ページ

土曜日, 6月 27, 2015

民間貯蓄2種 by ピケティ

21世紀の資本第五章より
  民間貯蓄の構成要素二つ 
 ついでなので、民間貯蓄に構成要素が二つあることも明らかにしておこう。民間個人が直接行った貯蓄
(世帯可処分所得のうち、ただちには消費されない部分)、そして企業がその所有者である民間個人に
わり、直接的あるいは金融投資を通じて間接的に行う貯蓄だ。この二番目の構成要素は、企業が再投資す
る利益(「内部留保」とも呼ばれる)が占めており、国によっては民間貯蓄総額の半分にも達する(表5−2参照)。

21世紀の資本第五章の表によれば、日本は企業の内部留保が多い。
1990年代以降、特に財閥が持ち株会社=ホールディングスとして復活したのも大きいだろう。
来日時は高齢者に富が集中することも議論されたが…。
また、ピケティが富の所有者を三段階に分けたのが画期的だ
例えば資本家という言葉だと各時代によって解釈が変わるが、
所得上位者10%中位40%下位50%に分ければどの時代にも適応できる。

ピケティの指摘では、低成長期に資本、ストックが重要になる。

全体が成長していないのに格差が拡大することが問題視される。

格差そのもの、その固定化はそこまで問題視されない。

格差の拡大が低成長の原因だという仮説がそこにある。

この仮説によってピケティとマルクスが再び交わる。



ピケティはスウェーデンの平等主義を実態から遊離しているとしてあまり評価しないようだ。
ただスウェーデン学派には見るべきものがある。
教育、育児が重要になるのは無論だが、
同一労働同一賃金がないと国家による分配にすべてを委ねるという結論になってしまう。
スウェーデン学派は自由主義と国家主義にさらに分かれるが、この同一労働同一賃金を
主張したのは自由主義的、限定的福祉国家主義者(ミュルダール等)だ。
(ミュルダールの動学志向はRBC,DSGEに近い部分がある)

国家主義的?なヴィクセルは累進課税の根拠を限界効用理論に求めたが、
ピケティは限界生産性は大企業の役員の莫大な報酬を正当化するとして否定する。
ならばピケティの資本税の根拠は何か?
ここでピケティは永久平和論のカントに近づく。



 《 民間貯蓄の構成要素二つ 
 ついでなので、民間貯蓄に構成要素が二つあることも明らかにしておこう。民間個人が直接行った貯蓄
(世帯可処分所得のうち、ただちには消費されない部分)、そして企業がその所有者である民間個人にか
わり、直接的あるいは金融投資を通じて間接的に行う貯蓄だ。この二番目の構成要素は、企業が再投資す
る利益(「内部留保」とも呼ばれる)が占めており、国によっては民間貯蓄総額の半分にも達する(表5−2参照)。》

21世紀の資本第五章の表によれば、日本は企業の内部留保が多い。




『21世紀の資本』第五章(185頁)の表を見ると、日本は企業の内部留保が多いことがわかる。

https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEggoFgs8D0-l0d2nQi7_qP9UtH8cPjCF6OreNP2H2-De0zM7KwRuZ9Sizc7uG8lISLuE5wSpPgSoH5fr6PAnV1HVs-1rBaZPKV1yPUp1gpkRWRZyUUA1lunc1u66iNYUTx4jjvd/s640/blogger-image-1760427857.jpg

 《 民間貯蓄の構成要素二つ 

 ついでなので、民間貯蓄に構成要素が二つあることも明らかにしておこう。民間個人が直接行った貯蓄

(世帯可処分所得のうち、ただちには消費されない部分)、そして企業がその所有者である民間個人にか

わり、直接的あるいは金融投資を通じて間接的に行う貯蓄だ。この二番目の構成要素は、企業が再投資す

る利益(「内部留保」とも呼ばれる)が占めており、国によっては民間貯蓄総額の半分にも達する(表5−2参照)。》


ちなみに法人税に累進性はない。


大企業は大きくなると物作りから金融業へシフトする

ソニーもその一つだろう


これはオランダ、英国を想起すればわかるように

歴代覇権国家にも当てはまる 


ちなみに、ピケティはタックス・ヘイブンの存在を会計的に推察している、、、、、


ガブリエル・ズックマンは、あらゆる情報源を比較し、これまで用いられていなかった

スイス銀行のデータを利用することによって、この相違の説明として最も説得力のある

理由は、報告されていない巨額の金融資産がタックス・ヘイブンに存在することだと示した。

かれの慎重な推計によると、この金額は世界GDPのおよそ10パーセントに相当する(55)。

これを上回る(最大で2、3倍の)推計を出したNGOもある。手元の情報源の現在の状況を

考えると、筆者はズックマンの推計のほうがやや現実的だと考えるが、この種の推計はもともと

不確かだし、ズックマンが下限である可能性もある(56)。

タックス・ヘイブンの金融資産の大部分(少なくとも4分の3)が富裕国の住民のものである

ことは、あらゆる証拠が示す通り。結論は明白だ。富裕国の、他の地域に対する純資産ポジシ

ョンは、実際はプラスなのだ(富裕国は平均して貧困国より多くを所有していて、その反対で

はない。結局のところ、何ら驚くことではない)。それなのに、富裕国の最も裕福な住民たち

が資産の一部をタックス・ヘイブンに隠しているため、この事実は覆い隠されているわけだ。》

21世紀の資本第12章


消費組合、協同組合の可能性は理念的には確保したい

むろん経営者の努力は報われるべきだし、

情報開示さえあれば株式会社は人類史における進歩に違いないが

ホールディングス、持ち株会社、財閥が認められてからの反動性は認識すべきだ

労働力の再生産が困難になり、自分の首を絞めている

移民推進論者は安価な労働力を前提としているが持続可能ではない



ちなみに、ピケティはタックス・ヘイブンの存在を指摘している。


《ガブリエル・ズックマンは、あらゆる情報源を比較し、これまで用いられていなかった

スイス銀行のデータを利用することによって、この相違の説明として最も説得力のある

理由は、報告されていない巨額の金融資産がタックス・ヘイブンに存在することだと示した。

かれの慎重な推計によると、この金額は世界GDPのおよそ10パーセントに相当する(55)。

これを上回る(最大で2、3倍の)推計を出したNGOもある。手元の情報源の現在の状況を

考えると、筆者はズックマンの推計のほうがやや現実的だと考えるが、この種の推計はもともと

不確かだし、ズックマンが下限である可能性もある(56)。

タックス・ヘイブンの金融資産の大部分(少なくとも4分の3)が富裕国の住民のものである

ことは、あらゆる証拠が示す通り。結論は明白だ。富裕国の、他の地域に対する純資産ポジシ

ョンは、実際はプラスなのだ(富裕国は平均して貧困国より多くを所有していて、その反対で

はない。結局のところ、何ら驚くことではない)。それなのに、富裕国の最も裕福な住民たち

が資産の一部をタックス・ヘイブンに隠しているため、この事実は覆い隠されているわけだ。》

『21世紀の資本』第12章より

0 件のコメント:

コメントを投稿