Das Tableau Économique Wirtschaft und Gesellschaft Chinas, Wittfogel Tableau économique
新訂・解体過程にある中国の経済と社会 下
叢書名 ユーラシア叢書
著者名等 K.A.ウィットフォーゲル/著
著者名等 平野義太郎/監訳
出版者 原書房
出版年 1977.9
大きさ等 22cm 390,15p
NDC分類 332.22
件名 中国-経済-歴史
書誌番号 3-0190002732
上の続巻がオリエンタルデスポティズム
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refISBN=4794800789
オリエンタル・デスポティズム 専制官僚国家の生成と崩壊
カール・A・ウィットフォーゲル/〔著〕 湯浅赳男/訳
出版社名 新評論
出版年月 1991年1月
ISBNコード 978-4-7948-0078-7
税込価格 10,800円
頁数・縦 646P 22cm
商品内容
要旨
今日の社会主義政権=専制官僚国家の崩壊を予見した幻の大著の完訳。
目次
第1章 水力社会の自然的背景
第2章 水力経済―管理的で純粋に政治的な経済
第3章 社会よりも強力な国家
第4章 専制権力―全面的にして仁愛なき
第5章 全面的テロル・全面的服従・全約的孤独
第6章 水力社会の中心、周辺、亜周辺
第7章 水力社会における所有形態のパターン
第8章 水力社会の諸階級
第9章 アジア的生産様式理論の勃興と没落
第10章 転換期の東洋的社会
- Oriental Despotism: a Comparative Study of Total Power Yale University Press, 1957
ウィットフォーゲル:中国の経済表(『中国の経済と社会』下(359頁)より)
官人(M)
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// ||||| \\
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農民(Ba)__|||||___工業生産者(Ind)
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商業ブルジョアジー(H)
Aは農業的価値的価値量、iは工業的交換価値量、Gは貨幣的交換価値量
(iは紛らわしいので小文字に変えた)
MはMarxのMらしい!
官人(政府)よりも商業資本を入れるのが新しい。大企業も製販分離するから正しい。
農工の価値の分割も正しい。
税金の線が多いことがわかる。
本来はもっと細かい。各線には往復で別の交換がそれぞれある。17×2=34
官人(M)
出発点:~
終結点:43A+2i
//|||||\\
②/ ||||| \14
/⑥ ③④|16| ⑩\
// ||15|17 \\
農民(Ba)___|||||_⑧_工業生産者(Ind)
出発点:100A ||||| 出発点:10i
終結点:30A+5i ||||| 終結点:3A+1i
\\\\ ||||| ///
\⑤\11||||| ⑨12/
①\⑦\|||| //13
\\\\|||///
商業ブルジョアジー(H)
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
M
出発点:-
終結点:43A+2i
Ba
出発点:100A
終結点:30A+5i
Ind
出発点:10i
終結点:3A+1i
H
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
封建論争及び『日本資本主義分析』で有名な山田盛太郎が以下で上のウィットフォーゲルの中国の経済表(経済フロー循環図に近いが)に言及している。
山田盛太郎著作集 (岩波書店): 1985|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
山田盛太郎著作集 別巻
小林賢斉 [ほか]編
詳細情報
タイトル 山田盛太郎著作集
著者 小林賢斉 [ほか]編
著者標目 山田, 盛太郎, 1897-1980
出版地(国名コード) JP
出版地 東京
出版社 岩波書店
出版年 1985
大きさ、容量等 305p ; 23cm
価格 6200円 (税込)
巻次 別巻
部分タイトル 報告と講演(手控え・配布資料) 再生産表式と地代範疇-資本主義経済構造と農業形態.近世日本農業改革史論.近代社会形成の問題と地代範疇-ケネーの経済表(一七五八)とウィットフォーゲルの中国経済「表」(一九三一) 農政学者としての新渡戸博士-我国、産業資本確立期までの一〇年間(明治二三-三二年)における新渡戸博士の論著について.再生産構造と危機の理論.再生産構造と循環形態-土地制度史学会京都大会にあたって.戦後循環の性格規定.農業解体における土地所有形態の再検討-農業生産構造・再構成の方向.戦後再生産構造の基本構成.戦後日本の再生産構造の特質.戦後重化学工業段階の基礎的研究-特に鉄鋼業における技術革新並びに労働力編制との関連において. 講義(手控え・配布資料) 再生産演習参考資料 1 限定版 文献の一部(未定稿) Ricardo講読用参考表式(1) 終講の辞.資本主義構造論「再生産論」<断片> 経済政策総論<断片> 再生産論. 補録(講演・報告の記録) 再生産表式と地代範疇-資本主義の構造と農業形態.北満の大農経営について.満洲・中国農業の基礎問題について
出版年月日等 1985.1
件名(キーワード) マルクス学派 (経済学)
[上位語] => 経済学
[関連語] => 剰余価値
NDLC DA24
NDC(8版) 331.6
対象利用者 一般
[山田盛太郎著作集別巻35頁でウィットフォーゲルの経済表が簡略版で紹介されている。]
『解体期にある 支那の経済と社会』 上・下二巻
ウィットフォーゲル著(平野義太郎監訳) 昭和9年1月3日初版、中央公論社発行
この書物は戦後に刊行されたこともあるが、今回購入対象としたものは戦前のもの。 当書の下巻巻末には山田先生がよく話しておられたウィットフォーゲルの支那の経済表があり、どうしても何時かは手に入れたかった。 しかし、なかなか綺麗なものがなく、かつ高価でもあったため、いままで手が出なかったが、何時もお世話になっている書店から安く提供していただけた。 何故かこの二冊の書物には戦前の中国上海の古書店のシールが貼られていた。 私が今回購入できたのは共に昭和14年9月25日発行の第4版本。
『日本資本主義分析』
山田盛太郎著 昭和9年3月5日付けの第二刷、岩波書店発行
資料を作るために再び購入。出来れば初版が欲しかったが、この第二刷は同じ扱いだと聞いており、かつ安かったのでまた購入した。
立命館経済学(第十四巻・第五号)
最後に、小林賢斉氏は、再生産論の見地から問題を理論的に展開される。すなわち、戦後日本の農地改革の眼目は、「これを比愉的に云えば、ケネーの『経済表』とマルクスの『再生産表式』の関係が併存する関係」から「謂わばケネーの『経済表』の関係をマルクスの『再生産表式』の関係に帰一せしめること」にあったとされるが、この課題は、戦後日本資本主義の構造再編・創出の過程で、いかに果されて来たであろうか、と設問する。そして、マルクス「再生産表式」、レーニン「表式」、ケネーの「経済表範式」、ならびにウィットフォーゲルの「支那の経済表」の検討によって、分析の基準を設定する。その後、右の基準に照らして戦後日本資本主義の深化と農業危機の深化の実態を分析し、つぎのように述べる。 「本格的な戦後階梯の展開にあたって農業生産構造の変革も押し進められるのではなく、むしろ零細土地所有11零細農耕に釘付けしたままで、国際的水準の重化学工業が、旧来の軽工業段階の在来的水準から超絶的に強行聾立せしめられる。かかる『高度成長』の過程は、一方、農業の面では、内的メカニズムによる農民層の分解を含みながらも、農民をしてプロ以下的なものへと崩落せしめ、食糧飼料輸入を必然化し、他方資本プロバーの側においても特殊構造的な『大不況期』に逢着する。而して、この……深刻化は、跨大貧農大衆のいわぼ『正常な補足』たる農外所得を制限することによって、彼等が農業所得で農家消費(及び蓄積)を償えるような生産構造の確立(1-零細土地所有の制限の揚棄に通ずる)への客観的条件を成熟せしめるであろう」と。
国立国会図書館デジタルコレクション - 再生産過程表式分析序論
↓ 再生産過程表式分析序論 [143]
・ 標題
・ 目次
・ 序言
・ 序論第一 問題の限定/3
・ 〔A〕 『資本論』に於ける再生産論の論構/3
・ 〔一〕 再生産論の構成/3
・ 〔二〕 再生産と恐慌/8
・ 〔B〕 再生産論の構成の成立過程/12
・ 〔一〕 『表式』の成立過程/12
・ 〔二〕 所謂る『計畫』變更の問題/18
・ 序論第二 表式の基礎範疇/21
・ 〔A〕 表式と範疇/23
・ 第一 二部門の問題/25
・ 第二 c+v+mの問題/27
・ 〔B〕 謬見/29
・ 〔一〕 基礎範疇と偏向/29
・ 〔二〕 高田保馬博士と基礎範疇/33
・ 第一章 單純再生産/37
・ 第一 表式に表現された一般的運動/37
・ 〔A〕 表式と運動/37
・ 〔一〕 兩部門の取引。Iv+m=Ic/43
・ 補註其一、 第二部門用の生産手段の生産 轉化式(一)/48
・ 〔二〕 第二部門内部に於ける取引。生活必要品と奢侈品/49
・ 補註其二、 必需品と奢侈品とに細分した場合の生産手段の生産 轉化式(二)/59
・ 〔三〕 第一部門の不變資本/61
・ 〔B〕 表式と條件/64
・ 〔I〕 條件と一層發展せる恐慌の可能性/64
・ 〔II〕 條件と所謂る狹隘な『消費』限界との連繋/70
・ 第二 特殊的規定/88
・ 一 固定資本の補填/88
・ 〔A〕 固定資本の補填の運動/89
・ 〔I〕 貨幣形態に於いてする磨滅價値部分の補填/95
・ 〔II〕 現物形態に於いてする固定資本の補填/100
・ 〔B〕 若干の偏向の批判/106
・ (一) 範疇上の偏向/106
・ (二) 數字上の偏向/107
・ 二 貨幣材料の再生産/111
・ 〔A〕 貨幣材料再生産の運動/117
・ 〔I〕 第一部門(g)のc・v・mの運動/119
・ 〔II〕 第一部門(g)の運動と表式との聯關/128
・ 〔B〕 ローザの『第三部門』説の檢討/130
・ 〔I〕 ローザのマルクス批判の檢討/131
・ 〔II〕 ローザの三行式の檢討/135
・ 補註其三、 軍需品生産の場合 轉化式(三)/137
・ 第二章 擴張再生産/141
・ 第一 表式に表現された運動諸形態/141
・ 〔A〕 表式と運動/141
・ 〔一〕 擴張された規模での蓄積の『發端』表式/142
・ 〔一〕 『發端』表式第一年度の運動形態/144
・ 〔二〕 『發端』表式第二年度以下の運動形態/153
・ 〔二〕 『資本家的生産の顯著な發達』を表現する所の表式/162
・ 〔B〕 表式と謬見/171
・ 〔一〕 ローザの見解。〔Im(c)+m(v),Im(c)+m(v)の非實現なる説〕/171
・ 第一 『蓄積される剩餘價値部分』に對する『需要』の問題/172
・ 第二 『蓄積される剩餘價値部分』を貨幣化せしめる所の『貨幣』の問題/180
・ 〔二〕 河上博士の舊見解。〔Im(c)+m(v)の非實現なる説〕/186
・ 一. 高田博士による河上博士批判/191
・ 二. 猪俣津南雄氏による河上博士批判/194
・ 『特殊規定』に關しての、第一への附論/198
・ (一) 擴張再生産の場合に於ける固定資本の問題(高田=織戸兩氏のマルクス批判)/200
・ (二) 高田博士=織戸學士の見解の檢討/205
・ 補註其四、 固定資本の漸次的消耗の問題と擴張再生産の表式との關係/206
・ 第二 諸々の表式の檢討/208
・ 一 ツガンの表式の檢討/209
・ 〔A〕 ツガンの表式の構成と批判/209
・ (一) ツガンの表式に表現された運動形態/211
・ (二) ツガンの表式の檢討/215
・ 補註其五、 ツガンの表式の分析的檢討/218
・ 〔B〕 河上博士のツガン批判/222
・ 二 ローザの表式の檢討/225
・ 〔A〕 ローザの表式の構成と批判/225
・ (一) ローザの表式の場合に於ける運動形態〔II.16 2/7m(c)の成立〕/228
・ (二) ローザの表式の檢討〔II.16 2/7m(c)の成立の必然性如何〕/233
・ 〔B〕 ローザの見解と河上博士の見解/241
・ 結論第一 表式分析の意義と限度/245
・ 結論第二 問題の總括/246
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山田盛太郎著作集 第1巻
出版者 岩波書店
出版年 1983.11
大きさ等 23cm 326p
注記 著者の肖像あり 編集:小林賢斉ほか
NDC分類 331.6
件名 経済学-社会主義学派
内容 内容:価値論における矛盾と止揚.生産論一断片―土方教授利潤論批判.再生産過程表式
分析序論.再生産過程.わが国における経済学発展の特異性.唯物弁証法断想.唯物弁証
法後記.書評
以下の様な批判もある。
山田盛太郎が、以下のような観念を“権威主義的に”持ち出したために(『再生産過程表式分析序論』、一九三一年)、何十年にわたって、いわゆる“マルクス主義”経済学は、それにとことん“引き回される”ことになり――もちろん、“学問”の領域の問題に留まらず、“共産主義運動”(スターリン主義的な意味での)とも、深く関連してきたのだが――、その影響は今にまで深く及んでいる(例えば、“富塚派”のドグマを見よ)。
「以上の諸点は、『資本論』に現われた総再生産過程の分析の外貌である。それらの諸点の内的連関。すなわち生産力展開を軸線とする蓄積のための蓄積、生産のための生産なる資本家的生産の至上命令(特に〔『資本論』〕第一巻第二十二章)、それに伴う資本の有機的構成高度化、したがって、一方、産業予備軍の成立=増大(特に、第一巻第二十三章)、他方、利潤率低下傾向(特に第三巻第二十三章)、しかしてこれを基礎とする所の、主点、剰余価値の生産諸条件とその実現諸条件との間の矛盾の展開。かくのごとき全面的な領域にわたっての内面的連繋のもとに、再生産の表式(第二巻第三篇)の分析と展開がなされている」(『資本論体系』中〔改造社、『経済学全集』第十一巻〕二六一頁)。
山田は、第二巻が、第一巻及び第三巻と「内面的連繋」のもとに書かれていると主張し、とりわけ、恐慌論がそうである、と強調するのである。
。。。。。
資本主義構造論―山田盛太郎東大最終講義 単行本 – 2001/3
レーニン全集3(401頁)から以下が引用されている(36頁)。
旋回基軸などの言葉は以下を意識しているのではという説がある。
寺出道雄『山田盛太郎』2008
タトリン「第三インターナショナル記念塔」
山田の分析は半農構造を下に新たに敷いたもので2+1ということになる。カレツキと比べれば全体の有機性はない。
上の建築物を頭に入れておくと以下の目次の見方が変わる。
『日本資本主義分析――日本資本主義における再生産過程把握』
山田 盛太郎 19340220 岩波書店,240p.
■山田 盛太郎 19340220 『日本資本主義分析――日本資本主義における再生産過程把握』,岩波書店,240p. ASIN:B000JB9HV8 [amazon] ※
■内容
■目次/引用
序言
「まことに本書においては、産業資本確立の過程を規定することに、鍵を、見出している。恰かも、再生産論において『単純再生産』の分析が一般的基礎であるが如くに。また、農民問題において『小農』の範疇の検討が/全問題解決の鍵であるが如くに。軍事的半農奴制的日本資本主義『内部』における『経済的諸関係の組み立て』die Gliederung der o(u)konomischen Verha(ae)ltnisse は、産業資本確立過程において軌道づけられる構成の構造的(諸範疇、諸編成)把握によって示される。特殊的、日本資本主義における特徴的な再生産過程把握の基礎が、茲に、與へられる。この見解は、再生産論それ自体の歪曲並にその日本資本主義への誤れる適用に対する、ひとつの批判を蔵するものとなる。本書は、今、この見地に立つ。」(pp.ⅴ-ⅵ)
凡例
「一、本書は、日本資本主義発達史講座(昭和7年5月―8年9月)において発表した見解を一個の統一に附したものである。」(p.ⅶ)
第一編 生産旋回=編成替。マニュファクチュア・家内工業の諸形態
第一 生産旋回=編成替。資本関係創出過程の裡に示された所の、日本資本主義の軍事的半農奴制的性質
〔一〕生産旋回=編成替への基礎的要因
(一)維新政府による半隷農的零細耕作農民、半隷奴的賃金労働者の創設
(二)維新政府による軍事機構整備、巨大財閥必至性
「以上。労働力転化の問題における半隷農的零細耕作農民=半隷奴的賃金労働者創設の点と、全運動の基軸の問題における軍事機構整備=巨大財閥必至性の点と、これらの二の問題に現はれた所の、日本資本主義の軍事的半農奴制的性質は、啻にかかる資本関係創出過程を特徴づけるのみに止まらず、更に、産業資本確立過程、金融資本確立過程、一般的危機の過程を貫串して特徴づける基本的規定であることを銘記すべきである。」(p.6)
〔二〕生産旋回の内容分析と日本資本主義の再生産軌道との連繋
(一)生産旋回の内容分析
(二)生産旋回と再生産軌道との連繋
第二 分析。産業資本確立期に視点をおける、軍事機構=鍵鑰産業の強靭な統一性を基軸とする所の、又半隷農的零細耕作農民及び半隷奴的賃金労働者を労役土壌とする所の、問屋制度的家内工業=マニュファクチュアの諸形態
一、紡績業主導の綿業三分化工程における生産旋回=編成替
〔Ⅰ〕棉花生産の凋落
〔Ⅱ〕紡績業の興隆
〔Ⅲ〕綿織業の編制
二、製糸業手動の絹業三分化工程における生産旋回=編成替
〔Ⅰ〕養蚕の普及
〔Ⅱ〕製糸業の興隆
〔Ⅲ〕絹織業の編制
第三 範疇の検出。産業資本確立期の場合の諸規定と一般的危機の場合の諸規定との連繋
〔一〕型の編制。産業資本確立期における型の編制
〔二〕型の段階。一般的危機の前提条件としての型の分解
〔Ⅰ〕純粋日本型の『惨苦の茅屋』たる零細農生計補充的副業、養蚕
〔Ⅱ〕典型的な『惨苦の茅屋』たる問屋制度的家内工業、織物業
〔Ⅲ〕純粋日本型の特殊労役制的マニュファクチュア、製糸業
〔Ⅳ〕典型的な印度以下的労働賃金及び肉体消磨的労働条件をもつ大工業、紡績業
後記
「これを要言にすれば。賃金の補充によって高き小作料が可能にせられ又逆に補充の意味で賃金が低められる様な関係の成立、即ち、半隷農的小作料支払後の僅少な残余部分と低い賃金との合計でミゼラブルな一家を支へる様な関係の成立、即ち文字通りの『惨苦の茅屋』の関係の成立。日本の『家長的家族制度』の最後的な根拠たる所の、かかる関係の成立。かかる関係の成立こそは半隷農的小作料と半隷奴的労働賃金との相互規定関係存立そのものを意味する。この関係存立こそは日本資本主義興隆の絶対要件たりし所である。が、その型の分解はその結滞を解体する。」(p.62)
附註 半農奴制的零細耕作と資本主義との相互規定
第二編 旋回基軸。軍事機構=鍵鑰産業の構成
第一 旋回基軸。半農奴制的零細耕作を隷役土壌とする巨大なる軍事機構=鍵鑰産業の強力的創出過程
〔一〕軍事機構=鍵鑰産業の創出過程
(一)軍事機構=鍵鑰産業の体制の創出
(二)資本主義生産機構装置
「凡そ、その発達の古典的形態としては、先づ、消費資料生産部門発達指標=衣料生産発達表徴=紡績機械創製(西暦1735年)があり、後に、生産手段生産部門完成指標=工作機械解決完成表徴=旋盤創製(西暦1794年)が続く順序をとるに拘らず、逆に、日本資本主義の発達の場合には、これと転倒の順序をとり、紡績機械(西暦1866/年製)が医療生産部門基調として輸入=装置創出せられる以前に、旋盤等工作機械(西暦1856年製)が造兵製艦軍事用として輸入=装置創出の完了していることに留意すべきである。これ、日本資本主義の場合における労働手段(『生産の筋骨体系』『脈管体系』)装置創出上の特質たる所である。」(pp.74-75)
〔二〕軍事機構=鍵鑰産業創出過程の強力的性質
(一)原始的蓄積の一定型としての、それの強力的性質
(二)該強力的性質の存続=強化=普遍化(再生産軌道の特質)
第二 分析。産業資本確立期頃に視点をおける、半農奴制的零細耕作を隷役土壌とする所の、又衣料生産における生産旋回=編成替への基軸たる所の、軍事機構=鍵鑰産業の構成。基本構造
A 分析
第一分析 機構
一 軍事機構=鍵鑰産業の推轉
(一)軍事工廠における技術的世界水準凌駕=自足完了への迫進。推進的起動力
(二)軍事工廠での迫進過程によって促迫を受ける所の、原基機構における推轉
「第二。工作機械=旋盤製作の劣位=低位の裡に呈露した所の、微脆性。日本資本主義の規定的特質たる半農奴制的軍事的特質は、軍事工業における生産装置の優位と一般的な生産低位との転倒的矛盾としては現われ、かくの如き矛盾はまた更に工作機械=旋盤製作の劣位=低位として具現する。」(p.129)
二 日本ブルジョアジーの特質
「即ち。その特徴的なる統率下に半隷農制的現物年貢取得者と統合せる当該ブルジョアジー自体の軍事的地主的性質並にその微脆性の特質。かくの如き関係の下においては、『ナポレオン的観念』と『家長的家族制度』とが二層穹窿として現われ、かくして茲にその二重の基礎原理が形成する。該二層穹窿、二重の基礎原理、その必然とその制約と。これが問題の要点を形づくる。」(p.135)
第二分析 労働力
一 軍事機構=鍵鑰産業基調での態様
(一)軍事工廠の場合における生産機構=労役機構を通じて鍛冶を受ける労働力
(二)原基機構の場合における生産機構=労役機構を通じて鍛冶を受ける労働力
「第二。基本線。監獄部屋労働、朝鮮人労働、苦力労働の結集に基礎をおく当該製鉄機構において、特徴的な事情が必然的のものとなる。」(p.151)「第二。基本線。厖大なる半隷奴制的労役制度に立脚する採炭採鉱機構における労働力陶冶及び労働者集成は、日本資本主義生誕劈頭から、特徴的な形態で現出した。例へば、納屋制度の体現物なる高島炭鉱における騒擾(明治5年起点)、囚人労働体現物なる三池炭鉱の囚人騒擾(同16年起点)に肇まり、友子同盟の体現物なる足尾銅山並に別子銅山における騒擾(共に40年)を経て釜石鉄山における騒擾(大正8年)別子の騒擾(同14年)に及び、更に最近の、八幡製鉄所の二瀨炭鉱及び住友の忠隈炭鉱を中心とする筑豊炭田争議(昭和6年)に至る迄、事象は常に質量的性質を帯びた所であるのが、それである。かくの如き事象が、当該採炭機構の基幹部分に、而かも当該製鐵基幹部分の枢要基底に、向けられてきたことは、一般的危機の時期に対応的な所として、事情推展の客観性を象徴する。」(p.155)
「第二。旋盤工と基本線。かくの如き特徴的な旋盤工は、労働力群編制の枢軸としての、規定的な地位において、最もよく透視の利くものとして現われる。茲に所謂る透視とは、旋盤工個個人の意識内容としての透視の能力と云ふ主観的なるそれの謂ひではなく、寧ろ、それは、生産過程総機構の客観法則によって与えられる所のその頑剛な、労働力群序列の枢軸としての、規定的な存在そのものが、諸々の労働力群の序列=陶冶=集成を総体としての基本的展望に向けさせる規定点=必然性となると云ふ客観的なるそれの謂ひである。厳密な意義におけるプロレタリアートとしてのプロレタリアートの不撓の存立は与えられる。」(p.157)
二 プロレタリアート
B 総括
「かくして、日本での産業資本の確立過程(明治30年乃至40年頃)は、自由な労働者と自由競争の資本との生産によって特徴づけられるものでなく、それは、半隷農制的年貢徴収と半隷奴制的労役との相関を編制づける所の、又、産業資本確立と帝国主義転化とを同時的に規定づける所の、過程としては現われ、従ってそれは直ちに、日本での金融資本成立確立の過程の、即ち、日露戦争前後殊に鉄道国有(同39年)に表現せられた所の第一階梯端緒的形態における金融資本成立過程、及び、世界大戦中殊に軍需工業動員法(大正7年)に表現せられた所の第二階梯的本格的形態における金融資本確立過程と、以上の半農奴制的軍事的金融資本〔半農奴制的軍事的統体並に巨大財閥の圧倒的な役割の下での独占、銀行資本と産業資本との合生〕の成立確立の過程の、基礎規定として現われる。」(p.161)
第三 基本的展開。産業資本確立期の場合の諸規定と一般的規定の場合の諸規定との連繋、その展望の必然性
〔一〕二個の観点よりする基本的展開。決定的展望
「鉄と石炭との生産の機構を基調とするその構成が、半農奴制的軍事的統体〔製鉄所関係並にその用炭関係、海軍用炭関係、軍事工廠関係〕並に巨大財閥〔製艦、造船、石炭、曹達、染料、人肥、硝子の三井、三菱、住友、古河、貝島〕独占下に、囚人労働〔高島、三池、久留米絣〕=奴隷労働(高島)=納屋制度(炭鉱一般)=監獄部屋(製鉄所)=『仔飼』『父祖の代より世襲的』隷役(佐世保、長崎)の荷役の上に築かれているのみではなく、尚ほその総体が、直接的に、字義通りの農奴制的、所謂る隷農的制度(特に田川郡)に依拠していることを注目すべきである。」(p.169)
「所謂る合理化とは、軍事的半農奴制的金融資本が、一般的危機の時期において、その全機構的な規定的な危地から脱せんがために強行する所の、全機構的な規模での労役強化の一方法であるから、この場合に、第一に、それの半農奴制的零細耕作基調の諸々の労役型を分解せしめる槓杆としての意義と、第二に、それの、労働貴族層の地盤を掘り崩す要因としての意義とを、看取すべきである。」(p.171)
〔二〕歴史の法則
後輯 日本資本主義考察の一視角
第三編 基柢。半封建的土地所有制=半農奴制的零細農耕
第一 分析。日本資本主義の基礎規定としての半封建的土地所有制=半農奴制的零細農耕
〔一〕半封建的土地所有制=半農奴制的零細農耕の創出
(一)性質の問題。明治政府の地租改正基調による土地所有(=剰余労働徴収)の性質規定
A 地租改正における旋回=再編成。土地所有上の一旋回と隷農制的=半隷農制的従属関係の再編成
B 地租改正における準則(検査例第二則)の分析。二層の従属規定に基く土地所有の性質、特質
(二)形態の問題。半封建的土地所有制=半農奴制的零細農耕の場合における剰余労働徴収の形態規定
A 現物年貢(生産物地代)。軍事的半農奴制的型制の具象化としての、地租金納と地代現物納との相克、固定化
B 諸役労働=労働地代(作り子、名子、被官百姓、幕人制度)。隷農制的=半隷農制的従属関係における一極
〔二〕範疇検出
第二 基本線。半封建的土地所有制=半農奴制的零細農耕に規定せられての展望
附録其一 年表(前過程。画期、基礎的経済過程、労働力集成)
附録其二 索引(事項索引、統計索引)
■書評・紹介
■言及
*作成:山本 崇記
2008
4 Comments:
官人\
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農民 工業生産者
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商業ブルジョアジー
官人(M)
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// ||||| \\
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農民Ba ||||| 工業生産者(Ind)
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商業ブルジョアジー(H)
出発点
M=0
Ba=100A
Ind=10i
H=30G
(iは紛らわしいので小文字に変えた)
Aは農業的価値
iは工業的価値
Gは貨幣
ウィットフォーゲル:中国の経済表
官人(M)
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②/||||| \14
/⑥ ③④|16| ⑩\
// ||15|17 \\
農民(Ba)_|||||_⑧__工業生産者(Ind)
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\⑤\11|||| ⑨12/
①\⑦\||| //13
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商業ブルジョアジー(H)
Aは農業的価値的価値量、iは工業的交換価値量、Gは貨幣的交換価値量
M
出発点:-
終結点:43A+2i
Ba
出発点:100A
終結点:30A+5i
Ind
出発点:10i
終結点:3A+1i
H
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
ウィットフォーゲル:中国の経済表
官人(M)
出発点:~
終結点:43A+2i
//||||\\
②/||||| \14
/⑥ ③④|16| ⑩\
// ||15|17 \\
農民(Ba)__|||||_⑧_工業生産者(Ind)
出発点:100A ||||| 出発点:10i
終結点:30A+5i ||||| 終結点:3A+1i
\\\\||||| ///
\⑤\11|||| ⑨12/
①\⑦\||| //13
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商業ブルジョアジー(H)
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
Aは農業的価値的価値量、iは工業的交換価値量、Gは貨幣的交換価値量
ウィットフォーゲル:中国の経済表
官人(M)
出発点:~
終結点:43A+2i
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②/ ||||| \14
/⑥ ③④|16| ⑩\
// ||15|17 \\
農民(Ba)___|||||_⑧_工業生産者(Ind)
出発点:100A ||||| 出発点:10i
終結点:30A+5i ||||| 終結点:3A+1i
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\⑤\11||||| ⑨12/
①\⑦\|||| //13
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商業ブルジョアジー(H)
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
ウィットフォーゲル:中国の経済表
官人(M)
出発点:~
終結点:43A+2i
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農民(Ba)___|||||___工業生産者(Ind)
出発点:100A ||||| 出発点:10i
終結点:30A+5i ||||| 終結点:3A+1i
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商業ブルジョアジー(H)
出発点:30G
終結点:30G+24A+2i
ウィットフォーゲル:中国の経済表(『中国の経済と社会』下より)
官人(M)
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農民(Ba)__|||||___工業生産者(Ind)
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商業ブルジョアジー(H)
官人(政府)よりも商業資本を入れるのが新しい。大企業も製販分離するから正しい。
農工の価値の分割も正しい。
税金の線が多いことがわかる。
カール・ウィットフォーゲル - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・ウィットフォーゲル
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カール・ウィットフォーゲル
カール・アウグスト・ウィットフォーゲル(Karl August Wittfogel、1896年9月6日 - 1988年5月25日)は、ドイツで生まれアメリカに帰化した社会学者、歴史学者。ドイツ語では「ヴィットフォーゲル」とも表記される。
フランクフルト学派の一員であったほか、東洋史、とりわけ中国研究において活躍し、「中心」「周辺」「亜周辺」といった文明における三重構造の概念を提示した。
目次
経歴 編集
ニーダーザクセン州ヴォルタードルフ(ドイツ語版)で生まれた。フランクフルト大学で学ぶ。早くから社会主義運動に加わり、ドイツ独立社会民主党員をへてドイツ共産党員となった。1933年にナチスが政権を掌握すると一時投獄されるが、その後アメリカに亡命してアメリカ国籍を獲得した。このころ中国にも訪れている。第二次世界大戦後はパトリック・マッカランの委員会に加わるなど反共主義に転向し、ワシントン大学などで中国史を教えた。
青年期より中国に関心を抱き、中国の社会経済について研究を進め、官僚制の起源とされる四大文明が河川の流域に位置し水利事業と大規模灌漑農業に基づいた共通点から水力社会と名づけた。また、周辺民族が中国に同化されるという従来までの理解を改め、遼・金・元・清を「征服王朝」という概念を通じて考えた。
さらになぜ西洋や日本のようなウィットフォーゲルが文明の「亜周辺」と呼ぶ最も資本主義が発達した地域から離れた北アジア、中央アジアを抱えるソ連やモンゴル人民共和国から社会主義革命が起き、「亜周辺」の対極にある中華人民共和国、エジプト、イラク、インド、パキスタンなどは五カ年計画によって計画経済が敷かれ、非同盟を掲げつも中東戦争や印パ戦争ではソ連や中国と軍事協力するなどかなり似た体制をとってたかの問題に対し、アジア的生産様式の概念を利用して「アジア的専制政治」として説明した。ウィットフォーゲルのこの仮説はその理論通りにスターリンや毛沢東が自然改造計画や大躍進政策と称して運河やダムの建設や灌漑農業の集団化に邁進していた当時では反響が大きく、同じく中国を研究するジョゼフ・ニーダムからは反論を招いている。
『東洋的専制主義』の日本語訳書 編集
『東洋的専制主義』(アジア経済研究所訳、論争社、1961年)
『専制官僚国家の生成と崩壊』(湯浅赳男訳、新評論、1991年)
『新装普及版・オリエンタル・デスポティズム――専制官僚国家の生成と崩壊』(湯浅赳男訳、新評論、1995年)
その他の日本語訳書 編集
『支那社会の科學的研究』(岩波書店[岩波新書]、平野義太郎・宇佐美誠次郎訳、1939年)
『解体過程にある中国の経済と社会(上・下)』(原書房、1977年)
参考文献 編集
G・L・ウルメン(亀井兎夢訳)『評伝ウィットフォーゲル』新評論、1995年
湯浅赳男『「東洋的専制主義」の今日性――還ってきたウィットフォーゲル』新評論、2007年
石井知章『K・A・ウィットフォーゲルの東洋的社会論』社会評論社、2008年
石井知章『中国革命論のパラダイム転換――K・A・ウィットフォーゲルの「アジア的復古」をめぐり』社会評論社、2012年
山田盛太郎―マルクス主義者の知られざる世界 (評伝・日本の経済思想) 単行本 – 2008/1
寺出 道雄 (著)
うした『分析』の秘密については、第6・7章で語るとして、ここでは、苦痛に耐えながら、山田自身の言葉を追っていこう。
再生産論の具体化分析の「序言」は、こう書き出される。
「本書は、日本資本主義の基礎の分析を企図する。その基礎分析によつて、日本資本主義の基本構造=対抗・展望を示すことは、本書の主たる課題とする所である。本書は、これを、日本資本主義における再生産過程把握の問題として、謂はば再生産論の日本資本主義への具体化の問題として、果すことを期してゐる。」(「序言」一頁)
ここで、「再生産論」の「具体化」とは、山田が、『再生産過程表式分析序論』において取り上げた、『資本論』の中の再生産表式論が、『分析』の構想の基本にあったことを語っている。再生産表式論とは、資本主義経済を生産財生産部門と消費財生産部門からなる二部門経済として捉え、その二部門の絡み合いの中で、資本主義経済における資本蓄積の過程を捉えていく議論である。
この『資本論』における再生産表式論は、二部門モデルによる経済成長論の研究にも発展させうる性格を有していた。しかし、山田の再生産表式論の利用の方向は、そうした経済理論的な利用の方向ではなかった。山田は、工業部門を生産財生産部門と消費財生産部門に分割して、その様相を具体的に分析するとともに、そうした二部門分割によっては捉えきれない性格を示す農業部門を、いわば第二の部門として捉えて、その様相を具体的に分析することによって、総体としての日本資本主義の姿を明らかにしようとしたのである。それは、文字通りに、再生産表式論の「具体化」であった。特殊な「型制」山田は、続いてこう述べる
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