【人工知能】史上最強棋士はだれか? 将棋AIが出した答えは[10/25]
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2017年10月25日
https://media.dglab.com/2017/10/25-shogiai-01/
https://media.dglab.com/wp-content/uploads/2017/10/d58f5d1adbfd67cf61516bf1edb0163f.jpg
大山康晴十五世名人と羽生善治棋聖、それぞれの全盛期に対局すれば、いったいどちらが強いのか。対戦型ゲームや競技の永遠のテーマ「史上最強はだれだ?」。ファンなら一晩、語り尽くすこともできるだろう。将棋ソフト「YSS」の開発者として知られるフリープログラマーの山下宏さんは「悪手」に注目し、歴代最強と言われる棋士の棋譜を解析、レーティング(強さ)を算出した。その結果はー。
10月に札幌で開かれたITなどの国際コンベンション「No Maps」のカンファレンス「将棋が見せてくれた人工知能の世界」で、山下さんがプレゼンテーションした。
山下さんは、Bonanza6.0(2011年)とGPSFish(2013年)、2種の将棋ソフトを使い、初心者からアマ高段者まで1800局の棋譜を解析。「悪手を指す割合と棋力には関連性がある。悪手が少ないほど強い」ことに着目した。現代の棋界最強と言われる棋士4人の全盛期を比較するため、4人それぞれのタイトル戦の棋譜を基に、平均悪手を変数としてレーティングを算出した。
例えば同じ局面で人間が▲2六歩と指してソフトの評価が+20、機械が▲7六歩と指して評価が+30の場合。人間の手はソフトの手より低い評価なので悪手と認定。それら悪手を分子に、手数の合計を分母にして平均悪手を算出する。
レーティングの算出には、ソフトの解析結果から「−3184☓平均悪手+4620」という式を使った。ネット対局サイト将棋倶楽部24のレーティングは、1000でアマ6級、2000でアマ三段、3000でアマ八段が目安とされる。
現在最強の棋士は史上最強なのか
その結果はー。
大山康晴十五世名人、3000前後で推移(年平均16局)。
中原誠十六世名人、3100前後で推移(年平均18局)。
谷川浩司九段、3100前後(年平均12局、ただし、年ごとのバラつきが大きい)。
羽生善治棋聖、3300前後で推移(年平均22局)。
となった。
もしも全盛時の羽生善治棋聖と大山康晴十五世名人が10回対局すると、8勝2敗で羽生棋聖が勝ち越すと推定される、という。また、14歳2ヶ月で史上最年少プロデビューし、以来29連勝で話題となった藤井聡太四段。その29局の棋譜を解析したところ、レーティングは羽生善治棋聖に匹敵する3300であることも分かった。
さらに、2日制と1日制のタイトル戦、早指しのNHK杯を比較すると、同じ棋士でもレーティングに明確な差が出た。2日制に比べて1日制は平均100、NHK杯は平均200ほど低くなるという。その中で加藤一二三氏は、NHK杯でも91しか下がらず、「秒読みの神様」との異名は伊達ではなかったようだ。
江戸時代の棋士7人のレーティングも算出。その結果は、初代大橋宗桂2555、本因坊算砂2611、初代伊藤宗看2510、六代大橋宗英2987、大橋柳雪2556、天野宗歩2758、伊藤宗印2776。歴代家元では最強の名人と言われた六代大橋宗英のレーティングが傑出して高く、近代将棋の祖との異名が裏付けられたようだ。
場合の数が10の220乗と推計される将棋は、その複雑性から、将来にわたってすべての局面を解き明かすことは不可能と考えられている。仮に悪手を指さない神様のような存在があるとすればどうだろうか? そのレーティングは4620~4743の間と推測されるという。
山下さんによれば、悪手率に着目する方法であれば、20 ほどの棋譜で棋士の棋力を推定することができるという。しかし「あくまで、棋譜からの解析」でもある。江戸時代の棋士より、現代の棋士のレーティングが高いのは、将棋そのものの進化を示しているようだ。後段で千田翔太六段が触れているよう、現代の棋士にとってAI(将棋ソフト)を使った研究は当然のこととなっており、情報環境の劇的な進化はプロ・アマ問わず棋力に大きな影響を与えていると考えられる。「過去の棋士が現在の環境に適応すれは、どれほどの棋力を発揮できたかは未知数である」とも、山下さんは強調する。
山下さんは「羽生さんと大山さん、いったいどちらが強いのか」を突き詰めようと、今回の解析を行った。チェスでは同様の論文があったが、将棋では見当たらなかったという。
人間を超えた将棋AIの今後···
(続きはソースで)
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大山康晴十五世名人と羽生善治棋聖、それぞれの全盛期に対局すれば、いったいどちらが強いのか。対戦型ゲームや競技の永遠のテーマ「史上最強はだれだ?」。ファンなら一晩、語り尽くすこともできるだろう。将棋ソフト「YSS」の開発者として知られるフリープログラマーの山下宏さんは「悪手」に注目し、歴代最強と言われる棋士の棋譜を解析、レーティング(強さ)を算出した。その結果はー。
10月に札幌で開かれたITなどの国際コンベンション「No Maps」のカンファレンス「将棋が見せてくれた人工知能の世界」で、山下さんがプレゼンテーションした。
山下さんは、Bonanza6.0(2011年)とGPSFish(2013年)、2種の将棋ソフトを使い、初心者からアマ高段者まで1800局の棋譜を解析。「悪手を指す割合と棋力には関連性がある。悪手が少ないほど強い」ことに着目した。現代の棋界最強と言われる棋士4人の全盛期を比較するため、4人それぞれのタイトル戦の棋譜を基に、平均悪手を変数としてレーティングを算出した。
例えば同じ局面で人間が▲2六歩と指してソフトの評価が+20、機械が▲7六歩と指して評価が+30の場合。人間の手はソフトの手より低い評価なので悪手と認定。それら悪手を分子に、手数の合計を分母にして平均悪手を算出する。
レーティングの算出には、ソフトの解析結果から「−3184☓平均悪手+4620」という式を使った。ネット対局サイト将棋倶楽部24のレーティングは、1000でアマ6級、2000でアマ三段、3000でアマ八段が目安とされる。
現在最強の棋士は史上最強なのか
その結果はー。
大山康晴十五世名人、3000前後で推移(年平均16局)。
中原誠十六世名人、3100前後で推移(年平均18局)。
谷川浩司九段、3100前後(年平均12局、ただし、年ごとのバラつきが大きい)。
羽生善治棋聖、3300前後で推移(年平均22局)。
となった。
もしも全盛時の羽生善治棋聖と大山康晴十五世名人が10回対局すると、8勝2敗で羽生棋聖が勝ち越すと推定される、という。また、14歳2ヶ月で史上最年少プロデビューし、以来29連勝で話題となった藤井聡太四段。その29局の棋譜を解析したところ、レーティングは羽生善治棋聖に匹敵する3300であることも分かった。
さらに、2日制と1日制のタイトル戦、早指しのNHK杯を比較すると、同じ棋士でもレーティングに明確な差が出た。2日制に比べて1日制は平均100、NHK杯は平均200ほど低くなるという。その中で加藤一二三氏は、NHK杯でも91しか下がらず、「秒読みの神様」との異名は伊達ではなかったようだ。
江戸時代の棋士7人のレーティングも算出。その結果は、初代大橋宗桂2555、本因坊算砂2611、初代伊藤宗看2510、六代大橋宗英2987、大橋柳雪2556、天野宗歩2758、伊藤宗印2776。歴代家元では最強の名人と言われた六代大橋宗英のレーティングが傑出して高く、近代将棋の祖との異名が裏付けられたようだ。
場合の数が10の220乗と推計される将棋は、その複雑性から、将来にわたってすべての局面を解き明かすことは不可能と考えられている。仮に悪手を指さない神様のような存在があるとすればどうだろうか? そのレーティングは4620~4743の間と推測されるという。
山下さんによれば、悪手率に着目する方法であれば、20 ほどの棋譜で棋士の棋力を推定することができるという。しかし「あくまで、棋譜からの解析」でもある。江戸時代の棋士より、現代の棋士のレーティングが高いのは、将棋そのものの進化を示しているようだ。後段で千田翔太六段が触れているよう、現代の棋士にとってAI(将棋ソフト)を使った研究は当然のこととなっており、情報環境の劇的な進化はプロ・アマ問わず棋力に大きな影響を与えていると考えられる。「過去の棋士が現在の環境に適応すれは、どれほどの棋力を発揮できたかは未知数である」とも、山下さんは強調する。
山下さんは「羽生さんと大山さん、いったいどちらが強いのか」を突き詰めようと、今回の解析を行った。チェスでは同様の論文があったが、将棋では見当たらなかったという。
人間を超えた将棋AIの今後···
(続きはソースで)
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