ヴァリアン『入門ミクロ経済学 [原著第9版]』:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2015/11/9.html(本頁)
クルーグマン/マンキュー/スティグリッツ/サミュエルソン:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2015/02/httpnam-students.html#refva(ここから抜粋再掲)
図解雑学 ミクロ経済学 嶋村紘輝&横山将義
http://nam-students.blogspot.jp/2016/04/blog-post_7.html (最適化と均衡、の指摘を継承)
実験経済学
ヴァリアン 入門ミクロ経済学 [原著第9版] - 株式会社 勁草書房
ハル・ヴァリアン 著
佐藤 隆三 監訳 2015年8月(原著2014年)
ハル・ロナルド・ヴァリアン(Hal Ronald Varian, 1947年3月18日- )はアメリカ合衆国の経済学者。ミクロ経済学と情報経済学を専門としている。2010年 Google社チーフ・エコノミスト*。
http://blog.livedoor.jp/yagena/archives/50934249.html
ヴァリアン自身によると、第8版からの主な変更箇所は以下:
・教科書で扱う理論を実務と繋ぐため、「計量」(Measurement)という新たな章を追加し、計量経済学の基本的な概念を紹介した。
・自らが勤めるGoogle社をはじめ、Apple、eBay、Yahooなどシリコンバレー企業のビジネスと関連する例をいくつも追加した(「情報技術」内、「補完財の問題」「二面市場」が追加)。
・実務的な重要性が深まったメカニズムデザインに関する記述を増やし、(Two-sided)マッチング市場やVCGメカニズムなどを解説した。
バリアン名義の本(邦訳『「ネットワーク経済」の法則』第6章)でロックインとなっていたものが、入門ミクロの「情報技術」では膠着化と訳されている(5ed:544頁,9ed:622頁)。スウィッチングコスト(switching cost)は転換費用。
邦訳第二版からあるチャート図はほとんど変わっていないが、横向きにした方がしっくりくるのではないか? 最適化に特化されていて、均衡のイメージが湧きにくい。
あとヴァリンは要素市場、労働市場の考察が弱い。ミクロなので失業率を論じろとは言わないが。
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b201461.html
ミクロ経済学の山頂を究める、全米の大学で採用されている最良テキスト最新版。「計量」の章及びメカニズム・デザインを新たに追加。原著第5版邦訳2000年版からみると「ゲームの応用」「行動経済学」も追加、#33「法と経済学」は削除。
著者、編者、訳者など ハル・ヴァリアン 著
佐藤 隆三 監訳
出版年月 2015年8月(原著2014年)
判型・ページ数 A5判・720ページ
日本語版への序文
監訳者まえがき
序文
1章 市場
モデル 最適化と均衡 需要曲線 供給曲線 市場均衡 比較静学 アパートの配分問題 最適な配分法 パレート効率性 アパートの配分方法の比較 長期均衡 要約
2章 予算制約
予算制約 2財モデルの一般性 予算集合の性質 予算線の変化 ニュメレール(標準財) 税、補助金、および割り当て 例:フード・スタンプ・プログラム 予算線の変化 要約
3章 選好
消費者選好 選好に関する諸仮定 無差別曲線群 選好の例 適正な性質をもつ選好 限界代替率(MRS)
限界代替率の含意 限界代替率の大きさ 要約
4章 効用
基数的効用 効用関数の作成 効用関数の例 例:効用からの無差別曲線 限界効用 限界効用と限界代替率(MRS) 通勤の効用 要約
5章 選択
最適選択 消費者需要 例 効用関数の推定 限界代替率(MRS)条件の含意 税の選択 要約
6章 需要
正常財と劣等財 所得―消費曲線とエンゲル曲線 例 通常財とギッフェン財 価格―消費曲線と需要曲線 例 代替財と補完財 逆需要関数 要約
7章 顕示選好
顕示選好の考え方 顕示選好から選好へ 無差別曲線の推定 顕示選好の弱公理(WARP) WARPテスト
顕示選好の強公理(SARP) SARPテスト 数量指数 物価指数 要約
8章 スルツキー方程式
代替効果 所得効果 代替効果の符号 全部効果 変化率 需要法則 所得効果と代替効果の例 もう1つの代替効果 補償需要曲線 要約
9章 売買
純需要と粗需要 予算制約 初期保有量の変化 価格変化 価格―消費曲線と需要曲線 スルツキー方程式再論
スルツキー方程式の応用例 労働供給 労働供給の比較静学 要約
10章 異時点間の選択
予算制約 消費に対する選好 比較静学 スルツキー方程式と異時点間の選択 インフレーション 現在価値:より正確な検討 多期間の現在価値分析 現在価値の応用例 債券 税 利子率の選択 要約
11章 資産市場
収益率 裁定取引と現在価値 資産間の相違の調整 消費収益を生む資産 資産の収益への課税 市場バブル 応用 金融制度 要約
12章 不確実性
条件付き消費 例:カタストロフ債 効用関数と確率 例:効用関数の具体例 期待効用 期待効用の合理性 リスク回避 例:保険の需要 資産の分散 リスクの分担 株式市場の役割 要約
13章 危険資産
平均-分散モデル リスクの測度 カウンターパーティ・リスク 危険資産市場の均衡 収益の調整 例:投資信託のランク付け 要約
14章 消費者余剰
非分割財の需要 需要から効用へ 消費者余剰の別の解釈 消費者余剰から消費者全体の余剰へ 需要関数の近似 準線形効用 消費者余剰の変化の解釈 補償変分と等価変分 生産者余剰 便益-費用分析 利得と損失の計算 要約
15章 市場需要
個別需要から市場需要へ 逆需要関数 非分割財 拡張的限界と集約的限界 弾力性 弾力性と需要 弾力性と収入 弾力性一定の需要 弾力性と限界収入 限界収入曲線 所得弾力性 要約
16章 均衡
供給 市場均衡 2つの特殊ケース 逆需要曲線と逆供給曲線 比較静学 税 税の転嫁 税のデッドウエイト・ロス パレート効率性 要約
17章 計量
データの要約 例:シンプソンの逆説(パラドックス) 検定 実験データによる需要の推定 処置効果 観察データによる需要の推定 識別 何を間違うのか 政策評価 要約
18章 オークション
オークションの分類 オークションのデザイン 他の形態のオークション ポジション・オークション ブランド広告の是非 オークションの収入と入札者の数 オークションにまつわる問題 勝者の災い 安定結婚問題 メカニズム・デザイン 要約
19章 技術
投入物と産出物 技術的制約 技術の例 技術の特性 限界生産物 技術的代替率 限界生産物の逓減 技術的代替率の逓減 長期と短期 規模に関する収穫 要約
20章 利潤最大化
利潤 企業形態 利潤と株式の市場価値 企業の境界 固定要素と可変要素 短期の利潤最大化 比較静学 長期の利潤最大化 逆要素需要曲線 利潤最大化と規模に関する収穫 顕示利潤性 費用最小化 要約
21章 費用最小化
費用最小化 顕示費用最小化 規模に関する収穫と費用関数 長期費用と短期費用 固定費用と準固定費用 埋没費用 要約
22章 費用曲線
平均費用 限界費用率 限界費用と可変費用 例:費用関数の特定形 例:2つの工場の限界費用曲線 オンライオン・オークションの費用曲線 長期費用 離散型工場規模 長期限界費用 要約
23章 企業の供給
市場環境 純粋競争 競争企業の供給決定 例外(1) 例外(2) 逆供給関数 利潤と生産者余剰 企業の長期供給曲線 一定の長期平均費用 要約
24章 産業の供給
短期の産業供給 短期の産業均衡 長期の産業均衡 長期供給曲線 利潤ゼロの意味 固定要素とレント レント 賃貸料と価格 レントの政治学 エネルギー政策 炭素税とキャップ・アンド・トレード 要約
25章 独占
利潤最大化 線形需要曲線と独占 マーク・アップ価格 独占の非効率性 独占のデッドウエイト・ロス 自然独占 独占の原因 要約
26章 独占行動
価格差別 一次価格差別 二次価格差別 三次価格差別 抱き合わせ 二部料金 独占的競争 製品差別化の立地モデル 製品差別化 アイスクリーム売りが多数である場合 要約
27章 要素市場
産出物市場での独占 需要独占 川上の独占と川下の独占 要約
28章 寡占
戦略の選択 数量先導の場合 価格先導の場合 価格先導と数量先導の比較 同時数量設定の場合 クールノー均衡の例 均衡への調整 多数の企業とクールノー均衡 同時価格設定の場合 結託 罰戦略 例:価格協定と競争 例:輸出の自主規制 解の比較 要約
29章 ゲームの理論
ゲームの利得行列 ナッシュ均衡 混合戦略 囚人のジレンマ 繰り返しゲーム カルテルとその強制力 逐次ゲーム 参入障壁ゲーム 要約
30章 ゲームの応用
最適反応曲線 混合戦略 協調ゲーム 競争ゲーム 共存ゲーム コミットメントのゲーム 交渉 要約
31章 行動経済学
消費者選択におけるフレーミング効果 不確実性 時間 例:自信過剰 戦略的な相互作用と社会のノルマ 行動経済学の評価 要約
32章 交換
エッジワース・ボックス 取引 パレート効率的配分 市場取引 均衡の数学的表現 ワルラス法則 相対価格 均衡の存在 均衡と効率性 効率性の数学的証明 効率性と均衡 第1厚生定理の含意 第2厚生定理の含意 要約
33章 生産
ロビンソン・クルーソー経済 クルーソー株式会社 企業 ロビンソンの問題 企業兼消費者としてのロビンソン さまざまな技術 生産と第1厚生定理 生 産と第2厚生定理 生産可能性 比較優位 パレート効率性 難破船株式会社 消費者としてのロビンソンとフライデー 分権的資源配分 要約
34章 厚生
選好の集計 社会的厚生関数 厚生最大化 個人的社会厚生関数 公正な配分 羨望と公平 要約
35章 外部性
喫煙者と非喫煙者 準線形選好とコースの定理 生産の外部性 条件の解釈 市場シグナル 共有地の悲劇 自動車公害 要約
36章 情報技術
システム競争 補完財の問題 膠着化 ネットワーク外部性 ネットワーク外部性を伴う市場 市場ダイナミックス ネットワーク外部性が示しているもの 二面市場 財産権の管理 知的財産の共有 要約
37章 公共財
どのような場合に公共財を供給するか 公共財の私的供給 ただ乗り 公共財の最適水準 準線形選好と公共財 ただ乗り問題 私的財との比較 投票 ヴィックリイ-クラーク-グローブズ・メカニズム VGGの例 VGGの問題点 要約
38章 非対称情報
レモンの市場 品質の選択 逆選択 モラル・ハザード モラル・ハザードと逆選択 シグナリング 誘因 非対称情報 要約
索引
注:
https://ja.wikipedia.org/wiki/シンプソンのパラドックス
シンプソンのパラドックスは1951年にE. H. シンプソンによって記述された統計学的なパラドックスである。母集団での相関と、母集団を分割した集団での相関は、異なっている場合がある。つまり集団を2つに分けた場合にある仮説が成立しても、集団全体では正反対の仮説が成立することがある。
統計学者にとっては1世紀以上前からこの現象は既知であったが、哲学者、コンピュータを扱う科学者、疫学者、経済学者らは最近でもこのパラドックスに対する議論を行っている。
https://en.wikipedia.org/wiki/Simpson's_paradox
:Simpson's paradox for quantitative data: a positive trend appears for two separate groups (blue and red), whereas a negative trend (black, dashed) appears when the groups are combined.
______
:Simpson's paradox for quantitative data: a positive trend appears for two separate groups (blue and red), whereas a negative trend (black, dashed) appears when the groups are combined.
(コーヒを一杯も飲まない人は男性の方が多い)
コーヒー消費
y| /女
| /
| ・
| ̄-_・ /男
| ・ ̄-_ /
| /  ̄-_ /
|/  ̄-_・
| ・ ̄-_
| ・ 全体の消費量
| /
|________/____________
x 所得
シンプソンの逆説
条件付き平均は時々驚くような動きが見出される。男女別のコーヒー需要量を所得
の関数として描こう。仮説的な依存関係が図のようであるとしよう。ここで男女と
もコーヒーの消費は所得の増加とともに増加しているが、消費量は所得が増加する
と減少していることに注意しよう。この現象はシンプソンの逆説の例である。
#17:276頁(邦訳2015)
メカニズム・デザインは、基本的にゲーム理論を逆にしたもの…。
メカニズム・デザインの場合は、実現したい結果がまず与えられ、
それを実現するようなゲームをデザインする*...。
#18:306頁
*2007年度ノーベル経済学賞は、メカニズム・デザインへの貢献に対して、
レオ・ハヴィッツ、ロジャー・マイヤーソン、エリック・マスキンに与えられた。
http://www.amazon.com/Intermediate-Microeconomics-Modern-Approach-Edition/dp/0393123960
http://www.barnesandnoble.com/w/intermediate-microeconomics-hal-r-varian/1117037605?ean=9780393123968
Intermediate Microeconomics: A Modern Approach / Edition 9 by Hal R. Varian 2014
Table of Contents ☆
1 The market
2 Budget constraint
3 Preferences
4 Utility
5 Choice
6 Demand
7 Revealed preference
8 Slutsky equation ☆☆
9 Buying and selling ☆☆☆
10 Intertemporal choice
11 Asset markets
12 Uncertainty
13 Risky assets
14 Consumer's surplus
15 Market demand
16 Equilibrium
17 Measurement
18 Auctions
19 Technology
20 Profit maximization
21 Cost minimization
22 Cost curves
23 Firm supply
24 Industry supply
25 Monopoly
26 Monopoly behavior
27 Factor markets
28 Oligopoly
29 Game theory
30 Game applications
31 Behavioral economics 32 Exchange
33 Production
34 Welfare
35 Externalities
36 Information technology
37 Public goods
38 Asymmetric information
http://library.kaist.ac.kr/search/detail/view.do?bibCtrlNo=574792&flag=b
__________
http://www.amazon.co.jp/dp/4326951311/
『入門ミクロ経済学』: ハル R.ヴァリアン, 佐藤 隆三: 本 邦訳2007年第7版(原著2005年,原著初版1986年)。入門と謳っているが本書は中級者用。
目次 ☆
1章 市 場
2章 予算制約
3章 選 好
4章 効 用
5章 選 択
6章 需 要
7章 顕示選好
8章 スルツキー方程式 ☆☆
9章 売 買 ☆☆☆
10章 異時点間の選択
11章 資産市場
12章 不確実性
13章 危険資産
14章 消費者余剰
15章 市場需要
16章 均 衡
17章 オークション@
18章 技 術
19章 利潤最大化
20章 費用最小化
21章 費用曲線
22章 企業の供給
23章 産業の供給
24章 独 占
25章 独占行動@
26章 要素市場
27章 寡 占
28章 ゲームの理論
29章 ゲームの応用 New@
30章 行動経済学 New@
31章 交 換
32章 生 産
33章 厚 生
34章 外 部 性
35章 情報技術@
36章 公 共 財
37章 非対称@情報
索引
Intermediate Microeconomics: A Modern Approach / Edition 7 by Hal R. Varian 2005
Table of Contents ☆
1 The market
2 Budget constraint
3 Preferences
4 Utility
5 Choice
6 Demand
7 Revealed preference
8 Slutsky equation ☆☆
9 Buying and selling ☆☆☆
10 Intertemporal choice
11 Asset markets
12 Uncertainty
13 Risky assets
14 Consumer's surplus
15 Market demand
16 Equilibrium
17 Auctions @
18 Technology
19 Profit maximization
20 Cost minimization
21 Cost curves
22 Firm supply
23 Industry supply
24 Monopoly
25 Monopoly behavior @
26 Factor markets
27 Oligopoly
28 Game theory
29 Game applications New@
30 Behavioral economics New@
31 Exchange
32 Production
33 Welfare
34 Externalities
35 Information technology @
36 Public goods
37 Asymmetric@ information
Newは後述の直近ed.5(1999)=邦訳第二版(2000)に新たに追加された部分。@はed.2(1990)=邦訳初版(1992)と比べて追加された部分。
☆☆☆ 図9.6 純需要、粗需要および純供給
__________ __________ _________
p1| p1| |粗供給 p1| |
| |\ | | / |
| | \←ーーー同一直線ーーーー→/ |
*| | \|(ただし反転) | / |
p1|____________|___\________|/________|
|\ | |\ | |
| \ | | \ | |
| \←ーーー同一直線ーーーーーーー→\ | |
|___\______ |___|___\__ |_________|
d1 w1 x1 s1
A純需要 B粗需要 C純供給
…ある価格を境として消費者は第1財の純需要者から純供給者に変わるのである,
供給はマイナスの需要と考えた方が現実にも意味があるにもかかわらず,供
給曲線を正象限に描くのは単に便宜的なものにすぎない.
(ヴァリアン155頁)
☆☆ スルツキー方程式
価格変化にたいして需要がどのように反応するか?
所得一定のケース(標準のケース),
購買力一定のケース(スルツキーの代替効果のケース),
効用一定のケース(ヒックスの代替効果のケース)の3つ.
(ヴァリアン144頁参照)
http://bre.soc.i.kyoto-u.ac.jp/~ueda/sem/micro08.pdf
http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/sensei/okawa/gendai/hosoku(9).htm
価格効果を代替効果と所得効果とに分解することをスルツキー分解といい、スルツキー分解を数式化したものをスルツキー方程式という。
なお、スルツキ—方程式については神取道宏『ミクロ経済学の力』2014↓に詳しい。
http://nam-students.blogspot.jp/2015/02/blog-post_82.html
☆ 『入門ミクロ経済学』: ハル R.ヴァリアン, x頁より
学習の目安となる「チャート」。太字が中核。()はオプション。→は直接依存。・は間接的。30章は引用者が追加した。生産より先に消費を記述することにこだわりがあるようだ。
1章 市場
2章 予算制約
↓
3章 選好
↓
4章 効 用
↓
(12章不確実性)←-----5章 選 択
↓
10章 異時点間の選択←--6章 需 要----→7章 顕示選好
↓ ↓ ↓ ↓
11章 資産市場 14章 消費者余剰 15章 市場需要 8章 スルツキー方程式 ☆☆
↓ ・ ↓ ↓ ↓
(13章 危険資産) ・ ↓ ↓ 9章 売 買 ☆☆☆
↓ ↓ ↓ ↓
@ 16章 均 衡-----→31章 交 換
↓ ↓ ・ ・
17章 オークション 35章 情報技術 ・ ・
→@@ ・ ・
↑ ↓ ↓
19章利潤最大化←----18章 技術→@@(32章 生 産) (33章 厚 生)
・ ↓
・ 20章 費用最小化
・ ↓
・ 21章 費用曲線
・ ↓
・・・・・・・・→22章 企業の供給
↓
23章 産業の供給
↓
25章 独占行動←---==@24章 独 占-----→27章 寡 占
↓ ↓
(26章 要素市場)←-- 34章 外 部 性 28章 ゲームの理論
↓ ↓
36章 公 共 財 29章 ゲームの応用 New
・
37章 非対称情報←・・(30章 行動経済学 New)
9版はこれに第17章として計量が加わった。
第18章オークションのメカニズム・デザイン 要約も加筆。
計量経済学についてはすでに第二版で言及はあった。
第七版は行動経済学が加わっていた。
7から9へと加筆のみ。構成はかわらない。
__________
参考までに4バージョンある邦訳のなかの最初の二版。
入門ミクロ経済学 ed.5th(原著1999年)
ハル・R.ヴァリアン/著 佐藤隆三/監訳 大住栄治/〔ほか〕訳
出版社名 :勁草書房
2000年4月 612ページ
全米225の大学で採用されているミクロ経済学標準テキストの決定版。好評を得た旧版に新たに「オークション」「法と経済学」「情報技術」の章を追加、また「独占」の章を「独占」と「独占行動」に拡大し、さらに内容を充実。
[目次]
1章 市 場
2章 予算制約
3章 選 好
4章 効 用
5章 選 択
6章 需 要
7章 顕示選好
8章 スルツキー方程式
9章 売 買
10章 異時点間の選択
11章 資産市場
12章 不確実性
13章 危険資産
14章 消費者余剰
15章 市場需要
16章 均 衡
17章 オークション New
18章 技 術
19章 利潤最大化
20章 費用最小化
21章 費用曲線
22章 企業の供給
23章 産業の供給
24章 独 占
25章 独占行動 New
26章 要素市場
27章 寡 占
28章 ゲームの理論
29章 交 換
30章 生 産
31章 厚 生
32章 外 部 性
33章 法と経済学 New
34章 情報技術 New
35章 公 共 財
36章 非対称情報 (改題)
索引
http://www.amazon.com/Intermediate-Microeconomics-A-Modern-Approach/dp/0393973700
Hardcover: 662 pages
Publisher: W. W. Norton & Company; 5th edition (February 1999)
http://www.textbooks.com/Intermediate-Microeconomics-A-Modern-Approach-5th-Edition/9780393973709/Hal-R-Varian.php
1. The Market
2. Budget Constraint
3. Preferences
4. Utility
5. Choice
6. Demand
7. Revealed Preference
8. Slutsky Equation
9. Buying and Selling
10. Intertemporal Choice
11. Asset Markets
12. Uncertainty
13. Risky Assets
14. Consumer's Surplus
15. Market Demand
16. Equilibrium
17. Auctions @
18. Technology
19. Profit Maximization
20. Cost Minimization
21. Cost Curves
22. Firm Supply
23. Industry Supply
24. Monopoly
25. Monopoly Behavior @
26. Factor Markets
27. Oligopoly
28. Game Theory
29. Exchange
30. Production
31. Welfare
32. Externalities
33. Law and Economics @
34. Information Technology @
35. Public Goods
36. Asymmetric Information
@は以前の版↓に新たに追加された章。
入門ミクロ経済学 ed.2nd(原著1990年)
ハル・R・ヴァリアン/著 佐藤隆三/監訳 翻訳:大住栄治ほか
勁草書房 1992.10
22cm 536p
Intermediate microeconomics. 2nd. ed./の翻訳
ミクロ経済学の山頂をきわめた入門テキストの決定版。高度な分析手法を平易にわかりや
すく「コトバ」で解説。
22cm 536p
Intermediate microeconomics. 2nd. ed./の翻訳
ミクロ経済学の山頂をきわめた入門テキストの決定版。高度な分析手法を平易にわかりや
すく「コトバ」で解説。
追記:
目次
1 市場
2 予算制約
3 選好
4 効用
5 選択
6 需要
7 顕示選好
8 スルツキー方程式
9 売買
10 異時点間の選択
11 資産市場
12 不確実性
13 危険資産
14 消費者余剰
15 市場需要
16 均衡
17 技術
18 利潤最大化
19 費用最小化
20 費用曲線
21 企業の供給
22 産業の供給
23 独占
24 要素市場
25 寡占
26 ゲームの理論
27 交換
28 生産
29 厚生
30 外部性
31 公共財
32 情報
https://opac.lib.city.yokohama.lg.jp/opac/OPP1400?LN_SEARCH=1&WORD=ハル・R・ヴァリアン/著
Hardcover: 652 pages
Publisher: W. W. Norton & Co.; International 2 Revised ed edition (21 Feb. 1990)
1. The Market
2. Budget Constraint
3. Preferences
4. Utility
5. Choice
6. Demand
7. Revealed Preference
8. Slutsky Equation
9. Buying and Selling
10. Intertemporal Choice
11. Asset Markets
12. Uncertainty
13. Risky Assets
14. Consumer's Surplus
15. Market Demand
16. Equilibrium
17. Technology
18. Profit Maximization
19. Cost Minimization
20. Cost Curves
21. Firm Supply
22. Industry Supply
23. Monopoly
24. Factor Markets
25. Oligopoly
26. Game Theory
27. Exchange
28. Production
29. Welfare
30. Externalities
31. Public Goods
32. Information
詳細略
_____________
_____________
別の中級(上級?、大学院生向け)参考書:
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b25981.html
『ミクロ経済分析 [経済と経済学の明日] 』勁草書房
H.R.ヴァリアン 著 佐藤隆三 訳 三野和雄 訳
出版年月 1986年3月
全米の主要な経済学部で高い評価を獲得したミクロ経済学の中級テキスト。生産理論と消費理論への双対アプローチ,明快な叙述,豊富な例題と練習問題が特長。こちらは生産から先に記述。
第6章でドブリュー『価値の理論』の均衡の証明がそのまま引用される。数理経済学の流れにあることがわかる。第3、6章ノートで日本人研究者の名が挙がっている。
参考:
NAMs出版プロジェクト: ドブリュー『価値の理論』
http://nam-students.blogspot.jp/2015/09/blog-post_48.html
目次
第0章 序論
1 ミクロ経済学とは何か
2 最適化行動
3 均衡分析
第1章 企業の理論
1 利潤の最大化
2 技術の描写
3 生産可能集合と必要投入量集合の描写
4 技術のパラメタによる表示
5 技術的代替率
6 規模に関する収穫
7 競争的企業
8 平均費用と限界費用
9 費用の幾何学
10 長期費用曲線と短期費用曲線
11 要素価格が変化するときの費用関数と利潤関数
12 需要関数と供給関数の性質
13 利潤最大化の1階の条件に基づく比較静学
14 条件付き要素需要関数の性質
15 需要関数と利潤関数の関係
16 利潤最大化への代数的接近
17 費用最小化への代数的接近
18 双対性
19 費用関数の十分条件
20 双対性の幾何学
第2章 市場の理論
1 純粋独占
2 純粋競争
3 長期における競争
4 長期における独占
5 独占的競争
6 寡占
7 クールノー=ナッシュ均衡
8 共謀
9 シュタッケルベルグ行動
11 推測的変動
12 買手独占
第3章 消費者の理論
1 消費者選好
2 消費者行動
3 比較静学
4 支出関数と間接効用関数
5 補償関数
6 いくつかの重要な恒等式
7 スルツキー方程式
8 需要関数の性質
9 1階の条件微分
10 積分可能性問題
11 消費における双対性
12 顕示選好
13 顕示選好による比較静学
14 分離可能な効用関数
15 需要関数の連続性
16 総消費需要
17 逆需要関数
18 期待効用
19 期待効用関数の一意性
20 危険回避
第4章 計量経済学と経済理論
1 生産関数の推定
2 双対的接近
3 いくつかの拡張
4 関数型と双対性
5 消費関数の推定
6 単一の需要方程式の推定
7 需要方程式システム
第5章 一般均衡理論と厚生経済学
1 経済主体と財
2 ワルラス均衡
3 ワルラス均衡の図解
4 ワルラス均衡存在
5 ワルラス均衡の厚生の性質
6 パレート効率性と微分
7 厚生の最大化
第6章 一般均衡理論の諸問題
1 均衡と生産 ☆
2 通時的一般均衡
3 一時均衡
4 自然の状態に関する一般均衡
5 交換経済のコア
6 凸性の大きさ
7 均衡の一意性
8 一般均衡動学
9 模索過程
10 非模索過程
第7章 厚生経済学の諸問題
1 公共財
2 選好の正直な表明
3 外部性
4 消費者余剰
5 経済的厚生の測定
6 最適な価格設定
7 準線型効用関数
8 公正な配分
第8章 情報の経済学の諸問題
1 不良車の市場
2 シグナルと価格
3 シグナルの発信
4 道徳的危険
5 価格の情報
6 均衡の形態
7 単一価格均衡の分類
8 要約
数学付録
1 線形代数
2 定符号行列と半定符号行列
3 クラメールの法則
4 解析学
5 微分
6 凸性
7 陰関数定理
8 勾配と接平面
9 最大化
10 等式の制約
11 2階の条件
12 最大値定理
13 包絡線定理
14 同次間数
15 恒等式
16 偏微分方程式
17 動学システム
上記は原著では第二版。
Hal R. Varian Microeconomic Analysis | W. W. Norton & Company second edition 1984
Contents
Preface
Chapter 0 INTRODUCTION
0.1 Description of Microeconomics
0.2 Optimizing Behavior
0.3 Equilibrium Analysis
Chapter 1 THEORY OF THE FIRM
1.1 PROFIT Maximization
1.2 Description of Technology
1.3 Description of Production Sets and Input
Requirement Sets
1.4 Parametric Representation of Technology
1.5 The Technical Rate of Substitution
1.6 Returns to Scale
1.7 The Competitive Firm
1.8 Average and Marginal Costs
1.9 The Geometry of Costs
1.10 Long- and Short-Run Cost Curves
1.11 Cost and Profit Functions with variable Factor Prices
1.12 Properties of Demand and Supply Functions
1.13 Comparative Statics from the First-Order Conditions for Profit Maximization
1.14 Properties of Conditional Factor Demand Functions
1.15 The Relationship between Demand Functions and Pront Functions
1.16 The Algebraic Approach to Pront Maximization
1.17 The Algebraic Approach to Cost Minimization
1.18 Duality
1.19 Sufficient Conditions for Cost Functions
1.20 Geometry of Duality
Exercises
NOTES
References
Chapter2 THEORY OF THE MARKET
2.1 Pure Monopoly
2.2 Pure Competition
2.3 Competition in the Long Run
2.4 Monopoly in the Long Run
2.5 Monopolistic Competition
2.6 Oligopoly
2.7 The Cournot-Nash Equilibrium
2.8 Collusion
2.9 Stackelberg Behavior
2.10 Conjectural variations
2.11 Monopsony
Exercises
NOTES
References
Chapter 3 THEORY OF THE CONSUMER
3.1 The Consumer's Preference
3.2 Consumer Behavior
3.3 Comparative Statics
3.4 The Expenditure Function and the Indirect utility Function
3.5 The Compensation Functions
3.6 Some Important Identities
3.7 The Slutsky Equation
3.8 Properties of Demand Functions
3.9 Differentiating the First-Order Conditions
3.10 The Integrability Problem
3.11 Duality in Consumption
3.12 Revealed Preference
3.13 Comparative Statics from Revealed Preference
3.14 Separable utility Functions
3.15 Continuity of Demand Functions
3.16 Aggregate Consumer Demand
3.17 Inverse Demand Functions
3.18 Expected utility
3.19 The uniqueness of the Expected utility Function
3.20 Risk Aversion
Appendix 1. Expenditure Minimization and utility
Maximization
Appendix 2. Continuity of Demand
Exercises
NOTES
References
Chapter 4 ECONOMETRICS AND ECONOMIC THEORY
4.1 Estimating Production Functions
4.2 The Dual Approach
4.3 Some Extensions
4.4 Functional Form and Duality
4.5 Estimating Consumer Demand Functions
4.6 Estimation of a Single Demand Equation
4.7 Systems of Demand Equations
Exercises
NOTES
References
Chapter 5 GENERAL EQUILIBRIUM THEORY AND WELFARE ECONOMICS
5.1 Agents and Goods
5.2 Walrasian Equilibrium
5.3 GraphicaI Analysis of Walrasian Equilibria
5.4 Existence of Walrasian Equilibria
5.5 Welfare Properties of Walrasian Equilibria
5.6 Pareto Efficiency and Calculus
5.7 Welfare Maximization
Exercises
NOTES
References
Chapter 6 TOPICS IN GENERAL EQUILIBRIUM THEORY
6.1 Equilibrium and PRODUCTION ☆
6.2 General Equilibrium over Time
6.3 Temporary Equilibrium
6.4 General Equilibrium over States of Nature
6.5 The Core of an Exchange Economy
6.6 Convexity and Size
6.7 The uniqueness of Equilibrium
6.8 GeneraI Equilibrium Dynamics
6.9 Tatonnement Processes
6.10 Nontatonnement Processes
Exercises
NOTES
References
Chapter 7 TOPICS IN WELFARE ECONOMICS
7.1 Public Goods
7.2 Truthful Revelation of Preference
7.3 Externalities
7.4 Consumer's Surplus
7.5 Measurement of Economic Welfare
7.6 OptimaI Pricing
7.7 Quasi-Linear Utility Functions
7.8 Fair Allocations
Exercises
NOTES
References
Chapter 8 TOPICS IN THE ECONOMICS OF INFORMATION
8.1 The Market for Lemons
8.2 Signals and Prices
8.3 Signaling
8.4 MoraI Hazard
8.5 Information about Prices
8.6 Equilibrium Configurations
8.7 Classification of Single-Price Equilibria
8.8 Two-Price Equilibria
8.9 Summary
NOTES
References
MATHEMATICAL APPENDIX
A.1 Linear Algebra
A.2 Definite and Semidefinite Matrices
A.3 Cramer's Rule
A.4 Analysis
A.5 Calculus
A.6 Convexity
A.7 The Implicit Function Theorem
A.8 Gradients and Tangent Planes
A.9 Maximization
A.10 Equality Constraints
A.11 Second-Order Conditions
A.12 The Theorem of the Maximum
A.13 The Envelope Theorem
A.14 Homogeneous Functions
A.15 Identities
A.16 PartiaI Differential Equations
A.17 Dynamical Systems
Notes
References
Answers and Hints to Selected Exercises
INDEX
☆
均衡の存在 z(p)が価格単体上で定義されたワルラス法則を満たす連続関
数であれば,第5章の議論を適用し,z(p*)≦0となるp*が存在することを
示せる.われわれが見たように,各企業の生産可能集合が強凸であると,連続
性は満足される.われわれにとって必要なのは総生産可能集合が凸であること
だけであるが,これを見るのはそれほど難しくない.たとえ個別の企業が,小
さい領域で規模に関して収穫逓増になるような非凸性を示すとしても,そのた
めにもたらされる非連続性は集計すれば消える可能性があるからである.
今まで説明してきた均衡の存在の議論は,われわれが需要関数を扱うときに
のみ成立することを想起しよう.このことが課す唯一の重大な制約は,かなり
の重要性をもつ規模に関して収穫不変の技術を排除しているということである.
そこで,ここでは一般的な場合における存在定理を示し,その仮定の経済的意
味について検討しよう.
定理 次の仮定が満たされると,経済に均衡が存在する.
(1) 各消費者の消費集合は閉,凸,かつ下から有界である.
(2) すべての消費者にとって,飽和消費ベクトルは存在しない.
(3) 各消費者 i について,集合{xi :xi>_順x'i}と{xi :x'i>_順xi}は閉である
(4) 各消費者は彼の消費集合の内部にその初期賦存ベクトルをもっている.
(5) 各消費者 i について,xi と x'i が2つの消費ベクトルであれば,xi>_順 ix'i
は任意のO<tく1に対してtxi+(1−t)x'i>順x'i を意味する.
(6) 各企業jについて,0はYj (j=1,…,m)の要素である.
(7) Yj (j=1,…,m)は閉かつ凸である.
(8) Yj ∩(−Yj)={0},j=1,…,m.
(9) Yj ⊃(−R+),j=1,…,m.
証明 デブリュー(1959)を見よ.□
それぞれの仮定が,何のために用いられるかを確実に理解しておこう.仮定
(1),(2),(3),(4),(5)は,消費者の(多価)需要関数がある形の連続性をもつ
ことを証明するために用いられる.これらの仮定の経済的意味はすでにおなじ
みである.仮定(6)は企業がいつでも操業を止められるという仮定であり,
これによって均衡での利潤が非負になることが保証される.仮定(7)は各企
業の(多価)需要関数の連続性を保証する.仮定(8)は生産が非可逆的であ
ること,すなわち,ある純産出ベクトルyを生みだした後に,その産出物を投
入して投入物を逆に生産するのは不可能であることを保証している.これは配
分の実行可能集合の有界性を保証するために用いられる.最後に,仮定(9)
は,すべての財を投入物として用いる生産計画は実行可能であることを示して
いるが,これは本質的には自由処分の仮定である.
varian-analysis #6 邦訳241-3頁
下記は第3版。大幅に改訂されている。
http://books.wwnorton.com/books/webad.aspx?id=11247
Microeconomic Analysis | W. W. Norton & Company
March 1992 ISBN 978-0-393-95735-8 7.3 × 9.6 in / 576 pages
CONTENTS
PREFACE
1 Technology 1
2 Profit Maximization
3 Profit Function
4 Cost Minimization
5 Cost Function
6 Duality_
7 Utility Maximization2
8 Choice3
9 Demand_4
10 Consumers' Surplus5
11 Uncertainty
12 Econometrics
13 Competitive Markets
14 Monopoly
15 Game Theory
16 Oligopoly
17 Exchange_
18 Production6
19 Time
20 Asset Markets
21 Equilibrium Analysis_
22 Welfare7
23 Public goods
24 Externalities_
25 Information_8
26 Mathematics
27 Optimization
References l A1 Answers to Odd-Numbered Exercises l A9 Index 1 A37
こちらは数学の難易度が上がり、スルツキー方程式なども行列式を使って説明している。
冒頭のチャート図がないが、正直、この版が一番いい。おそらくオリジナルに近く、版型が横に長い分、図が少しだけ大きい。これがありがたい。白黒だが見やすい図だ。カラーにすればいいとは一概に言えない。全版に言えるが分かりやすくベクトルに日本語訳が採用されている。次の邦訳から追加された情報技術のネットワーク外部性については別の本*を読むべきだろう。
目次
1 市場
2 予算制約
3 選好
4 効用
5 選択
6 需要
7 顕示選好
8 スルツキー方程式
9 売買
10 異時点間の選択
11 資産市場
12 不確実性
13 危険資産
14 消費者余剰
15 市場需要
16 均衡
17 技術
18 利潤最大化
19 費用最小化
20 費用曲線
21 企業の供給
22 産業の供給
23 独占
24 要素市場
25 寡占
26 ゲームの理論
27 交換
28 生産
29 厚生
30 外部性
31 公共財
32 情報
https://opac.lib.city.yokohama.lg.jp/opac/OPP1400?LN_SEARCH=1&WORD=ハル・R・ヴァリアン/著
Hardcover: 652 pages
Publisher: W. W. Norton & Co.; International 2 Revised ed edition (21 Feb. 1990)
1. The Market
2. Budget Constraint
3. Preferences
4. Utility
5. Choice
6. Demand
7. Revealed Preference
8. Slutsky Equation
9. Buying and Selling
10. Intertemporal Choice
11. Asset Markets
12. Uncertainty
13. Risky Assets
14. Consumer's Surplus
15. Market Demand
16. Equilibrium
17. Technology
18. Profit Maximization
19. Cost Minimization
20. Cost Curves
21. Firm Supply
22. Industry Supply
23. Monopoly
24. Factor Markets
25. Oligopoly
26. Game Theory
27. Exchange
28. Production
29. Welfare
30. Externalities
31. Public Goods
32. Information
詳細略
_____________
_____________
別の中級(上級?、大学院生向け)参考書:
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b25981.html
『ミクロ経済分析 [経済と経済学の明日] 』勁草書房
H.R.ヴァリアン 著 佐藤隆三 訳 三野和雄 訳
出版年月 1986年3月
全米の主要な経済学部で高い評価を獲得したミクロ経済学の中級テキスト。生産理論と消費理論への双対アプローチ,明快な叙述,豊富な例題と練習問題が特長。こちらは生産から先に記述。
第6章でドブリュー『価値の理論』の均衡の証明がそのまま引用される。数理経済学の流れにあることがわかる。第3、6章ノートで日本人研究者の名が挙がっている。
参考:
NAMs出版プロジェクト: ドブリュー『価値の理論』
http://nam-students.blogspot.jp/2015/09/blog-post_48.html
目次
第0章 序論
1 ミクロ経済学とは何か
2 最適化行動
3 均衡分析
第1章 企業の理論
1 利潤の最大化
2 技術の描写
3 生産可能集合と必要投入量集合の描写
4 技術のパラメタによる表示
5 技術的代替率
6 規模に関する収穫
7 競争的企業
8 平均費用と限界費用
9 費用の幾何学
10 長期費用曲線と短期費用曲線
11 要素価格が変化するときの費用関数と利潤関数
12 需要関数と供給関数の性質
13 利潤最大化の1階の条件に基づく比較静学
14 条件付き要素需要関数の性質
15 需要関数と利潤関数の関係
16 利潤最大化への代数的接近
17 費用最小化への代数的接近
18 双対性
19 費用関数の十分条件
20 双対性の幾何学
第2章 市場の理論
1 純粋独占
2 純粋競争
3 長期における競争
4 長期における独占
5 独占的競争
6 寡占
7 クールノー=ナッシュ均衡
8 共謀
9 シュタッケルベルグ行動
11 推測的変動
12 買手独占
第3章 消費者の理論
1 消費者選好
2 消費者行動
3 比較静学
4 支出関数と間接効用関数
5 補償関数
6 いくつかの重要な恒等式
7 スルツキー方程式
8 需要関数の性質
9 1階の条件微分
10 積分可能性問題
11 消費における双対性
12 顕示選好
13 顕示選好による比較静学
14 分離可能な効用関数
15 需要関数の連続性
16 総消費需要
17 逆需要関数
18 期待効用
19 期待効用関数の一意性
20 危険回避
第4章 計量経済学と経済理論
1 生産関数の推定
2 双対的接近
3 いくつかの拡張
4 関数型と双対性
5 消費関数の推定
6 単一の需要方程式の推定
7 需要方程式システム
第5章 一般均衡理論と厚生経済学
1 経済主体と財
2 ワルラス均衡
3 ワルラス均衡の図解
4 ワルラス均衡存在
5 ワルラス均衡の厚生の性質
6 パレート効率性と微分
7 厚生の最大化
第6章 一般均衡理論の諸問題
1 均衡と生産 ☆
2 通時的一般均衡
3 一時均衡
4 自然の状態に関する一般均衡
5 交換経済のコア
6 凸性の大きさ
7 均衡の一意性
8 一般均衡動学
9 模索過程
10 非模索過程
第7章 厚生経済学の諸問題
1 公共財
2 選好の正直な表明
3 外部性
4 消費者余剰
5 経済的厚生の測定
6 最適な価格設定
7 準線型効用関数
8 公正な配分
第8章 情報の経済学の諸問題
1 不良車の市場
2 シグナルと価格
3 シグナルの発信
4 道徳的危険
5 価格の情報
6 均衡の形態
7 単一価格均衡の分類
8 要約
数学付録
1 線形代数
2 定符号行列と半定符号行列
3 クラメールの法則
4 解析学
5 微分
6 凸性
7 陰関数定理
8 勾配と接平面
9 最大化
10 等式の制約
11 2階の条件
12 最大値定理
13 包絡線定理
14 同次間数
15 恒等式
16 偏微分方程式
17 動学システム
上記は原著では第二版。
Hal R. Varian Microeconomic Analysis | W. W. Norton & Company second edition 1984
Contents
Preface
Chapter 0 INTRODUCTION
0.1 Description of Microeconomics
0.2 Optimizing Behavior
0.3 Equilibrium Analysis
Chapter 1 THEORY OF THE FIRM
1.1 PROFIT Maximization
1.2 Description of Technology
1.3 Description of Production Sets and Input
Requirement Sets
1.4 Parametric Representation of Technology
1.5 The Technical Rate of Substitution
1.6 Returns to Scale
1.7 The Competitive Firm
1.8 Average and Marginal Costs
1.9 The Geometry of Costs
1.10 Long- and Short-Run Cost Curves
1.11 Cost and Profit Functions with variable Factor Prices
1.12 Properties of Demand and Supply Functions
1.13 Comparative Statics from the First-Order Conditions for Profit Maximization
1.14 Properties of Conditional Factor Demand Functions
1.15 The Relationship between Demand Functions and Pront Functions
1.16 The Algebraic Approach to Pront Maximization
1.17 The Algebraic Approach to Cost Minimization
1.18 Duality
1.19 Sufficient Conditions for Cost Functions
1.20 Geometry of Duality
Exercises
NOTES
References
Chapter2 THEORY OF THE MARKET
2.1 Pure Monopoly
2.2 Pure Competition
2.3 Competition in the Long Run
2.4 Monopoly in the Long Run
2.5 Monopolistic Competition
2.6 Oligopoly
2.7 The Cournot-Nash Equilibrium
2.8 Collusion
2.9 Stackelberg Behavior
2.10 Conjectural variations
2.11 Monopsony
Exercises
NOTES
References
Chapter 3 THEORY OF THE CONSUMER
3.1 The Consumer's Preference
3.2 Consumer Behavior
3.3 Comparative Statics
3.4 The Expenditure Function and the Indirect utility Function
3.5 The Compensation Functions
3.6 Some Important Identities
3.7 The Slutsky Equation
3.8 Properties of Demand Functions
3.9 Differentiating the First-Order Conditions
3.10 The Integrability Problem
3.11 Duality in Consumption
3.12 Revealed Preference
3.13 Comparative Statics from Revealed Preference
3.14 Separable utility Functions
3.15 Continuity of Demand Functions
3.16 Aggregate Consumer Demand
3.17 Inverse Demand Functions
3.18 Expected utility
3.19 The uniqueness of the Expected utility Function
3.20 Risk Aversion
Appendix 1. Expenditure Minimization and utility
Maximization
Appendix 2. Continuity of Demand
Exercises
NOTES
References
Chapter 4 ECONOMETRICS AND ECONOMIC THEORY
4.1 Estimating Production Functions
4.2 The Dual Approach
4.3 Some Extensions
4.4 Functional Form and Duality
4.5 Estimating Consumer Demand Functions
4.6 Estimation of a Single Demand Equation
4.7 Systems of Demand Equations
Exercises
NOTES
References
Chapter 5 GENERAL EQUILIBRIUM THEORY AND WELFARE ECONOMICS
5.1 Agents and Goods
5.2 Walrasian Equilibrium
5.3 GraphicaI Analysis of Walrasian Equilibria
5.4 Existence of Walrasian Equilibria
5.5 Welfare Properties of Walrasian Equilibria
5.6 Pareto Efficiency and Calculus
5.7 Welfare Maximization
Exercises
NOTES
References
Chapter 6 TOPICS IN GENERAL EQUILIBRIUM THEORY
6.1 Equilibrium and PRODUCTION ☆
6.2 General Equilibrium over Time
6.3 Temporary Equilibrium
6.4 General Equilibrium over States of Nature
6.5 The Core of an Exchange Economy
6.6 Convexity and Size
6.7 The uniqueness of Equilibrium
6.8 GeneraI Equilibrium Dynamics
6.9 Tatonnement Processes
6.10 Nontatonnement Processes
Exercises
NOTES
References
Chapter 7 TOPICS IN WELFARE ECONOMICS
7.1 Public Goods
7.2 Truthful Revelation of Preference
7.3 Externalities
7.4 Consumer's Surplus
7.5 Measurement of Economic Welfare
7.6 OptimaI Pricing
7.7 Quasi-Linear Utility Functions
7.8 Fair Allocations
Exercises
NOTES
References
Chapter 8 TOPICS IN THE ECONOMICS OF INFORMATION
8.1 The Market for Lemons
8.2 Signals and Prices
8.3 Signaling
8.4 MoraI Hazard
8.5 Information about Prices
8.6 Equilibrium Configurations
8.7 Classification of Single-Price Equilibria
8.8 Two-Price Equilibria
8.9 Summary
NOTES
References
MATHEMATICAL APPENDIX
A.1 Linear Algebra
A.2 Definite and Semidefinite Matrices
A.3 Cramer's Rule
A.4 Analysis
A.5 Calculus
A.6 Convexity
A.7 The Implicit Function Theorem
A.8 Gradients and Tangent Planes
A.9 Maximization
A.10 Equality Constraints
A.11 Second-Order Conditions
A.12 The Theorem of the Maximum
A.13 The Envelope Theorem
A.14 Homogeneous Functions
A.15 Identities
A.16 PartiaI Differential Equations
A.17 Dynamical Systems
Notes
References
Answers and Hints to Selected Exercises
INDEX
☆
均衡の存在 z(p)が価格単体上で定義されたワルラス法則を満たす連続関
数であれば,第5章の議論を適用し,z(p*)≦0となるp*が存在することを
示せる.われわれが見たように,各企業の生産可能集合が強凸であると,連続
性は満足される.われわれにとって必要なのは総生産可能集合が凸であること
だけであるが,これを見るのはそれほど難しくない.たとえ個別の企業が,小
さい領域で規模に関して収穫逓増になるような非凸性を示すとしても,そのた
めにもたらされる非連続性は集計すれば消える可能性があるからである.
今まで説明してきた均衡の存在の議論は,われわれが需要関数を扱うときに
のみ成立することを想起しよう.このことが課す唯一の重大な制約は,かなり
の重要性をもつ規模に関して収穫不変の技術を排除しているということである.
そこで,ここでは一般的な場合における存在定理を示し,その仮定の経済的意
味について検討しよう.
定理 次の仮定が満たされると,経済に均衡が存在する.
(1) 各消費者の消費集合は閉,凸,かつ下から有界である.
(2) すべての消費者にとって,飽和消費ベクトルは存在しない.
(3) 各消費者 i について,集合{xi :xi>_順x'i}と{xi :x'i>_順xi}は閉である
(4) 各消費者は彼の消費集合の内部にその初期賦存ベクトルをもっている.
(5) 各消費者 i について,xi と x'i が2つの消費ベクトルであれば,xi>_順 ix'i
は任意のO<tく1に対してtxi+(1−t)x'i>順x'i を意味する.
(6) 各企業jについて,0はYj (j=1,…,m)の要素である.
(7) Yj (j=1,…,m)は閉かつ凸である.
(8) Yj ∩(−Yj)={0},j=1,…,m.
(9) Yj ⊃(−R+),j=1,…,m.
証明 デブリュー(1959)を見よ.□
それぞれの仮定が,何のために用いられるかを確実に理解しておこう.仮定
(1),(2),(3),(4),(5)は,消費者の(多価)需要関数がある形の連続性をもつ
ことを証明するために用いられる.これらの仮定の経済的意味はすでにおなじ
みである.仮定(6)は企業がいつでも操業を止められるという仮定であり,
これによって均衡での利潤が非負になることが保証される.仮定(7)は各企
業の(多価)需要関数の連続性を保証する.仮定(8)は生産が非可逆的であ
ること,すなわち,ある純産出ベクトルyを生みだした後に,その産出物を投
入して投入物を逆に生産するのは不可能であることを保証している.これは配
分の実行可能集合の有界性を保証するために用いられる.最後に,仮定(9)
は,すべての財を投入物として用いる生産計画は実行可能であることを示して
いるが,これは本質的には自由処分の仮定である.
varian-analysis #6 邦訳241-3頁
下記は第3版。大幅に改訂されている。
http://books.wwnorton.com/books/webad.aspx?id=11247
Microeconomic Analysis | W. W. Norton & Company
March 1992 ISBN 978-0-393-95735-8 7.3 × 9.6 in / 576 pages
CONTENTS
PREFACE
1 Technology 1
2 Profit Maximization
3 Profit Function
4 Cost Minimization
5 Cost Function
6 Duality_
7 Utility Maximization2
8 Choice3
9 Demand_4
10 Consumers' Surplus5
11 Uncertainty
12 Econometrics
13 Competitive Markets
14 Monopoly
15 Game Theory
16 Oligopoly
17 Exchange_
18 Production6
19 Time
20 Asset Markets
21 Equilibrium Analysis_
22 Welfare7
23 Public goods
24 Externalities_
25 Information_8
26 Mathematics
27 Optimization
References l A1 Answers to Odd-Numbered Exercises l A9 Index 1 A37
こちらは数学の難易度が上がり、スルツキー方程式なども行列式を使って説明している。
*
参考:
グーグルを世界一にした経済学者ハル・ヴァリアン:日経ビジネスオンライン
2014年4月14日(月)
)
安田:グーグルをはじめとする検索エンジンの収益の大半は、「検索連動型広告」と呼ばれる企業広告の広告料です。よく検索結果ページの上部や脇に表示されているあれですね。ハル・ヴァリアンさんが知見を生かして作り上げた最先端のオークション理論を、グーグルが活用して大きく成長してきたことは広く知られています。オークションとは、売り手が1人で買い手が多数の取引のことで、オークション理論はその市場の仕組みを理論化したものです。
そんなヴァリアンさんがなぜ、広告オークションの仕組みをいったん作った後も、引き続きチーフエコノミストという肩書でグーグルに関わり続けることになったのでしょう。
エリック・シュミット会長の誘いで研究
ヴァリアン:私がグーグルでの仕事に関わり始めたのは2002年でした。当時の私は、米カリフォルニア大学バークレー校の情報管理学部長でした。休暇中、旧友であるグーグルのエリック・シュミット氏(現会長)に偶然会って、声をかけられたのです。
当時のグーグルはとても小さな会社でした。社員も300人程度しかいなかった。「何をすればいいんだい?」とシュミット氏に聞くと、「広告オークションについて調べてくれないか。多分何らかの収益につながると思うんだが」と言ってきたのです。
つまり、広告オークションの仕組み作りが私の最初の仕事でした。広告オークションから得られるデータを統計的に分析することなどに1年費やし、バークレーに戻りました。
その後も、グーグルへの助言は週に1度のペースで続けました。今度は、収入予測モデルの開発に携わったのです。俗に言う「クエリ予測モデル」(編集注:クエリとは、データベースからデータを抜き出したり、操作したりする命令をするための文字列や、検索のため検索エンジンに入力する文字列などのこと)です。グーグルが2004年に上場した後は、再び新たなオークション設計に取り組むことになりました。
安田:ところで、現在はどのような体制でお仕事をされているのですか。
ヴァリアン:私自身は、広告オークションの理論構築に携わっている時はシミュレーターを作って、オークションの結果を何度もシミュレーションし、修正しながら様々な分析をしたりしていました。
現在のチームは4人の経済学者、3人の統計専門家、数人のコンピューターエンジニア、その他数人で構成されています。グーグル全体では、恐らく300人かそれ以上の人たちがアナリストや統計専門家、経済学者として関わっています。
安田:よくもまあ、それだけの経済学者が集まりましたね。
ヴァリアン:ここでやっているのは、経済学者が考えるような普通の研究とは少し違います。私の場合、最初は広告オークションから始めたわけですが、今はそれはあくまで仕事の一つですね。仕事としては、単なる産業予測をするようなものから、国の政策動向の分析までいろいろです。
足元では、私たちがクエリ予測と呼ぶ収益予測の特別チームや、政策関連、例えば、独占禁止法関連の研究などにかなり時間を割いています。
政策ではほかにプライバシー保護政策、知的財産保護、情報アクセス権などのテーマが中心です。産業界で様々な別のセクターと関わり合おうとすると、常にウオッチしなければいけないテーマが本当にたくさんあるのですよ。
安田:グーグルで働いていて、一番楽しいことは何ですか?
ヴァリアン:私にとって一番面白いのは、グーグルではいつも何か新しいことが起こっているということでしょうね。様々な異なる分野に経済学的なテーマが現れてきますので、その都度新しいテーマに取り組める。
ビジネスの世界があまりに刺激的で楽しすぎた
安田:ヴァリアンさんはもともと、アカデミアを飛び出して、いわゆる一般企業で働くことに関心があったのですか。
ヴァリアン:もちろんありました。1998年に共著で『Information Rules』(邦題:「ネットワーク経済」の法則―アトム型産業からビット型産業へ…変革期を生き抜く72の指針)という本を書いたんですが、シリコンバレーであの本を読んで、内容を気に入ってくれた人がたくさんいて、その頃から少しずつ交流が始まっていましたからね。
安田:はい、その本は僕も読みました。とても好きな本の1つです。
ヴァリアン:そのような中で、冒頭ご紹介したエリックからの光栄な話がありましたから、これは大変なチャンスだと、シリコンバレーのスタートアップに1年関われるなんて大きなチャンスだと思いました。ただ、関わっていくうち、あまりに「こっち」の世界が刺激的で楽しく感じたので、ビジネスの世界にとどまることにしてしまったのです。
安田:グーグルを大企業に育て上げるうえで大きな貢献をしたヴァリアンさんは、経済学者としても多大な社会貢献をされてきました。とりわけ、複雑なことを分かりやすく説明するスキルを尊敬しています。
僕のようなまだ若い経済学者に対して、複雑なことを分かりやすく説明する秘訣をぜひ教えてくれませんか? また、経済理論を現実に応用するコツのようなものはあるのでしょうか。
ヴァリアン:それは大変素晴らしい質問です。大学院で経済学を教えていて一番問題があるなと感じるのは、学生たちがどんな科目でも枝葉末節にこだわりすぎて、大局を見失いがちなことです。
また、ビジネスの世界における1つの試練は時間的な制約です。例えばたった2週間、あるいは1カ月でいくつもの重要な意思決定をしなければいけない。ここではプロジェクトにかけられるのは数週間、せいぜい長くて数カ月です。しかし学術的な世界では、1つの論文に1年、2年とかけます。
ビジネスの現場では、短時間で英知を結集してマネジメント可能な成果にまで昇華させなければいけない。それには、仕事を効果的に進めるのに合った会話の作法もどうしても必要になります。
「ビッグデータ」かどうかは二の次
安田:ビジネスの世界では、ビッグデータの活用も大変話題になっています。ヴァリアンさんは確かビッグデータについても論文を書かれていましたね。経済学は、ビッグデータ分析にどう生かせるのでしょうか。
ヴァリアン:経済学者はひたすらデータに対峙しているので、「ビッグ」かどうかは二の次です。とはいえ「ジャーナル・オブ・エコノミック・パースペクティブス」という学術誌に、私が書いたデータ分析についての論文が掲載されます。タイトルは、「New Tricks for Econometrics」(計量経済学のための新たなトリック)。
安田:どんな「トリック」ですか?
ヴァリアン:機械学習(編集部注:人間が自然な学習で学んでいるのと同じ学習能力を、人工知能に実現させようとする技術)の「トリック」です。機械学習では実用的な因果関係の分析について多くの興味深い研究が期待できますので、そこに経済学者がもっと注視すべきだ、というのが論文のテーマです。統計分析は相関関係を見抜くことができますが、因果関係をいつも判別できるわけではないからです。
スタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校、それからグーグル社内で因果関係のモデル化について講演をしてきたのですが、感触としては経済学者の間で、こうしたいわゆる実験経済学の人気がますます高まっていると感じます。
グーグルでの実証実験は年に1万件
実験経済学は、そもそもマーケティングの分野で最初に始まりました。マーケティングの効果測定をしようとする時に使うのです。しかし、マーケティングに限らず、グーグルでもさんざんこうした実証実験をしてきました。年に1万件は実験しています。
安田:年に1万件は、すごい数です。
ヴァリアン:実験は大体、研究目的が5000、自社の広告ビジネスに生かすための実験が5000という感じですね。正直、グーグルで働いていると次から次へと実験ばかりです。検索ランキングシステムのユーザーインターフェースのデザイン、あるいは広告ランキングシステムのインターフェースのデザインなどなど、やらなければならないことは枚挙にいとまがありません。
経済学の言葉で言うと、すべてのプロジェクトが、厳密なランダム化対照実験(編集部注::ランダムに研究対象を2つに分け、一方に評価する必要のある施策をし、もう一方には違う施策をする実験)の対象になると言っていいでしょう。
グーグルがここまで急成長できたのは、こうした日々の試行錯誤の積み重ねにあると思います。◼︎
「2014~2015年版 新しい経済の教科書」日経BPムックに上記インタビューの完全版。
*:情報技術、ネットワーク外部性、非対称的情報に繋がる本として以下がある。
『入門ミクロ』最新版616頁(情報技術/システム競争)では参考文献に挙げられている。
ヴァリアンではなくバリアン名義の邦訳なので、検索に引っかからない。
『入門ミクロ』最新版616頁(情報技術/システム競争)では参考文献に挙げられている。
ヴァリアンではなくバリアン名義の邦訳なので、検索に引っかからない。
『「ネットワーク経済」の法則』
アトム型産業からビット型産業へ…変革期を生き抜く72 の指針
著者名等 カール・シャピロ/共著 ハルR.バリアン/共著
千本倖生/監訳 宮本喜一/訳
出版者 アイ・ディ・ジーコミュニケーションズ 1999.06 567p
Information rules. 1998
要旨
インフォメーション製品(映画・音楽、ソフトウェア、株価など)は、今や工業製品に代 わって世界のマーケットの主役となった。そして、今、多くの企業人たちが、この「新経 済体系」に直面し、意思決定の指針となる有効な「新・経済学」を模索している。最先端 のソフトウェア製品やWeb Magazineを市場に投入している経営者たちは、経 済学の古典的な知恵を捨て去ろうとするが、その戦略策定の指針はトレンドを頼りに類推 しているに過ぎない…。
目次
第1章 インフォメーション経済;
第2章 インフォメーションの価格づけ;
第3章 イ ンフォメーションのバージョン化;
第4章 権利の運用管理;第5章 ロックインを理解 する;
第6章 ロックインを管理する;
第7章 ネットワークとプラスのフィードバック ;
第8章 協力と互換性;
第9章 標準化戦争の戦い方;
第10章 インフォメーション 政策
索引
メカニズムデザイン (英: mechanism design) とは経済学の一分野である。資源配分や公共的意思決定などの領域で実現したい目標が関数の形で与えられたとき、その目標が自律的/分権的に実現できるようなルール(「メカニズム」とか「ゲームフォーム」とも呼ばれる)を設計することを目指している。言い換えれば、与えられた関数が要求する目標を、各プレイヤーの誘因を損なうことなく実現できるようなゲームを設計することをメカニズムデザインでは目指している。メカニズムデザインは経済学のなかでも特に社会選択理論および非協力ゲーム理論、さらには契約理論やマーケットデザインと密接な関係を持つ。
メカニズムは一般的に次のような基本的な性質を持つよう設計される。
より進んだメカニズムでは、プレイヤーの談合も排除するよう設計される。
メカニズムデザインの一分野として、市場やオークション、組み合わせオークションの設計がある。その他にも、医学部生のインターンシップ配属に利用される安定結婚問題がある。更なる応用として、公共財の供給や最適な税率の設計などについても研究されている。
目次
メカニズムの例
オークション
オークションの設計では、効率性と耐戦略性をみたすオークションメカニズムの設計が重視される。ここで各用語の意味は以下のようである。
- 効率的なオークション
- 財をもっとも高く評価する入札者にその財を配分するようなオークション
- 耐戦略的なオークション
- 入札者が財に対する自分の評価額以外の額を入札しても得をすることがないようなオークション。ゲーム理論の言葉でいえば、評価額をそのまま入札することが弱支配戦略になっているようなオークションメカニズム
たとえば最も高い入札額をつけた入札者がその入札額を支払うことで財を受け取るファーストプライスオークション(第一価格オークション)は耐戦略的ではない。最適な戦略が他人次第であることは、各自が自分の評価額以下かつ2番目に高い入札額以上の範囲でできるだけ低い入札額を狙うことから分かり、実際に理論的にも入札者は評価額よりも低い金額を入札することが示せる。なお、このオークションは各入札者が互いの入札額を知らずに入札する封印入札オークションの代表例でもある。
効率性と耐戦略性をみたすオークションとしては、セカンドプライスオークション(第二価格オークション; Vickrey auction)が知られている[2]。これは最も高い入札額をつけた入札者が2番目に高い入札額を支払った上で財を受け取る封印入札オークションである。なぜ自分の評価額をそのまま入札するのが最適かは、次のように説明できる。いまオークションの対象となっている財に対するあなたの評価額が10,000円で、あなた以外の入札者の入札額 (bid) で最高のものを b 円とする。
- b > 10,000円 の場合。たとえば b = 10,700円とする。この場合、財を落札すれば 10,700円以上を払うことになるため、落札しない方が得である。そのためにはその額 b 円未満を入札しておけばよく、10,000円を入札するのはその条件に適っている。
- b < 10,000円 の場合。たとえば b = 9,800 円とする。この場合、財を落札すれば支払いが 9,800 円で済むため、落札した方が得である。そのためにはその額 b 円より多い額を入札しておけばよく、10,000円を入札するのはその条件に適っている。
要するに各人にとって、自分の評価額をそのまま入札する戦略が常に最適であり、それ以外の額を入札する戦略はこの戦略に弱支配されている。
非分割財の配分
「オークション」といえば金銭の授受を伴うメカニズムになってしまうが、状況によってはもっとも評価額の高い人に金銭の授受を避けた形で「財」を配分することを目標とした方が自然なこともある。たとえばソロモン王のジレンマとして知られる配分問題がそれである。「自分がこの子の母親だ」と主張する二人の女がソロモン王の前に現れたという旧約聖書のエピソードから来ている。ソロモン王の目標は、赤ちゃんを真の母親に返すことであり(ただし王自身はどちらの女が真の母親かは知らない)、金銭の授受なしにこれを遂行することである。ここでは話を簡単にするため、真の母親がその子供に対するもっとも高い「評価額」を持つと仮定する。
この問題を解決するメカニズムとしては様々なものが提案されている。ここではセカンドプライスオークションを利用した非常に単純なメカニズムを取り上げ、一単位だけある財を n人いる個人のうちの最高評価者(最高評価額を持つ個人)に配分できることを説明する[4]。なお、各人は最高の評価額と2番目の評価額の差がある値 δ > 0 より大きいことを知っており、自分の評価額が最高かどうかも分かるものとする。メカニズムは次の2段階から成る:
- 各人はそれぞれオークションに参加するかどうかを表明する。
- 参加表明者が2人以上の場合、参加者は参加費 δ を払った上でセカンドプライスオークションに参加する。参加表明者が1人以下の場合、参加者がタダで財を得る。いずれの場合も参加しない者には支払いも生じないし財も得られない。
最高評価者への配分がこのメカニズムでうまく実現できることは、逆向き帰納法で示せる。まず、第2段階のセカンドプライスオークションに参加した個人は自分の評価額を入札するはずである(参加料はサンクコストとなって影響を与えないため)。したがって最高評価者以外の参加者は、オークションへの参加費を取られる一方で財は得られないことになる。これは彼らにとって参加することより損なので、彼らは第1段階で不参加を表明する。一方、第2段階で(参加費を払った上でも)損せずに財を獲得することが予想できる最高評価者は、第1段階で参加を表明する。以上から実際に第1段階で参加を表明するのは最高評価者だけになり、金銭のやり取りなしで財がこの人に配分されることが分かる。
メカニズムデザインのモデル化
メカニズムデザインのモデルは、環境とメカニズムによって表される。
- 環境
- と表記される。
- :参加者の集合 ただし設計者自身を含むときは設計者をとして加える。
- :実現可能な結果の集合
- :参加者タイプの集合 ただし。
- (各参加者 のタイプ(参加者の信念や価値観)の集合に対して )
- メカニズム
- と表記される。
- :戦略の集合 ただし
- (各参加者 の戦略をとして)
- :結果の集合(つまりは写像 )
ギバード・サタースウェイトの定理では、支配戦略で誘導可能な結果は独裁だけであるということが示されている。これに対し、ナッシュ均衡を社会に適用する際は可能なものがいくつかある。
レオニード・ハーヴィッツ、エリック・マスキン、ロジャー・マイヤーソンの3人は、「メカニズムデザインの基礎を作り上げた」として2007年にノーベル経済学賞を受賞している。
脚注
- ^ a b 坂井豊貴; 藤中裕二; 若山琢磨 (2008). メカニズムデザイン: 資源配分制度の設計とインセンティブ. ミネルヴァ書房. ISBN 978-4623052349.
- ^ 坂井・藤中・若山, 2008[1], 4.5.1節.
- ^ Mihara, H. R. (2012). “The Second-Price Auction Solves King Solomon's Dilemma*”. Japanese Economic Review: no. doi:10.1111/j.1468-5876.2011.00543.x.
- ^ Mihara, 2012[3]. 坂井・藤中・若山, 2008[1], 1.1 節は n = 2 人のケースを概説。
返信削除経済学者 | 安田洋祐(やすだようすけ) のブログ。プレミアム版にしてデザインも変更しました。これを機に更新頻度を上げていきたいです!(これを言うのはもう何度目だろう…orz)
2015年09月07日
これがGoogle流!? 最新ミクロ経済学
http://blog.livedoor.jp/yagena/archives/50934249.html
「Google+ミクロ経済学」のキーワードで思いつく人物と言えば、名門UCバークレーの看板教授からGoogleのチーフエコノミストへと転身を遂げた、世界的なミクロ経済学者ハル・ヴァリアン氏でしょう。実は、昨年発売された『新しい経済の教科書』(↓)の企画で、彼と対談する機会に恵まれました。(詳しくは、こちらのブログ記事をご覧ください)
2014~2015年版 新しい経済の教科書 (日経BPムック 日経ビジネス)
2014~2015年版 新しい経済の教科書 (日経BPムック 日経ビジネス) [雑誌]
日経BP社
2014-04-14
その対談の際に、彼が「やっと執筆を終えて、あとは出版を待つばかりだよ」と話していたのが、世界的なベストセラーであるミクロ経済学の教科書『Intermediate Microeconomics』の第9版。私も学生時代、とりわけ大学院受験の前に、学部レベルの内容をおさらいするために旧版には大変お世話になりました。市場理論から市場の失敗、ゲーム理論、情報の経済学、更には行動経済学や計量まで、幅広いトピックを包括的に、しかも非常に分かりやすく直観的に解説しているのが特徴です。
この名著最新版の訳本が、なんと勁草書房から早くも出版されたようです。原著は入手困難かつ非常に高額ですので、訳書の出版は本当に吉報ですね♪ しかも、分量がやや増えたにも関わらず、前のバージョン(第7版の翻訳)から約700円ほど値段が安くなっているのも有り難いです。
入門ミクロ経済学 [原著第9版]
入門ミクロ経済学 [原著第9版] [単行本]
ハル ヴァリアン
勁草書房
2015-08-29
ヴァリアン氏によると、第8版からの主な変更箇所は以下の点のようです:
・教科書で扱う理論を実務と繋ぐため、「計量」(Measurement)という新たな章を追加し、計量経済学の基本的な概念を紹介した。
・自らが勤めるGoogle社をはじめ、Apple、eBay、Yahooなどシリコンバレー企業のビジネスと関連する例をいくつも追加した。
・実務的な重要性が深まったメカニズムデザインに関する記述を増やし、(Two-sided)マッチング市場やVCGメカニズムなどを解説した。
ちなみに、原著では「通常版」と「with Calculus」という異なる2パターンが出版されていますが、これらは内容的には全く同じとのこと。前者で章末の補論に記載されていた数式などを、本文中に挿入したのが後者(と、著者であるヴァリアン氏から直接教えてもらいました。なので、間違っていたら私ではなく彼に直接抗議してください…嘘)。日本語訳では、残念ながらこの補論に加えて演習問題およびその解答が完全にカットされています。ページ数や出版費用を抑えるのが主な目的なのでしょうが、その代わりに数式を用いた解説や演習が同程度の難易度の類書と比べてかなり少なくなってしまいました。はっきり言ってこれは無視できない弱点だと思います。出版社は思いきって、補論や演習問題をまとめた演習本のようなものを別冊で出版してはいかがでしょうか。英語版で別冊として刊行されているWorkoutsの内容を部分的に盛り込んでもよいかもしれません。公務員試験などとも難易度的に近い、中級レベルの演習本はニーズも大きいはずです【注】。相乗効果で教科書本体の売れ行きにもプラスの効果があるでしょうし(教科書に出てくる「補完財」の良い例ですね)、十分に検討の余地があるのではないかと思うのですが…
ところで、ヴァリアン氏との対談の中で、もう一冊新たに出版を予定している本があると教えてもらったのが『Information Rules』の改訂第2版。『「ネットワーク経済」の法則』という邦題で日本語訳(↓)も出版され話題となりましたが、残念ながら現在では絶版になっています。第2版はまだ洋書でも出ていないようですが、ゆくゆくは原著だけでなくぜひ訳書も(できるだけ安価で)出版されて欲しいですね。
「ネットワーク経済」の法則―アトム型産業からビット型産業へ…変革期を生き抜く72の指針
「ネットワーク経済」の法則―アトム型産業からビット型産業へ…変革期を生き抜く72の指針 [単行本]
カール シャピロ
IDGコミュニケーションズ
1999-06
【注】値段が下がったとは言えまだ4000円を超えているため、学部講義の教科書として採用されるのは正直ハードルが少し高いと思います。となると、本書のメインのターゲットはおそらく(ある程度学習意欲の高い)独学層になってくるでしょう。彼らにとって、演習や数学的な解説の有無の違いは特に大きく映るのではないでしょうか。
P.S.
佐藤隆三先生による「監訳者あとがき」の冒頭で、本書が原著「第7版」の翻訳であるという誤記があります(正しくは「第9版」)。目にとまりやすい上に、ある意味では深刻な誤りだと思いますので、一刻も早い修正をぜひ期待したいです。
返信削除https://opac.lib.city.yokohama.lg.jp/opac/OPP1500?MENUNO=10&ID=1&SELDATA=TOSHO&N_DATA=TOSHO&SSNO=3-0199032102&N_URI=/opac/OPP1000&MENUNO=10
「ネットワーク経済」の法則 アトム型産業からビット型産業へ…変革期を生き抜く72
の指針
著者名等 カール・シャピロ/共著 ≪再検索≫
著者名等 ハルR.バリアン/共著 ≪再検索≫
著者名等 千本倖生/監訳 ≪再検索≫
著者名等 宮本喜一/訳 ≪再検索≫
出版者 アイ・ディ・ジーコミュニケーションズ
出版年 1999.06
大きさ等 20cm 567p
注記 Information rules.
NDC分類 336.17
件名 経営情報 ≪再検索≫
要旨 インフォメーション製品(映画・音楽、ソフトウェア、株価など)は、今や工業製品に代
わって世界のマーケットの主役となった。そして、今、多くの企業人たちが、この「新経
済体系」に直面し、意思決定の指針となる有効な「新・経済学」を模索している。最先端
のソフトウェア製品やWeb Magazineを市場に投入している経営者たちは、経
済学の古典的な知恵を捨て去ろうとするが、その戦略策定の指針はトレンドを頼りに類推
しているに過ぎない…。
目次 第1章 インフォメーション経済;第2章 インフォメーションの価格づけ;第3章 イ
ンフォメーションのバージョン化;第4章 権利の運用管理;第5章 ロックインを理解
する;第6章 ロックインを管理する;第7章 ネットワークとプラスのフィードバック
;第8章 協力と互換性;第9章 標準化戦争の戦い方;第10章 インフォメーション
政策
内容 索引あり
返信削除http://www.gbv.de/dms/hebis-mainz/toc/02988683X.pdf
ed.3
Content s
1 . Th e Marke t 1
2 . Budge t Constrain t 5
3 . Preference s 1 7
4 . Utilit y 3 3
5 . Choic e 4 9
6 . Deman d 6 5
7 . Reveale d Preferenc e 7 9
8 . Slutsk y Equatio n 9 5
9 . Buyin g an d Sellin g 10 9
10 . Intertempora l Choic e 12 9
11 . Asse t Market s 14 3
12 . Uncertaint y 15 7
13 . Risk y Asset s 17 1
14 . Consumer' s Surplu s 17 7
15 . Marke t Deman d 18 7
16 . Equilibriu m 19 7
17 . Technolog y 20 9
18 . Profi t Maximizatio n 22 1
19 . Cos t Minimizatio n 23 3
20 . Cos t Curve s 245
21 . Fir m Suppl y 25 1
22 . Industr y Suppl y 26 1
23 . Monopol y 275
24 . Monopol y Behavio r 28 1 New
25 . Facto r Market s 28 9
26 . Oligopol y 29 3
27 . Gam e Theor y 30 9
28 . Exchang e 32 9
29 . Productio n 34 3
30 . Welfar e 35 3
31 . Externalitie s 36 3
32 . La w 37 3 New
33 . Publi c Good s 37 7
34 . Informatio n
レオンチェフ「マルクス経済学の現代的意義」(同101頁より)
返信削除"The significance of Marxian economics for present-day economic theory". The American Economic Review, Vol. 28, No. 1, March 1938.
なお、GDP算出時は中間生産物(横,支出面),中間投入物(縦,所得分配面)を二重計算しないようにする。(西村まんがDE入門116頁)
イノベーション:
http://sts-concrete.seesaa.net/article/138648161.html
…社会の断絶は、ある価値や制度に基づいた社会はべつの体制を持つ社会に引き継がれ、不連続ながら継続していくことになります。断絶を経験しながら連綿と続いてきたともいえます。この様な観点から新製品や新技術の採用者の累積数と時間の関係を示したグラフ“ロジャーズのS字曲線”を思い浮かべてください。
ロジャーズのS字曲線
o o
普| o
及|
率| o
|
| o
|
| o
| o
|o_____________________
時間
成| 新しいS字曲線
果| ______
率| /
・| 古いS字曲線 軌道変更➡︎/
満| ______/_
足| / /
度| / _/
| ____/ イノベーション
|/_______________________
努力(資金)
S曲線グラフの縦軸を成果「社会で生活する人への効用、生活する人の満足度」、横軸を資金(努力)「社会資本を整備するために投じた労力や資金」と考えると、
・勾配が急な箇所は高度経済成長期
・右側の勾配が緩やかな箇所は成熟し、停滞する過程
グラフの右側に行くほど、同じ1単位の努力(資金)を投じても得られる効果(満足度)は小さくなります。これは、ケインズ理論の投資の限界効果が逓減することに当てはまります。こうして社会は停滞することになります。
この停滞を克服する原動力が従来存在したものに新たものを結合すること“イノベーション”に他ありません。そして、その成長軌道は従来のS曲線の延長線上にあるのではなく、全く新たなS曲線が描かれなければならないでしょう。
設備投資の収益性について強気と弱気のケース
期待実質長期
利子率
|\
| \
| \
| \
| \
| ̄-_ \
|  ̄-_\
10%|______ ̄-_
| |\ ̄-_
| | \  ̄-_
| | \  ̄-_
5%|_______|___\______ ̄-_強気
| | |\ | ̄-_
| | | \弱気 |  ̄-_
| | | \ |  ̄-_
|_______|___|___\____|_________
0 A B C 投資
岩波新書『金融入門』岩田規久男226頁より
弱気のケースでは、期待実質長期利子率が10%から5%に低下しても、設備投資はA
からBまでしか増えないのに対して、強気のケースではCまで増える。
普及学 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/普及学
社会学者のエヴェリット・ロジャースが1962年の書籍『Diffusion of Innovation』で提唱 し、大きな反響を呼んだ。彼は、普及とはイノベーションが社会システムのメンバ間に 時間をかけて特定のチャネルを介して伝達されるプロセ...
イノベーション要件-採用者のカテゴリ-参考文献-関連項目
イノベーター理論 - MarketingPedia (マーケティング用語集Wiki)
marketingis.jp/wiki/イノベーター理論
概要. イノベーター理論とは、社会学者であるエベレット・M・ロジャースが提唱した、 イノベーションの普及に関する理論。商品購入への態度により、社会を構成するメンバー を5つのグループへと分類したものである。
概要-提唱者等-解説-参考URL
イノベーションの普及 | エベレット・ロジャーズ, Everett M.Rogers, 三藤 ...
www.amazon.co.jp>本>ビジネス・経済>オペレーションズ
Amazon公式サイトでイノベーションの普及を購入すると、Amazon配送商品なら、配 送料無料でお届け。Amazonポイント還元本も多数。...
価格:5,184円 (2015年11月14日現在)
均衡の存在 z(p)が価格単体上で定義されたワルラス法則を満たす連続関
返信削除数であれば,第5章の議論を適用し,z(p*)≦0となるp*が存在することを
示せる.われわれが見たように,各企業の生産可能集合が強凸であると,連続
性は満足される.われわれにとって必要なのは総生産可能集合が凸であること
だけであるが,これを見るのはそれほど難しくない.たとえ個別の企業が,小
さい領域で規模に関して収穫逓増になるような非凸性を示すとしても,そのた
めにもたらされる非連続性は集計すれば消える可能性があるからである.
今まで説明してきた均衡の存在の議論は,われわれが需要関数を扱うときに
のみ成立することを想起しよう.このことが課す唯一の重大な制約は,かなり
の重要性をもつ規模に関して収穫不変の技術を排除しているということである.
そこで,ここでは一般的な場合における存在定理を示し,その仮定の経済的意
味について検討しよう.
定理 次の仮定が満たされると,経済に均衡が存在する.
(1) 各消費者の消費集合は閉,凸,かつ下から有界である.
(2) すべての消費者にとって,飽和消費ベクトルは存在しない.
(3) 各消費者 i について,集合{xi :xi>_順x'i}と{xi :x'i>_順xi}は閉である
(4) 各消費者は彼の消費集合の内部にその初期賦存ベクトルをもっている.
(5) 各消費者 i について,xi と x'i が2つの消費ベクトルであれば,xi>_順 ix'i
は任意のO<tく1に対してtxi+(1−t)x'i>順x'i を意味する.
(6) 各企業jについて,0はYj (j=1,…,m)の要素である.
(7) Yj (j=1,…,m)は閉かつ凸である.
(8) Yj ∩(−Yj)={0},j=1,…,m.
(9) Yj ⊃(−R+),j=1,…,m.
証明 デブリュー(1959)を見よ.□
それぞれの仮定が,何のために用いられるかを確実に理解しておこう.仮定
(1),(2),(3),(4),(5)は,消費者の(多価)需要関数かある形の連続性をもつ
ことを証明するために用いられる.これらの仮定の経済的意味はすでにおなじ
みである.仮定(6)は企業がいつでも操業を止められるという仮定であり,
これによって均衡での利潤が非負になることが保証される.仮定(7)は各企
業の(多価)需要関数の連続性を保証する.仮定(8)は生産が非可逆的であ
ること,すなわち,ある純産出ベクトルyを生みだした後に,その産出物を投
入して投入物を逆に生産するのは不可能であることを保証している.これは配
分の実行可能集合の有界性を保証するために用いられる.最後に,仮定(9)
は,すべての財を投入物として用いる生産計画は実行可能であることを示して
いるが,これは本質的には自由処分の仮定である.
varian-analysis #6 邦訳241-3頁
コーヒー消費
返信削除y| /男
| /
| ・
| ̄-_・ /女
| ・ ̄-_ /
| /  ̄-_ /
|/  ̄-_・
| ・ ̄-_
| ・ 全体の消費量
| /
|________/____________
x 所得
シンプソンの逆説
条件付き平均は時々驚くような動きが見出される。男女別のコーヒー需要量を所得
の関数として描こう。仮説的な依存関係が図のようであるとしよう。ここで男女と
もコーヒーの消費は所得の増加とともに増加しているが、消費量は所得が増加する
と減少していることに注意しよう。この現象はシンプソンの逆説の例である。
#17:276頁(邦訳2015)
返信削除メカニカル・デザインは、基本的にゲーム理論を逆にしたもの…。
メカニカル・デザインの場合は、実現したい結果がまず与えられ、
それを実現するようなゲームをデザインする*...。
#18:306頁
*
2007年度ノーベル経済学賞は、メカニカル・デザインへの貢献に対して、
レオ・ハヴィッツ、ロジャー・マイヤーソン、エリック・マスキンに与えられた。
一橋ビジネスレビュー:ノーベル賞特集号 : ECONO斬り!!
返信削除http://blog.livedoor.jp/yagena/archives/50965553.html
経済学賞の歴代最年長受賞者はレオニード・ハーヴィッツで、「メカニズムデザインの理論の基礎を確立した功績」によって、2007年になんと90歳で受賞している[1]。ノーベル賞全分野を通じて、今のところ最高齢の受賞者であるハーヴィッツは、いったいどのような業績によって選ばれたのだろうか。彼の仕事を少し詳しく見てみよう。
インセンティブと制度設計
経済学は、市場を中心とした狭い意味での経済問題を越えて、今日では人々のインセンティブに関する様々な問題を扱っている。このインセンティブの重要性を、制度設計の文脈で初めてきちんと示したのがハーヴィッツなのである。彼は1972年の論文(Hurwicz, 1972)で、与えられた制度や環境において、人々が(全体ではなく)個々のインセンティブに従って行動することを保証する条件として「誘因整合性」(Incentive Compatibility)という考え方を提示した。この概念は、直感的には次のように説明することができる。
社会にとって望ましい制度や仕組みの設計を検討する際に、ひとりひとりのメンバーのインセンティブを無視してはならない。なぜなら、彼らが自らのインセンティブに従って行動した上で、同時に社会にとっても望ましい結果が得られるのでなければ意味がないからだ。現実を見ても、旧東欧社会主義国家による計画経済の失敗が物語るように、人々の行動を強制できる、思った通りに動かせる、という想定のもとで制度をナイーブに設計するのは危険を伴う。参加者のインセンティブを無視した制度というのは、絵に描いた餅に過ぎないのだ。
ハーヴィッツが生み出した誘因整合性は、制度設計者の思惑通りに各個人が意思決定を行うことが、当人にとっても最適となる、つまり社会の目的と個人のインセンティブが整合的であることを保証する条件である。これは社会におけるルール・仕組み作りを考える上で決定的に重要な概念であり、ハーヴィッツの貢献が土台となって、経済学における制度設計に関する研究が後に花開くことになった。制度設計に関する基礎理論を、経済学ではメカニズムデザインと呼んでいるが、彼こそがその生みの親なのである[2]。
リバース・エンジニアリング
ハーヴィッツと同時受賞したエリック・マスキン[3]とロジャー・マイヤーソンは、各人の誘因整合性を満たした上で、理論上達成できる社会の目的はどのようなものか、という問題に取り組み、メカニズムデザイン分野の射程を一気に広げた。与えられたメカニズムが誘因整合性を満たしたときにどんな社会目的を達成するのか、という「仕組み→結果」の流れを考えるのではなく、どんな社会目的であればそれを達成するメカニズムの存在が保証されるのか、という「結果→仕組み」の分析を行ったのがポイントである。成果物である製品からその製造方法や動作原理を探る作業は、工学ではリバース・エンジニアリングと呼ばれる。メカニズムデザインは、マスキンとマイヤーソンの貢献によって社会科学独自のリバース・エンジニアリングとして確立された、と言えるかもしれない。
やや専門的になるが、彼ら2人の具体的な業績についても言及しておきたい。マスキンは、ある社会目的が理論的にそもそも達成可能かどうかを判定することができる革新的な条件「単調性」を導出した[4]。これは、彼の名前をとって「マスキン単調性」とも呼ばれている。ある社会目的が単調性を満たさなければ、それを誘因性的な形で達成することができるメカニズムは絶対に存在しないこと、逆に社会目的が単調性さえ満たせば、その目的を達成することができるメカニズムを理論上は必ず作ることができることを示したのである。マスキン単調性を満たさないような社会目的は、人々のインセンティブを無視した実現不可能な目的、つまり絵に描いた餅なのである[5]。
一方のマイヤーソンは、具体的なメカニズムの分析を進める際に、膨大な選択肢の中から直接メカニズムという特定のメカニズムを調べるだけで十分であることを示した「顕示原理」(Revelation Principle)の発見者の一人である[6]。彼は、顕示原理をMyerson (1981)で入札の制度設計に応用して、オークション理論の金字塔である収入同値定理を導出した。これは、一定の条件のもとで、異なる入札ルールが完全に同額の期待収入を売り手にもたらすことを示した定理である。例えば、封印入札と競り上げ入札ではルールが異なるため、仮に同じ商品が売られていたとしても参加者たちの入札戦略に違いが生じるだろう。しかし、お互いに相手の入札戦略に対して最適に反応し合っている「ナッシュ均衡」[7]と呼ばれる理論予測に注目すると、両者で最終的に決定される落札価格は平均的には全く同じになるのである。マイヤーソンはさらに収入同値定理を土台にして、期待収入を最大化する入札ルールも同論文の中で導出している[8]。
制度設計を考える際に、(想像上のものを含めて)ありとあらゆるメカニズムを一つずつチェックしていくのは原理的に不可能だろう。マスキン単調性やマイヤーソンらの顕示原理は、参加者のインセンティブを考慮しながら社会目的を達成するメカニズムを見つけ出す作業を劇的に簡略化する、画期的な貢献だったのである。
________________________________
[1] 高齢のため、ハーヴィッツはスウェーデンで行われる授賞式には参加できなかった。
[2] ハーヴィッツはその先駆的な研究(Hurwicz, 1960)において、一見すると抽象的で捉えどころが無いように見える「制度」という対象を、参加者どうしの「コミュニケーション・システム」という具体的な形で定式化し、経済理論による制度分析の端緒を開いた。
[3] 完全に余談ではあるが、マスキンは筆者の大学院時代の指導教員でもある。彼が当時プリンストンで住んでいた家は、大物理学者アルベルト・アインシュタインのかつての住まいで、マスキン以前にここで暮らしていた物理学者フランク・ウィルチェックも2004年にノーベル物理学賞を受賞している。偶然にもノーベル賞受賞者が3人も住んだ「アインシュタインの家」の詳細については、米国版のwikipedia項目などをご参考頂きたい。
[4] この結果を示した論文は1977年に書かれ、長らく未刊行のワーキング・ペーパーであったが、最終的にMaskin (1999)として出版された。
[5] メカニズムデザインやマスキン単調性などについてより詳しく知りたい読者は、この分野の優れた専門書である坂井他 (2008)をぜひ参照して欲しい。
[6] Myerson (1979)は顕示原理に関する最初期の研究の一つである。
[7] ナッシュ均衡は、戦略的な状況を分析するゲーム理論における最も重要な概念である。その生みの親であるジョン・ナッシュは「非協力ゲームにおける均衡分析に関する理論の開拓」への貢献によって、ラインハルト・ゼルテン、ジョン・ハーサニと共に1994年にノーベル経済学賞を受賞している。筆者は、プリンストン大学留学時代に何度かナッシュの生の声に触れる機会があったが、自身の理論が入札設計という実務で役立てられていることへの意外性と重要性を強調されていたことが、強く印象に残っている。
[8] 標準的な仮定のもとで、収入最大化は「この価格以下では売らない」ことを約束する最低落札価格を適切に設定することで実現できる。オークション理論の知見は、ネットオークションや電波オークションなど、現実の様々な入札の制度設計に既に応用されている。関心のある読者は、数式を一切用いずに理論のエッセンスと豊富な実践例を解説したハバード・パーシュ (2017)をお勧めしたい。
<参考文献>
・坂井豊貴, 藤中裕二, 若山琢磨, メカニズムデザイン―資源配分制度の設計とインセンティブ, ミネルヴァ書房, 2008.
・ティモシー・P・ハバード, ハリー・J・パーシュ, 入門 オークション:市場をデザインする経済学, 2017.
・Hurwicz, Leonid. Optimality and informational efficiency in resource allocation processes. Stanford University Press, 1960.
・Hurwicz, Leonid. On informationally decentralized systems, in Radner and McGuire, Decision and Organization. North-Holland, Amsterdam, 1972.
・Maskin, Eric. Nash equilibrium and welfare optimality. Review of Economic Studies, 66.1: 23-38, 1999.
・Myerson, Roger B. "Incentive compatibility and the bargaining problem." Econometrica, 61-73, 1979.
・Myerson, Roger B. "Optimal auction design." Mathematics of Operations Research, 6.1: 58-73, 1981.
Mathematica 経済・金融モデリング 単行本 – 1996/12
返信削除Hal R. ヴァリアン (編集), Hal R. Varian (原著), & 5 その他
カスタマーレビューを書きませんか?
その他(4)の形式およびエディションを表示する
単行本
¥ 2,290 より
¥ 2,290 より 6 中古品の出品
ペーパーバック
¥ 13,608
¥ 15,011 より 2 中古品の出品
¥ 13,607 より 10 新品
注: この商品は、Amazon.co.jp 以外の出品者(すべての出品を表示)から購入できます。
不正確な製品情報を報告。
キャンペーンおよび追加情報
Amazon出品(出店)サービス: この本をお持ちですか?Amazon.co.jpで簡単に本が販売できます。 >詳細はこちら
Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
〈FD付き〉Mathematicaをどのように経済学の研究・教育に利用できるかを解説する本。経済理論、金融経済学、計量経済学の3部に分けて構成。
登録情報
単行本: 553ページ
出版社: トッパン (1996/12)
言語: 日本語
ISBN-10: 4810189163
ISBN-13: 978-4810189162
発売日: 1996/12
梱包サイズ: 23.6 x 18.6 x 3.6 cm