谷山 豊(たにやま とよ(ゆたか)[注釈 1] 、1927年〈昭和2年〉11月12日 - 1958年〈昭和33年〉11月17日)は、日本の数学者。理学博士。
来歴[編集]
埼玉県騎西町(現・加須市)出身。開業医の家庭に、八人兄弟の六番目として生まれる。
体が弱く、旧制浦和高等学校を2年休学して1950年に卒業。この頃に高木貞治の『近世数学史談』を読んで、数学者を志すようになる。
昨日まで、自殺しようという明確な意思があったわけではない。 ただ、最近僕がかなり疲れて居、 また神経もかなり参っていることに気付いていた人は少なくないと思う。 自殺の原因について、明確なことは自分でもよくわからないが、 何かある特定の事件乃至事柄の結果ではない。 ただ気分的に云えることは、将来に対する自信を失ったということ。 僕の自殺が、或る程度の迷惑あるいは打撃となるような人も居るかもしれない。 このことが、その将来に暗いかげを落とすことにならないようにと、心から願うほかない。 いずれにせよ、これが一種の背信行為であることは否定できないが、
今までわがままを通してきたついでに、最後のわがままとして許してほしい。[4]
と綴られていた[注釈 2]。没後、従七位に叙せられている[5]。墓は善応寺(加須市)。戒名は「理顕明豊居士」[6]。
その後、婚約者・鈴木美佐子も、遺書に「私たちは何があっても決して離れないと約束しました。彼が逝ってしまったのだから、私もいっしょに逝かねばなりません」[7]と書き残して12月2日にガス自殺を遂げている[注釈 3]。翌年1月25日、谷山・鈴木両家による「葬婚式」が行われた。善応寺にある谷山の墓には彼女の遺骨も埋葬され、墓石には二人の戒名が並んで刻まれている[9]。
業績[編集]
業績として、アーベル多様体の高次元化、虚数乗法論。谷山–志村予想(上に定義された全ての楕円曲線はモジュラーである)がある。前者は谷山の死後志村五郎がその研究を発展させ、後者は志村が定式化した。
谷山による問題(谷山・志村予想の原型)[編集]
谷山予想は、1955年9月に栃木県日光市で開かれた代数的整数論の国際会議で、日本の若手の出席者が中心となって未解決の興味ある問題を集め、それを英訳して配布したものの中に問題という形で、今日「谷山予想」と呼ばれているものの原型が含まれていた、といわれている[10]。この時配布されたものは印刷されずに終わった[10]が、後に、英文によるものは『谷山豊全集』pp.147-148に、また日本語訳のものは『数学』第7巻第4号(岩波書店)に掲載された[11]。以下の2つの問題が、谷山予想の原型である。
問題12 を代数体上で定義された楕円曲線とし上の L函数をとかく:
は、上のzeta函数である。もしHasseの予想がに対して正しいとすれば、よりMellin逆変換で得られるFourier級数は特別な形の-2次元のautomorphic formでなければならない。(cf.Hecke) もしそうであれば、この形式はそのautomorphic functionの体の楕円微分となることは非常に確からしい。
さて、に対するHasseの予想の証明は上のような考察を逆にたどって、が得られるような適当なautomorphic formを見出すことによって可能であろうか。 (谷山豊)[11]
問題13 問題12に関連して、次のようなことが考えられる。Stufe の楕円モジュラー関数体を特徴づけること。 特に、この関数体のJacobi多様体をisogenousの意味で単純成分に分解すること。また素数、かつ ならば、が虚数乗法を持つ楕円曲線を含むことはよく知られているが、
一般のについてはどうであろうか。(谷山豊)[12]
人物[編集]
- 盟友だった志村五郎は、谷山を次のように評している。
谷山はたくさんの間違いを犯す、それもたいていは正しい方向に間違うという特別な才能に恵まれていた。私はそれがうらやましく、真似してみようとしたが無駄だった。そうしてわかったのは、良い間違いを犯すのは非常に難しいということだった。[14]
著書[編集]
- 谷山豊全集刊行会 編 『谷山豊全集』谷山豊全集刊行会、1962年。 NCID BA50603318。-家族や友人の自費出版で刊行された。
- 杉浦光夫ほか 編 『谷山豊全集』(増補版)日本評論社、1994年10月。ISBN 4-535-78209-1。 NCID BN11487616。-旧版に書簡や論文を加え、新たに著作目録・略伝を付記した。
- 杉浦光夫ほか 編 『谷山豊全集』(新版)日本評論社、2018年12月。ISBN 978-4-535-78886-2。 NCID BB27371864。-旧版未収録の書簡や写真が新たに加わった。
共著[編集]
- 志村五郎 『近代的整数論』 第2、共立出版〈現代数学講座〉、1956-1957。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 名前は本来「とよ」と読むのが正しいが、「ゆたか」と読む人が多かったので、いつからか自ら「ゆたか」と名乗るようになったという[1]。そのため世界的には「ユタカ・タニヤマ(Yutaka Taniyama)」の名前で知られている。
- ^ 遺書は前記引用部分に続いて、図書館や知人から借りた本や研究室の鍵、研究資料や私物などの処分、金銭関係(預金通帳の置き場所、未だ受け取っていない仕事の報酬や未払いのガス代)、大学での講義の進行状況について記され、末尾は「いずれにせよ、駒場の方々にかなり御迷惑をお掛けすることになるのをお詫びしたい。」と結ばれている[4]。
- ^ 谷山の突然の死にショックを受け、遺族に頼み込んで彼の背広を譲り受けている。彼女の遺体が発見された時、傍には譲り受けた谷山の背広があったという[8]。
出典[編集]
- ^ 杉浦光雄「谷山豊の生涯」、『谷山豊全集』新版 p.359
- ^ “CiNii博士論文 - Jacobian varieties and number fields”. 国立情報学研究所. 2017年7月15日閲覧。
- ^ a b 「谷山東大助教授が自殺 数学界の権威 “自信失った”と遺書」、読売新聞1958年11月17日付夕刊(東京本社版)、5頁
- ^ a b 「遺書」、『谷山豊全集』新版 p.324
- ^ 『官報』第9596号 本紙「叙任及び辞令」(1958年12月15日)
- ^ 「年譜」、『谷山豊全集』新版 p.379
- ^ S・シン 2006, p. 295.
- ^ a b 西條 2016, p. 185.
- ^ 西條 2016, p. 141.
- ^ a b 足立 2006, pp. 311 f
- ^ a b 足立 2006, p. 312
- ^ 足立 2006, pp. 312 f
- ^ a b c 「谷山豊再び注目 「フェルマーの最終定理」証明に道筋」、朝日新聞1993年11月16日付夕刊(東京本社版)、3頁
- ^ S・シン 2006, p. 276-277.
参考文献[編集]
- サイモン・シン 『フェルマーの最終定理』青木薫訳、新潮社〈新潮文庫〉、2006年6月。ISBN 978-4-10-215971-2。
- 足立恒雄 『フェルマーの大定理 整数論の源流』筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2006年9月。ISBN 4-480-09012-6。
- 西條敏美 『知っていますか?日本数学者ゆかりの地 日本数学の源流を訪ねて』恒星社厚生閣、2016年6月。ISBN 978-4-76-991585-0。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 大辞林 第三版『谷山豊』 - コトバンク
- 埼玉県庁(埼玉ゆかりの偉人) at Archive.is (archived 2013年7月2日)
- 難問に挑んだ世界的数学者 谷山 豊(たにやま とよ/ゆたか) | 加須インターネット博物館(加須市教育委員会生涯学習部生涯学習課)
- O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., “Yutaka Taniyama”, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews.
Jacobian Varieties and Number Fields
[2] R. Hecke, Hohere Modulfunktionen und ihre Anwendung auf die Zahlentheorie, Math. Ann., 7161912. j, 1-37.
[3] E. Hecke, Uber die Konstruktion relativ ABEL. scher Zahkiirper durch Modulfunktionen von zwei Variablen, Math. Ann., 74 (1913), 465-510.
[4] E. Hecke, Eine neue Art voir Tetafunktionen und ihre Beziehung zur Verteilung der Primzahlen, II, Math. Z.,6 (1920).11-51
[6] A. Weil, Varietes abeliennes et courbes algebriques, Paris, 1948.
[7] A. Weil, Number of solutions of equations in finite fields, Enil. Amer. Math. Soc., 55 (1919), 497-508.
[8] A. Weil, Jacobi sums as 'Grossencharaktere', Trans. Amer. Math. Soc., 73 (1952), 487-495.
文献
[1] M.Deuring, Die Zetafunktionen einer algebraischen.
Kurven vom Geschlecht Eins, Nachr. Akad. Wiss. Got-
tingen, (1953), 85-94.
[2] R. Hecke, Hohere Modulfunktionen und ihre Anwen-
dung auf die Zahlentheorie, Math. Ann., 7161912. j, 1-37.
[3] E. Hecke, Uber die Konstruktion relativ ABEL. scher
Zahkiirper durch Modulfunktionen von zwei Variablen,
Math. Ann., 74 (1913), 465-510.
[4] E. Hecke, Eine neue Art voir Tetafunktionen und ihre
Beziehung zur Verteilung der Primzahlen, II, Math. Z.,
6 (1920).11-51
[5] G. Shimura, Reduction of algebraic varieties wih re-
spect to a discrete valuation of the basic field, Amer. J.
Math., 77 (1955) 134-176.
[6] A. Weil, Varietes abeliennes et courbes algebriques,
Paris, 1948.
[7] A. Weil, Number of solutions of equations in finite
fields, Enil. Amer. Math. Soc., 55 (1919), 497-508.
[8] A. Weil, Jacobi sums as 'Grossencharaktere', Trans.
Amer. Math. Soc., 73 (1952), 487-495.
(本研究は文部省研究助成金(昭29年)によるもので
ある)
イデアル (環論) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/イデアル_(環論)抽象代数学の分野である環論におけるイデアル(英: ideal, 独: Ideal)は環の特別な部分集合である。整数全体の成す環における、偶数全体の成す集合や 3 の倍数全体の成す集合などの持つ性質を一般化したもので、その部分集合に属する任意の元の和と差に関して閉じていて、なおかつ環の任意の元を掛けることについても閉じているものをイデアルという。
整数の場合であれば、イデアルと非負整数とは一対一に対応する。即ち整数環 Z の任意のイデアルは、それぞれただ一つの整数の倍数すべてからなる主イデアルになる。しかしそれ以外の一般の環においてはイデアルと環の元とは全く異なるものを指しうるもので、整数のある種の性質を一般の環に対して一般化する際に、環の元を考えるよりもそのイデアルを考えるほうが自然であるということがある。例えば、環の素イデアルは素数の環における対応物であり、中国の剰余定理もイデアルに対するものに一般化することができる。素因数分解の一意性もデデキント環のイデアルに対応するものが存在し、数論において重要な役割を持つ。
イデアルは整数の算術から定義される合同算術の方法と同様の剰余環(商環)の構成にも用いられる、この点において群論で剰余群(商群)の構成に用いられる正規部分群と同様のものと理解することができる。
順序集合に対する順序イデアルの概念は環論におけるこのイデアルの概念に由来する。またイデアルの概念を一般化して分数イデアルの概念を考えることもでき、それとの区別のためここで扱う通常のイデアルは整イデアルと呼ばれることもある。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E6%BA%96%E5%90%8C%E5%9E%8B
数学における自己準同型(じこじゅんどうけい、英: endomorphism)とは、ある数学的対象からそれ自身への射(あるいは準同型)のことを言う。例えば、あるベクトル空間 V の自己準同型は、線型写像 ƒ: V → Vであり、ある群 G の自己準同型は、群準同型 ƒ: G → G である。一般に、任意の圏に対して自己準同型を議論することが可能である。集合の圏において、自己準同型はある集合 S からそれ自身への函数である。
任意の圏において、X の任意の二つの自己準同型写像の合成は再び X の自己準同型である。X のすべての自己準同型の集合はモノイドを構成し、それは End(X) と表記される(あるいは、圏 C を強調するために EndC(X) と表記される)。
目次
自己同型
X の可逆な自己準同型は、自己同型と呼ばれる。すべての自己同型の集合は、群構造を備える End(X) の部分集合であり、X の自己同型群と呼ばれ、Aut(X) と表記される。次の図で、矢印は包含関係を表す:
自己準同型環
あるアーベル群 A の自己準同型写像は、次のルールに従って足し合わされる:(ƒ + g)(a) = ƒ(a) + g(a)。この加法の下で、アーベル群の自己準同型写像は環(自己準同型環)を構成する。例えば、Zn の自己準同型写像の集合は、成分が整数であるような全ての n × n 行列からなる環である。ベクトル空間あるいは環上の加群の自己準同型写像もまた、前加法圏内の任意の対象の自己準同型写像と同様に、環を構成する。非アーベル群の自己準同型写像は、近環として知られる代数的構造を生成する。乗法単位元をもつすべての環は、その正則加群の自己準同型環であり、したがってあるアーベル群の自己準同型環の部分環である[1]。しかし、どんなアーベル群の自己準同型環でもないような環も存在する。
作用素論
特にベクトル空間のような任意の具象圏において、自己準同型はある集合からそれ自身への写像であり、その集合上の単項演算子として解釈されることもある。それは元に対して作用し、元の軌道の概念の定義を許すものである。
手近な圏に対して定義される追加構造(トポロジー、距離など)に依存して、そのような作用素は連続性や有界性などの性質を持つこともある。その点に関する詳細は作用素論に関係する記事を参照されたい。
自己函数
自己函数(endofunction)とは、その定義域が余域と等しい函数のことを言う。準同型な自己函数は、自己準同型である。
S を任意の集合とする。S 上の自己函数の中に、S と、各 に関連する与えられた定数 の置換が存在する。S のすべての置換は、その定義域と等しい余域を持ち、それは可逆な双射である。S が 1 より多い元を持つなら、S 上の定数函数は、その定義域の真部分集合であるような余域を持ち、双射ではない(また可逆でもない)。各自然数 n に対する n/2 の床函数に対応する函数は、余域と定義が等しいが、可逆ではない。
有限の自己函数は、有向擬森と等しい。大きさ n の集合に対し、その集合上には nn個の自己函数が存在する。
特定の双射自己函数は、対合、すなわちその逆と一致する函数である。
関連項目
注釈
- ^ Jacobson (2009), p. 162, Theorem 3.2.
参考文献
- Jacobson, Nathan (2009), Basic algebra, 1 (2nd ed.), Dover, ISBN 978-0-486-47189-1
外部リンク
- Hazewinkel, Michiel, ed. (2001), “Endomorphism”, Encyclopaedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1556080104
- Endomorphism - PlanetMath.org(英語)
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谷山豊
返信削除Jacobi多様体と数体
JaCObi多様体と数体D§1.緒 言虚2次体上の類体はすべて,虚数乗法を持つ楕円函数のモズルと,周期の等分値とにより生成され得るというのが,古典的な虚数乗法論の主要な結果である。所で,この理論の,より高次の体への一般化を試みたものとしては,これまで, Hёcke[2],[3]の理論があるにすぎない。ここでは,此等の理論を特別の場合として含む,下般的な虚数乗法論を作ることを目標とする。一方,代数体上定義された代数曲線の←函数に対し,HasSeは,それが全複素平面で有理型で,普通の型の函数等式を満すであろうと予想した。この予想は, α“π+妙π+ε=0という形の方程式で定義される曲線に対して0まWeil[8]により,虚数乗法を持つ楕円曲線に対してはDeuring[1]により,それぞれ肯定的に解決された。ここでは,上の理論の応用として虚数乗法を十分多く持つ曲線及びAbel多様体に対し, この予想を証明する。§2.準 備"Aをσ次元Abel多様体,班(4)を4のendomorphismの環,10(4)を,γ(4)の係数環の,有理数体への拡大により得られるalgebraとする。 班(A)の元は, Aの1次第1種微分の空間の1次変換を引き起すから, 此の空間の基底ωl,…・,物を用いて,班(A)を逆表現することが出来る。S(μ),μC)(■)を,此の逆表現の行列とする.今以上すべてのものが,有限次代数体んの上で定義されているとする。Tをたの素イデアルとし,此等のものをmOd.鶉でreduceして得られるものを,対応する記号の上に~をつけて表わすことにする。補助定理1.ほとんどすべての(つまり有限個を除く)恥に対し, AはAbel多様体で,μ→μは,班(■)から2(4/1)の中への同型写像であり,又う1,…。,あσは4の1次第1種微分の空間の基底で,それによるγ(a)の逆表現をS(μ)と書けば,S(μ)=S(μ).この補助定理の中で除かれた素因子Tを,スの例外素因子という。以後mOd.弔で考えることは,例外でない撃に限ることにし,一々断らない。`ほとんどすべての'という形容詞も省略することがある。仮定1.以後,2(4)が,2σ次の代数体Kのorderと同型な環Rを含むと仮定する。Kを含む最小の正規体をKと書く。Rのすべての元に対し, S(μ)は, ん。KIこおいて,同時に対角形に変換される。そのとき,Xの=(1し)にと書ける.σtはKから複素数体の中への同型写像で,特にσlは恒等写像とする。以後μとμlを同一視する。補助定理2.σOを,Kの複素共範同型とすれば, σl,・…,σク,σOσl,…・,σOσσ lま, K から複素数体の中への, 2g個の同型写像すべてである。それ故とくに,4が単純ならば,Kは,総実なるσ次の体るの,総虚な2次の拡大である。系.たがKを含むとき,σをのλへの接続の一つを再びσをで表すことにする.そのときたの数βに対して, Nκ/K(βσrl.…βσ『1)のすべての共輌は,その絶対値が(Nの1/2である。ここでNは絶対ノルムを表わす。
§3.Hasseの←函数まず,RがKのprincipal orderでぁるとする。 Rのイデアルαに対し, αα=0,Vα〔αを満す4の点αを,4のα分点という, αが,αより本当に大きいどんなイデアル6に対してもう分点でないとき,本来のα分,点という,α分点はN(α)個, 本来のα分点は′(a)個ある,ただしψ(a)はαのEuler函数。それ故,αを本来のα分点とするとき,グを,λ(α)/んの同型写像とすれ|ゴ, ασ=μσα なるμσ(Rがある.ルを含むmOd.oでの剰余類をくσ〉と書けば,〈σ)|まσにょリー意に定まり, αと素なdll余類である.んはすべてのμの定義体だから, αστ=(μσα)τ=μσμτα。それ故,σ→〈σ〉は,ん(α)/んのGalois群から,mOd.αの素剰余類群の中への同型写像を与える。特に,た(α)/ん|まAbel拡大である。さて,″をスのん上のgeneric point(以下G.P.と略す)とする.零をたの素因子とする.そのとき, ″→″珊はオのendomorphismであるが,仮定1より,それは,Rの中に逆像π"を有する。(″N撃は,夕の座標のヽ印乗を座標に持つ点を表わす。)又,例外素因子と素なんのイデアルお=撃1・…撃γに対し1ぉ=π澪1…・πttγと定義する.仮定2.λ⊃て(§3のみ)。補助定理3。わ(π魅)=Nた/K(おσrl.…魅σ,1),今,上に考えたイデアル0が,Kの判別式の2倍と素であるとする.適当な自然数Fを取れば,た(α)は, た上のIFを法とするStrahl類体に含まれる。ここでFがαで割れるとしてよい。σ(撃)をん(α)/んでの,零のFrobenius 自己同型とすれば, ″■)=α騨=元摯″だから,π"は〈σ(弔)〉に属する.故に, σ(8)をん(α)/んでの, おのArtin記号とすれば‐πぉC〈σ(魅)〉.特に, たの数βに対し,β=l mod.Fならば,πくβ)=l mOd.α。それ故補助定理2の系と補助定理3とより,αについての仮定を使えば,此のようなβに対しては,π〈β)〓Mκ/K(βσ11・…βσア1)。それ故,χ(8)=π魅/lπぉ10またの量指標である。さて,4の,Hasseのζ―函数は例外でない恥に対する■の合同ζ―函数の無限積として定義される。所が後者は,4の,λ上ノ次の点の個数Ⅳレから計算される°,所が″′は,4の,部-1分点の個数,故に″′=N(π孫-1).以上をまとめて,定理1.仮定1,2の下に,スのん上のζ―函数ζИ(s)は,次のように表わせる.00〓のた1.1じル←~誉″F好嘲→mμここでχは上に定義された量指標,ルはKの2σ個の同型写像で,積は,一定のμに対しては, ρtの, μ項の組合せすべてにわたる.LはんのL―函数,0(s)は,簡単な形の有理函数で,例外素因子に由来するD。系,Cを,有限次代数体ん上定義された代数曲線で,そのJacobi多様体が,上の定理の条件を満すものとする。そのときCの←函数に対しても,Hasseの予想が成立つ.即ちそれは,量指標のL―函数により表せる.§4.不分岐拡大体の構成仮定3.以後RはKのprincipal orderとする。KのGalois群をGとし,KIこ対応するその部分群を″とする。Σ腸`σ=ク `=1Σ腸じ を満すσ全体の作る,Gの部分群`=1を,G*とする。K*を,G*に対応する,Kの部分体とする。そのとき次の形の分解が成『:説等謹7111[Hil〔:|||ll・i〔il::i:告はKのイデアルになる。そのときたの素イデアル弔で, N″/κ*=摯='メ なるものに対し,(π雫)=「(p)∫.仮定4.κ*の,ほとんどすべての1次素イデアルゃに対し,「(p)は,Kの,どんな真部分体のイデアルにもならない
補助定理4.以上の仮定が成立てば,4は単純である。又K*の1次の,の, んにおける素因子恥に対し,λも単純である.したがって2(4),γ(4)は共にRに同型である.補助定理5.αをんの上のG.P。とする。Rのイデアルαに対し,4から,或るAbel多様体Bへの準同型′αで, ん(スα“)=∪α(.ん(αの を満すものがある.此のスα,Bは同型を除き一意に定り,ん上で定義され得る。そして,スαA筈′6Aは,Kでα~6なること,即ち,α=6(β)なるKの数βがあることと同等である。ゃを,K*の1次素イデアル,Tをπにおけるその素因子とすれば, 明かに π(夕)=π(々む)グ).ただし夕=坤。ここでB〓λαスとして,2(ス)と班C)との同型対応を, スノ=μりαなるμ∈班(■)とμ*C班(め とを対応させることにより固定する。そのとき, 班(4)のイデアル6の像をう*と書けば,明かに,26りα4室れA・一方, たの同型写像σに対し,4から4σへの準同型スがあると仮定する.σは)(4)から班(4σ)への同型♂:μ→μσを引き起す。故に,′→μ*は,I(4σ)の自己同型である。所が,補助定理6.仮定4の下に,班(4)の自己同型Σに対し, 表現S(μΣ)とS(μ)とが同じ特性根を持てば,Σは実は恒等置換である.系.S(/)がS(μ)と同じ特性根を持てιゴ,メ′=μ*.ここで,解析的理論を援用しなければならない。Endomorphism環がRと同型で,同一の表現S(のを許容するような,互いに同型でないAbel多様体をス1,・…,4んとすれば,Riemann行列の理論より,4tの間には,上への準同型が存在し,さらに,4t=λot4と取れる。今此等の中で,単因子がすべて1であるRiemann形式を持うものをAl,…・,4んとすれば, これらも, その中の一つスにより,ス|=′●,4と書けるが,そのときαじはKのイデアルで,Kの,指数2の実体K。(補助定理2を見よ)へのノルムαFじが,KOの狭い意味での主類に属するものの作る,Kのイデアル類すべてにわたる。此のような類の作る群をCと書けば,Cの位類は, それ故ん′である。簡単のためん/K*を正規とし,そのGalois群をGとする.σ(6に対し,2(4σ)はRと同型で, 又4σもすべての単因子1なるRiemann形式を持つから,4σ笙′α“)4と書け,これにより,α(σ)を含むイデアル類[σ]が一意に定まる。勿論[σ](α.又τ(6に対し, 4στ笙′3(のスOC/〓′。“口。(っ4。所が,τは,K*の上の自己同型だからS(μτ)はS(μ)と同じ固有値を持つ,故に補助定理6の系よりμr=μ*, 従らて α(σ)τ=α(σ)*, 結局4στ≡′。(τ)。(のス・故にσ→[σ]は,GからCの中への準同型写像である。そのkernelをるとし, 0に対応する: んの部分体をでとすれば, K/K*のGalois群はCの部分群と同型,故にAbel群である。αをスのん上のG.P。とする。ゎをK*の1次素イデアルとし, σ(p)を, pの,K″0でのFrobenius自己同型とすれば,pの, んでの素因子弔でreduCtiOnして,π(ασQ))=π(F2)=π(′r5)″),貝日ち 五σ(D笙々簿√.2(a)笙R笙班(4)(補助定理4)ょり,これから,「(や)C[σ(p)].特にσ(p)∫=11ま「(p)∫~1と同等。それ故,K*のイデアル6で,「(6)がKで単項イデアルになるものすべての作る群をIとすれば,定理2.Kは,イデアル群rに対する,K*の類体である.特に,Cの各類が,「(6)なる形のイデアルで代表されるときは,[K:K*]=ん′.此れは,`類方程式'の既約性を意味する.§5.分点の体における分解法則κ*のイデアル数の系を一つ選びの, イデ
返信削除アル6を表すイデアル数をβと書く。「(β)=βτrl……βτ『11まnにより1の算根因子を除き定まり,従って,本質的には, イデアル数の系の選び方によらない。絶対値を比べれば,π摯=ε′Γ(合)イがわかる。ただし畢0まんの素イデアル, Nたノκ*弔=pt,=(お),又ε′は1の幕根である。Kに含まれる1の薫根の集合をEと書き,スの点αに対し,Eα=Σε(2(εα)なる, 0次元のcycleを定義する.そしてん(¢)0を,んを含み,その上でEαが有理的になる最小の体とする。αをKのイデアル,αを,スの,本来のα分点とする。K*の素イデアルゎがんでノ次に分解するとする。一方/0を合同式ε′′Γ(合)′0≡ε mOd.αが成立つ最小の自然数とする。ここにε′′は1の軍根,ε〔E。今Fを,ノと/0との最小公倍数とすれば,π絆=ε′″′Γ(合)F=ε2(α), ε2CE, だから, Eα Oま石yで不変,故にEαはた上高々F//次,故にス計上高々F次である。EαのKX上の次数は,弔のん(α)0/んでの分解の次数に等しい.それを島とすれば,それ故FO≦ユー方定義より, π澪。〃万〓τZなるε〔Eがあるから,π澪″≡ε(a).貝口ちε′r(3)「o=ε(a).又鳥力`/の倍数であることは明かだからF≦F。,故にF=FO.故に,ε′「(β)=ε mod.α,ε(Eを満すイデアル(β)の作る群をf・と書けば,定理3.ん(α)。は,んと, ィデアル群Icに対する,K*の類体との合成体である。系。4がK上で定義されていれば,K(α)oは,■に対する,K*の類体である。
註1)二三の事情のため,この題名は内容に多様体と数体 I“そぐわないものになった。妥当な題名は,`Abel多様体と数体'であろう。
2)以下に現われる概念の定義,主要性質についてはヽヽreil[6],Shimura[5],Hecke[4]その他を見られたい。
3)補助定理2はこの補助定理を使って証明される.従ってこれを先に書いた方が良いかもしれない.4)Weil[7].
5)Rがprincipal orderでないときは,principal orderのときに帰着される。
6)定義はHecke[4].
文 献
[1]M. Deuring, Die Zetafunktionen eineralgebraischen Kurven vom Geschlecht Eins,Nachr.Akad,Wiss.Gёttingen,(1953),85-94.
[2]E.Hecke,Hёhere Modulfunktionen undihre Anwendung auf die Zahlentheorie,Mtth.Ann.,71(1912),137.
[3]E.Hecke,Ober die Konstruktion relat市ABEL―scher Zahlkёrper durch Modulfunk―tionen von zwei Variablen, WIath. Ann., 74(1913), 465-510.
E4] E.Hecke, Eine neue Art von Zetafunk―tionen und ihre Beziehing zur Verteilungder Primzahlen, Ⅱ, Math.Z.,6(1920),11-51.
[5]Go Shimura, ReductiOn of algebraicvarieties with resp∝t to a discrete valuatiOnof the basic neld, Amer.」.Math。,77(1955) 134-176.
[6]A.Weil, Vari6t6s ab61iennes et courbesalg6briques,Paris, 1948.
[7]A.Weil,Number of sOhtiOns of equationsin flnite nelds, Bull. Amer. Math. Soc., 55(1949), 497-508.
[8]A.Weil,Jacobi sums as`Gr6ssenchar‐aktere',Trans.Amer.Math.Soc.,73(1952),487-495.(本研究は文部省研究助成金(昭29年)によるものである
谷山全集全1巻に明瞭なバージョンがある
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