http://blogs.yahoo.co.jp/azurite_2727/27883344.html
アインシュタインは回顧録の中でヒュームについて触れている。それによれば、特殊相対性
理論誕生の直前、かれは、「ヒュームの『人性論』を熱心にまた、畏敬の念を持って読み」、
「核心部分の推論は、ヒュームの理論によって促進された」という。
19世紀末、アインシュタインや他の物理学者を悩ませていた問題があった。
それは、光の速度と同時性に関するものである。
窓を閉めて一定の速度で走る列車を考えてみる。この列車の中で、野球の二人の投手二人が
列車の両端から中央にある的に向かってまったく同じように、かつ同時にボールを投げるとする。
このとき、どちらのボールが先に的に当たるだろうか。答えは同時である。
しかも列車の中の観察者にとってボールの速度は同じに見える。
線路の脇でこれを観察する人を考えてみよう。進行方向に向かって投げたボールは目にも止ま
らぬ速度で進むのに対し、逆方向に投げたボールはのろのろと動くように見える。ボールの速度
は観察者によって異なって見えるのである。
次にボールを光に置き換えてみる…
ヒュームならこのことを矛盾と考えなかったであろう。立場が異なれば、観察観察事実も異
なり得る。
観察は光が目に飛び込んできたときに生じるからである。
アインシュタインは、観察事実の相対性をヒュームから学び、車内の人間が、「二つの光が同時
に放たれ、同時に的に当たる」ことを観察するとき、車外の人間は、「進行方向への光が先に放
たれ、同時に的に当たる」ことを観察すると考えることで矛盾を解決した。
人間の科学が物質の科学にフィードバックされた瞬間であった。
備考:アインシュタインの特殊相対性理論は、一般に
E=mC(の2乗)
という、人類が発見したもっとも美しい公式という数式でも表されます。
なおこの公式は、いわゆる原子爆弾の実現可能性も含んでいます。
また、相対論的思考は、量子力学においても、電子の観察可能性についても類似の議論が行
われることとなります。
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