What is the problem with rising dependency ratios in Japan – Part 2?
bill
ビル・ミッチェル 「日本の依存人口比率、その何が問題か？ パート2」（2019年10月29日） — 経済学101
https://econ101.jp/%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%81%E3%ビル・ミッチェル 「日本の依存人口比率、その何が問題か？ パート2」（2019年10月29日）
Bill Mitchell, “What is the problem with rising dependency ratios in Japan – Part 2“, – Modern Monetary Theory, October 29, 2019.
今回は日本の人口変動についてのシリーズのパート2。パート1-(2019年10月28日)（邦訳）では、就業者への依存率の上昇に伴う問題を考察するための準備として、日本の依存率の変化をみた。その目的は「就業者への依存率が上昇すると財政の危機につながり、財政の破綻可能性が高まる」という世間一般の議論を否定することだった。この間違った主張は、緊縮財政政策を目指すことを正当化する理由の一つとして一般に用いられて続けてきたものだが、まさにこの主張こそが日本の成長を損ない、失業を増大させ、その他の悪弊を引き起こした当のものなのだ。「健全財政」のロビイストが押し進める解決策が実際には現実の問題を悪化させるという、この構図が問題なのだ。今回のパート2では、就業者への依存度が高まっていく国が直面する問題の核心である、生産性について考えよう。
日本の人口変動
下はパート１に載せるつもりだったものなのだが、過去一世紀にわたる人口の変化をグラフィカルに示している（2050年までの国連の推定を使用）。
3つのグラフは年齢層別の人口分布で、それぞれ1950年と2015年時点の実際の数字、2050年は予測だ。
こうしたヒストグラムでの表示に慣れていない人のために補足すると、グラフの形(長方形だとかピラミッドだとか)によって成長速度が判断できる。
1950年代の形状と比べてグラフが長方形になると人口成長はゆっくりしたものになる。それは各世代がほぼ同じペースで若い世代に置き換えられることになるからだ。
グラフがの形状がピラミッド型の場合は子供の依存率が高いことになる。
つまり、人口の大部分が「肥沃な」時期または生殖期にあるか、それに近づくにつれ生産的な労働者になる日が近いということがわかる。人口の多くが「繁殖力のある」世代に近づいていき、やがて生産的な労働者となっていく。
高齢者の依存率が高い場合の状況と異なるのはその点だ。
1950
2015
Projected 2050
生産性への取り組み
パート１では依存率（測定値としての）の上昇に関する問題には二つの側面があるとした。
1.使用可能な生産のための資源がすべて完全に活用されているかどうか。 もし、働く意欲と能力を備えた資源（資本の場合は仕事に活用できる資源）を無駄にするような政策を政府が選択することを容認するならば、人口の依存率上昇について騒ぎ立てるのは失当だ。
2.生産性。
生産性への取り組みとはシンプルな話だ。
生産されたモノやサービスに依存する人が増え、モノやサービスを生産する人が減っていくならば、後者の層の生産性を高めていく必要がある。さもなければ物質的な生活水準は低下する。このことは、実物資源が利用可能だろうが可能でなかろうが同じだ。
生産性向上とは、国全体として資源の投入単位当たりの生産量が増えることだ。
働く意欲のある人たちに仕事の機会と労働時間を提供することが政治の課題なのだと理解すれば、高齢化社会の真の課題は突き詰めればここに尽きている。
パート1で述べたように、政府の支払い能力（本当は「問題」ではないもの）という観点に立って高齢化社会の問題に取り組もうとすることは、たんに通貨発行国の能力に関する誤った推論や誤解に基づいているというだけ、どころではなく、完全雇用の維持や生産性の十分な向上という、現実の問題に対処する社会の能力をむしろ低下させる政策につながる。
多くの国は、新自由主義時代の進展につれ緊縮バイアスに取りつかれてしまっている。その結果、生産資本への投資が抑制され、スキルの向上が制限され、公共インフラのカバー範囲が狭まり、その質も低下し、生産が抑制され生産性の成長が停滞してしまった。
以上はすべて関連したことなのだ。
生産性向上のために、まず必要なのは人的資本や公共インフラを含む実物資本への投資だ。高齢化する社会において国がそうした投資を絞るなら、それは将来の実質生活水準を低下させるための一番簡単な方法だ。
いま望ましい政策を考えていこう。
依存率が上昇している日本の生産性はどうだったかを調べたかったので、そのパフォーマンスをアメリカと比較してみた。アメリカの依存率はだいぶ低いが上昇してはいる。
次のグラフは、労働年齢人口に対する実質GDP（産出）の比率で生産性を表す一つの指標だが、1990年から2018年までの日本のものだ（1990年を100としている）。
実効依存率の考え方に従って、分母はよく吟味しよう（実際に働いている労働年齢人口を考える）。日本の人口は、出生率が低く移民も少ないため、減少しつつ高齢化している。
労働参加率も低下している。1953年には70%だったのが2018年には61.5%となった。
参加率の問題にはあとで戻る。
最初のグラフから、生産年齢人口は1994年の87,035,000人から2018年の75,451,000人へと幾分減少している。二回の顕著な停滞期があるが、この期間を通して一人当たりの生産性は、大幅に向上したと結論できる。
1990年初頭の衰退は、1991年に発生した大規模な商業用不動産バブルの崩壊によるもので、日本経済の基盤を揺るがせた。
次の停滞は、1997年の消費税増税によるもので成長が鈍化した。
1990年代初頭の悲惨な不動産バブル崩壊を経て、1996年の経済は力強い回復の兆しを見せていた。
年率ベースの実質GDP成長率は、1996年3月期2.9%、6月期2.5%、9月期1.8%、12月期3.4%であり、1997年3月期も3.3%となった。
民間企業の設備投資と住宅建設が大幅に増加した。
しかし1997年4月、日本は財政破綻を主張する保守派の圧力により、消費税を3%から5%に引き上げた。
そして何が起こったか？ 底が抜けた。
当時、新自由主義者は増税と長期不況とは何の関係もないと主張した。不況はその後二年間の七つの四半期にわたる景気後退となり、需要デフレーションを定着させることになった。
アジア金融危機のせいだという主張もなされた。しかし、当時の日本の輸出実績を詳しく分析すると、この主張は完全に否定される。この不況期の海外収支の赤字は減少しているのだが、主として国内経済の低迷により輸入が落ち込んだためだ。
この不況が、設備投資の落ち込みと生産性の伸びの鈍化させた。
消費税の害悪については、以下のブログ記事(内の以前の投稿へのリンク)を参照してほしい。
1. Japan about to walk the plank – again (September 30, 2019).
2. Japan is different, right? Wrong! Fiscal policy works (August 15, 2017).
2. Japan is different, right? Wrong! Fiscal policy works (August 15, 2017).
2014年4月、安倍政権は消費税を5％から8％に引き上げた。
第三の衰退期はもちろんGFC（世界経済危機）だ。
重要な事実として、1990年(不動産バブル崩壊直前)から2018年までの平均年間成長率、それが年率1.9%であったことだ。
これは停滞の結果と言うよりも、日本は高齢化する労働力をかなり巧みに扱ってきたことを示唆している(物質的な観点では)。
しかしこれは驚きだ。次のグラフは1990年から2018年における日米を比較したもの。
片方はの社会は高齢化の負担から崩壊しつつある社会で、もう片方の社会はイノベーションの原動力とされている社会だ！
1990年から2018年までのを平均した米国の年間生産性成長率は1.5%であった。
つまり、GFC以降、生産性の伸び(測定値)を加速させてきた日本に比べて米国の生産性はかなり低いのだ。
労働参加率
上記のように、日本は高齢化に直面しているだけでなく、労働参加率も過去数十年で低下している。
1953年には70%だったのが2018年には61.5%にまで低下した。
2018年の労働年齢人口（15歳以上）は1億1101万人であり、労働参加率の低下がなければ、労働力人口は9,435,850人増えることになる。
参加率が低いことの一因は、日本では女性の積極的な労働力への参加がほぼ恒常的に低いことだ。
次の2つのグラフは実際のストーリーを示している。
最初のものは、日本と同じく高齢化問題に直面しているオーストラリアと総参加率で比較したものだが、オーストラリアは日本ほどではない。
日本の参加率は1990年以降は低下傾向だったが、GFC以降は女性の参加が増えたこともあり顕著な上昇が見られる。.
オーストラリアは一貫して増加している途中、周期的に目立ったスランプがあるというパターンだ。
この観点において、両国の労働市場には大きな違いがある。日本の労働市場にはオーストラリアよりもはるかに多くの未使用の生産能力があるが、オーストラリアでは既存の労働力の浪費率が高い。
二番目のグラフは、日本とオーストラリアの男女別参加率の推移を示している。1970年以降、オーストラリアの女性の労働参加率は着実に上昇しているが、日本の女性の労働参加率が顕著に上昇したのはここ数年のことだ。
政策の戦略
ある国の政策オプションを議論する際には注意が必要である。なぜなら、政策の正しさを決めるためには歴史的および文化的相違が重要になるからだ。 ある国には適していても、他の国々では受け入れられないような政策もあろう。
今日の実物投資で50年後も役立つようなものは事実上ないのだから、生産性への取り組みにおいて重要なのは教育だ。
高レベルの教育参加を維持し、学校から職場への移行のための適切な訓練ステップを用意し、十分な雇用が得られるような環境をマクロ経済的に確保しておくことを政策の優先目標にすべきだ。
生産性成長は、人々への投資以外に大学その他の研究機関への投資によってもたらされる。
高齢労働者(日本では女性が)の労働力参加が増えることは健全なのだが、政府が生産的な雇用機会を確保できるようにしなければならない。
「将来の医療や年金の需要を賄うためには政府が資金を 『貯蓄』 しなければならない」という誤った信念の下で緊縮政策スタンスをとることは雇用の伸びを低下させるのだが、もしこのとき同時に高齢者(や女性)の労働参加を促すと、それは政策としては最悪な組み合わせになる。
自滅的かつ懲罰的なものになる。
依存率にプラスの影響を与えるものはすべて望ましいものなのだが、そのためには、働くことを望むすべての人が仕事を得られるようにすることが最善なのだ。
ここで非正規化を促進し不完全雇用を増加させることは、将来のための賢明な戦略ではない。パートタイムの労働機会が広まるほど、人的資本に投資するインセンティブが低下する。
そしてこれらすべての問題は、財政の問題ではなく政治の選択なのだ。
非政府部門に必要な財とサービスを政府が供給する能力、とくに、不足している財を提供する能力は、政府の財政とは全く関係がない。
ところが実際には緊縮財政という足かせが総需要や民間可処分所得の伸びを低下させている。これは産出の結果から判断することができる。
財政黒字がインフレ抑制に寄与するのは明らかだ。財政黒字は、失業と過剰供給の状態を維持し、物価を抑制するデフレ圧として働くのだから。
日本でも高齢化問題に対処するため、いくつかの政策が実施されたり提案されたりしている。
1994年12月、政府はエンジェルプランを導入した。これは1995年から1999年にかけて実施されたもので、子育て支援策を通じて出生率と女性の参加率を高める試みであった。
1999年12月には、次の5年間をカバーするために「新エンジェルプラン」が導入された。 この計画は、保育育への投資を継続し、家族の住居や教育を助成するものだった。
その後も一連の政策介入が行われた。2003年の「次世代育成支援対策推進法」、2003年の「少子化社会対策基本法」、2004年の「子育て支援計画」、2006年の「新たな少子化対策」、2007年「重要戦略」はすべて、出生率を改善し、家族が仕事と家族の責任を拡大しやすくすることを目的としていた。
これより最近では女性の労働参加の必要性が強調されるようになり、女性が育児と仕事を両立しやすくすることを目的とした様々な計画がある。
そのほかに次のような物がある。保育施設整備のための(2014年7月より)「放課後児童総合計画の策定」等の実施。東京以外の若者の雇用機会を増やし、地域センターでの活動を全般的に促進する「地域再生への取り組み」(2014年9月から)。出産奨励、子育て支援、男性の労働時間短縮などを継続的に行う「少子化社会対策大綱」(2015年3月から)。
日本政府は、このような観点から5つの重要な政策分野を挙げている。
1.「子育て支援施策の一層の充実」
2.「若者の結婚・出産の実現」
3.「複数の児童がいる家庭への配慮」
4.「男女の働き方を変える」
5.「地域の情勢に応じた施策の強化」
2.「若者の結婚・出産の実現」
3.「複数の児童がいる家庭への配慮」
4.「男女の働き方を変える」
5.「地域の情勢に応じた施策の強化」
これらの政策はみな健全であるし、既存の慣行を変える役には立つだろう。
ただ残念なことに、日本政府もまた誤った財政危機という物語の犠牲になっている。
また、日本には労働市場の二重性の問題もある。
それは何で、 それが重要なのはなぜか？
日本には「正規雇用と非正規雇用の分断」という二重性があるのだ(下記のOECD参考文献)。
非正規雇用の割合が増加しているが （パートタイム化された低賃金または不定給で、見通しが立たず安全性がほとんどない)、これでは個人や企業が将来の生産性向上に不可欠な人的・物的資本に投資するインセンティブが提供されない。
この政府文書（2018年9月発行）- アベノミクス：将来の成長、将来の世代、および将来の日本のために -を見ると、政府は立法権限を用いて「同一労働同一賃金」を導入し次のことを目指しているようだ。
非正規労働者が公正に評価され、より高い意欲をもって働けるよう、正規労働者と非正規労働者の間の不合理な労働条件の格差を解消する。
2018年12月20日にOECDが発表した文書-– Working Better with Age: Japan (エグゼクティブサマリーおよび推奨事項) – では、こう書かれている。高齢労働者の就業率を高めるための障害の一つは、そのような労働者（正式な退職後）が
… 通常は非正規労働者として再雇用された場合でも、賃金が大幅に削減されることが多く、その技能は十分に活用されていない可能性がある。これは彼らの生産性と幸福を損ないかねない。同時に、非正規雇用は増加傾向にあり、20年前は5分の1未満だったのが、2018年には約5分の2近くに増加した。このことは、多くの労働者が、正規雇用労働者よりも給料が少なく、訓練へのアクセスが制限され、適切な社会保障保護がない非正規雇用になっていることを意味している。その結果、彼らの雇用可能性は、キャリアアップの機会の点で弱まっており、老齢年金受給資格を損ねるだけでなく、より高齢になるまで雇用され続けることになる。
「底辺をめぐる競争させる」という 戦略は、資本の手に権力を移すという新自由主義時代の特徴だが、これは高賃金、高生産性経済を達成するのとは正反対の戦略だ。
OECDは、「国際基準によれば、日本では仕事の負担（仕事の需要と資源との差異)によって測定される労働条件の質は、他の先進OECD諸国と比較してなべて貧弱だ」と指摘している。
彼らは、「過剰労働時間」、「自律性と同僚からの支援の欠如」、および「一部の長時間働く年長者が、一部の女性、特に母親が若い年齢で就職し、より長いキャリアを追求することを妨げている可能性がある」などの否定的な点を指摘している。
政府がとりうる前向きな措置の一つは、女性の労働力参加を増やすことだ。これは、出産後に労働力への再参入できる見通しを良くするということだ。
OECDは、「日本では非正規職で働く女性が男性よりもはるかに多い」と報告している。
子どもを産むために労働市場を離れた女性の多くは、パートタイムで低レベルな非正規雇用の仕事にしか戻れない。
女性が子どもを持とうと決めることによって、将来の労働市場への関与において不利な立場に置かれていると感じたりしないようにするための改革が必要だ。
関連して、日本政府が導入してきた政策（例えば、2004年の 「高齢者雇用の安定化」)は、高齢労働者の雇用期間の延長を狙ったものだが成功していない。当該世代の雇用そのものは増加しているものの、企業は定年後の賃金など労働者の権利を削減する対応をしてきたからだ。
この問題に対処するためには、定年の引き上げが必要であるが、パート1で指摘したように、これは職務の肉体的負担のために不利な立場に置かれている肉体労働者との間に全体として不平等をもたらす。
そのため、次のような一連の政策が必要になる。
1.定年を延長する。これにより、雇用者が継続就業を希望する労働者の賃金削減契約を再交渉する際の基準が撤廃される。
2.継続雇用か新規雇用かによらず、賃金と条件がより高齢期まで維持されることを確実にする。
3.定年の延長により不利な立場に置かれる肉体労働者には、適切な移行措置を提供する。
二重性を排除するためにOECDはこの正規雇用労働者の条件を攻撃する（雇用保護を弱める）。しかしこれは賢明な戦略ではない。年功序列など（いわゆる 「暗黙の契約」)の内部労働市場システムは、生産性を低下させず、むしろ増加させることが多くの研究によって見出されているからだ。
正規職の条件を弱めるのではなく、非正規職の条件を良くすることに力を入れるべきだ。
諸研究の結果は明瞭だ。健康な労働者ほど高いレベルの長く働くことができる。また、高所得の労働者ほど長く働けることもわかっている。
政府は人々の健康に重要な影響を与えることができる。たとえば無料の予防接種を実施して感染性疾患、特に帯状疱疹、インフルエンザ、肺炎など高齢労働者に影響を与えやすい疾患を減少させることができる。全国的なキャンペーンを通じて栄養、食事、運動の改善、とりわけアルコール・薬物乱用 (タバコを含む) の削減に取り組む。
このような政策の財政的な 「コスト」 は、通貨を発行する政府には無関係である。ただ考慮しなければならないのは、実際の資源を浪費しないようにすることだ。したがって、考えられる限りの効果的な介入をするべきなのだ。
否定的側面
残念なことに日本政府も財政危機という誤った物語の犠牲になっている。
これを物語っているのが最近の消費税引き上げだが、これは経済成長を損ない、雇用機会を減少させるもので賢明な政策とは逆行するものだ。
財政に関するこの誤った物語は、政府が年金受給資格の対象年齢を引き上げようとしていることからも明白だ。
これはまた別の機会に。
結論
この週末は日本に行って、この問題などについて議論してくる。
今日はここまで！
1950
2015
Projected 2050
This is Part 2 of my blog posts on population shifts in Japan. In – What is the problem with rising dependency ratios in Japan – Part 1? (October 28, 2019) – we considered the evolution of dependency ratios in Japan as a precursor to considering the nature of problems that accompany a rising dependency ratio. The purpose is to disabuse the public debate of the idea that rising dependency ratios constitute a fiscal crisis and point to the increasing prospect of fiscal insolvency. That erroneous assertion has been used as one of the justifications for pursuing austerity policies, which damage growth, cause rising unemployment and generally miss the point. The problem with this construction is that the solution adopted by the ‘sound finance’ lobby (austerity) to their ‘non problem’ only serves to exacerbate the real problem. Today, we will consider the productivity challenge that lies at the heart of the issues a nation with a rising dependency ratio will face.
Population shift in Japan
I meant to insert these population pyramids in yesterday’s blog post (Part 1) to provide a graphical indication of the shifting population over a century (using UN estimates out to 2050).
The three graphs are for the actual population distribution as at 1950, 2015 and then the projected population in 2050.
For those not familiar with these histogram depictions, we gauge the speed of population growth by the shape (rectangular or more pyramid) of the graph.
When the graph becomes rectangular, the population is growing slowly relative to the 1950’s shape. That is, the older cohorts are being replaced by younger cohorts at around the same pace.
Youth dependency ratios that are derived from this data can be high when the graphs are highly pyramidic in nature. It means that a larger proportion of the population are in or approaching their ‘fertile’ or reproductive period but will soon be productive workers.
This is a different situation when the Aged dependency ratio is high.
1950
2015
Projected 2050
The productivity challenge
In – What is the problem with rising dependency ratios in Japan – Part 1? – I concluded by asserting that the problem of rising dependency ratios (however measured) were two fold:
1. Ensuring that all available productive resources are fully utilised. There is no point screaming about a rising dependency ratio if we tolerate our government’s choosing to waste what resources that are available and willing to work (or be put to work in the case of capital).
2. Productivity.
In the second case, the challenge is simple.
If there are increasingly more people dependent on access for goods and services and increasingly less people producing those goods and services then the latter cohort has to be more productive than before or material standards of living will fall, independent of whether real resources are available or not.
Productivity rises when a nation gains more output per unit of input.
That, ultimately becomes the real challenge of the ageing society once the politics is sorted out to ensure we provide job opportunities and hours of work for those who desire to work.
As I noted in Part 1, constructing the ageing society problem in terms of a challenge of government solvency (the ‘non-problem’) is not only based on erroneous reasoning and a misunderstanding of the capacities of the currency-issuing sovereign, but, also, can lead to policies that actually undermine the capacity of the society to meet the actual problem – maintaining full employment and adequate productivity growth.
Many nations have adopted an austerity bias as the neoliberal era unfolded and have seen output rates decline and productivity growth stagnate as a result of suppressed investment in productive capital, reduced skill development and declining scope and quality of public infrastructure.
It is all related.
To advance productivity, investment is required in human capital and physical capital including public infrastructure. Starving a nation of that sort of investment is the fastest way to undermine material living standards in the future as society ages.
I will return to desirable policy development presently.
But I was curious as to how Japan had fared in relation to productivity as its dependency ratio has been rising. I was also curious to compare this performance to the US, which has a much lower but rising dependency ratio.
The following graph shows the ratio of real GDP (output) to the working age population in Japan – which is one way of expressing productivity – from 1990 to 2018 (with the index set at 100 in 1990).
Clearly, once we understand the concept of an effective dependency ratio, we would qualify the use of the denominator (to use the subset of the working age population that is actually working).
Japan’s population is declining and ageing as a result of the low birth rates and low net migration.
Its labour force participation rate has also declined. For example, in 1953 it was 70 per cent. By 2018, it had fallen to 61.5 per cent.
I will come back to the participation question presently.
In terms of the first graph, one can conclude that despite the working age population declining somewhat over this period from 87,035 thousand in 1994 to 75,451 thousand in 2018, productivity per person has risen significantly with two notable periods of stagnation or decline.
The first period of decline in the early 1990s was related to the massive commercial property collapse that occurred in 1991 and shook the foundations of the Japanese economy.
The second period of decline and stagnation was following the sales tax hike in 1997, which derailed growth.
In 1996, the economy was showing strong signs of recovery after the disastrous property bubble burst in the early 1990s.
Real GDP growth on an annualised basis was gathering pace in 1996 – March-quarter 2.9 per cent, June-quarter 2.5 per cent, September-quarter 1.8 per cent, then December-quarter 3.4 per cent, sustained into March-quarter 1997 3.3 per cent.
There was strong growth in private business investment and housing construction.
Then, under pressure from fiscal conservatives who claimed Japan would become insolvent, the Japanese government hiked sales taxes from 3 per cent to 5 per cent in April 1997.
And what happened? The bottom fell out.
At the time, the neo-liberals claimed the tax hike had nothing to do with the prolonged recession that followed – 7 negative quarters of growth in the next two years – which also entrenched the damaging deflation that Japan has had to face.
The claims were that the Asian financial crisis were to blame. But a closer examination of Japan’s export performance at the time categorically discredits that claim. The net exports deficit fell over the period of the recession, mostly due to a collapse in imports as the domestic economy waned.
This period of recession really blunted capital investment and productivity growth slumped.
See these blog posts (and links to earlier posts within) for a discussion of the sales tax disaster:
1. Japan about to walk the plank – again (September 30, 2019).
2. Japan is different, right? Wrong! Fiscal policy works (August 15, 2017).
In April 2014, the Abe government raised the sales tax from 5 per cent to 8 per cent.
The third period of decline is, of course, the GFC.
But the significant fact is that if we compute the average annual growth rate in this series for the period 1990 (just before the property collapse) to 2018, we find it was 1.9 per cent per annum.
That is hardly a stagnating outcome and suggests that Japan is handling its ageing workforce fairly deftly (in material terms).
But here is a surprise. The next graph compares Japan’s experience in this respect with the US over the same period (1990 to 2018).
One society is meant to be collapsing from the burden of ageing while the other is the powerhouse of innovation!
Further, the average annual productivity growth rate for the US for the period 1990 to 2018, was 1.5 per cent per annum.
That is, considerably lower than Japan, which has accelerated ahead of the US in productivity growth (as measured) since the GFC.
Labour force participation
As noted above, as well as facing an ageing population, participation rates have dropped in Japan over the last several decades.
In 1953 it was 70 per cent. By 2018, it had fallen to 61.5 per cent.
In terms of the 2018 working age population (15 years and over), which was 111,010,000, that drop in participation amounts to that amounts to an extra 9,435,850 workers that would be available for work had not the participation rate fell.
Part of the participation issue is the almost constant and low involvement in the active labour force by females in Japan.
The following two graphs tell the empirical story.
The first compares the Japanese aggregate participation rate with that of Australia, which also faces an ageing society issue, although not as profound as that of Japan.
The participation rate in Japan fell steadily over the 1990s but since the GFC there has been a noted rise, mostly due to increased female participation.
Australia has shown a different pattern of steadily rising participation with noted cyclical slumps.
The difference between the two labour markets in this respect is significant. There is much more unused productive capacity in the Japanese labour market than in the Australian case, despite the higher rates of labour wastage of the existing labour force in Australia.
The second graph shows the evolution of the male and female participation rates for Japan and Australia. While the Australian female participation rate has been steadily rising since the 1970s, it is only in recent years has there been any significant upward movement in the female rate for Japan.
Policy strategies
One has to be cautious when discussing specific policy options for a nation because historical and cultural differences can become important in determining the legitimacy in a democratic sense of difference options. What might be suitable for one nation may not be acceptable elsewhere.
In terms of the productivity challenge, for all practical purposes there is no real investment that can be made today that will remain useful 50 years from now apart from education.
Ensuring high levels of participation in education, creating effective school-to-work transitions with appropriate training ladders, and ensuring the macroeconomic climate is such that there are sufficient jobs should be the policy priority.
Apart from the investment in people, productivity growth comes from investments in research and development, not the least part, in universities and other research institutions.
Increasing labour force participation by older workers (and in Japan females) is sound but requires the government ensure there are productive employment opportunities available.
Running an austerity policy stance in the erroneous belief that the government has to ‘save’ money to fund future health care and pension demands, which reduces employment growth, but, at the same, time coercing older cohorts (or females) into higher levels of labour force participation is the worst combination of policies.
It is self-defeating and punitive.
Anything that has a positive impact on the dependency ratio is desirable and the best thing for that is ensuring that there is a job available for all those who desire to work.
Further encouraging increased casualisation and allowing underemployment to rise is not a sensible strategy for the future. The incentive to invest in one’s human capital is reduced if people expect to have part-time work opportunities increasingly made available to them.
But all these issues are really about political choices rather than government finances.
The ability of government to provide necessary goods and services to the non-government sector, in particular, those goods that the private sector may under-provide is independent of government finance.
The reality is that fiscal drag that accompanies austerity reduces growth in aggregate demand and private disposable incomes, which can be measured by the foregone output that results.
Clearly surpluses help control inflation because they act as a deflationary force relying on sustained excess capacity and unemployment to keep prices under control.
A number of policies have been implemented in Japan or proposed to address the ageing population issue.
In December 1994, the Government introduced the – Angel Plan – which ran from fiscal year 1995 to 1999 and was an attempt to increase the birth rate and female participation through childcare support measures.
In December 1999, the ‘New Angel Plan’ was introduced to cover the next five year. This plan continued the investment in childcare, and added housing initiatives for better family accommodation as well as subsidised education.
A series of policy interventions followed: the 2003 “Act on Advancement of Measures to Support Raising Next-Generation Children”, the 2003 “Basic Act for Measures to Cope with Society with Declining Birthrate”, the 2004 “Child-rearing Support Plan”, the 2006 “New Measures for Declining Birthrate”, the 2007 ““Key Strategies” initiative – all aimed to improve the birth rate and make it easier for families to exapand and for women to combine work and family responsibilities.
In more recent period, the emphasis on increased female labour force participation has strengthened with various plans aimed at making it easier for women to combine child rearing and work.
Other policies include the “Formulation of Comprehensive After-School Plan for Children” (from July 2014) to improve child care facilities; “Efforts for Regional Revitalization” (from September 2014) to increasing youth employment opportunities outside of Tokyo and to generally promote activity in regional centres; the “New Outline of Measures for Society with Declining Birthrate” (from March 2015) which continues to provide incentives for child birth, helping families cope with more children, reducing mens’ working hours etc.
The Japanese government has identified five important areas of policy development in this context:
1. “Further improvement of childrearing support measures”.
2. “Realisation of young people’s hopes for marriage and childbirth”.
3. “Consideration to multiple child families”.
4. “Changing the way of working of men and women”.
5. Reinforcement of measures according to regional situations”.
All of these policies are sound and will help to change the existing practices.
Unfortunately, the Japanese government has also fallen prey to the erroneous fiscal crisis narrative.
The question of labour market dualism in Japan is also raised in this context.
What is it? Why does it matter?
In the Japanese context, dualism refers to “the separation between regular and non-regular employment” (OECD reference that follows).
The rising proportion of non-regular jobs – casualised, low or irregular pay, with little promotional prospects or security – provide no incentives to an individual or firms to invest in human or physical capital, which is essential for increasing future productivity growth.
In this government document (published September 2018) – Abenomics: For future growth, for future generations, and for a future Japan – we learn that the Government aims to use its legislative authority to introduce “equal pay for equal work” and to:
Eliminate the irrational gaps in the working conditions between regular and non-regular workers in order to enable non-regular workers to be fairly evaluated and to work with higher motivation
On December 20, 2018, the OECD published – Working Better with Age: Japan (Executive Summary and Recommendations) – which notes that one of the obstacles for increasing employed participation of older workers is the fact that such workers (after formal retirement):
… often face large wage cuts even when re-hired, usually as non-regular workers, and their skills may be underutilised. This can undermine their productivity and well-being.At the same time, there has been a trend increase in non-regular jobs, with close to two- fifth of the Japanese workforce employed in non-regular positions in 2018, up from less than one-fifth two decades ago. This has meant that many workers find themselves in irregular jobs that are typically paid less than full-time regular employees, offer limited access to training and lack proper social security protection. Consequently , their employability is weakened in terms of opportunities for career progression and to remain longer in employment at an older age as well as undermining their old-age pension entitlements.
A ‘race-to-the-bottom’ strategy, which is characteristic of the neoliberal era to shift power into the hands of capital is tantamount to a high-pay, high productivity economy.
The OECD note that “By international standards, the quality of working conditions as measured by job strain (the difference between job demands and job resources) is poor on average in Japan compared with some other advanced OECD countries.”
They point to “excessive work hours”, “a lack of autonomy and support from colleagues” and other negatives which deter “some older people from working longer and may be preventing some women, especially mothers, from entering employment at younger ages and pursuing longer work careers.”
One of the positive steps the Government can take is to increase the labour force participation of women, which means there have be better prospects for re-entry into the workforce after child birth.
The OECD report that “Far more Japanese women than men work in non-regular jobs” and that:
Many women who leave the labour market to have children find they can return only to a non-regular job, with a junior, part-time position.
Reform is needed to ensure that women do not feel disadvantaged in future labour market involvement by decisions to have children.
In this regard, the policies that the Japanese government has introduced (for example, the 2004 ‘Stabilisation of Employment of Older Persons’), which aim to extend the working lives of older workers have not been successful because while they have increased employment of this cohort per se, the firms have responded by cutting wages and other entitlements for workers once they reach the mandatory retirement age.
To address this problem, increases in the mandatory retirement age is necessary, but then as noted in Part 1, this introduces inequities across the occupational distribution with manual workers facing a disadvantage due to the physical strain of their jobs.
So there has to be a suite of policies to:
1. Extend the compulsory retirement age, which will eliminate the threshold that employers use to renegotiate wage cutting contracts for workers who wish to continue working.
2. Ensure that wages and conditions are retained into older age with existing or new employers.
3. Provide just transitions for manual workers disadvantaged by the extended compulsory retirement age.
The OECD recommend eliminating the dualism by attacking the conditions of workers in regular work (reducing job protection etc). This is not a sensible strategy as the internal labour market system where workers enjoy seniority etc (so-called ‘implicit contracts’) has been found by numerous studies to increase productivity not undermine it.
The emphasis should be on improving the lot of non-regular workers rather than tearing down the conditions for regular workers.
The research literature is clear – healthier workers can work longer at higher levels of attainment.
It also shows that higher income workers can work longer.
Governments can influence the health of populations in significant ways – reducing contagious illnesses through free innoculations, especially illnesses that have disproportionate impacts on older workers, such as shingles, flu, pneumonia, etc);
improving nutrition, diets and exercise through national campaigns, and reducing alcohol and substance abuse including tobacco, among other initiatives.
improving nutrition, diets and exercise through national campaigns, and reducing alcohol and substance abuse including tobacco, among other initiatives.
The so-called ‘cost’ in financial terms of such initiatives are irrelevant for a currency-issuing government. The only consideration is not to waste real resources, which means that interventions should be as effective as possible.
The Downside
Unfortunately, the Japanese government has also fallen prey to the erroneous fiscal crisis narrative.
The recent increase in the consumption tax is an expression of this and will work against the sensible initiatives it has put in place because it will damage economic growth and reduce employment opportunities.
The erroneous fiscal narrative is also evident in the changes that the Government is making to the eligible ages for pension entitlement.
I will leave that for another day.
Conclusion
I will be in Japan later this week to discuss these issues and others.
That is enough for today!
(c) Copyright 2019 William Mitchell. All Rights Reserved.
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