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木曜日, 10月 17, 2019

食糧、教科書配布の問題点



以下『貧乏人の経済学』より

#2

貧乏な人々は援助金付きの穀物が好きですが…補助金を増やしても、食生活の改善促進に

は役立ちません。主な問題がカロリー量ではなく、他の栄養素だからです。貧乏な人々

にお金をばらまくだけでは不十分ですし、収入が増えても短期的には栄養状態は改善しま

せん。インドの例で見たように、貧乏な人々は収入が増えても食事の量や質を改善したり

しません。食べ物と競合する圧力や欲望が多すぎるからです。

 これに対し、子供や妊婦の栄養摂取に直接投資すると、社会的な見返りはすさまじい

ものになります。これは、栄養強化食物を妊婦や幼児の親に与えたり、学校や保育園で

子供の寄生虫駆除を行なったり、微量栄養素を豊富に含む食事を子供に与える、あるいは

親たちが栄養補給剤を摂取したくなるインセンティブを与えることで実現できます。.…


#4

…多くの発展途上国では、カリキュラムと教え方のどちらも、学校に来る普通の子供より

はエリート向けに作られているため、投入を増やすことで学校の機能を改善しようとする

試みはたいてい期待はずれとなります。1990年代、マイケル・クレマーは発展途上

国における政策介入について、初のランダム化評価を行なうための簡単なテストケースを

探していました。この最初の試みのために、彼は介入がまちがいなく大きな効果を持つ例

を探していました。教科書が絶好の例のように思われました。(調査が行なわれる予定の)

西ケニアの学校には教科書がほとんどなく、本が不可欠な投入だということにはほぼだれでも 

合意します。100の学校から25校が無作為に選ばれ、教科書(その学年向け公式教科書)が

配布されました。結果は期待はずれなものでした。.…ケニアで教育に使われている言語は英語で、

教科書も自然に英語のものになります。でも、ほとんどの子供にとって英語は第三言語(地域の

言葉、そしてケニアの公用語であるスワヒリ語の次にくる言葉)にすぎず、ほとんど喋れません。

英語で書かれた教科書は子供の大多数にとって、役に立つわけがなかったのです(35)。…


3 5 . Paul Glewwe, Michael Kremer, and Sylvie Moulin  ,

“Textbooks and Test Scores: Evidence from a Prospective Evalution in Kenya, 

“BREAD Working Paper(2000).

https://www.povertyactionlab.org/sites/default/files/publications/20_Kremer_Textbooks_and_Test_Scores.pdf




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P a u l  G l e w w e , M i c h a e l  K r e m e r , a n d  S y l v i e  M o u l i n , “ T e x t b o o k s  a n d  T e s t  S c o r e s : E v i d e n c e  f r o m  a  P r o s p e c t i v e  E v a l u a t i o n  i n  K e n y a , ” B R E A D  W o r k i n g  P a p e r ( 2 0 0 0 ) . 



Kremer, Michael, Paul Glewwe, and Sylvie Moulin. 2009. “Many Children Left Behind? Textbooks and Test Scores in Kenya.” American Economic Journal: Applied Economics 1 (1 (January 2009): 112-135.

139 名無しさん@お腹いっぱい。[] 2019/10/17(木) 00:52:28.36  ID:5Na7v+MG 
>>128
>生徒たちに「教科書」か「無料の食事」のどちらを与えるのが学習への効果が大きいか、条件をそろえて比較した

で、この実験結果は、どこに書いてるの?
教科書と食事、どっちを提供する方が成績上がったの?

以下『貧乏人の経済学』より
#2


…アメリカの農家にとっては悪いニュ ースかもしれませんが 、現在のほとんどの食糧安全保障プログラムが目指している 、単なる食用穀物供給量の増産だけではこの問題は解決できないのです 。貧乏な人々は援助金付きの穀物が好きですが 、さっき論じたように 、補助金を増やしても 、食生活の改善促進には役立ちません 。主な問題がカロリ ー量ではなく 、他の栄養素だからです 。貧乏な人々にお金をばらまくだけでは不十分ですし 、収入が増えても短期的には栄養状態は改善しません 。インドの例で見たように 、貧乏な人々は収入が増えても食事の量や質を改善したりしません 。食べ物と競合する圧力や欲望が多すぎるからです 。

 これに対し 、子供や妊婦の栄養摂取に直接投資すると 、社会的な見返りはすさまじいものになります 。これは 、栄養強化食物を妊婦や幼児の親に与えたり 、学校や保育園で子供の寄生虫駆除を行なったり 、微量栄養素を豊富に含む食事を子供に与える 、あるいは親たちが栄養補給剤を摂取したくなるインセンティブを与えることで実現できます 。これらのすべてがいくつかの国ですでに実施されています 。現在 、ケニア政府は学校で組織的に児童の寄生虫駆除を行なっています 。コロンビアでは 、保育園で微量栄養素の粉末を食事に混ぜています 。メキシコでは家族向けの社会福祉給付金に無料の栄養補助剤がついてきます 。人々が食べたがる食物に付加的栄養素を混ぜる方法を開発し 、幅広い環境下で栽培できる 、栄養価が高く美味しい作物の新種を考案することを 、生産性向上と並ぶ食品技術の最優先事項にする必要があります 。マイクロニュ ートリエント ・イニシアティブやハ ーベストプラスといった機関のあと押しによって 、こうした試みが世界中で行なわれています 。最近では 、アフリカに適したオレンジサツマイモ (天然のヤムイモよりもベ ータカロチンが豊富 )の一種が 、ウガンダとモザンビ ークに導入されています ( 3 5 ) 。鉄分とヨウ素の栄養価が強化された新しい食塩が 、インドなど数カ国で認可されました 。でも 、貧乏な人々に必要なのは安価な穀物だけだ 、という考えにとらわれたままの食糧政策が行なわれている例は 、まだあまりに多いのです 。





#4

なぜ学校は失敗するのか

 多くの発展途上国では 、カリキュラムと教え方のどちらも 、学校に来る普通の子供よりはエリ ート向けに作られているため 、投入を増やすことで学校の機能を改善しようとする試みはたいてい期待はずれとなります 。 1 9 9 0年代 、マイケル ・クレマ ーは発展途上国における政策介入について 、初のランダム化評価を行なうための簡単なテストケ ースを探していました 。この最初の試みのために 、彼は介入の学校には教科書がほとんどなく 、本が不可欠な投入だということにはほぼだれでも合意します 。 1 0 0の学校から 2 5校が無作為に選ばれ 、教科書 (その学年向け公式教科書 )が配布されました 。結果は期待はずれなものでした 。教科書をもらった生徒ともらわなかった生徒で 、テストの平均点には何のちがいも現れませんでした 。しかし 、クレマ ーとその同僚は最初から成績の良かった子供たち (この調査が始まる前のテストでトップに近い成績の子 )は 、教科書が配られた学校では目覚しい進歩を遂げているのを発見しました 。これで話が見えてきました 。ケニアで教育に使われている言語は英語で 、教科書も自然に英語のものになります 。でも 、ほとんどの子供にとって英語は第三言語 (地域の言葉 、そしてケニアの公用語であるスワヒリ語の次にくる言葉 )にすぎず 、ほとんど喋れません 。英語で書かれた教科書は子供の大多数にとって 、役に立つわけがなかったのです ( 3 5 ) 。このようなことが多くの場所で他の投入 (フリップチャ ートから 、少人数学級まで )でも繰り返されてきました 。教育方法や 、やる気の変革を伴わない場合には 、新しい投入はあまり役に立たないのです 。


3 5 . P a u l G l e w w e , M i c h a e l K r e m e r , a n d S y l v i e M o u l i n , “ T e x t b o o k s a n d T e s t S c o r e s : E v i d e n c e f r o m a P r o s p e c t i v e E v a l u a t i o n i n K e n y a , ” B R E A D W o r k i n g P a p e r ( 2 0 0 0 ) . 

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