NAMs出版プロジェクト: 無差別曲線:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/08/blog-post_55.html(本頁) U
3| ( | o o
2| (
| o
1| ( o
1| ( o
|_____X2
\
\
まず、効用関数とは財の消費量と、その財の消費によって得られる家計の満足度である効用との関係を示すものである。
これを数学的表現を用いて表すと
U=u(x1,x2)
Uは家計の満足度を表す指標である効用水準を表す変数であり、x1,x2はそれぞれ第1財と第2財の消費量を表している。この式が表していることは”第1財と第2財の消費量と効用水準にはなんらかの関係がある”ということはこれまでの講義を受けた学生ならわかるだろう。具体的な効用関数の例としてはU=x1x2やU=logx1+logx2などがある。
この効用関数で示される財の消費量と効用水準の関係をグラフで表したものが無差別曲線である。効用関数は式の形から見てもわかるように2変数関数であるから、グラフ化するためには立体である本来のグラフを断面図・等高線を用いて平面化する作業をしなければならない。
ここから先は具体的な数式を用いて説明しよう。講義でも取り上げたU=x1x2の数式である。講義でも説明したように、この数式によって示される各変数間の関係は立体のグラフになってしまい扱いにくく、U=1,2,3,・・・など様々なUの水準について等高線をx1-x2平面に描くことによって扱いやすい平面の図に書き直すほうが便利である。具体的な図を描くと下の図のようになる。
効用関数を正確にグラフ化すると上図左のように立体のグラフとなり非常に扱いにくい。このため、ある一定の効用水準Uにおける等高線を描くことによって上図右のような平面図に直すことによってより扱いやすい図へと書き直すことが出来るのである。そして、上図右の各曲線が一定の効用水準を与える財の消費量の組み合わせを表す曲線、すなわち無差別曲線なのである。なぜ、”無差別”曲線というのかは次のように考えると良い。上図右における(x1,x2)=(1,1)と(x1,x2)=(2,1)という二つの消費量の組み合わせについて、高い効用水準を求める家計は必ず(x1,x2)=(2,1)の組み合わせを選ぶだろう。なぜなら(x1,x2)=(1,1)の場合は効用水準U=1であるのに対し、(x1,x2)=(2,1)はそれよりも高い効用水準U=2をもたらすからだ。この場合、家計にとって(x1,x2)=(1,1)と(x1,x2)=(2,1)は与えられる効用水準の意味において差別(区別)されるものなのである。しかし、(x1,x2)=(1,2)と(x1,x2)=(2,1)の比較についてはどうだろうか?この両者の組み合わせは共に家計に対して効用水準U=2を与えるため、高い効用水準を求める家計にとってはどちらかを選ぶことは出来ないだろう。どっちでも同じなのだから。つまり、家計にとっては(x1,x2)=(1,2)と(x1,x2)=(2,1)は差別(区別)することが出来ないものなのだ。このような状態のことを(x1,x2)=(1,2)と(x1,x2)=(2,1)は無差別であるというのだ。つまり、高い効用水準を求める家計にとっては(x1,x2)=(1,2)と(x1,x2)=(2,1)、いや上図右のU=2を表す曲線上のすべての点によって表される財の組み合わせが家計にとっては同じ効用水準を与えるためにどれでも同じ、つまり無差別なのだ。このため、同じ効用水準を与える財消費量を表す曲線のことを無差別曲線というのである。
\
\
X1
↓
平面化
(上記の立体図を上から見た平面図に変換すると、)
X2
|o3|
2|_o (U=x1x2=3)
2|_o (U=x1x2=3)
1| |_o o U=x1x2=2
|_|_|_____X1 (U=x1x2=1)
U 1 2 3
↓
0
効用関数と無差別曲線
ミクロ経済理論を理解することが出来ない人の中には無差別曲線が何のことか理解できないという人が多い。いや、効用関数のことさえよくわからないという人もいるのではないだろうか?私も以前ミクロ経済学概論の講義を担当したことがあるが、ここの部分でつまづいている人が少なからずいた記憶がある。ミクロ経済学における家計の行動目的は効用最大化であり、効用を表す効用関数・無差別曲線が理解できずにミクロ経済学を理解することは不可能だといえるだろう。ここでは、少々越権行為にはなるが効用関数と無差別曲線(Indifference curve)について2変数関数のグラフの議論を使って解説したいと思う。
ミクロ経済理論を理解することが出来ない人の中には無差別曲線が何のことか理解できないという人が多い。いや、効用関数のことさえよくわからないという人もいるのではないだろうか?私も以前ミクロ経済学概論の講義を担当したことがあるが、ここの部分でつまづいている人が少なからずいた記憶がある。ミクロ経済学における家計の行動目的は効用最大化であり、効用を表す効用関数・無差別曲線が理解できずにミクロ経済学を理解することは不可能だといえるだろう。ここでは、少々越権行為にはなるが効用関数と無差別曲線(Indifference curve)について2変数関数のグラフの議論を使って解説したいと思う。
まず、効用関数とは財の消費量と、その財の消費によって得られる家計の満足度である効用との関係を示すものである。
これを数学的表現を用いて表すと
U=u(x1,x2)
Uは家計の満足度を表す指標である効用水準を表す変数であり、x1,x2はそれぞれ第1財と第2財の消費量を表している。この式が表していることは”第1財と第2財の消費量と効用水準にはなんらかの関係がある”ということはこれまでの講義を受けた学生ならわかるだろう。具体的な効用関数の例としてはU=x1x2やU=logx1+logx2などがある。
この効用関数で示される財の消費量と効用水準の関係をグラフで表したものが無差別曲線である。効用関数は式の形から見てもわかるように2変数関数であるから、グラフ化するためには立体である本来のグラフを断面図・等高線を用いて平面化する作業をしなければならない。
ここから先は具体的な数式を用いて説明しよう。講義でも取り上げたU=x1x2の数式である。講義でも説明したように、この数式によって示される各変数間の関係は立体のグラフになってしまい扱いにくく、U=1,2,3,・・・など様々なUの水準について等高線をx1-x2平面に描くことによって扱いやすい平面の図に書き直すほうが便利である。具体的な図を描くと下の図のようになる。
効用関数を正確にグラフ化すると上図左のように立体のグラフとなり非常に扱いにくい。このため、ある一定の効用水準Uにおける等高線を描くことによって上図右のような平面図に直すことによってより扱いやすい図へと書き直すことが出来るのである。そして、上図右の各曲線が一定の効用水準を与える財の消費量の組み合わせを表す曲線、すなわち無差別曲線なのである。なぜ、”無差別”曲線というのかは次のように考えると良い。上図右における(x1,x2)=(1,1)と(x1,x2)=(2,1)という二つの消費量の組み合わせについて、高い効用水準を求める家計は必ず(x1,x2)=(2,1)の組み合わせを選ぶだろう。なぜなら(x1,x2)=(1,1)の場合は効用水準U=1であるのに対し、(x1,x2)=(2,1)はそれよりも高い効用水準U=2をもたらすからだ。この場合、家計にとって(x1,x2)=(1,1)と(x1,x2)=(2,1)は与えられる効用水準の意味において差別(区別)されるものなのである。しかし、(x1,x2)=(1,2)と(x1,x2)=(2,1)の比較についてはどうだろうか?この両者の組み合わせは共に家計に対して効用水準U=2を与えるため、高い効用水準を求める家計にとってはどちらかを選ぶことは出来ないだろう。どっちでも同じなのだから。つまり、家計にとっては(x1,x2)=(1,2)と(x1,x2)=(2,1)は差別(区別)することが出来ないものなのだ。このような状態のことを(x1,x2)=(1,2)と(x1,x2)=(2,1)は無差別であるというのだ。つまり、高い効用水準を求める家計にとっては(x1,x2)=(1,2)と(x1,x2)=(2,1)、いや上図右のU=2を表す曲線上のすべての点によって表される財の組み合わせが家計にとっては同じ効用水準を与えるためにどれでも同じ、つまり無差別なのだ。このため、同じ効用水準を与える財消費量を表す曲線のことを無差別曲線というのである。
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