柄谷行人氏ロングインタビュー 「ルネサンス的」文学の系譜 『定本 柄谷行人文学論集』刊行を機に|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」
シェークスピアか源氏物語か
>『資本論』はシェークスピアの引用だらけです(笑)。
『資本論』の中には第一巻を中心に、次の八つのシェイクスピア作品が登場する(12箇所)。
「ヘンリー四世・第一部」(第一巻・二カ所)
「から騒ぎ」(第一巻・二カ所)
「夏の夜の夢」(第一巻・一カ所)
「アテネのタイモン」(第一巻・一カ所)
「お気に召すまま」(第一巻・一カ所)
「ハムレット」(第一巻・一カ所)
「ヴェニスの商人」(第一巻・三カ所)
「ジョン王」(第三巻・一カ所)
シェークスピア
ヘンリー4世第一部
33,第四版のために
かように剣を使ったが、冥府の竜たるマルクスは「たちまち窮地」におちいって、彼の足もとに息たえたのだ!
シェークスピア
ヘンリー4世
52,1:1:1:3
商品の価値対象性は、つかまえどころがない点で、クイックリおかみ〔シェークスピアの『ウインザーの陽気な女房』や『ヘンリ四世』に出てくる人物〕と異なる。
シェークスピア
から騒ぎ
89,1:1:2
誰かここで、夜番のシーコールに教えてつぎのように語るおひとよしのドッグベリー〔シェークスピアの『むだ騒ぎ』における警吏。おろかでおせっかいな属吏のあだ名〕のことを想いださぬ人があろうか、──「男ぶりがよいということは境遇のたまものだが、読み書きができるということは生れつきだ」と。
シェークスピア
真夏の夜の夢1:1
112,1:1:3:2:a
かように、商品は貨幣を恋しているが、しかし「まことの恋路はままならぬもの」である。
シェークスピア
アテネのタイモン4:3
経哲草稿参照
136,1:1:3:3:a
九一 「黄金? 黄色い、ぎらぎらする、貴重な黄金じゃないか? ……こいつが此ッ位いありゃ、黒も白に、醜も美に、邪も正に、賤も貴に、老も若に、怯も勇に変えることが出来る。……神たち、何とどうです? これ此ッ位いありゃ、神官共だろうが、お傍仕えの御家来だろうが、みんな余所へ引っばってゆかれてしまいますぞ。まだ大丈夫という病人の頭の下から枕を引ッこぬいてゆきますぞ。この黄色い奴めは、信仰を編み上げもすりゃ、引きちぎりもする、忌しい奴を有りがたい男にもする、白癩病みをも拝ませる、盗賊にも地位や爵や介添えや名誉を元老なみに与える。古後家を再縁させるのもこいつだ。……やい、うぬ、罰当りの土くれめ、……淫売め……」(シェークスピア『アセンズのタイモン』〔第四幕第三場、坪内逍遙訳による〕。)
九二 「およそ世に行なわれるもののうち、黄金ほど悪いものはない。それは国をほろぼし、人の家屋敷をうばい、また時には、徳ある人の心を動かして、邪悪な行ないになずませる。それは人々に、わる賢い鉄面皮や、どんな罪業も恥じない不信心を教える。」(ソフォクレス『アンティゴーネ』。)
九三 「貪慾はプルトーそのものを地中からひき出そうとする。」(アテナイオス『学者の饗宴』〔三九七頁〕。)
使用価値としての商品は、特殊的な慾望を充たすのであって、質料的富の特殊的な要素をなす。…
シェークスピア
お気に召すまま2:7
176,1:2:4:3
人間は、地上に現われた最初の日と同じように、いまなお毎日、生産する以前にも途中でも消費しなければならない。
(地上より世界という舞台が訳語として正確)
シェークスピア
ハムレット
286,1:3:8:5
注121
話にもならぬ統計的饒舌家たるポロニアス・アーサー・ヤング〔ポロニアスは『ハムレット』にでる人物であって饒舌な廷臣〕も、同じ考え方である。
シェークスピア
ベニスの商人
4:1
300,1:3:8:6
だが資本は〔シャイロックとともに〕答えていった、──「私のすることに不都合はない! 私が要求するものは私の権利だ! 私の証文に書いてある違約金と抵当物だ!」
シェークスピア
ベニスの商人
4:1
300,1:3:8:6
「そうです、心臓です。証文にそう書いてあります。」〔301〕
シェークスピア
から騒ぎ
446,1:4:13:4
注190
地方のドッグベリーたち
この判決は「偉大な無給者」たる地方の治安判事たちによって下されたのではなく、ロンドンで最高裁判所の一つによって下されたのである。
シェークスピア
ベニスの商人
4:1
514,1:4:13:9
三〇七 「私が生活する手段を奪うなら、お前は私の生命を奪うのだ。」(シェークスピア〔『ヴェニスの商人』、第四幕第一場〕。)
シェークスピア
ジョン王4:3
利子
461,3:5:26
今日のブルジョア世界の白痴性は、このクソ貴族たる百万長者の「論理」が全イギリスに注入した尊敬によって示される以上には、よく示されえない。
小田島訳:
4:3
ビゴット この糞溜めめが、貴族にむかって無礼を申す気か?
ヒューバート とんでもない、ただしとんでもない言いがかりには、 たとえ帝王が相手でも、無実なこの身を守ります。
King John, Act IV, Scene 3 :|: Open Source Shakespeare
https://www.opensourceshakespeare.org/views/plays/play_view.php?WorkID=kingjohn&Act=4&Scene=3&Scope=scene- Lord Bigot. Out, dunghill! darest thou brave a nobleman?2110
- Hubert de Burgh. Not for my life: but yet I dare defendMy innocent life against an emperor.
文学でしか伝えられないこともある
返信削除「ライプニッツは、欺かない神についてのデカルトの推論をかなり警戒し、これに不共
可能性の水準で新しい根拠を与えている。神は戯れるが、戯れの規則を与えるのだ(略)。
この規則とは可能世界は神が選んだ世界と不共可能的ならば、存在にたどりつくことが
ないということだ。ライプニッツによれば『アストレー』のような小説だけが、われわれに
このような不共可能的なものの理念を与えるのである。」
(ドゥルーズ『襞 ライプニッツとバロック』邦訳 p110)
ちなみにマルクスもピケティもバルザック愛読者
マルクスはシェークスピアと切っても切れない
以下、川上重人『シェイクスピアは『資本論』のなかでどう描かれたか』(本の泉社)より
『資本論』の中には第一巻を中心に、次の八つのシェイクスピア作品が登場する(12箇所)。
「ヘンリー四世・第一部」(第一巻・二カ所)
「から騒ぎ」(第一巻・二カ所)
「夏の夜の夢」(第一巻・一カ所)
「アテネのタイモン」(第一巻・一カ所)
「お気に召すまま」(第一巻・一カ所)
「ハムレット」(第一巻・一カ所)
「ヴェニスの商人」(第一巻・三カ所)
「ジョン王」(第三巻・一カ所)
(評・舞台)彩の国さいたま芸術劇場「ヘンリー五世」 見たかった演説場面
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2019年2月21日16時30分
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松坂桃李(中央)=宮川舞子氏撮影
シェークスピアの「ヘンリー五世」は英仏百年戦争を題材にした歴史劇だ。演出の吉田鋼太郎は、日本では知名度の低い本作を、わかりやすく政治色の薄い娯楽活劇に仕立て上げた。
冒頭、吉田自身が演じる説明役が、名高いアジンコートの合戦の場面は迫力不足に映るかもしれないと、事前に観客に詫(わ)びるのだが、まったくの謙遜である。イギリス軍の長弓隊まで登場する殺陣(たち)回りのスケールの大きさは、理屈抜きに楽しめる。
しかし、シェークスピア劇としては物足りない上演だ。この戯曲には、イギリス各地の方言のほか、フランス語やラテン語などさまざまな言葉が書き込まれている。この多様性を松岡和子の翻訳は上手に反映しているのだが、舞台は単調だ。吉田を含め、俳優がみな一様に大声で台詞(せりふ)を朗唱するばかりで陰影に乏しいからである。
ヘンリー王(松坂桃李)もフランス皇太子(溝端淳平)も、格好よく半身(はんみ)に構えて客席を向くと口調まで型にはまってしまう。松坂は、終盤の求婚の場面での台詞が生気に富むだけに前半の気負いすぎが惜しい。一本調子の俳優が多いなか、柔らかく威厳を表現するフランス王役の横田栄司の演技に救われた。
とくに違和感を覚えたのは、シェークスピアの台詞を扱う吉田の手つきだ。劇中でいちばん有名なヘンリー王の合戦前の演説がほとんどカットされている。幕開きに前作「ヘンリー四世」のダイジェスト映像を流すよりも、本作の見どころを余さず伝えることの方が観客への真の心遣いではなかろうか。
松坂が「われら少数、幸せな少数」と口にするのを楽しみにしていたのは、けっして少数ではないはずだ。(谷岡健彦・東京工業大教授)
24日まで。
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