経済数学入門の入門 (岩波新書) 新書 – 2018/2/21 田中 久稔 (著)
全164頁
はじめに
第1章 経済学と数学――なぜ数学を学ぶのか
第2章 一次関数――市場を数式で表現する
第3章 二次関数――満腹と疲労
第4章 関数の微分――「この瞬間の,この感じ」
第5章 関数の最大化――山の頂で考える
第6章 多変数関数の最適化――ケーキとコーヒーの黄金比
第7章 マクロ経済学と差分方程式――富める国,貧しい国
第8章 動的計画法――失業者は関数方程式を解く
読書案内
おわりに
バランスのとれた経済数学入門
最初にクールノー、ワルラス、サミュエルソンの業績が顔写真とともに紹介されるのがいい
初学者向けには最初にミクロとマクロと計量とをとりあえず分けた方がいいが本書ではよくわからないかも知れない
大雑把に言えば、計量(1掴みのみ)→ミクロ(123456)→マクロ(78)とトピックが進むが、その概念規定が最初に与えられていないのでわかりにくいのだ
均衡の後に最適化が説明されさらに均衡が説明されるのも混乱する原因かも知れない
何がわからないかがわからない、という心配があり得る
ミクロを主に需要者側、マクロを主に生産者側から描くのは的確だが普遍的というわけではない
本書はこれ以上薄く、分かりやすくはならないところまで来てはいるが…
経済学への動機と上記の把握が薄くなる危険がある
第5章内テイラー展開p84、第6章内ラグランジュの未定乗数決定法p103、第7章内ソローの成長モデルp128、同オイラー方程式p132の直観的説明は必読だろう
(第6章で効用関数の図がはじめて立体化されるがこれはヒックスのように最初から立体化させるべきだし、ドブリューの「連続性」は数学的には肝だからもっと説明すべきだ。第7章のソローはマルサスを参照しないと歴史的意味がわからないだろう)
また第8章143~4頁の物理と数学の差異の説明も誤解を生むかも知れない
(ポントリャーギン理論の説明は長沼伸一郎『経済数学の直観的方法 マクロ経済学編』の方がいい)
カントはかつて数学的アンチノミーは排中律だが力学的アンチノミーは共立可能という指摘をしたが行動経済学的(心理学的)に見てもその説明が今も的確だと思う
7頁のマルクス経済学への言及を読むと、#3.p43の人件費などの分析を深める機会を近代経済学自ら放棄している気がしてならない
はじめに
第1章 経済学と数学――なぜ数学を学ぶのか
1 実証科学としての経済学
理論分析と実証分析/なぜ数学を使うのか?
2 「数理経済学」の歴史
クールノーの悲劇/レオン・ワルラス登場/サミュエルソン降臨
第2章 一次関数――市場を数式で表現する
1 因果関係を関数で表す
言葉としての関数/近似表現としての関数
2 需要関数と供給関数
用語の確認/数式による表現
3 需要曲線と供給曲線
式とグラフと言葉で/需要曲線を描いてみる/価格はタテ軸に現れる
第3章 二次関数――満腹と疲労
1 便益関数と費用関数
「便益」って何?/費用曲線
2 二次関数による定式化
便益関数と費用関数の定式化/便益曲線の作図法
第4章 関数の微分――「この瞬間の,この感じ」
1 限界便益と限界費用
どうして食べ残してしまうのか?/どうして「限界」というのか?
2 数学的な定義
デルタ・イプシロン論法/現代数学の始まり
3 需要関数と供給関数の導出
最適な消費量を決定する/需要曲線を描く/計算で求める
第5章 関数の最大化――山の頂で考える
1 局所と大域
遥かなる「大坂」/一階の条件/純便益と利潤/需要関数・供給関数を導く/クールノーによる独占の分析
2 極大化の二階の条件
極大を見分ける/テイラー展開
3 関数の凹性と最大化
凹関数/凹関数と二階の条件/市場の均衡
第6章 多変数関数の最適化――ケーキとコーヒーの黄金比
1 効用関数
ケーキとコーヒー,鰻と梅干し/効用/効用関数/限界効用
2 効用関数の最大化
多変数関数の最大化/制約付きの最大化/ラグランジュの未定乗数決定法☆☆☆/効用関数の準凹性
3 一般均衡
マーシャル型需要関数/一般均衡の計算
第7章 マクロ経済学と差分方程式――富める国,貧しい国
1 ソローの成長モデル
タンザニアの悲劇/生産の3要素/成長のサイクル/成長モデルの定式化
2 経済成長の安定性
経済成長の帰結/なぜ定常状態に向かうのか/定常状態の安定性
3 最適成長理論
貯蓄率はどう決まるのか/オイラー方程式
第8章 動的計画法――失業者は関数方程式を解く
1 自発的失業の理論
経済学における「期待」/失業と期待/自発的失業の理論
2 繰り返し代入法
ベルマン方程式/繰り返し代入法/繰り返し計算の収束
読書案内☆/おわりに
著作は著作権があるからいいとこ取りができない
講義はいいとこ取りができるから
構成に長けた教授はオリジナリティなしでも名講義が可能
岩波新書の2冊
経済数学入門の入門
ミクロ経済学入門の入門
とても素晴らしかった
早稲田慶應の経済学専攻の方はこんな教員の講義を受けられるんですね
うらやましい
経済数学入門の入門 (岩波新書) 新書 – 2018/2/21
田中 久稔 (著)
5つ星のうち 4.5 4件のカスタマーレビュー
5つ星のうち4.0経済学で数学がどう使われるかを概観できる本
2018年2月26日
Amazonで購入
著者によると本書は数学というよりも経済学の本であろうとし「読者が経済数学に入門する気になる勧誘広告」となるよう書かれた本とのことである。構成としては、まずミクロ経済学において関数・微分・最大化・最適化が、次にマクロ経済学において差分方程式・動的計画法がどう使われるかについて、経済学の歴史や経済学者のエピソード、著者自身の体験を交えながら述べられている。本書では読者に高校二年生程度の数学の知識があることが想定されている。例えば、微分の定義についての説明はあるが接線とは何かについての説明はないといった具合である。また数学的な詳細についてはコラム内で説明するという方針が採用されていて、関心のない読者はコラムをスキップできる。巻末には読書案内がある。
本書は良くも悪くも個性的なスタイルで書かれていて、楽しく読める一方で説明に違和感や不足感もある。それはそれとして、第一章で経済学の潮流が理論分析から実証分析へと変わったとし、実証科学としての経済学に数学が必須とのことであったが、第二章以降で経済学の実証分析において数学がいかに使われるかについて突っ込んだ解説がなく、やや拍子抜けした感が読後に残った。最後に一点、本書の凹関数に関する記述について。通常は、二階微分がゼロ以下ならば凹であってその逆も成り立ち、二階微分が負ならば狭義凹であってこれの逆は成り立たないので、「凹関数と二階導関数」のコラム(89 ページ)は良くわからなかった。
5つ星のうち4.0経済学に興味があるけれどどこから手をつければいいか分からない人が、最初に読むのに最適な一冊
2018年3月3日
経済学に興味があるけれどどこから手をつければいいか分からない人が、最初に読むのに最適な一冊ですね。「微分、偏微分、最適化問題、差分方程式、動的計画法など、経済学に登場する様々な数学に出会います。特に、経済数学では最も重要なテーマである最適化問題が中心的なトピックになります」
この本だけでは足りないので、この次の本は、経済学の本ではなくてもう少し本格的な「経済数学」の本を読むのがいいと思います。結果的にその方が近道だと思います。
第7章で「ポントリャーギンの最大値原理」や「オイラー方程式」、第8章で「ハミルトン・ヤコビ・ベルマン方程式」まで取り上げています。
「このように、現代的なマクロ経済学には物理学の分析手法が多く現れますが、これはどちらの学問領域も、目的関数を最適化しつつ時間とともに変動する変数の動きを追跡する学問であるから自然なことです。物理学とマクロ経済学の違いを挙げるなら、物理学の分析対象は過去から未来へ流れる時間のなかで活動しているのに対して、マクロ経済学の分析対象は未来を予想して現在の動きを決める、逆行した時間のなかで意思決定を行うことです。この点で、マクロ経済学のほうが物理学よりも「難しい」問題を解いていると言えます」
最後に読書案内がまとめてあります。入門レベルのテキストとしては次の三冊を紹介。
『改訂版 経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める』尾山、安田[2013]
『経済数学入門 初歩から一歩ずつ』丹野[2017]
『現代経済学の数学基礎〈上・下〉』チャン、ウエインライト[2010]
本格的なテキストとして
『経済数学教室(全9巻)』小山[2010]
経済学の教科書としては
『ミクロ経済学』西村[1990]
グローバル・スタンダードとして
"Microeconomic Theory" Mas-Colell, Whinston, Green [1995]
"Microeconomic Analysis" Varian[1992]
などを紹介している。
「経済数学はもちろんのこと、経済学もよく知らないという読者を想定して、経済数学を学ぶと、どんな良いことがあるのかを説明する(p.i)」書。「カバーする範囲は、経済学科の新入生レベルから大学院の修士レベルにまで(p.ii)」及ぶとある通り、かなり高度な話まで幅広く取り上げる。
「経済学の主流は理論分析から実証分析へと大きくシフトした(p.5)」とはじめの方に書かれているので、現実のデータを取り上げ、それをどう「料理するか」を具体的に紹介するのかと思っていたが、もっぱら理論モデルの話なので、そこは予想外。だが、面白い。
「限界便益をグラフに描けば、それがそのまま需要曲線に化ける(p.64)」ことを説明する箇所や、自発的失業の分析とコール・オプション行使の意思決定とがいずれも最適停止問題/サーチ・モデルとして扱われることを説明する箇所(pp.140-142)など「あ、なるほどなるほど」と感心する(経済学のプロにとっては当たり前のことなのだろうが)。
「結婚できる確率=f(所得)」という関数についての「非金銭的な努力(自作のポエムを贈るとか)や本人の誠実さなどはまったく評価されないわけですから…(p.19)」、ラグランジュの未定乗数決定法についての「世界中の経済学科生を遍く苦しめる地獄の死者のような扱われ方をしています(p.103)」というくだりなど著者のユーモア感覚も垣間見られる。
巻末には懇切丁寧な読書案内もあってありがたい。
コメント| 4人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?
はい
☆
読書案内
推薦書から
152:
ダイナミック・システム(上) (新装版 経済数学教室 7) 単行本(ソフトカバー) – 2011/1/8
156:
ラング線形代数学(上) (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2010/5/10
160:
入門経済思想史 世俗の思想家たち (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2001/12/1
以下レビューより:
最後に読書案内がまとめてあります。入門レベルのテキストとしては次の三冊を紹介。
『改訂版 経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める』尾山、安田[2013]
『経済数学入門 初歩から一歩ずつ』丹野[2017]
『現代経済学の数学基礎〈上・下〉』チャン、ウエインライト[2010]
本格的なテキストとして
『経済数学教室(全9巻)』小山[2010]
経済学の教科書としては
『ミクロ経済学』西村[1990]
グローバル・スタンダードとして
"Microeconomic Theory" Mas-Colell, Whinston, Green [1995]
"Microeconomic Analysis" Varian[1992]
などを紹介している。
☆☆☆
ラグランジュの未定乗数決定法
ラグランジュの未定乗数決定法
予算制約に苦しみながら、それでも効用関数を最大にしようと足搔くとき、人はラグランジュの未定乗数決定法を用います。
…
ラグランジュの未定乗数決定法の直観的な意味を説明しておきます。この方法の見どころは、今までどこにも出てこなかった新しい変数(ラムダ)を突然持ち出して、これを使って効用関数と予算制約を1つにつないでしまうことです。
たとえば、私たちが買い物に行くとき、欲しいものをたくさん買って物欲を満たすだけでなく、財布の中にもできるだけ多くお金を残したいですよね。財布の中に残るお金とは、所得から使った額を引いたものです。ということは、残金を気にしつつ効用を最大にすることは、
効用関数 + λ ×(所得 - 支出額)
を最大にすることと同じです。ここで(ラムダ)が必要になるのは、所得や支出が「お金」の単位であるのに対して、効用関数は「タナカ」とかいう意味のわからない単位であるからです。したがって単位をそろえるために係数を掛けています。このが、「未定乗数」と呼ばれるもので、これはいわば効用関数と予算制約をつなぐ「糊」の働きをしいます。
効用関数に予算制約を糊付けしたものをラグランジュ関数といいます。あとは、これを偏微分して0とすれば最適解の候補が見つかるわけで、この条件をラグランジュの一階の条件と呼んでいます。
経済数学入門の入門
はじめに
第1章 経済学と数学――なぜ数学を学ぶのか
1 実証科学としての経済学
2 「数理経済学」の歴史
第2章 一次関数――市場を数式で表現する
1 因果関係を関数で表す
2 需要関数と供給関数
3 需要曲線と供給曲線
第3章 二次関数――満腹と疲労
1 便益関数と費用関数
2 二次関数による定式化
第4章 関数の微分――「この瞬間の,この感じ」
1 限界便益と限界費用
2 数学的な定義
3 需要関数と供給関数の導出
第5章 関数の最大化――山の頂で考える
1 局所と大域
2 極大化の二階の条件
3 関数の凹性と最大化
第6章 多変数関数の最適化――ケーキとコーヒーの黄金比
1 効用関数
2 効用関数の最大化
3 一般均衡
第7章 マクロ経済学と差分方程式――富める国,貧しい国
1 ソローの成長モデル
2 経済成長の安定性
3 最適成長理論
第8章 動的計画法――失業者は関数方程式を解く
1 自発的失業の理論
2 繰り返し代入法
読書案内/おわりに
【統計学】高校数学での統計学必修化は間違っている まったく異なる原理を持つ「数学」と「統計学」[03/05]
2022年度から施行される新指導要領の案が公開され、高校の数学教育に携わる人々に激震が走っている。
最も衝撃的なのは、統計学が数学B(高校2年、理文共通)において事実上必修化され、
その割を食ってベクトルが数学C(高校3年、理系のみ)にはね飛ばされる、という変更点だ。
数学Bで必修化される統計学とは、「仮説検定」や「区間推定」などの「統計的推定」と呼ばれる方法論である。
これは小学校や中学校の統計の授業では学ばない、統計学の核心といって良い部分だ。
これまで普通は大学に入ってから学ぶものだった。
これについて、批判点は二つある。第一は、ベクトルが理系のみの学習で良いのか、という点。
第二は、統計学を数学で必修化するのは正しいか、という点。
筆者の意見では、第二の点は大問題であり、その意味で第一の点にも批判的とならざるを得ない。
■数学は「演繹的」、統計学は「帰納的」
ベクトルというのは、2次元や3次元の数を扱う代数の方法論だ。
確かに、経済学でもベクトルは必須の道具であるから、文系も学習したほうがいいという意見には同意できる。
しかし、ベクトルの計算自体は、そんなに難しいものではなく、
大学生になってから教わっても障壁が大きいわけではない。
むしろ、文系の高校生が数学という抽象的分野の中で教わるより、大学の経済学において、
経済現象という具体的なモデルをもって教わるほうがイメージよく理解できるように思える。
だから、文系にとってもっと有益な分野があるなら、ベクトルを排除しても仕方ないが、
統計学にはその価値はない。なぜなら、統計学は決して数学ではないからだ。
数学は「演繹(えんえき)的」な理論である。
これは、仮定から結論を、数理論理(「かつ」「または」「ならば」「でない」「すべて」「存在する」から展開される論理)だけで導く学問である。
だから、数学で証明された法則(定理)は常に正しい(真である)。
たとえ話で言えば、「すべてのカラスは黒い」を前提として、「だから、このカラスは黒い」を導くのが「演繹」である。
かたや、統計学は「帰納的」な理論である。
これは、観測された現象から「たぶんこうだろう」という推論を導く技術だ。
言い換えると、経験的な推論を行う理論である。
カラスのたとえで言えば、「これまで見たカラスは黒かった」を前提として、
「だからきっと、カラスというのはみんな黒いのだろう」という推論を行うのが「帰納」である。
したがって、統計学の結論では間違い(偽であること)が必然的に起きる。
このように数学と統計学は全く異なる性質の論理なのである。
続きはソースで
関連ソース画像
http://img.chess443.net/S2010/upload/2018022700003_1.jpg
WEBRONZA - 朝日新聞社の言論サイト
http://webronza.asahi.com/science/articles/2018022700003.html/
5 Comments:
経済数学入門の入門 (岩波新書) 2018/2/21 田中 久稔 (著)
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https://www.iwanami.co.jp/book/b345711.html
164頁
はじめに
第1章 経済学と数学――なぜ数学を学ぶのか
…
第2章 一次関数――市場を数式で表現する
…
第3章 二次関数――満腹と疲労
…
第4章 関数の微分――「この瞬間の,この感じ」
…
第5章 関数の最大化――山の頂で考える
…
第6章 多変数関数の最適化――ケーキとコーヒーの黄金比
1 局所と大域
遥かなる「大坂」/一階の条件/純便益と利潤/需要関数・供給関数を導く/クールノーによる独占の分析
2 極大化の二階の条件
極大を見分ける/テイラー展開
3 関数の凹性と最大化
凹関数/凹関数と二階の条件/市場の均衡
第7章 マクロ経済学と差分方程式――富める国,貧しい国
1 ソローの成長モデル
タンザニアの悲劇/生産の3要素/成長のサイクル/成長モデルの定式化
2 経済成長の安定性
経済成長の帰結/なぜ定常状態に向かうのか/定常状態の安定性
3 最適成長理論
貯蓄率はどう決まるのか/オイラー方程式
第8章 動的計画法――失業者は関数方程式を解く
1 自発的失業の理論
経済学における「期待」/失業と期待/自発的失業の理論
2 繰り返し代入法
ベルマン方程式/繰り返し代入法/繰り返し計算の収束
読書案内/おわりに
経済数学入門の入門 (岩波新書) 2018/2/21 田中 久稔 (著)
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164頁
はじめに
第1章 経済学と数学――なぜ数学を学ぶのか
第2章 一次関数――市場を数式で表現する
第3章 二次関数――満腹と疲労
第4章 関数の微分――「この瞬間の,この感じ」
第5章 関数の最大化――山の頂で考える
第6章 多変数関数の最適化――ケーキとコーヒーの黄金比
第7章 マクロ経済学と差分方程式――富める国,貧しい国
第8章 動的計画法――失業者は関数方程式を解く
読書案内
おわりに
ラグランジュの未定乗数決定法
ラグランジュの未定乗数決定法
予算制約に苦しみながら、それでも効用関数を最大にしようと足搔くとき、人はラグランジュの未定乗数決定法を用います。
…
ラグランジュの未定乗数決定法の直観的な意味を説明しておきます。この方法の見どころは、今までどこにも出てこなかった新しい変数(ラムダ)を突然持ち出して、これを使って効用関数と予算制約を1つにつないでしまうことです。
たとえば、私たちが買い物に行くとき、欲しいものをたくさん買って物欲を満たすだけでなく、財布の中にもできるだけ多くお金を残したいですよね。財布の中に残るお金とは、所得から使った額を引いたものです。ということは、残金を気にしつつ効用を最大にすることは、
効用関数 + λ ×(所得 - 支出額)
を最大にすることと同じです。ここで(ラムダ)が必要になるのは、所得や支出が「お金」の単位であるのに対して、効用関数は「タナカ」とかいう意味のわからない単位であるからです。したがって単位をそろえるために係数を掛けています。このが、「未定乗数」と呼ばれるもので、これはいわば効用関数と予算制約をつなぐ「糊」の働きをしいます。
効用関数に予算制約を糊付けしたものをラグランジュ関数といいます。あとは、これを偏微分して0とすれば最適解の候補が見つかるわけで、この条件をラグランジュの一階の条件と呼んでいます。
経済数学入門の入門
長沼確率
偏差値のイメージ
(x-m)/d×10+50
I o
三角形 /I\ 本当は o I o
/ I \ 曲線 o I o
/ I \ o I o
___/_d_I___\__ ______I______
I I
m x
(x-m)/dがその指標となり、
値が小さいほど平凡なグループに
長沼確率
偏差値のイメージ
(x-m)/d×10+50
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/ I \ 曲線 o I o
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(x-m)/dがその指標となり、
値が小さいほど平凡なグループに
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