NAMs出版プロジェクト: 経済学日本人著者入門書
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_9.html
『総力ガイド! これからの経済学』日本評論社:書評&目次
http://nam-students.blogspot.jp/2015/10/20150907-1600-httpwww.html (本頁)
NAMs出版プロジェクト: ピケティ関連:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/01/blog-post_30.html
『総力ガイド! これからの経済学』日本評論社 20150907
経済セミナー増刊 1,600円+税
http://www.nippyo.co.jp/book/6950.html
出版社宣伝文:
経済学はどこから来て、どこに向かうのか? 主流派・非主流派の枠を超え、豪華執筆陣が経済学を根本から問い直す、待望の増刊。
書評:
吉川洋☆の初期経済学者ペティとケネーが外科医だったという話は面白い。経済の循環を血液の循環★のアナロジーとして把握することが有効な時代が確かにあった(吉川「経済がないと経済学はない」は名言。図解された学説史の貧弱さがわかる)。
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『総力ガイド! これからの経済学』日本評論社:書評&目次
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NAMs出版プロジェクト: ピケティ関連:メモ
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クールノー『富の理論の数学的原理に関する研究』岩波文庫:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2015/10/blog-post_29.html
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『総力ガイド! これからの経済学』日本評論社 20150907
経済セミナー増刊 1,600円+税
http://www.nippyo.co.jp/book/6950.html
出版社宣伝文:
経済学はどこから来て、どこに向かうのか? 主流派・非主流派の枠を超え、豪華執筆陣が経済学を根本から問い直す、待望の増刊。
書評:
吉川洋☆の初期経済学者ペティとケネーが外科医だったという話は面白い。経済の循環を血液の循環★のアナロジーとして把握することが有効な時代が確かにあった(吉川「経済がないと経済学はない」は名言。図解された学説史の貧弱さがわかる)。
熱力学モデルは発散するから循環、再生産のヴィジョンがなくなる。
ピケティとの対談で述べていた二重経済モデル、ルイスモデルの重要性を説明していないのは残念だったが、かなり初心者向けに話していてわかりやすい(ワルラスとマルクスがともにプルードン批判から経済学者としての経歴を始めている点が指摘されればもっと良かった)。
中山智香子☆☆の世界システム論は射程が長くことなるアクターを考慮しているという指摘も重要だ。これでピケティと経済学が結びつく。
全体に前半のピケティ特集もピケティ色は薄い☆☆☆☆☆☆。ピケティは経済学と歴史学を統計でつないでいる点が画期的で、ストックよりフローを重視してきた経済学とは肝心のところで噛み合ない。
後半も一人一冊推薦図書を挙げており、全体的にはよく出来たブックガイドだ。
マルクス経済学を排除していないのもいい。
西部忠☆☆☆が進化経済学の項を執筆しているが、一応地域通貨に触れていて安心した。
岩井克人☆☆☆☆や鍋島直樹☆☆☆☆☆にはカレツキに言及してほしかった。出来ればゲゼルにも。
トービン税にすら届かないのだからピケティのグローバル課税はかなり先だろう。
そこに世界統一貨幣は必要か? それはカーボン取引などによって密かに準備されているが、ローカルな貨幣も必要だろう。
目次:
■第I部 経済学のいま
【鼎談】 Discussion経済学はどこから来て、どこに向かうのか? [岩井克人☆☆☆☆×橋本努×若田部昌澄]
【図解! 経済学説史】History of Economics学説からたどる経済学の歴史 [山崎好裕]
【経済学再考】 Re-examination of Economics経済学とはどのような学問か [伊藤元重]
なぜ「主流派経済学」は「主流派」になったのか [山崎聡]
マルクスから見える資本主義の問題点 [的場昭弘]
「経済学批判」はどのような歴史的系譜をもつのか:異端派と反経済学の展開 [佐藤方宣]
『21世紀の資本』は資本主義の失敗を物語るか [二宮厚美]
ある実証経済学研究者の、トマ・ピケティの著作への感想 [神林龍]
■第II部 挑戦する経済学
(1)歴史的大転換に挑む
【インタビュー】歴史の流れと経済学 [吉川洋☆]
【マルクス経済学】社会の地殻変動を把握するトータルな思考 [沖公祐]
【オーストリア学派】市場の機微への深淵な洞察を生み出し続ける独自の歴史と視点[尾近裕幸]
【制度経済学】一世紀の時を経て再生・復活、経済システムの多元性と進化の経済学へ [磯谷明徳]
【ケインズ経済学】ケインズ経済学の生誕と興隆 [小峯敦]
【ポスト・ケインズ派】「有効需要の原理」を軸に代替理論の構築をめざす [鍋島直樹☆☆☆☆☆]
【レギュラシオン理論】比較制度分析と歴史分析にもとづく経済学の革新 [遠山弘徳]
【新自由主義】自由で、公正で、効率的な市場というスローガンは現実か [服部茂幸]
【政治経済学】資本主義と民主主義、あるいは資本主義と福祉国家の両立は可能か [若森章孝]
(2)経済学のフロンティアに挑む
【インタビュー】サイエンスとしての経済学を始めよう:フューチャー・デザインを目指して [西條辰義]
【進化経済学】生物進化の視点からリアルな市場経済を理解する [西部忠☆☆☆]
【経済物理学】経済物理学の誕生・発展、そして、収穫期 [高安秀樹]
【ファイナンス】ファイナンスはどういう分野か [大橋和彦]
【空間経済学】立地と貿易、そして脱「国境」 [佐藤泰裕]
【行動経済学】伝統的経済学の枠組みを広げて現実の人間行動を描写する [大竹文雄]
【神経経済学】経済行動の意思決定メカニズムを解明する新分野 [田中沙織]
【実験経済学】人間の認知・思考過程を明らかにする [川越敏司]
【マーケットデザイン】制度設計の科学への招待 [小島武仁]
【家族の経済学】家族の役割という古くて新しい問題に取り組む [宮澤和俊]
【教育経済学】教育政策の効果測定に向けて [中室牧子]
【医療経済学】人々の「健康」のために、発展し続ける経済学 [野口晴子]
(3)政策運営に挑む
【インタビュー】経済学と政策をつなぐ [安田洋祐]
【ミクロ経済学】市場と価格の役割に対する理解を深める [林貴志]
【マクロ経済学】賃上げが救う世界のマクロ経済 [脇田成]
【計量経済学】経済行動の数式表現と数値計算 [森棟公夫]
【ゲーム理論】経済学とゲーム理論:歴史と展望 [小原一郎]
【産業組織論】今日の技術と市場を考える [青木玲子]
【厚生経済学】個人の厚生と規範に光を当てる経済学 [後藤玲子]
【公共経済学】市場メカニズムを「補い」、「正す」政府の活動を分析する [村瀬英彰]
【国際経済学】グローバル化でわれわれの生活は悪化するのか [友原章典]
【労働経済学】労働経済学では格差をどう捉えてきたか [黒田祥子]
【環境経済学】多種多様な環境問題を分析する [馬奈木俊介]
【開発経済学】理論と現実に根差した発展メカニズムの探求 [鈴木綾]
【法と経済学】法は希少な資源を配分する [常木淳]
【経済史】歴史学の方法と経済学の知見を統合 [岡崎哲二]
(4)ピケティの問題提起に挑む
【インタビュー】経済学に懐の深さを [中山智香子☆☆]
【グローバル税制】資産格差縮小のための有効な政策手段 [諸富徹]
【所得格差】 格差是正策がなければ経済成長は見込めない [橘木俊詔]【フランスの経済思想】共生のための経済思想:MAUSS(モース) [藤岡俊博]
【対抗的グローバリズム】グローバリゼーションに伴う諸問題の批判的検討 [大屋定晴]
■書評コラム
アダム・スミス 『国富論』 [野原慎司]
リカードウ『経済学および課税の原理』 [佐藤有史]
マルクス 『資本論』 [田中英明]
マーシャル『経済学原理』 [松山直樹]
ピグー『厚生経済学』 [高見典和]
ケインズ 『雇用・利子および貨幣の一般理論』 [伊藤宣広]
シュムペーター 『資本主義・社会主義・民主主義』[酒井弘格]
ポラニー『大転換』 [若森みどり]
ハイエク『個人主義と経済秩序』 [吉野裕介]
フリードマン『資本主義と自由』 [原谷直樹]
ピケティ『21世紀の資本』 [山田知明]
http://www.nippyo.co.jp/book/6950.html
(出版社公式サイトの目次は後出のアマゾンサイトの目次より詳しい。)
。。。。。。。。。。。。。。
http://www.amazon.co.jp/dp/B0147C9RW8/
Amazonレビュー:
本格的に学ぼうという人の導入に
投稿者 BT_BOMBER トップ500レビュアー 投稿日 2015/9/20
おおまかに言ってピケティ「21世紀の資本」に関する議論と、経済学のサブカテゴリ的な分野紹介を1冊にまとめた内容になっています。ページ数はそれほど多くないですが情報の密度は高いです。
第1部「経済学のいま」は経済学者3名による鼎談と、歴史的な視点が強調された経済学再考のコラム。第2部「挑戦する経済学」は以下の4つのパートに分けて各種分野を紹介しているほか、各パート一人ずつインタビューが掲載されています。ジャンル1:歴史的大転換に挑むジャンル2:経済学のフロンティアに挑むジャンル3:政策運営に挑むジャンル4:ピケティの問題提起に挑む書名にピケティの名前がありますが、彼を大きく扱っているのは主に第1部と第2部のジャンル4になります。あと主に古典を中心に11の経済書に対する書評も掲載。
各分野の紹介は全て2ページ構成、おすすめ文献のコーナーもあるので初めて興味を持った分野についても、とっかかりが得られるはずです。それ以外のコラムでも多数の参考文献が紹介されているので、勉強になると思います。全体的に経済学の基本的なところは押さえてないと辛いと思いますが、学生の人で本格的に研究の道に入りたい人には分野紹介もありますし、導入として良いのではないでしょうか。
一つ気になったのは執筆者がほぼ全員大学に籍を置く人だったこと。多分肩書きに大学名がなかったのは一人だけだったと思います。理工学系だと企業在籍の研究者にも優秀な人がいると思うのですが、経済学ではあまり優秀な人がいないのか、特定分野に偏ってるのか、あるいはただの編集方針なのか。確かに豪華ではあるのですが、企業在籍の人の方が実務寄りの応用話や理論と現実のズレを聞けそうなので、もし編集方針で排除してるのであれば、もったない気がします。
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
玉石混淆(だがそれが良い)。
投稿者 トップレビュアー 投稿日 2015/9/21
書名に「マルクス、ピケティ」とありますが、彼らにスポットを当てているのは「第1部 経済学のいま」のみであり、本書の大半は、現代経済学の各学派・各分野についてそれぞれの専門家が見開き1頁で簡潔に説明する企画(第2、3、4部)となっています。扱われているトピック及び執筆者についてはAmazonの商品ページ「目次を見る」に詳しく書いてあるのでそちらをご覧ください。
通読してみて私が最も印象に残ったのは林貴志教授(グラスゴー大学)の「ミクロ経済学」の頁です。「20世紀初頭から中盤に成立した新古典派ミクロ経済学」についての記述で、「それ以前の経済学者は、自分で何を言っているのかわかっていなかったのである」(p.112)とバッサリ斬った後、淡々と今日のミクロ経済学の枠組みを簡潔(だが明解)に説明した記述は、経済学とは無縁の一市民であっても一読の価値があると思います。本書は、先の林教授とは異なる反主流派(異端派)経済学についても公平に紙面を割いていますが、彼らの記述は林教授らのそれとは対照的に感じられました。異端派経済学――「マルクス経済学」(沖公祐香川大学教授)、「レギュラシオン理論」(遠山弘徳静岡大学教授)、「政治経済学」(若森章孝関西大学名誉教授)――の記述は文学的修辞に満ちていて、何を言いたいのかよくわからない、という印象を受けました。良い意味でも悪い意味でも彼らは林教授の言う所の「それ以前の経済学者」なのだと思います。
もちろん感想は読者それぞれによって異なるのでしょうが、本書が現代経済学における多様なトピックを扱っているおかげで、経済学の様々な立場の好対照が何らかの形で鮮明に感じることができるでしょう。実務家視点ではなく研究者(もちろん理論屋だけでなく実証屋も多く執筆者に加わっています)の視点から書かれているというのも新鮮でした。そういった意味で本書は今までに類書のない、非常に興味深い文献であると断言できましょう。
7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
蛸壺からの脱却はなるか?経済学の岐路
投稿者 ぺろぺろさん 投稿日 2015/9/22
他のレビュアーの方が述べられているように、経済学の知識をある程度お持ちの方にとっては「良書」です。「マルクス、ピケティ、その先へ」とありますが、第一部では少なくともマルクスと古典派の関係、そして新古典派とケインズ経済学(または新古典派総合)に関して多少なりともご存知ならば、第一部の目玉である岩井克人、橋本努、若田部昌澄の「経済学はどこからきて、どこに向かうのか」と題された対話の妙味が味わえるかと思われます(岩井克人さんはマルクス経済学の影響を受けられたと述べられていますし、若田部先生はどちらかというと新古典派寄りの考え方でしょう)。
ただ、本書の位置づけとしてピケティをマイルストーンにしたかったという編集部の思惑も分らないではないですが、第一部の対談と第二部のインタビュー含め、全体を通して「ピケティ」の限界を指摘するものが多く(もしくは吉川さんのマクロ経済学の課題についての言及)、経済学という分野においては個別事象に関して、分析できる範囲で応用系のミクロ経済学や自然科学をとりいれた経済学分野での研究が主流となっており、マルクス、ピケティのような「一般理論」が各分野の研究者の中で支持されているかというと、そうでもない気がします。
その中で、実は本当に注目すべきは第三部なのではないでしょうか?第三部ではまさに蛸壺化した経済学の各分野で研究されている方たちがその分野に関して簡単に説明し、入門書を紹介するという形をとっており、経済学を学ぶ学生はもちろん一般読者にとっても興味のある分野を探し出すためのロードマップとなっています。特に実験経済学、生物経済学、医療経済学などの応用分野ではまさにいま次々と学問が発展し、現在の学問的問題を各研究者が紹介してくれるため、その分野に入っていくワクワク感があります。
しかし、数理化と自然科学の知見を取り入れ応用社会科学となった現在の経済学の中で際立ってしまうのはやはり、伝統的なポリティカルエコノミーの枠組みを抜け出せなかったマルクス経済学や政治経済学、異端派経済学などの分野でないでしょうか?先の方が述べられているように、修辞的な言葉が多く、彼らが述べている内容と我々が生きる現実との間には埋めがたい軋轢があり、彼らがたびたび新古典派に向ける批判(あまりにも現実を直視していないなど)の批判がブーメランとなっている印象を受けます。
やや批判めいた内容となってしまいましたが、全体として蛸壺化した「経済学」の幅の広さと、「経済学」発展の歴史の中でピケティをどう位置づけるのかを考える上で、もしくはピケティを一蹴してしまうために利用する価値はあると思います。
ピケティとの対談で述べていた二重経済モデル、ルイスモデルの重要性を説明していないのは残念だったが、かなり初心者向けに話していてわかりやすい(ワルラスとマルクスがともにプルードン批判から経済学者としての経歴を始めている点が指摘されればもっと良かった)。
中山智香子☆☆の世界システム論は射程が長くことなるアクターを考慮しているという指摘も重要だ。これでピケティと経済学が結びつく。
全体に前半のピケティ特集もピケティ色は薄い☆☆☆☆☆☆。ピケティは経済学と歴史学を統計でつないでいる点が画期的で、ストックよりフローを重視してきた経済学とは肝心のところで噛み合ない。
後半も一人一冊推薦図書を挙げており、全体的にはよく出来たブックガイドだ。
マルクス経済学を排除していないのもいい。
西部忠☆☆☆が進化経済学の項を執筆しているが、一応地域通貨に触れていて安心した。
岩井克人☆☆☆☆や鍋島直樹☆☆☆☆☆にはカレツキに言及してほしかった。出来ればゲゼルにも。
トービン税にすら届かないのだからピケティのグローバル課税はかなり先だろう。
そこに世界統一貨幣は必要か? それはカーボン取引などによって密かに準備されているが、ローカルな貨幣も必要だろう。
目次:
■第I部 経済学のいま
【鼎談】 Discussion経済学はどこから来て、どこに向かうのか? [岩井克人☆☆☆☆×橋本努×若田部昌澄]
【図解! 経済学説史】History of Economics学説からたどる経済学の歴史 [山崎好裕]
【経済学再考】 Re-examination of Economics経済学とはどのような学問か [伊藤元重]
なぜ「主流派経済学」は「主流派」になったのか [山崎聡]
マルクスから見える資本主義の問題点 [的場昭弘]
「経済学批判」はどのような歴史的系譜をもつのか:異端派と反経済学の展開 [佐藤方宣]
『21世紀の資本』は資本主義の失敗を物語るか [二宮厚美]
ある実証経済学研究者の、トマ・ピケティの著作への感想 [神林龍]
■第II部 挑戦する経済学
(1)歴史的大転換に挑む
【インタビュー】歴史の流れと経済学 [吉川洋☆]
【マルクス経済学】社会の地殻変動を把握するトータルな思考 [沖公祐]
【オーストリア学派】市場の機微への深淵な洞察を生み出し続ける独自の歴史と視点[尾近裕幸]
【制度経済学】一世紀の時を経て再生・復活、経済システムの多元性と進化の経済学へ [磯谷明徳]
【ケインズ経済学】ケインズ経済学の生誕と興隆 [小峯敦]
【ポスト・ケインズ派】「有効需要の原理」を軸に代替理論の構築をめざす [鍋島直樹☆☆☆☆☆]
【レギュラシオン理論】比較制度分析と歴史分析にもとづく経済学の革新 [遠山弘徳]
【新自由主義】自由で、公正で、効率的な市場というスローガンは現実か [服部茂幸]
【政治経済学】資本主義と民主主義、あるいは資本主義と福祉国家の両立は可能か [若森章孝]
(2)経済学のフロンティアに挑む
【インタビュー】サイエンスとしての経済学を始めよう:フューチャー・デザインを目指して [西條辰義]
【進化経済学】生物進化の視点からリアルな市場経済を理解する [西部忠☆☆☆]
【経済物理学】経済物理学の誕生・発展、そして、収穫期 [高安秀樹]
【ファイナンス】ファイナンスはどういう分野か [大橋和彦]
【空間経済学】立地と貿易、そして脱「国境」 [佐藤泰裕]
【行動経済学】伝統的経済学の枠組みを広げて現実の人間行動を描写する [大竹文雄]
【神経経済学】経済行動の意思決定メカニズムを解明する新分野 [田中沙織]
【実験経済学】人間の認知・思考過程を明らかにする [川越敏司]
【マーケットデザイン】制度設計の科学への招待 [小島武仁]
【家族の経済学】家族の役割という古くて新しい問題に取り組む [宮澤和俊]
【教育経済学】教育政策の効果測定に向けて [中室牧子]
【医療経済学】人々の「健康」のために、発展し続ける経済学 [野口晴子]
(3)政策運営に挑む
【インタビュー】経済学と政策をつなぐ [安田洋祐]
【ミクロ経済学】市場と価格の役割に対する理解を深める [林貴志]
【マクロ経済学】賃上げが救う世界のマクロ経済 [脇田成]
【計量経済学】経済行動の数式表現と数値計算 [森棟公夫]
【ゲーム理論】経済学とゲーム理論:歴史と展望 [小原一郎]
【産業組織論】今日の技術と市場を考える [青木玲子]
【厚生経済学】個人の厚生と規範に光を当てる経済学 [後藤玲子]
【公共経済学】市場メカニズムを「補い」、「正す」政府の活動を分析する [村瀬英彰]
【国際経済学】グローバル化でわれわれの生活は悪化するのか [友原章典]
【労働経済学】労働経済学では格差をどう捉えてきたか [黒田祥子]
【環境経済学】多種多様な環境問題を分析する [馬奈木俊介]
【開発経済学】理論と現実に根差した発展メカニズムの探求 [鈴木綾]
【法と経済学】法は希少な資源を配分する [常木淳]
【経済史】歴史学の方法と経済学の知見を統合 [岡崎哲二]
(4)ピケティの問題提起に挑む
【インタビュー】経済学に懐の深さを [中山智香子☆☆]
【グローバル税制】資産格差縮小のための有効な政策手段 [諸富徹]
【所得格差】 格差是正策がなければ経済成長は見込めない [橘木俊詔]【フランスの経済思想】共生のための経済思想:MAUSS(モース) [藤岡俊博]
【対抗的グローバリズム】グローバリゼーションに伴う諸問題の批判的検討 [大屋定晴]
■書評コラム
アダム・スミス 『国富論』 [野原慎司]
リカードウ『経済学および課税の原理』 [佐藤有史]
マルクス 『資本論』 [田中英明]
マーシャル『経済学原理』 [松山直樹]
ピグー『厚生経済学』 [高見典和]
ケインズ 『雇用・利子および貨幣の一般理論』 [伊藤宣広]
シュムペーター 『資本主義・社会主義・民主主義』[酒井弘格]
ポラニー『大転換』 [若森みどり]
ハイエク『個人主義と経済秩序』 [吉野裕介]
フリードマン『資本主義と自由』 [原谷直樹]
ピケティ『21世紀の資本』 [山田知明]
http://www.nippyo.co.jp/book/6950.html
(出版社公式サイトの目次は後出のアマゾンサイトの目次より詳しい。)
。。。。。。。。。。。。。。
http://www.amazon.co.jp/dp/B0147C9RW8/
Amazonレビュー:
本格的に学ぼうという人の導入に
投稿者 BT_BOMBER トップ500レビュアー 投稿日 2015/9/20
おおまかに言ってピケティ「21世紀の資本」に関する議論と、経済学のサブカテゴリ的な分野紹介を1冊にまとめた内容になっています。ページ数はそれほど多くないですが情報の密度は高いです。
第1部「経済学のいま」は経済学者3名による鼎談と、歴史的な視点が強調された経済学再考のコラム。第2部「挑戦する経済学」は以下の4つのパートに分けて各種分野を紹介しているほか、各パート一人ずつインタビューが掲載されています。ジャンル1:歴史的大転換に挑むジャンル2:経済学のフロンティアに挑むジャンル3:政策運営に挑むジャンル4:ピケティの問題提起に挑む書名にピケティの名前がありますが、彼を大きく扱っているのは主に第1部と第2部のジャンル4になります。あと主に古典を中心に11の経済書に対する書評も掲載。
各分野の紹介は全て2ページ構成、おすすめ文献のコーナーもあるので初めて興味を持った分野についても、とっかかりが得られるはずです。それ以外のコラムでも多数の参考文献が紹介されているので、勉強になると思います。全体的に経済学の基本的なところは押さえてないと辛いと思いますが、学生の人で本格的に研究の道に入りたい人には分野紹介もありますし、導入として良いのではないでしょうか。
一つ気になったのは執筆者がほぼ全員大学に籍を置く人だったこと。多分肩書きに大学名がなかったのは一人だけだったと思います。理工学系だと企業在籍の研究者にも優秀な人がいると思うのですが、経済学ではあまり優秀な人がいないのか、特定分野に偏ってるのか、あるいはただの編集方針なのか。確かに豪華ではあるのですが、企業在籍の人の方が実務寄りの応用話や理論と現実のズレを聞けそうなので、もし編集方針で排除してるのであれば、もったない気がします。
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
玉石混淆(だがそれが良い)。
投稿者 トップレビュアー 投稿日 2015/9/21
書名に「マルクス、ピケティ」とありますが、彼らにスポットを当てているのは「第1部 経済学のいま」のみであり、本書の大半は、現代経済学の各学派・各分野についてそれぞれの専門家が見開き1頁で簡潔に説明する企画(第2、3、4部)となっています。扱われているトピック及び執筆者についてはAmazonの商品ページ「目次を見る」に詳しく書いてあるのでそちらをご覧ください。
通読してみて私が最も印象に残ったのは林貴志教授(グラスゴー大学)の「ミクロ経済学」の頁です。「20世紀初頭から中盤に成立した新古典派ミクロ経済学」についての記述で、「それ以前の経済学者は、自分で何を言っているのかわかっていなかったのである」(p.112)とバッサリ斬った後、淡々と今日のミクロ経済学の枠組みを簡潔(だが明解)に説明した記述は、経済学とは無縁の一市民であっても一読の価値があると思います。本書は、先の林教授とは異なる反主流派(異端派)経済学についても公平に紙面を割いていますが、彼らの記述は林教授らのそれとは対照的に感じられました。異端派経済学――「マルクス経済学」(沖公祐香川大学教授)、「レギュラシオン理論」(遠山弘徳静岡大学教授)、「政治経済学」(若森章孝関西大学名誉教授)――の記述は文学的修辞に満ちていて、何を言いたいのかよくわからない、という印象を受けました。良い意味でも悪い意味でも彼らは林教授の言う所の「それ以前の経済学者」なのだと思います。
もちろん感想は読者それぞれによって異なるのでしょうが、本書が現代経済学における多様なトピックを扱っているおかげで、経済学の様々な立場の好対照が何らかの形で鮮明に感じることができるでしょう。実務家視点ではなく研究者(もちろん理論屋だけでなく実証屋も多く執筆者に加わっています)の視点から書かれているというのも新鮮でした。そういった意味で本書は今までに類書のない、非常に興味深い文献であると断言できましょう。
7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
蛸壺からの脱却はなるか?経済学の岐路
投稿者 ぺろぺろさん 投稿日 2015/9/22
他のレビュアーの方が述べられているように、経済学の知識をある程度お持ちの方にとっては「良書」です。「マルクス、ピケティ、その先へ」とありますが、第一部では少なくともマルクスと古典派の関係、そして新古典派とケインズ経済学(または新古典派総合)に関して多少なりともご存知ならば、第一部の目玉である岩井克人、橋本努、若田部昌澄の「経済学はどこからきて、どこに向かうのか」と題された対話の妙味が味わえるかと思われます(岩井克人さんはマルクス経済学の影響を受けられたと述べられていますし、若田部先生はどちらかというと新古典派寄りの考え方でしょう)。
ただ、本書の位置づけとしてピケティをマイルストーンにしたかったという編集部の思惑も分らないではないですが、第一部の対談と第二部のインタビュー含め、全体を通して「ピケティ」の限界を指摘するものが多く(もしくは吉川さんのマクロ経済学の課題についての言及)、経済学という分野においては個別事象に関して、分析できる範囲で応用系のミクロ経済学や自然科学をとりいれた経済学分野での研究が主流となっており、マルクス、ピケティのような「一般理論」が各分野の研究者の中で支持されているかというと、そうでもない気がします。
その中で、実は本当に注目すべきは第三部なのではないでしょうか?第三部ではまさに蛸壺化した経済学の各分野で研究されている方たちがその分野に関して簡単に説明し、入門書を紹介するという形をとっており、経済学を学ぶ学生はもちろん一般読者にとっても興味のある分野を探し出すためのロードマップとなっています。特に実験経済学、生物経済学、医療経済学などの応用分野ではまさにいま次々と学問が発展し、現在の学問的問題を各研究者が紹介してくれるため、その分野に入っていくワクワク感があります。
しかし、数理化と自然科学の知見を取り入れ応用社会科学となった現在の経済学の中で際立ってしまうのはやはり、伝統的なポリティカルエコノミーの枠組みを抜け出せなかったマルクス経済学や政治経済学、異端派経済学などの分野でないでしょうか?先の方が述べられているように、修辞的な言葉が多く、彼らが述べている内容と我々が生きる現実との間には埋めがたい軋轢があり、彼らがたびたび新古典派に向ける批判(あまりにも現実を直視していないなど)の批判がブーメランとなっている印象を受けます。
やや批判めいた内容となってしまいましたが、全体として蛸壺化した「経済学」の幅の広さと、「経済学」発展の歴史の中でピケティをどう位置づけるのかを考える上で、もしくはピケティを一蹴してしまうために利用する価値はあると思います。
☆
53頁吉川参照
Amazon.co.jp: 富の理論の数学的原理に関する研究 (岩波文庫 白 110-1): クールノー, 中山 伊知郎
文庫: 251ページ 出版社: 岩波書店 (1936/6/30) 1994復刊
http://www.amazon.co.jp/dp/4003411013
投稿者 k 投稿日 2011/6/13
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返信削除進化する経済学の実証分析 経済セミナー増刊 | 本 | Amazon.co.jp
返信削除2016
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81%AE%E5%AE%9F%E8%A8%BC%E5%88%86%E6%9E%90-
%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%BC%E5%A2%97%E5%88%8A/dp/B01KTWZ62A/ref
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B6C9H7Z68JT4S
商品の説明
内容紹介
構造推定と誘導型ってどう違うの? カリブレーションって何? 識別とは? 実証分析の疑問にトコトン丁寧に答えます。
出版社からのコメント
この一冊で、実証研究の『いま』がわかる!
ビッグデータの普及、さまざまな統計データの整備、計量経済学の理論的発展、
コンピュータやソフトウェアといった計算ツールの向上が相まって、
経済学の実証研究は近年、著しい進化を遂げている。
本書は、第一線で活躍する22人の研究者が、経済学における実証分析がどのような進化を遂げ、
経済学の発展や現実社会にどのような貢献をしてきたかを詳しく解説する。
≪各部の構成≫
第I部 基本をおさえる
【鼎談】では、実証分析が経済学をどのように変えてきたのか・変えてゆくのかを、
計量経済学者×応用計量経済学者×応用理論経済学者で議論する。
【実証分析手法の現在】は、経済学における実証分析の進化をサーベイすると共に、
現在の代表的な手法である応用ミクロ計量経済学と、実験的アプローチについて概説する。
【実証分析をめぐるさまざまな論点】では、カリブレーションや識別といった近年の重要トピックスを紹介すると共に、
「ルーカス批判」や、構造型推定派と誘導型推定派の間で繰り広げられた「信頼性革命」、
開発経済学における計量的アプローチと実験的アプローチの比較など、実証分析をめぐるさまざまな論争を紹介する。
第II部 最先端を知る
経済学の諸分野では、それぞれどのような実証分析が行われているのか、分野別に詳しく解説。
【マクロ経済学】【ファイナンス】【行動経済学】【産業組織論】【労働経済学】【開発経済学】【教育経済学】【医療経済学】の8分野を取り上げる。
それぞれの分野における実証分析手法の変遷、有効な分析手法をめぐる論争やエポックメイキング的な研究、
現在の潮流と最新の研究成果、研究成果が現実社会に与えた影響などを紹介する。
OLDタイプとNEWタイプの実証分析をまとめて俯瞰し、さらに分野別にも詳しく学べるのは、この一冊だけ!
登録情報
雑誌
出版社: 日本評論社; 不定版 (2016/9/10)
言語: 日本語
ASIN: B01KTWZ62A
発売日: 2016/9/10
商品パッケージの寸法: 25.4 x 18 x 1 cm
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