経済学者たちの闘い(増補版)2013(2003) 若田部昌澄
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経済学者たちの闘い(増補版)―脱デフレをめぐる論争の歴史のレビュー - 電子書籍ストア BookLive!
2013,初版単行本は2003(エコのミックスの考古学)
若田部昌澄
索引があって経済学者の顔写真(ブランチャードや斎藤マクロより人選が渋い)がある
小田中の類書の方が読みやすいがある程度知識があればこちらがいい
リカード、ミル、ヴィクセルについて詳しい
スミス、ケインズという大枠は変わらない
マルクスの名前はない
#4:
#12:
経済学者たちの闘い(増補版)―脱デフレをめぐる論争の歴史
2014年08月27日
本書は、経済学史を専攻する1965年生まれの経済学者が2003年に刊行した本を一部改定したもの。
従来の学説が生まれた経緯やそこにまつわる議論をとりあげて、そこで行われた取り組み(当時の問題の見方)が、現代でも有効(知ることが必要?)だということを示そうとしている。
ということで、経済学史の網羅的で純粋な解説ではなさげ。
・ちなみに、「コラム」と「エコノミックスの考現学」は経済学初心者には少し難易度が高いかもしれない。
・変なことを言うエコノミストや評論家(等)には厳しい。
・所謂リフレ派の立場。
・最後の「リフレ戦記」は一読では消化できず……
【簡易目次】
プロローグ 経済学者とは何者か?
○第一部 経済学者たちの「勝利」と「敗北」
第一章 「欲張りなことはよいことだ」 ―マンデヴィルの世界
第二章 バブル崩壊後の経済学 ―二八〇年前のバブルと二人の銀行家
第三章 何のための「セーフガード」か? ―ヒュームと既得権益との戦い
第四章 誰が改革を担うのか? ―スミスと既得権益との戦い
第五章 歴史のなかの開発主義者たち ―ハミルトンから村上泰亮まで
第六章 ソーントンの前例なき要求 ―中央銀行の責任(1)
第七章 リカードウの新平価解禁論 ―中央銀行の責任(2)
第八章 「影の大蔵大臣」バジョット ―中央銀行の責任(3)
第九章 経済学者は冷血動物なのか? ―J・S・ミル 対 反経済学者たち
○第二部 二十世紀最高の経済学者は誰か?
第十章 景気が良くなると改革が進まない? ―シュンペーターとしごき的構造改革
第十一章 デフレと金本位制復帰 ―一九二五年、ケインズの敗戦
第十二章 一九三〇年代の「非正統的な」政策 ―ヴィクセルとその同僚たち
第十三章 終わりなき戦い ―その後のケインズ
エピローグ 再び、経済学者とは何者か?
【目次】(タイプミスあったらごめんなさい)
プロローグ 経済学者とは何者か? 001
人気のない経済学/経済学版「マーフィーの法則」/根強い反経済学の伝統/さまざまな経済学者たち
第Ⅰ部 経済学者たちの「勝利」と「敗北」
第01章 「欲張りなのはよいことだ」――マンデヴィルの世界 014
映画で経済学?/『蜂の寓話』の世界/見えない手と見える手
第02章 バブル崩壊後の経済学―― 二八〇年前のバブルと二人の銀行家 025
バブルとその崩壊/リスクを計算した銀行家/企業者活動が結ぶ市場経済/「バブルの反省」とは
エコノミックスの考現学① 現代のバブル 038
バブルの破裂するとき/根拠なき熱狂/「新しい時代がやってきた」?/マスコミか口コミか
第03章 何のための「セーフガード」か?――ヒュームと既得権益との闘い 038
何を「セーフガード」し、「保護」するのか?/「貿易衰退」論者たち/「大多数の幸福」を求めて/クルーグマンとしてのヒューム
第04章 誰が改革を担うのか?――スミスと既得権益との闘い 042
大学教授の経済学?/『諸国民の富の性質と原因に関する研究』/改革の政治経済学/古典の生命力
第05章 歴史のなかの開発主義者たち――ハミルトンから村上泰亮まで 075
挙証責任の転換/開発主義者とは何か/開発主義者は可能か/「唯一の天才」――アレグザンダー・ハミルトン/ハミルトンの提案/政策評価の難しさ/恩恵どころか制約を受けたソニーやホンダ/政府の能力――誰が仕切るのか
エコノミックスの考現学② 産業論の正しい見方 092
産業の再生と産業論の再生/産業論の現在を示す二冊/企業家精神の衰退?/ミクロからマクロへ?/政府の適切な役割とは何か
第06章 ソーントンの前例なき要求――中央銀行の責任(1) 102
何のための独立性か?/地金論争の時代/古典は最高の貨幣理論家――ヘンリー・ソートン/貨幣の過剰発行の仕組み/イングランド銀行の責任
第07章 リカードウの新平価解禁論――中央銀行の責任(2) 113
「経済学者のなかの経済学者」/インフレからデフレへ/産業構造の転換を支えるマクロ経済の安定/リカードウの貿易論でデフレ不況を説明できるか?/危機が鍛える経済学
エコノミックスの考現学③ 銀行の陰謀? 124
銀行の責任/陰謀の筋書き/全知全能の「黒幕」?/予測に失敗した陰謀本
第08章 「影の大蔵大臣」バジョット――中央銀行の責任(3) 129
危機と中央銀行/「影の大蔵大臣」――ウォルター・バジョット/中央銀行をめぐる緊張/中央銀行総裁の条件/130年前のバジョットの問いと選択
エコノミックスの考現学④ アメリカの「素晴らしい10年」をもたらしたもの 139
アメリカ90年代の成果/マクロ経済学者の面目躍如/我が国の学ぶべき教訓とは/経済学者の決め技
第09章 経済学者は冷血動物なのか?――J・S・ミル対反経済学者たち 145
陰鬱な科学?/経済学者の使命とは/反経済学者/反撃する経済学者/インセンティブに注目したスミスとミル/偉大な改革者の時代の記憶
エコノミックスの考現学⑤ 不平等を正当化する人々 155
平等――熱い問題/いかに平等を実現するか/経済学者の責任?
第Ⅱ部 二〇世紀最高の経済学者は誰か?
年表……………160
歴史的背景……162
第10章 景気が良くなると改革が進まない?――シュンペーターとしごき的構造改革 164
何でもランキング、ついに経済学者も?/20世紀という時代/成長から循環へ――企業者活動/しごき的構造改革――「景気が良くなると改革が進まなくなる」?/循環から成長へ――「アルゼンチンをめざせ」?/シュンペーターからケインズへ
第11章 デフレと金本位制復帰―― 一九二五年春、ケインズの敗戦 179
エコノミストの格付け?/通貨が堕落するとき?/デフレの恐怖/敗戦――1925年3月17日/再戦――大蔵省=中央銀行連合との闘い/敗戦を繰り返さないために
増補版への追記…………200
第12章 一九三〇年代の「非正統的な」政策――ヴィクセルとその同僚たち 202
数学者から経済学者へ――クヌート・ヴィクセル/不滅の金字塔――『利子と物価』/「非正統的な」政策の発動/スウェーデンの経験をどう捉えるか?/「非正統的な」政策を可能にしたもの/再びケインズへ
第13章 終わりなき闘い――その後のケインズ 222
経済学のイメージ/「足かせ」からの脱出/理論と実践/『雇用・利子および貨幣の一般理論』――説得のロジックとレトリック/IS-LMモデルの有効性/「一人しかいなかった」ケインズ
エピローグ 再び、経済学者とは何者か? 247
呪術師たちの系譜?/昭和金融恐慌の真の教訓とは/「前例がない」政策?/「勝利」と「敗北」と/経済学の危機も進行する日本/終わりなき闘い
補章 リフレ戦記――その後の経済学者たちの闘い 269
2012年12月26日――アベノミクス始動/1992年初頭――マネー激変とマネーサプライ論争/金融政策の迷走とデフレ論争――リフレーション政策の台頭/2001年から06年――量的緩和からその解除/2008年9月――リーマン・ショックと第二次世界大恐慌の回避/評価1:リアルタイムでの金融政策批判/経済学の危機、再び/評価2:日本版ゾンビ経済学との対決/アベノミクスをどう評価するか/決着をつけよう
あとがき 312
『経済学者たちの闘い(増補版)』へのあとがき 318
参照文献一覧 321
人名索引 347
事項索引 349
COLUMN
コラムA 日銀理論 008
コラムB 一般均衡と部分均衡 035
コラムC 金本位制 049
コラムD 比較優位説 054
コラムE アダム・スミスとアマルティア・セン 064
コラムF 知識と情報 089
コラムG ミクロとマクロ、短期と長期 120
コラムH 経済における「専門知」と「世間知」 190
コラムI IS-LMモデルと実践マクロ経済学 237
コラムJ ヴィクトリア朝後期の「良いデフレ」? 255
2014年08月27日
本書は、経済学史を専攻する1965年生まれの経済学者が2003年に刊行した本を一部改定したもの。
従来の学説が生まれた経緯やそこにまつわる議論をとりあげて、そこで行われた取り組み(当時の問題の見方)が、現代でも有効(知ることが必要?)だということを示そうとしている。
ということで、経済学史の網羅的で純粋な解説ではなさげ。
・ちなみに、「コラム」と「エコノミックスの考現学」は経済学初心者には少し難易度が高いかもしれない。
・変なことを言うエコノミストや評論家(等)には厳しい。
・所謂リフレ派の立場。
・最後の「リフレ戦記」は一読では消化できず……
【簡易目次】
プロローグ 経済学者とは何者か?
○第一部 経済学者たちの「勝利」と「敗北」
第一章 「欲張りなことはよいことだ」 ―マンデヴィルの世界
第二章 バブル崩壊後の経済学 ―二八〇年前のバブルと二人の銀行家
第三章 何のための「セーフガード」か? ―ヒュームと既得権益との戦い
第四章 誰が改革を担うのか? ―スミスと既得権益との戦い
第五章 歴史のなかの開発主義者たち ―ハミルトンから村上泰亮まで
第六章 ソーントンの前例なき要求 ―中央銀行の責任(1)
第七章 リカードウの新平価解禁論 ―中央銀行の責任(2)
第八章 「影の大蔵大臣」バジョット ―中央銀行の責任(3)
第九章 経済学者は冷血動物なのか? ―J・S・ミル 対 反経済学者たち
○第二部 二十世紀最高の経済学者は誰か?
第十章 景気が良くなると改革が進まない? ―シュンペーターとしごき的構造改革
第十一章 デフレと金本位制復帰 ―一九二五年、ケインズの敗戦
第十二章 一九三〇年代の「非正統的な」政策 ―ヴィクセルとその同僚たち
第十三章 終わりなき戦い ―その後のケインズ
エピローグ 再び、経済学者とは何者か?
【目次】(タイプミスあったらごめんなさい)
プロローグ 経済学者とは何者か? 001
人気のない経済学/経済学版「マーフィーの法則」/根強い反経済学の伝統/さまざまな経済学者たち
第Ⅰ部 経済学者たちの「勝利」と「敗北」
第01章 「欲張りなのはよいことだ」――マンデヴィルの世界 014
映画で経済学?/『蜂の寓話』の世界/見えない手と見える手
第02章 バブル崩壊後の経済学―― 二八〇年前のバブルと二人の銀行家 025
バブルとその崩壊/リスクを計算した銀行家/企業者活動が結ぶ市場経済/「バブルの反省」とは
エコノミックスの考現学① 現代のバブル 038
バブルの破裂するとき/根拠なき熱狂/「新しい時代がやってきた」?/マスコミか口コミか
第03章 何のための「セーフガード」か?――ヒュームと既得権益との闘い 038
何を「セーフガード」し、「保護」するのか?/「貿易衰退」論者たち/「大多数の幸福」を求めて/クルーグマンとしてのヒューム
第04章 誰が改革を担うのか?――スミスと既得権益との闘い 042
大学教授の経済学?/『諸国民の富の性質と原因に関する研究』/改革の政治経済学/古典の生命力
第05章 歴史のなかの開発主義者たち――ハミルトンから村上泰亮まで 075
挙証責任の転換/開発主義者とは何か/開発主義者は可能か/「唯一の天才」――アレグザンダー・ハミルトン/ハミルトンの提案/政策評価の難しさ/恩恵どころか制約を受けたソニーやホンダ/政府の能力――誰が仕切るのか
エコノミックスの考現学② 産業論の正しい見方 092
産業の再生と産業論の再生/産業論の現在を示す二冊/企業家精神の衰退?/ミクロからマクロへ?/政府の適切な役割とは何か
第06章 ソーントンの前例なき要求――中央銀行の責任(1) 102
何のための独立性か?/地金論争の時代/古典は最高の貨幣理論家――ヘンリー・ソートン/貨幣の過剰発行の仕組み/イングランド銀行の責任
第07章 リカードウの新平価解禁論――中央銀行の責任(2) 113
「経済学者のなかの経済学者」/インフレからデフレへ/産業構造の転換を支えるマクロ経済の安定/リカードウの貿易論でデフレ不況を説明できるか?/危機が鍛える経済学
エコノミックスの考現学③ 銀行の陰謀? 124
銀行の責任/陰謀の筋書き/全知全能の「黒幕」?/予測に失敗した陰謀本
第08章 「影の大蔵大臣」バジョット――中央銀行の責任(3) 129
危機と中央銀行/「影の大蔵大臣」――ウォルター・バジョット/中央銀行をめぐる緊張/中央銀行総裁の条件/130年前のバジョットの問いと選択
エコノミックスの考現学④ アメリカの「素晴らしい10年」をもたらしたもの 139
アメリカ90年代の成果/マクロ経済学者の面目躍如/我が国の学ぶべき教訓とは/経済学者の決め技
第09章 経済学者は冷血動物なのか?――J・S・ミル対反経済学者たち 145
陰鬱な科学?/経済学者の使命とは/反経済学者/反撃する経済学者/インセンティブに注目したスミスとミル/偉大な改革者の時代の記憶
エコノミックスの考現学⑤ 不平等を正当化する人々 155
平等――熱い問題/いかに平等を実現するか/経済学者の責任?
第Ⅱ部 二〇世紀最高の経済学者は誰か?
年表……………160
歴史的背景……162
第10章 景気が良くなると改革が進まない?――シュンペーターとしごき的構造改革 164
何でもランキング、ついに経済学者も?/20世紀という時代/成長から循環へ――企業者活動/しごき的構造改革――「景気が良くなると改革が進まなくなる」?/循環から成長へ――「アルゼンチンをめざせ」?/シュンペーターからケインズへ
第11章 デフレと金本位制復帰―― 一九二五年春、ケインズの敗戦 179
エコノミストの格付け?/通貨が堕落するとき?/デフレの恐怖/敗戦――1925年3月17日/再戦――大蔵省=中央銀行連合との闘い/敗戦を繰り返さないために
増補版への追記…………200
第12章 一九三〇年代の「非正統的な」政策――ヴィクセルとその同僚たち 202
数学者から経済学者へ――クヌート・ヴィクセル/不滅の金字塔――『利子と物価』/「非正統的な」政策の発動/スウェーデンの経験をどう捉えるか?/「非正統的な」政策を可能にしたもの/再びケインズへ
第13章 終わりなき闘い――その後のケインズ 222
経済学のイメージ/「足かせ」からの脱出/理論と実践/『雇用・利子および貨幣の一般理論』――説得のロジックとレトリック/IS-LMモデルの有効性/「一人しかいなかった」ケインズ
エピローグ 再び、経済学者とは何者か? 247
呪術師たちの系譜?/昭和金融恐慌の真の教訓とは/「前例がない」政策?/「勝利」と「敗北」と/経済学の危機も進行する日本/終わりなき闘い
補章 リフレ戦記――その後の経済学者たちの闘い 269
2012年12月26日――アベノミクス始動/1992年初頭――マネー激変とマネーサプライ論争/金融政策の迷走とデフレ論争――リフレーション政策の台頭/2001年から06年――量的緩和からその解除/2008年9月――リーマン・ショックと第二次世界大恐慌の回避/評価1:リアルタイムでの金融政策批判/経済学の危機、再び/評価2:日本版ゾンビ経済学との対決/アベノミクスをどう評価するか/決着をつけよう
あとがき 312
『経済学者たちの闘い(増補版)』へのあとがき 318
参照文献一覧 321
人名索引 347
事項索引 349
COLUMN
コラムA 日銀理論 008
コラムB 一般均衡と部分均衡 035
コラムC 金本位制 049
コラムD 比較優位説 054
コラムE アダム・スミスとアマルティア・セン 064
コラムF 知識と情報 089
コラムG ミクロとマクロ、短期と長期 120
コラムH 経済における「専門知」と「世間知」 190
コラムI IS-LMモデルと実践マクロ経済学 237
コラムJ ヴィクトリア朝後期の「良いデフレ」? 255
経済学者たちの闘い(増補版)―脱デフレをめぐる論争の歴史
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本書は、経済学史を専攻する1965年生まれの経済学者が2003年に刊行した本を一部改定したもの。
従来の学説が生まれた経緯やそこにまつわる議論をとりあげて、そこで行われた取り組み(当時の問題の見方)が、現代でも有効(知ることが必要?)だということを示そうとしている。
ということで、経済学史の網羅的で純粋な解説ではなさげ。
・ちなみに、「コラム」と「エコノミックスの考現学」は経済学初心者には少し難易度が高いかもしれない。
・変なことを言うエコノミストや評論家(等)には厳しい。
・所謂リフレ派の立場。
・最後の「リフレ戦記」は一読では消化できず……
【簡易目次】
プロローグ 経済学者とは何者か?
○第一部 経済学者たちの「勝利」と「敗北」
第一章 「欲張りなことはよいことだ」 ―マンデヴィルの世界
第二章 バブル崩壊後の経済学 ―二八〇年前のバブルと二人の銀行家
第三章 何のための「セーフガード」か? ―ヒュームと既得権益との戦い
第四章 誰が改革を担うのか? ―スミスと既得権益との戦い
第五章 歴史のなかの開発主義者たち ―ハミルトンから村上泰亮まで
第六章 ソーントンの前例なき要求 ―中央銀行の責任(1)
第七章 リカードウの新平価解禁論 ―中央銀行の責任(2)
第八章 「影の大蔵大臣」バジョット ―中央銀行の責任(3)
第九章 経済学者は冷血動物なのか? ―J・S・ミル 対 反経済学者たち
○第二部 二十世紀最高の経済学者は誰か?
第十章 景気が良くなると改革が進まない? ―シュンペーターとしごき的構造改革
第十一章 デフレと金本位制復帰 ―一九二五年、ケインズの敗戦
第十二章 一九三〇年代の「非正統的な」政策 ―ヴィクセルとその同僚たち
第十三章 終わりなき戦い ―その後のケインズ
エピローグ 再び、経済学者とは何者か?
【目次】(タイプミスあったらごめんなさい)
プロローグ 経済学者とは何者か? 001
人気のない経済学/経済学版「マーフィーの法則」/根強い反経済学の伝統/さまざまな経済学者たち
第Ⅰ部 経済学者たちの「勝利」と「敗北」
第01章 「欲張りなのはよいことだ」――マンデヴィルの世界 014
映画で経済学?/『蜂の寓話』の世界/見えない手と見える手
第02章 バブル崩壊後の経済学―― 二八〇年前のバブルと二人の銀行家 025
バブルとその崩壊/リスクを計算した銀行家/企業者活動が結ぶ市場経済/「バブルの反省」とは
エコノミックスの考現学① 現代のバブル 038
バブルの破裂するとき/根拠なき熱狂/「新しい時代がやってきた」?/マスコミか口コミか
第03章 何のための「セーフガード」か?――ヒュームと既得権益との闘い 038
何を「セーフガード」し、「保護」するのか?/「貿易衰退」論者たち/「大多数の幸福」を求めて/クルーグマンとしてのヒューム
第04章 誰が改革を担うのか?――スミスと既得権益との闘い 042
大学教授の経済学?/『諸国民の富の性質と原因に関する研究』/改革の政治経済学/古典の生命力
第05章 歴史のなかの開発主義者たち――ハミルトンから村上泰亮まで 075
挙証責任の転換/開発主義者とは何か/開発主義者は可能か/「唯一の天才」――アレグザンダー・ハミルトン/ハミルトンの提案/政策評価の難しさ/恩恵どころか制約を受けたソニーやホンダ/政府の能力――誰が仕切るのか
エコノミックスの考現学② 産業論の正しい見方 092
産業の再生と産業論の再生/産業論の現在を示す二冊/企業家精神の衰退?/ミクロからマクロへ?/政府の適切な役割とは何か
第06章 ソーントンの前例なき要求――中央銀行の責任(1) 102
何のための独立性か?/地金論争の時代/古典は最高の貨幣理論家――ヘンリー・ソートン/貨幣の過剰発行の仕組み/イングランド銀行の責任
第07章 リカードウの新平価解禁論――中央銀行の責任(2) 113
「経済学者のなかの経済学者」/インフレからデフレへ/産業構造の転換を支えるマクロ経済の安定/リカードウの貿易論でデフレ不況を説明できるか?/危機が鍛える経済学
エコノミックスの考現学③ 銀行の陰謀? 124
銀行の責任/陰謀の筋書き/全知全能の「黒幕」?/予測に失敗した陰謀本
第08章 「影の大蔵大臣」バジョット――中央銀行の責任(3) 129
危機と中央銀行/「影の大蔵大臣」――ウォルター・バジョット/中央銀行をめぐる緊張/中央銀行総裁の条件/130年前のバジョットの問いと選択
エコノミックスの考現学④ アメリカの「素晴らしい10年」をもたらしたもの 139
アメリカ90年代の成果/マクロ経済学者の面目躍如/我が国の学ぶべき教訓とは/経済学者の決め技
第09章 経済学者は冷血動物なのか?――J・S・ミル対反経済学者たち 145
陰鬱な科学?/経済学者の使命とは/反経済学者/反撃する経済学者/インセンティブに注目したスミスとミル/偉大な改革者の時代の記憶
エコノミックスの考現学⑤ 不平等を正当化する人々 155
平等――熱い問題/いかに平等を実現するか/経済学者の責任?
第Ⅱ部 二〇世紀最高の経済学者は誰か?
年表……………160
歴史的背景……162
第10章 景気が良くなると改革が進まない?――シュンペーターとしごき的構造改革 164
何でもランキング、ついに経済学者も?/20世紀という時代/成長から循環へ――企業者活動/しごき的構造改革――「景気が良くなると改革が進まなくなる」?/循環から成長へ――「アルゼンチンをめざせ」?/シュンペーターからケインズへ
第11章 デフレと金本位制復帰―― 一九二五年春、ケインズの敗戦 179
エコノミストの格付け?/通貨が堕落するとき?/デフレの恐怖/敗戦――1925年3月17日/再戦――大蔵省=中央銀行連合との闘い/敗戦を繰り返さないために
増補版への追記…………200
第12章 一九三〇年代の「非正統的な」政策――ヴィクセルとその同僚たち 202
数学者から経済学者へ――クヌート・ヴィクセル/不滅の金字塔――『利子と物価』/「非正統的な」政策の発動/スウェーデンの経験をどう捉えるか?/「非正統的な」政策を可能にしたもの/再びケインズへ
第13章 終わりなき闘い――その後のケインズ 222
経済学のイメージ/「足かせ」からの脱出/理論と実践/『雇用・利子および貨幣の一般理論』――説得のロジックとレトリック/IS-LMモデルの有効性/「一人しかいなかった」ケインズ
エピローグ 再び、経済学者とは何者か? 247
呪術師たちの系譜?/昭和金融恐慌の真の教訓とは/「前例がない」政策?/「勝利」と「敗北」と/経済学の危機も進行する日本/終わりなき闘い
補章 リフレ戦記――その後の経済学者たちの闘い 269
2012年12月26日――アベノミクス始動/1992年初頭――マネー激変とマネーサプライ論争/金融政策の迷走とデフレ論争――リフレーション政策の台頭/2001年から06年――量的緩和からその解除/2008年9月――リーマン・ショックと第二次世界大恐慌の回避/評価1:リアルタイムでの金融政策批判/経済学の危機、再び/評価2:日本版ゾンビ経済学との対決/アベノミクスをどう評価するか/決着をつけよう
あとがき 312
『経済学者たちの闘い(増補版)』へのあとがき 318
参照文献一覧 321
人名索引 347
事項索引 349
COLUMN
コラムA 日銀理論 008
コラムB 一般均衡と部分均衡 035
コラムC 金本位制 049
コラムD 比較優位説 054
コラムE アダム・スミスとアマルティア・セン 064
コラムF 知識と情報 089
コラムG ミクロとマクロ、短期と長期 120
コラムH 経済における「専門知」と「世間知」 190
コラムI IS-LMモデルと実践マクロ経済学 237
コラムJ ヴィクトリア朝後期の「良いデフレ」? 255