエス経由のものである。

日本語訳[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 稲垣良典、『トマス・アクィナス』、講談社学術文庫、pp.246
  2. ^ 稲垣良典、『トマス・アクィナス』、講談社学術文庫、pp.228
  3. ^ 稲垣良典、『トマス・アクィナス』、講談社学術文庫、pp.246
  4. ^ 稲垣良典、『トマス・アクィナス』、講談社学術文庫、pp.67-69

参考文献[編集]

  • 稲垣良典、『トマス・アクィナス』、講談社学術文庫、1999
    初版『トマス・アクィナス.人類の知的遺産20巻』、講談社、1979

推薦文献[編集]

  • 稲垣良典 『トマス・アクィナス「神学大全」』 講談社選書メチエ、2009年
  • 稲垣良典 『トマス=アクィナス 人と思想』 (新書版:清水書院) 1992年
  • 稲垣良典 『トマス・アクィナス』 <思想学説全書>(勁草書房) 新版1996年
  • 稲垣良典 『トマス・アクィナス哲学の研究』 創文社、新版2000年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

8 件のコメント:

  1. 小田中直樹
    ライブ経済学の歴史が
    神学大全18について触れている

    返信削除
  2. 小田中直樹
    ライブ経済学の歴史25頁が
    神学大全邦訳18巻,第58,61,77問題について触れている

    返信削除
  3. 小田中直樹
    ライブ経済学の歴史25頁が
    神学大全邦訳18巻,2:2第58,61,77問題について触れている

    返信削除
  4. ライブ・経済学の歴史―“経済学の見取り図”をつくろう

    小田中 直樹【著】

    目次
    序章 なぜ、いま、経済学の歴史なのか
    第1章 分配
    第2章 再生産と価値
    第3章 生存
    第4章 政府
    第5章 効用
    第6章 企業
    第7章 失業
    終章 ふたたび、なぜ、いま、経済学の歴史なのか


    上昇(インフレ)貨幣優勢← 利 子 率 →財優勢(デフレ)下降

           財の需要 財・サービス 財の供給 
     お金の流れ------➡︎D市場S⬅︎--------- 
      |支出(=GDP) E_\/    販売された財・|
      |        均衡点/\ 5     サービス|
      |  -------⬅︎S  D➡︎-------  |
      | |購入された    ⬇︎⬆︎       収入| |
      | |財・サービス 消費税|補助金 (=GDP) |
      | |         |政府購入    産出| |
      | | ⬅︎生活保護-- ||         | |
      ⬆︎ ⬇︎(⬅︎短期国債-➡︎)|| ---助成金➡︎ ⬇︎ ⬆︎
      \ / ---所得税➡︎【政府】⬅︎保険・法人税 \ /
     3家\計       4公的貯蓄        企\業2.6
      / \ ⬅︎利子・貸付け ⬇︎  ----融資➡︎ / \
      ⬇︎ ⬆︎ -預金・利息➡︎【銀行】⬅︎利息・取付け ⬆︎ ⬇︎
      | |                    | |
      | |                 生産へ| |
      | (GDP=)所得 生産要素     の投入| |
      |  -------⬅︎D市場S➡︎-------  |
      |         E_\/均衡点   賃金・地代|
      |労働・土地・資本1,7/\   ・利潤(=GDP)
       ---------➡︎S  D⬅︎---------
          労働の供給        労働の需要
                  
              家計       企業

        財    買い手      売り手

        労働力  売り手      買い手

    返信削除
  5.    5

    3  4  2,6

      1,7

    返信削除
  6.    5

    3  4  2,6

      1,7

    返信削除
  7.   3a.5

    3b  4  2,6

      1,7

    返信削除
  8. http://www.keisoshobo.co.jp/book/b26033.html
    小田中直樹 著
    ジャンル 経済
    ISBN 978-4-326-55046-3
    出版年月 2003年10月
    判型・ページ数 292ページ
    定価 本体2,400円+税

    内容説明
    経済学は生きている。「分配」から「失業」まで、経済学者が悩み続ける問いを整理し、アマチュアにとって必要な経済学を考える。

     国家や社会にとってではなく、わたしやあなたにとって必要なのが経済学だ。「分配」や「再生産」から「生存」や「企業」、そして「失業」や「開発」──こんなにもアクチュアルな問題とむきあい、人まかせでない自分なりの判断をもちたいと願う全てのアマチュアヘ。「教養としての経済学」の入門講義。

    関連書: 『歴史学のアポリア──ヨーロッパ近代社会史再読』(山川出版社)

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    目次
    序章 なぜ、いま、経済学の歴史なのか
    【経済学入門としての経済学史】
    【経済学史にとりくむ準備をする】

    第1章 分配
    1・1 アリストテレス
    1・2 分配をめぐる考察の系譜

    第2章 再生産と価値
    2・1 スミス
    2・2 再生産をめぐる考察の系譜
    2・3 価値をめぐる考察の系譜

    第3章 生存
    3・1 モラル・エコノミー論
    3・2 生存をめぐる考察の系譜

    第4章 政府
    4・1 デュピュイ
    4・2 政府をめぐる考察の系譜

    第5章 効用
    5・1 限界革命三人組
    5・2 効用をめぐる考察の系譜

    第6章 企業
    6・1 ヴェブレン
    6・2 企業をめぐる考察の系譜

    第7章 失業
    7・1 ケインズ
    7・2 失業をめぐる考察の系譜

    終章 ふたたび、なぜ、いま、経済学の歴史なのか
    【経済学史のアクチュアリティ】
    【読書案内】

    あとがき
    文献
    人名索引/事項索引 

    <読者の声> 経済学の専門性に失望し、その将来に危惧を持っています。今回この書を読んで経済学者の苦労が良く分りました。激動する社会から人間の英知が新たな経済学を開拓・誕生させることを期待します。著者の熱意が伝わる本に出来上がっていると思います。(男性 72歳)

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