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金曜日, 11月 13, 2015

二神孝一・堀敬一『マクロ経済学』2009 :目次


              (経済学リンク::::::::::

NAMs出版プロジェクト: 『マクロ経済学』二神孝一、堀敬一:目次


マクロ経済学 | 有斐閣 2009

二神 孝一 (大阪大学教授),堀 敬一 (立命館大学教授)/著   
2009年04月発売 A5判並製カバー付 , 472ページ  定価 3,024円(本体 2,800円) 
ISBN 978-4-641-16337-9   経済理論 > マクロ経済学 入門書・概説書 

マクロ経済学の基礎を習得し,実際の経済分析への自由な応用をめざす本格的テキスト。理論的な分析と実証研究の成果をバランスよく解説。日本のデータに基づいてマクロ経済の現状を紹介し,日本経済の理解に役立てる。練習問題を充実させ,資格試験に対応。  

同じ有斐閣から以下が新たに出ている。
齊藤誠 他『マクロ経済学 New Liberal Arts Selection 』2010:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/new-liberal-arts-selection.html


基礎→長期→短期→応用、
と、構成がシンプルでしっかりしている分、この二神マクロの方が推薦できる。 
マンキュー入門篇・応用篇よりいい部分があるとしたら、日本の事例を扱っているところだろう(とうっても数値はほとんどない)。
資格試験用としては「らくらく」シリーズの方がいいかも知れない。


第1部 基 礎
 第1章 マクロ経済学の考え方
 第2章 家計の消費・貯蓄行動
 第3章 企業の設備投資行動
 第4章 資産市場
 第5章 貨幣と銀行行動
第2部 長期の経済理論
 第6章 閉鎖経済での長期の経済分析
 第7章 開放経済での長期の経済分析
 第8章 経済成長の理論1:ソロー・モデル
 第9章 経済成長の理論2:内生的成長モデル
第3部 短期の経済理論
 第10章 労働市場
 第11章 閉鎖経済での短期の経済分析
 第12章 開放経済での短期の経済分析
第4部 経済政策と応用
 第13章 財政政策
 第14章 金融政策
 第15章 消費理論と投資理論の発展
 第16章 景気循環理論 

◆練習問題の解答例をこちらからダウンロードできます。 

DVIOUT-macroanser
http://yuhikaku-nibu.txt-nifty.com/blog/files/macroanser1.pdf

以下、上記解答例pdfより抜粋。

第6章 閉鎖経済での長期の経済分析
1
(a)第1期の減税に伴い、政府の予算制約が満たされるためには( 1 )第 2 期の増税、 ( 2 )第 1 期の政府支出の減少、( 3 )第 2 期の政府支出の減少、 のいずれかが行われなければならない。
( 1 )の場合:資金供給は増加するか減少するか(利子率 r が下落する か上昇するか)一意には決まらない。
( 2 )の場合:資金供給は増加する(利子率 r が下落する) 。
( 3 )の場合:資金供給は増加するか減少するか(利子率 r が下落する か上昇するか)一意には決まらない。

(b) 第 2 期の減税に伴い、政府の予算制約が満たされるためには( 1 )第 1 期の増税、 ( 2 )第 1 期の政府支出の減少、 ( 3 )第 2 期の政府支出の減少、のいずれかが行われなければならない。
( 1 )の場合:資金供給は増加するか減少するか(利子率 r が下落する か上昇するか)一意には決まらない。
( 2 )の場合:資金供給は増加するか減少するか(利子率 r が下落するか上昇するか)一意には決まらない。
( 3 )の場合:資金供給は減少する(利子率 r が上昇する) 。

 第 9 章 経済成長の理論II:内生的成長モデル
1
時間選好率 ρ が上昇すると R&D 投資量 I は減少する。その理由は以下の通りである。 r = ρ より、 ρ が上昇すると利子率が上昇することになる。 したがって、利子率が上昇すると株価が小さくなる。株価が小さくなる ことで、 R&D の収益が低く見積もられることになり、 R&D が減少する。

 第 16 章 景気循環理論
1
 新しいケインジアン理論では、予想された金融政策でも効果をもつ。 
__________

上記の「新しいケインジアン理論では、予想された金融政策でも効果をもつ」という解答は、ニューケインジアンの考え方ではあるが、2008年のリーマンショック以降(DSGE*以降)のより新しい立場と言える。


アベノミクスと称される増税と金融緩和を同時に行う矛盾した政策はDSGEの産物だ。白川から黒田にかわっても日銀はDSGE(動学的確率的一般均衡 or 確率的動学一般均衡. Dynamic Stochastic General Equilibrium)を採用している。
(自由主義を明示的に標榜している分、国家主義的を隠れ蓑にした天下り確保に懸命な財務省より罪が無いとは言えるが。)
肝心なところがブラックボックス化したままだから、根本的な反省も無い。

参考:DSGEモデルの概要 藤原一平(日本銀行金融市場局)
http://stat.econ.osaka-u.ac.jp/~suryo/201006/JEA2010Tutorial.pdf
__________

レビュー:
投稿者 道端 VINE メンバー 投稿日 2009/11/30
形式: 単行本
いわゆる中級マクロ経済学のテキストです。マイクロ、マクロの入門レベルを押さえていれば、通読することができます。

特徴は、何といっても、数式の操作を極力控えて45度線分析からリアル・ビジネスサイクルなどの現代マクロ理論と実証まで幅広く解説しているところです。これ以上のことは、数学を使わなければムリ、というところまで達しています。

立ち止まることなく前にガンガン進んでいくので、読んでいるうちにモデルの扱い方が身についていく、というものではなく、ケーススタディは自分で考えながらやっていくしかありません。

結局、これだけで論文を読めるようになるわけでもなく、上級に進むための手法が身に付くわけでもないので、橋渡しという意味合いではちょっと使いにくいような気もしますが、現代理論への敷居を下げた快著であるのはたしかです。

有斐閣ですが、校正もしっかりされているようなので、自習にも使えます。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
投稿者 Taisho 投稿日 2013/9/5
形式: 単行本 Amazonで購入
私は現在経済学部4年で国家公務員試験や大学院の受験を経験いたしました。
マクロ経済学に関してはこの本と同等のレベルの本を他に4冊ほど(斎藤・浅子・Krugueman・中谷)呼んだのですが最も行間が必要十分に埋められており
また読みやすさがよかったと思います。

マンキュー等を読み終わったあとにすぐ呼んでも差し支えないレベルです。
もし大学院に興味がある方はこのあとは例えば林貴志のマクロ経済学―動学的一般均衡理論入門
をさっと読み込んでRomerを読めばいいと思います。
公務員を目指すような人は理論の勉強は中級で割り切って政策を調べたり、行政学と統計学をやっておくことをお勧めします。
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
投稿者 monozuki 投稿日 2010/12/26
形式: 単行本
異時点間の最適化行動を基礎とした現代的なマクロ経済理論を、きちんと、手早く概観できる、大変すばらしいテキストだと思います。

予備知識としては、ミクロ経済学の基本的な消費者行動、企業の理論を押さえてあれば、だいたい読み進めていけると思います。

この本の一番良いところは、数学的な厳密さや、理論の一般性にこだわるのでなくて、とにかくロジックや、ストーリーを理解させることを主眼として、簡単化されたモデルをつかって、読者が行間を埋める苦労を最小限に抑え、マクロ経済学のまず知っておくべき大きな姿を、一気に読ませるところにあると思います。
非常にコンパクトでスピーディーです。

かといって、ロジックや導出を軽視していません。

たとえば、P216〜では、グロスマン&ヘルプマンの質のはしごモデルという内生的成長理論を非常にコンパクトに、モデリングの概要と導出をきちんと説明してあります。単に結論だけ書くのではなく、道筋が把握できるので、次のステップに進む足がかりというか、モチベーションにもつながると思います。

この本以上に本格的にマクロ経済学を学んでいこうとすると、(よりきちんと)数学を学ぶことを避けて通れなくなると思います(手遅れ?笑)

もちろん、理論の骨に集中している本なので、やや経済学的なロジックや説明が??と感じる箇所もあります(私の理解不足のせいかもですが・・・)。
でも、まずこの本を読むことで、はじめて自分が何がわかってないか、気づくことができると思います。

ぜひ、今後も改訂版アップデートして、定番化してほしいです。
できれば、実証分析篇みたいなのもでるといいな・・・・

マクロ経済学を手早く、きちんと概観したい方にとてもおススメです。
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_______

マクロ経済学第2版 | 有斐閣
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641165021

非伝統的金融政策,金融危機などのトピックを盛り込んだ最新版
二神 孝一 (大阪大学教授),堀 敬一 (立命館大学教授)/著


2017年04月05日発売
A5判並製カバー付 , 484ページ 
定価 3,456円(本体 3,200円)
ISBN 978-4-641-16502-1
Macroeconomics, 2nd ed.

マクロ経済学の基礎を習得し,実際の経済分析への応用をめざす,好評の本格テキスト。データのアップデートを行い,金融政策などに関する新しいトピックを盛り込んだ最新版。学習をより進めやすいように第4部の章立てを変更し,新たに金融危機の章を追加。 


目次 
第1部 基 礎
 第1章 マクロ経済学の考え方
 第2章 家計の消費・貯蓄行動
 第3章 企業の設備投資行動
 第4章 資産市場
 第5章 貨幣と銀行行動
第2部 長期の経済理論
 第6章 閉鎖経済での長期の経済分析
 第7章 開放経済での長期の経済分析
 第8章 経済成長の理論1:ソロー・モデル
 第9章 経済成長の理論2:内生的成長モデル
第3部 短期の経済理論
 第10章 労働市場
 第11章 閉鎖経済での短期の経済分析
 第12章 開放経済での短期の経済分析
第4部 経済政策と応用
 第13章 財政政策
 第14章 金融政策
 第15章 動学的一般均衡モデル
 第16章 新しいケインジアン理論
 第17章 金融危機とマクロ経済学 


旧版では、

第4部 経済政策と応用
 第13章 財政政策
 第14章 金融政策
 第15章 消費理論と投資理論の発展
 第16章 景気循環理論 



1 件のコメント:

  1. 追加:
    動学マクロ経済学 成長理論の発展 | 二神孝一
    http://www.amazon.co.jp/dp/4535556733
    単行本: 278ページ
    出版社: 日本評論社 (2012/5/18)

    商品の説明
    内容紹介
    「内生的技術変化」を出発点とし、現在にいたるまでの経済成長に関する理論モデルの発展を、学部生にも理解できるよう記述する。

    出版社からのコメント
    ≪目次≫
    第1章 ソロー・モデル
    第2章 代表的個人モデル
    第3章 世代重複モデル
    第4章 世代重複モデルの応用:バブル資産・伝染病サイクル
    第5章 内生的技術進歩:研究開発の内生化
    第6章 経済政策と経済成長
    第7章 技術移転とイノべーション
    第8章 規模効果
    第9章 生産的公共サービスと経済成長
    第10章 公共資本と経済成長
    数学付録 : 定差方程式の解法

    内容(「BOOK」データベースより)
    経済成長プロセスで、どのような政策が人々を幸せにできるのだろうか?知的所有権の保護、課税政策、公共部門の役割を明らかにする。

    著者について
    大阪大学大学院経済学研究科教授

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    二神/孝一
    1958年生まれ。京都大学理学部卒業。神戸大学経済学研究科博士課程後期課程中退。大阪大学博士(経済学)。現在、大阪大学大学院経済学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


    学部中級~上級の参考書に
    投稿者 Beispiel 投稿日 2015/2/11
    Amazonで購入
    タイトルの通り、マクロの動学モデルの解説書です。
    通常、動学マクロはその数学的な難しさから大学院で学びますが、この本は連続的でなく離散的な時間変化から解説しているので(ΔKでなくKt+1-Ktというような書き方です)、丁寧に読んでいけば学部レベルの数学でもしっかり理解できます。数学付録は可もなく不可もなし、といったところです。
    式を導出した際に各項について解説してくれるので、何をしているのか見失わないのも有難いです。
    院進学を考えている学部生や、静学以外のマクロを勉強したい方はまずこれを読んでみて、簡単にモデルの概形を把握すると良いと思います。
    連続時間モデルを理解するための副読本や、動学マクロの導入としてとても有用です。
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    経済成長論を勉強するならオススメです
    投稿者 諏訪 純一郎 投稿日 2012/12/22
    Amazonで購入
    この本は経済成長理論について書かれた、学部上級生から修士課程の学生さん向けの本です。

    数式の展開は丁寧で、とても分かりやすく書かれています。数式を変形1つにしても、モデルの中で、
    どういう意味を持っているのかとてもイメージしやすいです。
    1章のソローモデル、2章の代表的個人モデル、3章の世代重複モデルだけで、70ページほどあり、
    基本モデルの習得と分析ツールが習得できます。この最初の3章をしっかり理解しておくと、修士課程での
    コアコースの授業で理解が深まります。
    大学院では連続モデルを用いることが多いですが、このテキストでは離散モデルを用いているので、
    大学で経済数学を勉強していれば対応できる内容になっています。
    経済モデルの解説は、図解を含めて解説されているので、モデルの設定の方法など大学院の学生さんにとっても
    参考になると思います。

    自分が大学院生の頃は、モデルの理解とモデルを設定するにはどうすればいいのかで
    苦労することが多かったのですが、この本は経済成長理論を勉強する上で
    とても大きな手助けとなる本だと思います。

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