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土曜日, 1月 18, 2014

ケア、クーラの神話:再掲

              (リンク::::::::::ハイデガー:インデックスリンク::::::::::存在と時間医学

NAMs出版プロジェクト: ハイデガー「クーラの神話」『存在と時間』#42
http://nam-students.blogspot.jp/2014/06/42.html
NAMs出版プロジェクト: ケア、クーラの神話:再掲
http://nam-students.blogspot.jp/2014/01/blog-post_7340.html (本頁)
NAMs出版プロジェクト: 存在と時間:再考


        現 存 在2
   ____世界=内=存在____
  |       |       |
  世界3     自己4   内=存在5 時間
世界性       |       |    |
環境世界      |       |   過去
場 道具全体性 開示性非本来性/ 了解   現在 瞬視
適所性     決意性本来性   良心   未来
  |       |      企投    |
  |       |       | 存在、存在論1
  |____気遣い、関心_☆___|    | 日常性6
          |____________|


                 
クーラの神話
ハイデガーの『存在と時間』第42節に以下のような神話が引用されており、その他者への気遣いをめぐる考察が福祉関連の人びとに参照されている。


クーラ(気遣い)の神話
in Hyginus’ Fabulae ヒュギーヌスの寓話より

昔、クーラ(気遣い、関心)が河を渡っていたとき、クーラは白亜を含んだ粘土を目にした。
クーラは思いに沈みつつ、その土を取って形作りはじめた。
すでに作り終えて、それに思いをめぐらしていると、ユピテル(ジュピター、収穫)がやってきた。
クーラはユピテルに、それに精神をあたえてくれるように頼んだ。そしてユピテルはやすやすとそれを成し遂げた。
クーラがそれに自分自身の名前をつけようとしたとき、
ユピテルはそれを禁じて、それには自分の名前があたえられるべきだ、と言った。
クーラとユピテルが話し合っていると、テルス(大地)が身を起こして、
自分がそれに自分のからだを提供したのだから、自分の名前こそそれにあたえられるべきだ、と求めた。
かれらはサトゥルヌス(クロノス、時間)を裁判官に選んだ。そしてサトゥルヌスはこう判決した。
ユピテルよ、お前は精神をあたえたのだから、このものが死ぬとき、精神を受け取りなさい。
テルスよ、お前はからだをあたえたのだから、(このものが死ぬとき)からだを受け取りなさい。
さてクーラよ、お前はこのものを最初に形作ったのだから、このものの生きているあいだは、このものを所有していなさい。
ところで、このものの名前についてお前たちに争いがあることについては、
このものは明らかに土humusから作られているのだから、人間homoと呼ばれてしかるべきであろう。



(Fabulae のラテン語テキストには異本が複数ある。これは Heidegger が Sein und Zeit. S.197. で用いているもの。Fabulae の邦訳は、ヒュギーヌス、松田治・青山照男訳『ギリシャ神話集』、講談社学術文庫、2005)
以上、下記サイトより引用。
http://edu-pdc.edu.wakayama-med.ac.jp/kyweb/kantake/ethics/sono2/curamyth.pdf.

注:
サトゥルヌスはクロノス、時間の神
ユピテルはジュピター、収穫の意
クーラは気遣い、関心の意、Cura (Greek Kore)、ペルセポネーのこと
→http://www.bellissimoyoshi.net/romamito.htm

ローマ神 ギリシャ名 機能
テルス ガイア 大地女神
サトゥルヌス クロノス 農耕の神
ユピテル ゼウス ローマの最高神
プロセルピナ ペルセポネ 農業の女神、あるいはペルセポネの移入

画像は、すべてクーラ=ペルセポネーを題材にしたもの。




ハイデガーはこのギリシャ神話、厳密にはローマ神話(寓話)を使って、現存在における気遣いの重要性、時間の優位性を説明しているのだ。ローマ的な契約の原理が印象的だが、前述したようにここには人間の相互性としての福祉、ケアの原理がある。

以下、 田畑 邦治氏のサイトより。
http://secondlife.yahoo.co.jp/health/master/article/d102tkuni_00011.html
<このハイデガーの言う「ゾルゲ」という言葉は、英語では最近よく耳にする「ケア」(care)と訳されていますが、古いラテン語では「クーラ」(cura)という言葉がこれに相当します。ちなみにこれは現代のキュアー(cure)の語源です。日本語では「憂い」とか「関心」「配慮」などと訳されています。>

<さて、この思想を私たちの現代の生活や、介護福祉・医療の現場に置きかえて考えてみると、意外に明るい展望が開かれるのではないかと思います。もちろん関心・配慮に生きることはいつも明るいことばかりではありません。curaが「憂い」とも訳されているように、私たちはこの世界の中で日々さまざまなことに憂慮しています。意に添わない人や仕事を引き受けなければならないとか、それでなくとも人生の無理難題は果てることもないほどです。しかし、ハイデガーが言うように、人間という存在者は、関心(ゾルゲ)のうちに自分の存在の「根源」を持っているのであり、生まれつき「憂い」の刻印を帯びているのです。(中略)高齢社会は「ヒト」から「人」への進化の時代だという趣旨のことを述べましたが、その「人」が「他人の身」を「憂うる」者にまで成長するとき、「優しい人」すなわち人間的「善」が少しずつ実現されるのではないでしょうか。「優しさ」という字は「人」を「憂うる」と書きますから。>

ハイデガーの他者把握には賛否両論はあるだろうが、注目すべきテーマだ(ちなみに、制作を主題としてみたとき上記の神話はまた別の側面を持つようにも思う。またローマにおける制作に対する法律の優位という主題も読み取れる)。
ハイデガーの考察を中間におくことにより、季刊「at」に連載中のケア論と世界歴史の把握をめぐる柄谷氏の論考の間などにも、補助線が引かれ得る。


参考関連サイト及び書籍:
高橋隆雄・中山將編『ケア論の射程』九州大学出版会
村田久行『ケアの思想と対人援助』

村田久行氏は傾聴理論で知られている。

11 件のコメント:


  1. http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140119-00000501-san-hlth

    認知症、難しい「排泄ケア」 プロに聞く失敗しない技

    産経新聞 1月19日(日)8時0分配信
    認知症、難しい「排泄ケア」 プロに聞く失敗しない技

    認知症の人の排泄誘導のヒント(写真:産経新聞)

     認知症の人のケアで難しいとされるのが排泄(はいせつ)ケア。ときには、オムツをはぎ取る、垂れ流すなどの悩みも聞かれ、在宅を諦める最大の要因と言えそうだ。一方で、高齢者の入居施設や特別養護老人ホームなどではオムツを極力減らすのが最近の傾向。プロが行う「事前ケアの技」を聞いた。(佐藤好美)

     昼食が済み、入居者らが食堂でテレビを見ていた午後2時半。東京都品川区にある「ケアホーム西大井こうほうえん」で、スタッフらは時計を確認すると、認知症で要介護3の高齢者に耳元で声をかけた。

     「トイレに行く?」

     同意した高齢者の両手を取ると、ゆっくり立ってもらい、トイレまで両手を引き、無事、個室に誘導した。

     「ケアホーム西大井」は介護サービスがパッケージになった「サービス付き高齢者向け住宅」。入居者48人全員が介護保険の対象で、うち34人には何らかのトイレ介助が必要。個々人のタイミングを把握し、時間を見計らってトイレに誘い、排泄介助をする。最重度の要介護5の人も例外ではない。

     看護師で施設長の田中とも江さんは特別養護老人ホームでの経験もあり、「施設の質は排泄で決まる」が持論。身動きできない厚いオムツをつける施設や、スタッフが定時にカートでオムツ交換に回る施設は「ダメな施設」と言い切る。

     ケアする人が最もダメージを受けるのが、認知症の人が自身の尿や便を触る弄便(ろうべん)。だが田中さんは、(1)状態の悪い便が出ている(2)オムツに頼り、適切なトイレ誘導ができていない-を原因に挙げる。「状態の悪い便はお尻につくし、オムツがつけっぱなしだと認知症の人は気持ちが悪くて触る。状態が悪いと便をふきとるのも大変だが、認知症の人は、『じっとしててね』と言われても、なぜお尻を出していなければならないのか、なぜお尻に触られるのか分からない。だから嫌がる。それを抑えつけるから暴れる、悪循環です」。その結果、認知症の人は「困った人」「汚い人」になってしまう。

     オムツやパッドの中で排泄すると、感染症の元にもなるので、排泄を失敗させない、汚れ物を出さない「事前のケア」が大切だ。

     田中さんは3つの鍵を挙げる。1つは「膀胱(ぼうこう)の見える化」。同ホームでは、小型の膀胱内尿量測定器「ゆりりん」を入居時などにつけてもらい、個々の排泄サイクルを把握する。特に、夜のサイクルを知るのが重要。起こす時間を知るためだ。

     2つめは、良い便を作ること。下剤は便の状態が悪くなる。「バナナ便」を出すために、水分を1日に1500ミリリットル、食物繊維を15~16ミリグラム取る。食事で不足する場合は、市販の食物繊維「サンファイバー」(通販などで購入可能)を足す。

     3つめは寝かせきりにしないこと。起こさないと関節の動きが悪くなる「拘縮」が進むし、活動量が少ないと、トイレで踏ん張れる力が出ないためだ。「とにかく、ベッドから出すこと。縁側に行けば光を浴びることができるし、近所の人が声をかけてくるかもしれない。地域との関わりは縁側からです」

     ■良い循環で本人に落ち着き 

     田中さんに家でできる排泄誘導のヒントを聞いた。まずは、サインのキャッチ。「認知症の人は尿意がない」などとされるが、田中さんは「尿意はあるが、うまく伝えられないだけ」と言う。

     オムツやパッドを使っている場合はまず、尿量をキッチンばかりなどで量る。未使用オムツの重量は差し引く。トイレでオムツを外した直後に出ることも多い。その分も量るには、市販の採尿容器「ユーリパン」が便利だという。一日の尿量を記録すると、多い時間帯が分かるので、その少し前にトイレに誘う。

     トイレに誘っても、「行かない」「今はいい」という高齢者も多い。立ち上がってもらうために、「『ちょっとおつきあいしてください』など、その気になる言葉で誘う」(田中さん)。

     便座に座ったら20分程度は待ちたい。だが、しびれるし、疲れるし、今の時期は寒い。そうならないよう、市販のソフト便座や台などを用意して快適にする。

     尿量を量る作業は大変そうだ。田中さんは「そんなことまでしていられない、とよく言われるが、オムツのために介護が大変になっている面もある。オムツが外れると介護が楽になるし、排泄が落ち着くと本人も落ち着く。食事量も進み、良い循環になる。要介護4でも5でもトイレに行けないことはない。施設だから、在宅だからできないこともない」と言う。

     家でタイミングがつかめたら、デイサービス(通所介護)やショートステイ(短期入所)でも良い状態を継続したい。ケアマネジャーに排泄介助をケアプランに盛り込んでもらい、「○時頃に声をかけてトイレに誘導してください」と伝えるよう、田中さんはアドバイスしている。

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  2. チャンネル [総合]
    2014年1月14日(火) 午前8:15~午前9:55(100分)
    ジャンル 情報/ワイドショー>暮らし・住まい
    情報/ワイドショー>健康・医療
    ドキュメンタリー/教養>社会・時事
    番組内容▽春までに達成“メリハリ脚” 足首くびれ・復活体操 ▽むくみ解消スゴ技 ▽医師が方言研修…意外な事情【ゲスト】假屋崎省吾,浜島直子,整形外科医…佐野みほろ ほか
    出演者ほか【ゲスト】假屋崎省吾,浜島直子,整形外科医…佐野みほろ,【講師】料理研究家…藤野嘉子,【キャスター】井ノ原快彦,有働由美子,駒村多恵,【リポーター】宮下純一,古原靖久,山田大樹,【語り】小林優子
    詳細【講師】料理研究家…藤野嘉子,【キャスター】井ノ原快彦,有働由美子,駒村多恵,【リポーター】宮下純一,古原靖久,山田大樹,【語り】小林優子 <中断>9:00-9:05  ニュース・気象情報
    この番組の放送予定をメールでお知らせします。(NHKネットクラブの無料会員登録が必要です。)

    3:53 午後 削除
    Blogger yoji さんは書きました...

    「魔法のよう」と称賛 フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」
    http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/131024/lif13102417010010-n3.html



     続いて本田医長は、ユマニチュード実施から数日後、同じ女性が穏やかにケアを受ける映像を流した。女性は「怖くて怖くて、泣いていたのよ」と話していた。対応するのは同じ看護師だが、一人はケアに専念し、もう一人は女性のごく近くから顔を見つめ、話し相手に徹している。

     先月、東京都内で「病院職員のための認知症研修会」が開かれた。主催は「全日本病院協会」(西澤寛俊会長)。招かれた本田医長が約160人の看護師やリハビリ療法士らに「ユマニチュード」を講演。ワークショップを行った。

     ユマニチュードは、フランス人のイブ・ジネストさんとロゼット・マレスコッティさんが完成させた。ケアの柱は、(1)見る(2)話しかける(3)触れる(4)立つ-の4つ。約150の技術があり、フランスの病院では向精神薬の処方が減ったり、スタッフの負担減により離職率が低下したりするなどの効果が報告されているという。




     本田医長は技法をフランスで学び、教える資格を得た。「ユマニチュードは、世の中にある『良いケア』を体系化したもの。個々の技術はこれまで行われてきたものでも、フランス的な哲学で裏打ちされ、包括的に行う点が新しさです。人は見つめてもらい、誰かと触れあい、言葉を交わすことで存在する。そして、死に至る日まで、できるだけ立つことで人としての尊厳を自覚する。こちらがそう対応を変えることで、患者も変わっていくのです」と言う。

     東京医療センターでは、本田医長の他に3人の看護師が初級インストラクターの資格を取り、実践している。導入で、治療に非協力的だった人が口の中に軟膏(なんこう)を塗らせてくれたり、ケアの際につばを吐いたり、ひっかいたりしていた人が「ありがとう」と言ってくれるまでになった。本田医長は「良好なコミュニケーションが持てるようになることでケアの困難な状況が改善し、患者本人と看護師双方の負担が減っている」と話す。

     この日、本田医長は医療職にこう語りかけた。「優しさを伝える技術は後天的に学習できる。個人の優しさを追求されると、うまくいかないときには心が折れて燃え尽きるが、ユマニチュードは技術として行うもの。つらい思いをせずに実践できるんです」



     ■「同じ目の高さで話す」が最も大切

     嫌な相手、関わり合いになりたくない相手と視線を合わせないようにした経験はないだろうか-。ユマニチュードには4つの柱があるが、家庭でもできる3つを示した。

     最も大切なのは「見る」こと。相手を威圧する見下ろす視線や、斜めや横からの視線は避け、同じ目の高さで話す。対等な関係を伝えるためだ。認知症の人は視野が狭いため、近づくときは正面から近づき、鼻先20センチくらいの距離から見る。チラッとではなく、「0・4秒以上」(本田医長)見る。

     話すときは前向きな言葉を選ぶ。医療機関では「おはようございます。点滴です」より、「おはようございます。良い天気ですね」と話を始めることが推奨される。会話を楽しんでいる雰囲気を伝えるためだ。相手の反応がなくても黙りこまない。2人で体を拭くときは、一人が患者の体を支えて前から向き合い、視線をとらえて話す役になり、もう一人が体を拭く役になる。

     立てる人には、歯磨きや清拭の際に立ってもらう。筋力保持のためだけでなく、立つことで視界が開け、より多くの情報が届くという。

    返信削除


  3. アリストテレス『弁論術』第二巻(のうち第2~11章)は、情念論の原型である。アリストテレスは、

    怒り2と 穏和3、
    友愛と  憎しみ4、
    恐れと  大胆さ5、
    恥と   無恥6、
    親切と  不親切7

    という具合に、感情論を対になる感情の組み合わせで論じている。これらに続いて、

    憐れみ8、義憤9、
    妬み10、
    競争心11

    を取り上げている。
    (参考:濱岡剛:不平等をめぐる感情)
    http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~hamaoka/hamaoka/essays/indignation&envy.pdf


    以下、藤江泰男氏作成、
             〈アリストテレスの中庸の徳・一覧表 〉

     項           不足         中間性       過剰
                            ・中庸 
    恐れと平静       むこうみず      勇気        臆病
    快楽と苦痛(自分)   無感覚        節制        ふしだら
    財貨の供与と取得(小) さもしさ      (もの惜しみしない) しまりなさ
                           心の広さ 
    財貨の供与と取得(大) 卑小         豪気        俗悪と陳腐
    名誉と不名誉(大)   卑屈         高邁        虚栄
    名誉と不名誉(小)   功名心のない人    無名称       功名心のある人
    怒り          腑抜け        温和        怒りっぽい
    言葉と行為(真)    おとぼけ       真実        はったり
    言葉と行為・遊び(快) 野暮         機知        道化
    言葉と行為・生活(快) つむじ曲り・気難しや 情愛        御機嫌取り・胡麻すり
    情           恥知らず       恥を知る      引っ込み思案
    苦痛と快楽(他人)   人の悪い喜び     義憤        嫉み
    正義(第5巻)                全般的・特殊的正義

    『ニコマコス倫理学』II-7 から作成。訳語も藤江泰男氏のもの。
    http://ir.lib.sugiyama-u.ac.jp/dspace/handle/123456789/331

    「徳とは選択にかかわる性格の状態(ヘクシス・プロアイレティケー)なのであり,そ
    の本質はわれわれとの関係における中庸(メソテース)なのである,ということになる
    が,その場合の中庸とは,道理(ロゴス)によって,しかも思慮ある人が中庸を規定す
    るのに用いるであろうような道理によって規定されたものなのである 。」
    (『ニコマコス倫理学』,II-6, 1106b–1107a. 40)



    以下、村田久行『ケアの思想と対人援助』 65頁より、
    キューブラー・ロス『死ぬ瞬間("Stafes" of Dying)』におけるチャートとの比較。
    http://yojiseki.exblog.jp/7748670/
                  死の先駆に関しては『存在と時間』#49-53参照。

        "Stafes" of Dyingと本来的な自己存在への移行表

     Stages    非 本 来 的       本 来 的
       of 
      Dying   空談 好奇心 曖昧性   沈黙 内省 決意性
       否認      @  @  @
       怒り      @  @  @
       取り引き       @  @      @  @
       抑鬱            @      @  @
       受容                   @  @  @

      『死ぬ瞬間』       『 存 在 と 時 間 』


    __________________


    世界退屈1
              自己退屈3
        内存在退屈2


        時間性退屈(2)



    『形而上学の根本諸概念』退屈論との対応関係

           現 存 在 
       ___世界=内=存在____
      |      |       |
      世界 __内=存在     自己
      | |      \_不安  |  
      | | 了解_頽_企投_  内|   
      | |/視__落_好奇心\・存・・関心
      |  |語り___沈黙_| 在| 気遣い
      |  情状性___不安_/ ・| |
     _|_ (気分) 良心  死 ・| |
    |   |・     ______| |
    |   |・  __|__C・ ・  |
    | A |・非本来的/本来的・・自  |
    |   |・ |   ・  ・ 己  |
    |世界性|開示性_決意性_先駆的・  |
    環境世界|        決意性・  |
    |   道具全体性_適所性・・・世  |
    場             ・ 界  |   
            配慮/瞬視 ・  (日常性)
      過去____現在____将来  時間性 
      既在性___現成化___到来__脱自態 
           B 今       (内部性) 
                      歴史性
                     (存在論)

    A退屈の第一形式(世界性)
    B退屈の第二形式(時間性)
    C退屈の第三形式(内=存在、自己)
     『存在と時間』第65節(気遣いと時間性)参照

    補足:
    退屈=根本気分のひとつ
    (気分は情状性、心境の様態)


    2は時間性と内存在が合わさっているとも解釈できる
    時間性は2にも当てはまる

    2は複合的に解釈できる

    1:32 午前
    Blogger yoji said...
    内存在は了解において第三形式だ

    1:49 午前
    Blogger yoji said...

          →旧岩波、最新岩波文庫目次、比較用目次、図

            現 存 在2
       ____世界=内=存在____
      |       |       |
      世界3_____自己4   内=存在5
      | | ____________|  不
      | ||    頽        \_安
      | || 了解_落__企投  内    
      | ||/視___好奇心 \・存
      | | |語り____沈黙| 在
      | | 情状性____不安/ ・  
     _|_ \(気分)  良心 死 ・  
    |   | \____ ・  ・ ・ 気遣い  
    |   | ・  __|__ ・ 自・・関心
    |   | ・非本来的/本来的・・己  |
    |   | ・ |   ・  ・ ・  |
    |世界性| 開示性_決意性_先駆的・  |
    環境世界|         決意性・  |
    |   道具全体性_適所性・・・・世  |
    場              ・ 界  | 
            配慮/瞬視  ・  日常性6
      既在性___現成化___到来_(脱自態)
      過去____現在____未来  時間性 
             今        内部性 
                      歴史性
                   存在、存在論1


    自己を中央に置く方が優れている

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  4. 【性科学】妊婦のストレス、喫煙などが子供のゲイ化に関与か…オランダのアムステルダム大学・神経生物学の教授が著書で新説発表
    1 :チリ人φ ★:2014/01/26(日) 14:23:17.83 ID:???
    母親が妊娠中にタバコを吸っていると、我が子のセクシュアリティに異変が生じる確率が高くなる。オランダの
    アムステルダム大学・神経生物学の教授がこんな研究結果を英紙に発表し、物議を醸している。

    タバコのパッケージやアルコール飲料のラベルに、妊娠中の飲酒や喫煙が胎児に及ぼす影響についての
    警告文が書かれるようになってからもう長い。喫煙癖のある妊婦から未熟児が誕生するリスクは、非喫煙者から
    産まれた赤ちゃんに比べて高くなるほか、分娩にあたっては「常位胎盤早期剥離」が発生することもあるという。

    すでに多くの女性がそうした知識を得ている中、このほど「子供のゲイ(同性愛者)化は胎児期の環境も一因」
    との説が発表された。オランダのアムステルダム大学・神経生物学のディック・スワーブ教授は英メディア
    『Sunday Times』紙に、「飲酒、喫煙、ドラッグ依存、ホルモン療法、空気の汚染。母親がこうした環境にあると
    胎児に影響を与えるほか、誕生後何年も経ってから何かしらの異変が生じてくることがある。セクシュアリティに
    ついても様々な要因がわかってきた」として新しい説を唱えた。

    「妊娠中の飲酒とドラッグは子供のIQを下げると言われるが、空気をはじめとする環境汚染は自閉症リスクと
    無縁ではない」と教授。また合成ホルモン剤および妊娠中の喫煙は女の子をレズビアンかバイセクシュアルに
    させる可能性があり、特に喫煙に合成覚醒剤アンフェタミンの使用が伴った場合、その確率がぐんと上がる
    とした。意外なところでは、兄がたくさんいる男の子はゲイになる確率が高いと教授は指摘する。その理由を
    「男の子は女の子に比べて男性ホルモンが多いため、女性は男の子を出産するたびにそれに対する免疫機能を
    強めてしまうためだ。また母親の精神的ストレスが胎児の性ホルモンの状態を左右することがある」と
    説明している。

    ただしスワーブ教授は、「最終的にはやはり親から受け継いだ遺伝子がほとんどのことを決める」と強調する。
    その中で、このたび教授が唱えた説については「こういう異変が生じることもある」という程度に受け止め、
    母親は妊娠中のライフスタイルについて十分に気をつけて欲しいとしている。

    http://news.livedoor.com/article/detail/8468061/


    Sunday Times記事(注意:全文閲覧は要登録)
    http://www.thesundaytimes.co.uk/sto/news/article1364975.ece

    Metro News記事
    http://metro.co.uk/2014/01/19/smoking-during-pregnancy-could-make-your-baby-gay-claims-controversial-study-4268925/

    Mail Online記事
    http://www.dailymail.co.uk/news/article-2542093/Smoking-drinking-pregnancy-increase-chances-baby-gay-claims-professor.html


    Dick画像
    http://i.dailymail.co.uk/i/pix/2014/01/20/article-2542093-1ACBA47B00000578-239_306x467.jpg

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  5. <統合失調症治療薬>使用後に21人死亡…販売開始5カ月で
    毎日新聞 4月17日(木)19時22分配信
     厚生労働省は17日、統合失調症治療薬「ゼプリオン」の使用後に死亡した患者が昨年11月の販売開始から5カ月で21人に上ると発表した。いずれも薬との因果関係は不明だが、同省は製造販売元のヤンセンファーマ(東京都千代田区)に対し、複数の抗精神病薬を併用する不安定な患者への使用や過剰な投与をしないよう医師向けの添付文書を改訂し、医療機関に注意喚起するよう指示した。

     厚労省によると、この薬は肩などの筋肉に4週間に1回注射し、症状を抑える。今月15日までに推計で約1万900人が使用し、効果が長く持続するのが特徴という。

     製薬会社の市販後の調査で、今月16日までに20~70代の男女21人が使用後に死亡していたことが判明。死因は心筋梗塞(こうそく)や肺炎、多臓器不全のほか、嘔吐(おうと)物による窒息や自殺などもあった。投与開始から死亡までの日数も数日から100日以上のケースまであった。

     この薬は主に症状の安定した患者が対象だが、症状が悪化しているのに投与を始めたり、複数の抗精神病薬と併用していたりする事例もあった。投与量が過剰とみられるケースもあった。

     この薬は2012年末時点で60以上の国と地域で使用されているが、今回ほど短期間に多数の死亡例が報告されたことはないという。【桐野耕一】

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  6. http://www.tbs.co.jp/houtoku/onair/20140510_2_1.html#
    “ユマニチュード”で認知症と向き合う (2014/5/10 放送)
    超高齢化社会を迎える日本では、認知症患者も年々増え続けている。
    時に暴れたり怒鳴ったりする認知症患者にどう向き合うべきか?介護の困難さが叫ばれる中、仏で考案された“ユマニチュード”という手法が注目されている。
    それは、人が人であるために必要なもの、その原点を見つめた手法だった。

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  7. http://www.nhk.or.jp/gendai-blog/100/180378.html
    2014年02月05日 (水)
    認知症ケア"ユマニチュード"とは?
    きょう(2/5)のクロ現は「見つめて 触れて 語りかけて ~認知症ケア“ユマニチュード”~」です。

    (番組趣旨より)

    認知症の高齢者の暴言・暴力や徘徊など、いわゆる“周辺症状”の対応に悩む医療や介護の現場で、“ユマニチュード”と呼ばれるフランス生まれのケアを導入する動きが広がっている。「見つめる」「話しかける」「触れる」「立つ」を基本に、“病人”ではなく、あくまで“人間”として接することで認知症の人との間に信頼関係が生まれ、周辺症状が劇的に改善するという。「入浴のたびに大声を上げていた認知症の母から『ありがとう』と言われた」「寝たきりの祖父が歩くことが出来た」など、家族からは驚きの声も寄せられ、在宅ケアに生かそうという取り組みも始まっている。認知症の人がより良く生を全うする助けとなる“ユマニチュード”、その可能性を伝える。
    プレビューをみてきました。

    高齢者の認知症は、暴言や暴力で、医療や介護の現場、そして家族までが対応に苦慮してしまうことが少なくありません。

    認知症の主な症状では、記憶する機能が弱まり、そのことで自分が置かれている状況が分からなくなり、不安やいらだちが募り、その結果「暴力や暴言、不眠や意欲の低下」などを引き起こしてしまいます。
    さらに入院するときは、病気やケガで不快な気分になっているうえに、病院という生活環境の変化によって、認知症が進みやすいといいます。

    認知症は予備軍も含め、800万人以上言われているなか、新しいケア“ユマニチュード”が注目されています。
    このケアのねらいは、認知症の高齢者とのコミュニケーションの改善です。
    フランスでは、35年前から研究が進み、今では、ドイツやカナダなどでも導入されています。



    VTRで、登場する“ユマニチュード”を考案したイヴ・ジネストさんの患者との接し方には4つの基本があるといいます。

    「見る」=ベッドの脇から見下ろすのではなく、本人の正面から近づき、見つめる。
    「話す」=相手が心地よく感じる言葉を穏やかな声で話しかけ続ける。
    「触れる」=手首をつかむのではなく、本人の動こうとする意思を生かして、下から支える。
    「立つ」=人間は立つことで筋力が鍛えられ、骨が強くなり、呼吸機能の劣化を防ぐ。

    ユマニチュードを体験した、介護施設の職員は「人と人としての関係づくりが大事」だと感じたといいます。

    認知症は、難しい課題ですが、解決できれば、患者本人に笑顔が戻り、家族も穏やかな気持ちになる。そして、医療にあたっている人も、やりがいのある仕事に就いているという誇りを取り戻すことができる、といいます。

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  8. http://www.rbbtoday.com/article/2015/05/29/131763.html

    女子専門学生が発案! NFC搭載デバイスを活用した徘徊対策アプリ「おうちにカエろう」
    2015年5月29日(金) 15時43分
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    【特集】防犯システムNAVI
    ├【防犯防災総合展2015#005】段差・不整地・雪上を走破する進化した…
    ├【防犯防災総合展2015#004】SFキャラや怪獣を彷彿、個性派デザイン…
    └大日本印刷が英デラルー社と業務提携、偽造防止技術を世界展開へ

    徘徊対策用介護支援アプリ「おうちにカエろう」を作った女子学生たち。もう1名は都合により今回は来場できなかったとのこと

    腕時計型、お守り型、キーホルダー型のNFC端末が展示されていたが、利用者の好みで好きなものに貼り付けることができる

    「おうちにカエろう」の利用イメージ。認知症の患者の方、地域の人々、介護者の三者をコミュニケーションでつなぐサービスとなる

    日本Androidの会」にブースの1コーナーとして展示されていた徘徊対策用介護支援アプリ「おうちにカエろう」


     東京ビッグサイトで開催されている「ワイヤレスジャパン2015」に出展していた「日本Androidの会」にブースにて、徘徊や迷子対策として、NFC搭載デバイスと専用アプリを使った介護支援アプリ「おうちにカエろう」が展示されていた。

     このアプリは、横浜医療情報専門学校の医療IT科に在籍する女子学生4人(チームMEAD)が、社会問題となっている認知症患者の徘徊問題を地域の人々との結びつきを活用して解決しようという志をもとに開発された。

     仕組みとしては、万引き防止機器などに使われていることでも知られているNFCタグシールを貼り付けた端末(NFCデバイス)を、無料の専用アプリを入れたスマートフォンで読み取ると、NFCデバイスにあらかじめ登録されている情報がアプリに表示され、介護者や家族に連絡ができるというもの。

     NFCデバイスの情報を読み取るには、アプリが入ったスマートフォンなどを直接かざす必要があるが、実はそれも開発した女子学生4人の狙いだという。人間関係が希薄になっていることが指摘される現代の日本において、地域の人たちがコミュニケーションを取りながら徘徊対策に取り組んでいけるサービスにしたという思いがあるそうだ。

     本アプリは、学校法人岩崎学園・情報科学専門学校・横浜医療情報専門学校が主催する「ISGプログラミングコンテスト」で、2015年の最優秀賞を受賞している。

     NFCデバイスは、腕時計型やお守り型、キーホルダー型が展示されており、利用者の好みに合わせてさまざまな持ち歩けるものに貼り付けることも可能。アプリは、誰でもカンタンに使えることをコンセプトにしており、無料かつ契約不要で利用できる。

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  9. http://www.rbbtoday.com/article/2015/05/29/131763.html

    女子専門学生が発案! NFC搭載デバイスを活用した徘徊対策アプリ「おうちにカエろう」
    2015年5月29日(金) 15時43分
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    【特集】防犯システムNAVI
    ├【防犯防災総合展2015#005】段差・不整地・雪上を走破する進化した…
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    └大日本印刷が英デラルー社と業務提携、偽造防止技術を世界展開へ

    徘徊対策用介護支援アプリ「おうちにカエろう」を作った女子学生たち。もう1名は都合により今回は来場できなかったとのこと

    腕時計型、お守り型、キーホルダー型のNFC端末が展示されていたが、利用者の好みで好きなものに貼り付けることができる

    「おうちにカエろう」の利用イメージ。認知症の患者の方、地域の人々、介護者の三者をコミュニケーションでつなぐサービスとなる

    日本Androidの会」にブースの1コーナーとして展示されていた徘徊対策用介護支援アプリ「おうちにカエろう」


     東京ビッグサイトで開催されている「ワイヤレスジャパン2015」に出展していた「日本Androidの会」にブースにて、徘徊や迷子対策として、NFC搭載デバイスと専用アプリを使った介護支援アプリ「おうちにカエろう」が展示されていた。

     このアプリは、横浜医療情報専門学校の医療IT科に在籍する女子学生4人(チームMEAD)が、社会問題となっている認知症患者の徘徊問題を地域の人々との結びつきを活用して解決しようという志をもとに開発された。

     仕組みとしては、万引き防止機器などに使われていることでも知られているNFCタグシールを貼り付けた端末(NFCデバイス)を、無料の専用アプリを入れたスマートフォンで読み取ると、NFCデバイスにあらかじめ登録されている情報がアプリに表示され、介護者や家族に連絡ができるというもの。

     NFCデバイスの情報を読み取るには、アプリが入ったスマートフォンなどを直接かざす必要があるが、実はそれも開発した女子学生4人の狙いだという。人間関係が希薄になっていることが指摘される現代の日本において、地域の人たちがコミュニケーションを取りながら徘徊対策に取り組んでいけるサービスにしたという思いがあるそうだ。

     本アプリは、学校法人岩崎学園・情報科学専門学校・横浜医療情報専門学校が主催する「ISGプログラミングコンテスト」で、2015年の最優秀賞を受賞している。

     NFCデバイスは、腕時計型やお守り型、キーホルダー型が展示されており、利用者の好みに合わせてさまざまな持ち歩けるものに貼り付けることも可能。アプリは、誰でもカンタンに使えることをコンセプトにしており、無料かつ契約不要で利用できる。

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  10. ハイデガーが聴いた音楽: http://wp.me/p5ELdY-ax @PhiloMandPさんから

    では, 例によって例のごとく前置きが長くなってしまいましたが, このよくも悪くも 20 世紀最大の哲学者ハイデガーによる一流の恋文集から笑, いやもうこれね, すごいっすよ笑, ほんーと, 読む価値あります笑, ではでは, ハイデガーがどのような音楽をたしなんでいたかを紹介しましょう.

    まずは演奏会について, ハイデガーからアーレント宛, 1925年 9 月 14 日の手紙から.

    「もしも仕事の手があいたら, 九月二一日にちょっと山を降りてフライブルクへ行ってくる---グルリットがコレギウム・ムジークムで, ドイツ・バロック音楽をプレトリウス・オルガンで演奏するのだ ( プレトリウス, シャイト, パッヘルベル, ブクステフーデ )」

    プレトリウス Michael Praetorius , シャイト Samuel Scheidt , パッヘルベル Johann Pachelbel, ブクステフーデ Dieterich Buxtehude いずれも 16 〜 17 世紀頃の音楽家で, 作曲家・オルガン奏者でした.

    この演奏会に実際に行ったのかどうか, また感想のようなものは, この書簡集にみられないのが残念ですが, なかなか素敵じゃないですか. ドイツ・バロックだなんて.

    今谷 和徳『バロックの社会と音楽 ( 上 ) イタリア・フランス編』( 音楽之友社, 1988 )
    今谷 和徳『バロックの社会と音楽 ( 下 ) ドイツ・イギリス編』( 音楽之友社, 1988 )

    ハイデガーが演奏会へ行く記録は他にも, 1951 年 2 月 6 日のハイデガーからアーレント宛の手紙にでてきます. 同年の 1 月に, カール・オルフ Carl Orff 『アンティゴネー』Antigone の上演に行っています. このソフォクレスの悲劇をもとにした音楽劇 ( オルフ自身は, 自らの音楽劇を「世界劇」と称していました ) を, ハイデガーは公演を気に入ったようで, 同じ手紙において,

    「完全にヘルダーリン訳を使った音楽。これほどのものをわたしは久しく味わったことがない」

    「オルフは所作と踊りとことばの根源的な統一にまで遡るもの、そこから激しく生まれ出てくるものを、表現することにかなり成功している。オルフはヘルダーリンをとおして、ある独自の仕方でギリシャ的なものへ到達したのだ。ある瞬間瞬間に、神々がそこにいた。」

    と評しています. これは要するにめっちゃヤバかった, と言いたいわけです.

    また前述の通り. アーレント宛の手紙の冒頭に, 楽曲名を記載してもいます. たとえば, ベートーヴェン「ピアノソナタ第32番 ハ短調 作品111」 ( 1950 年 4 月 12 日の手紙 ) や ,

    ハインリヒ・シェンカー ( 著 ), 山田三香 他 ( 訳 )『ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番 op.111 批判校訂版: 分析・演奏・文献』( 音楽之友社, 2014 )

    バッハ「ブランデンブルク協奏曲 第三番 第二楽章 アレグロ」( 1950 年 3 月 19 日の手紙 ) です. ブランデンブルク協奏曲は他に, 1950 年 10 月 6 日の手紙にも記述がでてきます (「第 1 番 最終楽章」) . 「この曲, 知ってる ? 」みたいなノリで笑.

    ヴェルナー・フェーリクス ( 著 ), 杉山好 ( 訳 )『バッハ』 ( 講談社学術文庫, 1999)

    いまなら LINE で Youtube の URL を紹介し合うみたいな感じでしょうか.

    このように, ハイデガーの著作から音楽についてのまとまった考察を見つけるのはなかなか難しいですが, ハイデガーは音楽をたしなんでいたことがわかります. バッハ, ベートーヴェン, そして当時の最先端だったオルフ, やっぱ音楽でもドイツ! なんですね.

    ハイデガーに, 音楽をメインにした考察がなぜ少ないのか. あるいは, ハイデガー哲学で音楽を論じるとどうなるのか. といった空想は面白いかもしれませんが… このエントリーではそこまで突っ込みません.

    秋の夜長, ブランデンブルク協奏曲を聴きながら『存在と時間』を読む…, これはちょっと相当なマルチタスク力が必要ですが笑, 両作ともスゴい密度ですので笑, ブランデンブルク協奏曲を聴きながらハイデガーとアーレントの書簡集を読む, なんてのはありかもしれませんね. いや, ないな…, 本読むときは音楽消したいしな…

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  11. (Fabulae のラテン語テキストには異本が複数ある。これは Heidegger が Sein und Zeit. S.197.
    で用いているもの。Fabulae の邦訳は、ヒュギーヌス、松田治・青山照男訳『ギリシャ神話集』、
    講談社学術文庫、2005 がある)
    『存在と時間』第42節に以下のような神話が引用されており、その他者への気遣いをめぐる考察が福祉関連の人びとに参照されている

    クーラ(気遣い)の神話 in Hyginus’ Fabulae ヒュギーヌスの寓話より

    昔、クーラ(気遣い、関心)が河を渡っていたとき、クーラは白亜を含んだ粘土を目にした。
    クーラは思いに沈みつつ、その土を取って形作りはじめた。
    すでに作り終えて、それに思いをめぐらしていると、ユピテル(ジュピター、収穫)がやって
    きた。
    クーラはユピテルに、それに精神をあたえてくれるように頼んだ。そしてユピテルはやすやす
    とそれを成し遂げた。
    クーラがそれに自分自身の名前をつけようとしたとき、
    ユピテルはそれを禁じて、それには自分の名前があたえられるべきだ、と言った。
    クーラとユピテルが話し合っていると、テルス(大地)が身を起こして、
    自分がそれに自分のからだを提供したのだから、自分の名前こそそれにあたえられるべきだ、
    と求めた。
    かれらはサトゥルヌス(クロノス、時間)を裁判官に選んだ。そしてサトゥルヌスはこう判決した。
    ユピテルよ、お前は精神をあたえたのだから、このものが死ぬとき、精神を受け取りなさい。
    テルスよ、お前はからだをあたえたのだから、(このものが死ぬとき)からだを受け取りなさい。
    さてクーラよ、お前はこのものを最初に形作ったのだから、このものの生きているあいだは、
    このものを所有していなさい。
    ところで、このものの名前についてお前たちに争いがあることについては、
    このものは明らかに土humusから作られているのだから、人間homoと呼ばれてしかるべきで
    あろう。


    注:サトゥルヌスはクロノス、時間の神。ユピテルはジュピター、収穫の意。クーラは気遣い、
    関心の意、Cura (Greek Kore)、ペルセポネーのこと

    ローマ神     ギリシャ名     機能
    テルス       ガイア      大地 女神
    サトゥルヌス    クロノス     農耕の神
    ユピテル      ゼウス    ローマの最高神
    プロセルピナ  ペルセポネ   農業の女神、あるいはペルセポネの移入

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