平和に関する布告 レーニン 1917年11月8日
平和に関する布告(へいわにかんするふこく、Декрет о мире)は、1917年11月8日(ユリウス暦10月26日)に起きたロシア革命(十月革命)中に、レーニン率いるソビエト政権の第2回全ロシア・ソビエト大会で発表された布告である。
その内容は、「無賠償」・「無併合」・「民族自決」に基づく即時講和を第一次世界大戦の全交戦国に提案したものであり、ロシア最初の対外政策であった。この平和に関する布告は、ウッドロウ・ウィルソンに「世界に貴重な原則を示した」と称えられ、当時のドイツ、オーストリア・ハンガリーの労働者だけではなく、[1]諸外国の民衆やマルクス・レーニン主義の被圧迫民族解放理論に多大な影響を与えた。
その後、レーニンは「平和の経済的帰結」を発表したジョン・メイナード・ケインズに着目し、この布告について「われわれはケインズの本が出るすこしまえに、彼のすばらしい忠告にしたがった。いっさいの負債を棒引きした」[2]と語ってる。
参考文献
- マルクス・エンゲルス・レーニン研究所 『レーニン全集』(大月書店、1961年)ISBN 978-4-27-201050-9
- ロバート・サーヴィス(中嶋毅訳) 『ロシア革命 1900-1927』(岩波書店、2005年) ISBN 4-00-027099-0
- レフ・トロツキー(西山克典訳) 『ロシア革命 「十月」からブレスト講話まで』(柘植書房、1995年) ISBN 4-8068-0381-2
- ハインリヒ・アウグスト・ヴィンクラー『自由と統一への長い道』 1巻 後藤俊明、奥田隆男、中谷毅、野田昌吾訳 (昭和堂、2008年) ISBN 978-4-81-220833-5
脚注
関連項目
F.エンゲルス 『家族・私有財産・国家の起源』
http://aminevsky.hatenablog.jp/entry/2014/08/17/015109国家はむしろ一定の発展段階で社会が生み出す産物である。それは、この社会が、解決不可能な自己矛盾におちいり、払いのける力が自分にはない、和解できない諸対立物に分裂したことの告白なのである。だが、これらの対立物、すなわち衝突する経済的利害をもつ諸階級が、むだな闘争のうちにわが身とこの社会とを消耗しつくすことがないようにするのには、外見上社会の上に立ってこの衝突を緩和し、それを「秩序」の枠内にとどめておくための一権力が必要になった。そして、社会から生まれでながら社会の上に立ち、社会にとってますます疎遠なものになっていくこの権力が、国家なのである。(p228-9)
国家は、通例、もっとも勢力のある、経済的に支配する階級の国家であって、この階級がこの国家を媒介として政治的にも支配する階級となり、こうして被抑圧階級を制圧し搾取するための新しい手段を手に入れるのである。(中略)近代の代議制国家は、資本が賃労働を搾取するための道具なのである。(p231)
F.エンゲルス 『家族・私有財産・国家の起源』
マルクス主義は「下部構造が上部構造を規定する」とよく言う。ここで、下部構造とは経済のことであり、上部構造とは政治や文化などのことである。つまり、「下部構造が上部構造を規定する」とは「経済がすべてを規定する」という経済決定論のことである。
裏返すと、経済を完全に分析することができれば、すべてを理解したことになる。「ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ」*1。だからこそマルクスは資本主義を分析することに全力を傾けたのである。
しかし、かれらの最終目標は「革命」であった。革命とは国家(政治体制)をひっくり返すことである。この高度な政治的行為に対して、しかし、マルクスは体系だった国家論をついに書かなかった。
そこで、マルクスの親友エンゲルスの書いた本書を読む必要がある。それにしても、この奇妙なタイトルはなんだろう? 三者の関係性が今ひとつわからない。
実際、比重はかなり「家族」に傾いている。当時最新だったアメリカの先住民に関する研究成果も参照されており、文化人類学に関心がある人は興味深く読めるだろう。
しかし、何よりも注目すべきは、女性の解放を説いた部分である。エンゲルスによると、もともと、古代社会では女系優位だったが、財産が氏族の共同所有から私的所有へと発展し、家庭外での夫の稼ぎが増えたことで、夫が妻に対して優位を主張するようになり、男系優位へと変化していったという。
母権制の転覆は、女性の世界史的な敗北であった。*2男子は家庭内でも舵をにぎり、女子はおとしめられ、隷従させられ、男子の情欲の奴隷かつ子どもを生む単なる道具となった。(新日本出版社、p79)
いまや畜群その他の新しい富とともに、家族の一つの革命が起こった。生計稼得はいつも男子の仕事であったし、生計稼得のための手段は男子によって生産され、男子の財産であった。だから、家畜は彼のものであり、家畜と交換して得た商品と奴隷は彼のものであった。(p218)
「粗暴な」戦士かつ猟人は、家庭では女子に次ぐ第二の地位にあまんじていた。「より柔和な」牧人は、その富をたのんで第一位にのしあがり、女子を第二位におしさげた。(p218)
女性は解放されなければならない。そのためには、女性の社会進出が必要だという。
女子の家事労働は、今では男子の生計稼得労働に比べて影のうすいものとなった。後者がすべてであり、前者はくだらないつけ足しであった。ここにすでに、女子が社会的な生産的労働からしめだされて、私的な家事労働に局限されたままであるかぎり、女子の解放、男子との女子の対等な地位は不可能であり、今後も不可能であろうということが示されている。(p218)
こうして、マルクス主義は、社会だけでなく家庭内にも階級を発見することとなった。
夫は、家族のなかではブルジョアであり、妻はプロレタリアを表す。(p102)
一方、「国家」については、第9章まで本格的には論じられない。レーニンが書いた『国家と革命』では、本書が盛んに引用されているが、それはすべて第9章からである。
どのようにして国家は成立したのか。
まず、「商業の拡大、貨幣と貨幣の高利貸付、土地所有と抵当権にともなって」(p225)社会がさまざまな階級に分裂した。それによって、財産の共同所有と平等を特徴とする氏族制度は崩壊してしまった。そして、氏族制度に代わって、階級間の利害対立を止める制度が必要になった。そうして成立したのが「国家」だという。
国家はむしろ一定の発展段階で社会が生み出す産物である。それは、この社会が、解決不可能な自己矛盾におちいり、払いのける力が自分にはない、和解できない諸対立物に分裂したことの告白なのである。だが、これらの対立物、すなわち衝突する経済的利害をもつ諸階級が、むだな闘争のうちにわが身とこの社会とを消耗しつくすことがないようにするのには、外見上社会の上に立ってこの衝突を緩和し、それを「秩序」の枠内にとどめておくための一権力が必要になった。そして、社会から生まれでながら社会の上に立ち、社会にとってますます疎遠なものになっていくこの権力が、国家なのである。(p228-9)
階級間の利害対立を止めるために作られた制度である以上、国家を主導するのは経済的に社会を支配する階級であるという。
国家は、通例、もっとも勢力のある、経済的に支配する階級の国家であって、この階級がこの国家を媒介として政治的にも支配する階級となり、こうして被抑圧階級を制圧し搾取するための新しい手段を手に入れるのである。(中略)近代の代議制国家は、資本が賃労働を搾取するための道具なのである。(p231)
これが、その後のマルクス主義における「国家」の定義になった。
「国家」の定義づけに続けて、エンゲルス(そしてレーニンも)は資本主義は不可避的に滅亡する運命にあり、「これらの階級の滅亡と同時に、国家も不可避的に滅亡する」と主張した(p233)。
しかし、現実に革命が起きた国々を見ると、「国家」はなくなるどころか、むしろ強化されていっているようにすら思われる。なぜそうなってしまったのか。それは単純に「理性の狡知」では片付けられない問題であろう。
なお、現在、邦訳で手に入るのは、残念ながら、共産党系の新日本出版社が発行しているもののみである。
家族・私有財産・国家の起源―ルイス・H・モーガンの研究に関連して (岩波文庫 白 128-8)
- 作者: フリードリッヒ・エンゲルス,戸原四郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1965/10/16
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
http://nam-students.blogspot.jp/2016/08/blog-post_11.html
浅野栄一『ケインズ「一般理論」形成史』( 一九八六年)を読むとケインズが1932~3年にマルクス再生産表式関連書評から有効需要のアイデアを得たのは確かだろう。少なくとも1933年の講義録で表明するきっかけを得たことは歴史的事実だ。カレツキのようにツガン経由で転形論の文脈に詳しかった可能性もあるが。
カレツキのような数式を出していないのでマルサスらにも当てはまる一般論の範囲ではある。両者に共通する部門の3分割は転形論の成果だ。2部門だと山田盛太郎のような限界を露呈する。
カレツキ研究の展望―「有効需要の理論」をめぐって 鍋島直樹 2015
http://jshet.net/docs/journal/56/562nabeshima.pdf
《これと同様にクラインも,1951年に公刊されたハロッド『ケインズ伝』の書評(Klein 1951)において,「最近,カレツキの景気循環理論を再検討したのちに,他の貢献に加えて,彼がじっさいにケインズ体系のあらゆる重要な要素を含む体系をつくり出していたことを,私は確信した」(447)と述べている.さらに彼は,カレツキの理論が,明示的に動学的であること,所得分配の問題を考慮していること,投資注文と投資支出の区別を行なっていることを挙げ,それはケインズの理論よりもいくつかの点において優れているとさえ論じている.》
Klein, L. R. 1951. The Life of John Maynard Keynes. Journal of Political Economy 59 (5): 443.
Article provided by University of Chicago Press in its journal The Journal of Political Economy.
Volume (Year): 59 (1951)
Issue (Month): ()
Pages: 443-443
ハロッドによる評価は都留重人が現代群像解説で指摘していた。クラインは著書でゲゼルにも言及している。
マルサスはニュートンをケインズはアインシュタインを意識している。
参照:
現代経済学の群像 (岩波現代文庫) 都留 重人 2006
https://www.amazon.co.jp/dp/4006031408
ケインズ『一般理論』形成史 単行本 – 1987/2 浅野 栄一
https://www.amazon.co.jp/dp/4535576394/
上記の都留重人によれば
マクラケン資本論解説からケインズも有効需要を思いついた。
ケインズ全集29
1932年~ケインズ講義録
The Collected Writings of John Maynard Keynes, The General Theory and After: A Supplement, Vol. 29: John Maynard Keynes, Elizabeth Johnson, Donald Moggridge: 洋書
https://www.amazon.co.jp/Collected-Writings-Maynard-Keynes-General/dp/1107634997/ref=sr_1_6?ie=UTF8&qid=1491271079&sr=8-6&keywords=keynes+29
レーニンは以下を読んでいたことになる、
ケインズ『平和の経済的帰結』[1920年にまとまった本として刊行]
ケインズ「平和の経済的帰結」(pdf 1.2 Mb) http://genpaku.org/keynes/peace/keynespeacej.pdf
ちなみに第一次世界大戦後の多大な賠償金が結果的にナチスを生んだと言われている。
日本の経済的後退がネトウヨを生んだのと同じだ。
さらに言うとケインズはマルクス資本論解説書から一般理論のアイデアを得ていたと言う説が
ある。
参照:現代経済学の群像 (岩波現代文庫) 都留 重人 2006
https://www.amazon.co.jp/dp/4006031408
ケインズ『一般理論』形成史 単行本 – 1987/2 浅野 栄一
https://www.amazon.co.jp/dp/4535576394/
マルクス インド関連
インドにおけるイギリスの支配
国際協力専門員 吉田 充夫
http://www.geocities.jp/epcowmjp/papers/Yoshida2008Senmonin-Marx.pdf
https://www.marxists.org/archive/marx/works/subject/newspapers/new-york-tribune.htm
https://www.marxists.org/archive/marx/works/subject/newspapers/ny-tribune.gif
カール・マルクス(Karl Marx; 1818-83) は、1851年から1862年にかけての期間、米国の新聞ニューヨーク・デイリー・トリビューン紙(上図は当時の題字)に、インドや中国をはじめとする当時のアジアの植民地・従属諸国に関する多数の論説を発表している3。これらの論説は、植民地におけるイギリスの略奪と支配の凄まじさ、不平等な植民地貿易の実態を赤裸々に描き出しているが、それと共に、「近代化と開発」を考える上でも、興味深い論点を提供している。
マルクスは、同紙の1853年6月25日付「イギリスのインド支配」、同年7月11日付「東インド会社-その歴史と成果」、同年8月8日付「イギリスのインド支配の将来の結果」の3本の論説で、植民地インドにおけるイギリスの収奪の苛烈さを強い憤りで叙述している。そして、これらの論説の中で、当時の宗主国イギリス帝国が、インド人には眼もくれずもっぱら植民地からの収奪によって利益を得るという動機によって動かされながらも、結果としてインドに資本主義経済の諸要素の発生を促さざるを得なかったということを明らかにしている。
それまでインドは、ダッカ・モスリンのように高品質の製品をもちながらも、インド国内における商品の交換は未発達で、資本主義的な諸関係は、ほとんど形成されていなかった。ところが、イギリス帝国は、自国紡績産業の興隆のため、インドにイギリス紡績産業商品のマーケットとしての資本主義的関係を持ち込み、インドの古い封建的制度を破壊することによって、社会発展の歯車を回転させ、「心ならずも」将来この征服者の支配を滅ぼしインドの植民地的抑圧に終止符を打つべき勢力が成長してくる前提を作り出す助けをしている、と指摘したのだった。
…
『大ブリテンそのもので産業プロレタリアートが現在の支配階級に取って代わるか、あるいはインド人自身が強くなってイギリスのくびきをすっかり投げ捨てるか、このどちらかになるまでは、インド人は、イギリスのブルジョアジーが彼らの間に蒔いてくれた新しい社会の諸要素の果実を、取り入れることはないであろう。』(「イギリスのインド支配の将来の結果」鈴木正四訳より)いくら経済的に社会変革の条件が整っても、インド人自らの努力なくして社会変革は起こらないというのだ。
ところで、上述の一節に続けてマルクスは、インドのことを次のように書いていて、思わず膝を叩きたくなる。『それはどうなるにしても、われわれは、いくらか遠い将来に、この偉大で興味深い国が再生するのを見ると、期待して間違いないようである。まったくこの国ときたら、住民は温雅で、サトィコフ公爵の言葉を借りれば、最下等の階級でさえイタリア人より洗練され器用であり、その屈従でさえ、ある種の穏やかな気品で埋め合わせられており、天性無気力かと思えばイギリスの将校を驚かせ、国土はわれわれの諸言語、諸宗教の発祥地であり、ジャート族は古代ゲルマン人の典型を、ブラーフマンでは古代ギリシャ人の典型をあらわしている国である。』(同上)
____
イギリスのインド支配東インド会社
□『マルクス=エンゲルス全集』第九巻、大月書店
□『マルクス=エンゲルス全集』第九巻、大月書店
イギリスのインド支配の将来の結果
□『マルクス=エンゲルス全集』第九巻、大月書店M 中国とヨーロッパにおける革命 91
M オランダの事件――デンマーク──イギリス国債の借換え─―インド,トルコ,ロシア 98
M マッツィーニ──スイスとオーストリア──トルコ問題 104
M トルコ問題――『タイムズ』──ロシアの領土拡張 109
M ロシアのいかさま─―グラッドストンの失敗─―サー・チャールズ・ウッドの東インド改革 112
M イギリスのインド支配 121
M イギリスの好況──ストライキ──トルコ問題─―インド 128
M トルコとロシア──アバディーン内閣のロシアとの黙契――予算──新聞付録税─―議会の腐敗 136
M 東インド会社―─その歴史と成果 142
M インド問題――アイルランドの小作権 150
M ロシアのトルコにたいする政策──イギリスにおける労働運動 156
M トルコ戦争問題――イギリス下院での『ニューヨーク・トリビューン』論─―インドの統治 169
M レアードの質問──10時間労働法案をめぐる闘争 180
ME ロシア=トルコ間の紛争――イギリス内閣の言いぬけ──ネッセリローデの最新の覚え書──東インド問題 187
M ビルマ戦争──ロシア問題――奇妙な外交通信 196
M 戦争問題―─議会情報─―インド 205
大月書店 マルクス=エンゲルス全集 12 online
https://maruen.jugemu-tech.co.jp/VolumeContents?id=BK01_12_00インド軍の反乱 219
M ヨーロッパの情勢――フランスの金融事情 222
M インドの反乱 226
M インド問題 229
M インドからの通信 234
M インドの蜂起の現状 237
M 東方問題 241
M インドの蜂起 247
M ヨーロッパの政治情勢 250
M インドにおける拷問について 254
M インドの反乱 260
M インドにおけるイギリス人の所得 267
M インドの反乱 270
M フランスのクレディ・モビリエ 247
M インドの反乱 278
M インドの反乱 282
M インドの反乱 286
青土社 ||現代思想:現代思想2004年4月臨時増刊号 総特集=マルクス
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=2721
定価本体1,429円+税
発売日2004年4月
ISBN978-4-7917-1120-8
【エッセイ】
早春断想 / 大西巨人
【テクスト】
『独仏年誌』 に掲載された手紙 / カール・マルクス+ルーゲ (訳=村岡晋一)
インドの反乱 『ニューヨーク・デイリー・トリビューン』(1857年9月16日、第5119号)
/ カール・マルクス (訳=村岡晋一)
【グローバリゼーション】
マルクスにおける歴史的時間の概念 / 今村仁司
商品の言語、商品の性、そして屑の時間 / 田崎英明
理論に残されたもの/理論の左とは?
ヘイヴァーストック・ヒルのフラットからアメリカ合衆国のクラス・ルームへ / G・スピヴァク (訳=長原豊)
【理論】
われら瑕疵ある者たち / 長原豊
資本の修辞学 / 佐藤隆
資本主義のマテリアリティ / 沖公祐
マルクスの包摂論と現代 仮想実効的な包摂 / チョ・ジョンファン (訳=浅羽祐樹)
【レトリック】
マルクスのレトリック / 三島憲一
翻訳としての 『資本論』 / 鈴木直
【資本主義】
宗教としての資本主義 / ヴァルター・ベンヤミン (訳=三島憲一)
市場社会主義を考える / 中山智香子
【フェミニズム】
クレオンの相貌 『アンティゴネー』 と退蔵貨幣 / 足立眞理子
【歴史】
国家儀礼の修辞学的構造 / 今村真介_____マルクスのインド論はイギリスの植民地支配の良い部分を指摘していると読めるような側面もあり、両義的だ。
インドは高齢化を免れた唯一の大国。治安は悪いが選挙がある。中国より覇権国家獲得の条件はある。
返信削除F.エンゲルス 『家族・私有財産・国家の起源』
http://aminevsky.hatenablog.jp/entry/2014/08/17/015109
国家はむしろ一定の発展段階で社会が生み出す産物である。それは、この社会が、解決
不可能な自己矛盾におちいり、払いのける力が自分にはない、和解できない諸対立物に
分裂したことの告白なのである。だが、これらの対立物、すなわち衝突する経済的利害を
もつ諸階級が、むだな闘争のうちにわが身とこの社会とを消耗しつくすことがないように
するのには、外見上社会の上に立ってこの衝突を緩和し、それを「秩序」の枠内にとどめて
おくための一権力が必要になった。そして、社会から生まれでながら社会の上に立ち、社会に
とってますます疎遠なものになっていくこの権力が、国家なのである。(p228-9)
国家は、通例、もっとも勢力のある、経済的に支配する階級の国家であって、この階級が
この国家を媒介として政治的にも支配する階級となり、こうして被抑圧階級を制圧し搾取する
ための新しい手段を手に入れるのである。(中略)近代の代議制国家は、資本が賃労働を
搾取するための道具なのである。(p231)
家族・私有財産・国家の起源 (科学的社会主義の古典選書)
作者: エンゲルス,Friedrich Engels,土屋保男
出版社: 新日本出版社
>>144
返信削除レーニンは以下を読んでいたことになる。
ケインズ『平和の経済的帰結』1920
http://cruel.hatenablog.com/entry/2015/08/14/141300
ケインズ「平和の経済的帰結」(pdf 1.2 Mb) http://genpaku.org/keynes/peace/keynespeacej.pdf
ちなみに第一次世界大戦後の多大な賠償金が結果的にナチスを生んだと言われている。
日本の経済的後退がネトウヨを生んだのと同じだ。
さらに言うとケインズはマルクス資本論解説書から一般理論のアイデアを得ていたという説*が
ある。
*
参照:
現代経済学の群像 (岩波現代文庫) 都留 重人 2006
https://www.amazon.co.jp/dp/4006031408
ケインズ『一般理論』形成史 単行本 1987/2 浅野 栄一
https://www.amazon.co.jp/dp/4535576394/
青土社 ||現代思想:現代思想2004年4月臨時増刊号 総特集=マルクス
返信削除http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=2721
定価本体1,429円+税
発売日2004年4月
ISBN978-4-7917-1120-8
【エッセイ】
早春断想 / 大西巨人
【テクスト】
『独仏年誌』 に掲載された手紙 / カール・マルクス+ルーゲ (訳=村岡晋一)
インドの反乱 『ニューヨーク・デイリー・トリビューン』(1857年9月16日、第5119号)
/ カール・マルクス (訳=村岡晋一)
【グローバリゼーション】
マルクスにおける歴史的時間の概念 / 今村仁司
商品の言語、商品の性、そして屑の時間 / 田崎英明
理論に残されたもの/理論の左とは?
ヘイヴァーストック・ヒルのフラットからアメリカ合衆国のクラス・ルームへ / G・スピヴァク (訳=長原豊)
【理論】
われら瑕疵ある者たち / 長原豊
資本の修辞学 / 佐藤隆
資本主義のマテリアリティ / 沖公祐
マルクスの包摂論と現代 仮想実効的な包摂 / チョ・ジョンファン (訳=浅羽祐樹)
【レトリック】
マルクスのレトリック / 三島憲一
翻訳としての 『資本論』 / 鈴木直
【資本主義】
宗教としての資本主義 / ヴァルター・ベンヤミン (訳=三島憲一)
市場社会主義を考える / 中山智香子
【フェミニズム】
クレオンの相貌 『アンティゴネー』 と退蔵貨幣 / 足立眞理子
【歴史】
国家儀礼の修辞学的構造 / 今村真介