火曜日, 12月 24, 2019

5G、重大な健康被害示す研究相次ぐ…世界で導入禁止の動き、日本では議論すら封印 ビジネスジャーナル2019.11.10


5G、重大な健康被害示す研究相次ぐ…世界で導入禁止の動き、日本では議論すら封印
https://biz-journal.jp/2019/11/post_126809.html/amp

5G、重大な健康被害示す研究相次ぐ…世界で導入禁止の動き、日本では議論すら封印

ドイツでの5G反対デモ(写真:ロイター/アフロ)
 次世代通信規格「5G」を日本でも導入するというが、心配の種が尽きない。2020年春からの本格導入を目指し、総務省はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、楽天モバイルへ電波(周波数帯)を割り当てた。今年4月以降、日本各地で基地局の設置が進んでいる。
 メディアでの報道も加熱しており、現行の4Gと比べ、「通信速度や容量が100倍以上になる」といったメリットが強調されることが多い。たとえば、「スマートフォンに2時間の映画をたった3秒でダウンロードできるようになる」といった具合だ。はたまた、将来的には自動車の自動運転や医師による遠隔診断や手術にも応用できるとのこと。
 とはいえ、現行モデルのスマホでは5Gサービスは利用できない。新たな端末を購入する必要もあるし、データ量が増えるので通信料金も上がるだろう。通信機器メーカーや通信業者にとってはおいしい話に違いない。
 しかし、日本では5Gが人体に及ぼす健康被害の危険性が無視されているのが気がかりだ。今年4月2日、ベルギーの首都ブリュッセルでは5Gの実験、導入を禁止する措置が発表され、ほかの欧州諸国でも追随する動きが出始めており、イタリア政府はすでに5Gの使用を制限する裁判所の決定を告知しているほどである。
 実は、それ以外にも欧米諸国では5Gに対する規制を強化する動きが加速している。不思議なほど、日本ではまったくといっていいほど報道されない。海外では、ベルギーやイタリア以外にも、スイスのボード市やアメリカのサンフランシスコ市にて同様の決定が相次いでなされている。日本だけが能天気にしていて大丈夫なのか。そもそも欧米諸国が5Gを警戒しているのは、なぜなのか。その理由を検証する必要があるだろう。
 答えは簡単で、5Gの基地局からスマホに送信される電磁波が人体に悪影響を与えることが各国の医療関係者の研究によって次々に明らかになってきたからだ。5Gにともなって発生する電磁波は「新たな環境と人体に対する汚染」との受け止め方が広がりつつあることは、日本にとっても他人事ではないはずだ。
 2019年から2020年にかけて、5G用の衛星がアメリカと中国を中心に2万基以上も打ち上げられる予定である。現在軌道上を周回する通信衛星の数が10倍以上に増えることになる。そして地上には200メートルおきに基地局が設置される。そうした膨大な数の基地局から出される電磁波はスマホを通じて利用者の肉体に接触、侵入し、健康被害をもたらす可能性が指摘されているのである。
 欧州各国では遺伝子組み換え作物(GMO)の人体への悪影響に鑑み、その使用を厳しく制限してきたが、新たに5Gに関しても人体への悪影響を防ぐために使用禁止や制限措置を取り始めたわけだ。

基地局周辺で住民の健康被害

 その根拠に挙げられているのは、2005年から今日まで欧米各地の医療・研究機関で継続されている、マウスを使った電磁波の人体への影響に関する研究結果だ。そこで明らかになったのは、人の皮膚や目、そして生殖能力への悪影響が懸念されること。実際に、すでに5Gの基地局が設置された周辺では、相次いで住民の被害が報告されている。
 すでに述べたように、ベルギーのブリュッセルでは5Gの実験、導入が全面的に禁止されることになった。また、同じ時期、スイスでは放射線のもたらす健康被害を調査するシステムが完成するまで、新たな5Gの設置は延期する方針が決定された。
 アメリカでも同様の動きが見られる。ハーバード大学を退職した応用物理学のロナルド・パウウェル博士は「環境保全トラスト」のウェブサイト上に論文を発表し、「5Gの人体への悪影響を防ぐには地域コミュニティーから5Gを排除するしかない。被害を軽減する方法はほかにない。5Gの導入を中止するのがベストの選択だ」と主張する。
 米「フォーブス」誌の報道によると、ニューハンプシャー州では州議会において5Gの健康への影響を調査する委員会の設置が決まった。また、カルフォルニア州のサンフランシスコ市近郊のミル・バレーでは昨年、新たな5G基地局の設置が禁止されたという。ニューヨーク州のシラキュース市では住民の訴えに応じて、5Gアンテナの安全性を検証するため、現場での立ち合い検査の実施が認められた。
 もちろん、5Gを推進する側のAT&Tやベライゾンなど通信事業者は連邦通信委員会(FCC)に働きかけ、5Gの安全性を盛んにアッピールしている。通信事業者団体のCTIAの運営する「携帯電話に関する健康相談」サイトでは「5Gには健康上のリスクはない」と断言。とはいえ、その根拠に挙げられているデータは1996年の実験結果に基づくもの。しかも、人体への影響を試験すると称して使われたのは大人サイズのプラスティック製のマネキンであった。
 さらにいえば、1996年当時の通信アンテナや携帯から出る放射性電波は、現在導入が進む5Gとは比較にならないほどの低周波である。4Gの場合、周波数は6GHzであるが、5Gとなれば30から100GHzになる。一般の市民がこれほど高い周波数にさらされることは前代未聞のこと。
 また、5Gが発するミリメーター波(MMW)も懸念材料になっている。なぜなら、この種のMMWはアメリカの国防総省が開発したもので、空港での危険物監視モニターに使われているのみならず、暴徒の鎮圧に際しても警察が使っている電子銃(ADS)そのものであるからだ。要は、5Gは武器としてもともと開発が始まった技術なのである。実は、WiFiも同様で、その起源は1950年代にさかのぼる。秘密裡に開発が始まった電磁波兵器に欠かせないのがWiFiであった。
 そうした背景もあるせいか、通信機器や電波がもたらす危険性について、ヨーロッパでもアメリカでもさまざまな検証や研究が繰り返されている。当たり前といえば、当たり前のことである。現実に、5Gが原因と思われる健康被害も発生していれば、医学関係者の間でも「無視できない」との見方が広がっていることは周知の事実にほかならない。
 残念ながら、日本ではこうした視点からの研究も対策もまったくといっていいほど講じられていない。「後の祭り」にならないことを祈るばかりだ。便利さだけを売り込むのではなく、それに伴うリスクをきちんと開示することが求められる。
 そこで今回は、欧米の研究者の間で進められている5Gの健康への影響に関する調査の一部を紹介してみたい。日本での議論の呼び水になれば幸いである。

「誘導性の電磁波兵器」

 まずはイスラエルのアリエル大学で物理学を教えるベン・イシャイ博士による、5Gが人体の発汗作用に及ぼす影響に関する実験である。それによれば、「5Gネットワークが使用する周波数は我々の人体内の汗が流れる管に徐々にではあるが破壊的な影響を与える」とのこと。人間の皮膚や人体内の臓器にも悪影響を及ぼすことは避けられないだろう。汗が皮膚を通じて流れ出る管はらせん状になっているが、5Gの発する75から100GHzの周波数はこうした管に影響をもたらすため、発汗作用が異常をきたし、ストレス解消のための発汗作用が機能しなくなる恐れが出てくるというわけだ。
 より注目すべき研究は、ワシントン州立大学の名誉教授で生化学の専門家マーティン・ポール博士による「5Gのもたらす電磁波が人体に及ぼす影響」に関するものである。無線放射線や電磁波の専門家でもある同博士によれば、「5Gの電磁波は人間の生殖能力、脳、心臓機能に影響をもたらし、最終的には遺伝子(DNA)にも作用を与える」とのこと。
 同博士の実験によると、妊娠中の牛が電磁波を発する基地局の近くにいると、生まれた子牛が白内障に罹る可能性が高くなることが判明した。253頭の子牛のうち、32%に当たる79頭が白内障に罹患。基地局からの距離にも影響はあるのだが、100メートルから199メートルの範囲内にいたメス牛から生まれた子牛には、それ以上の距離にいた場合よりも高い確率で重度の白内障が見つかったという。
 もともと5Gは、アメリカ国防総省が冷戦時代に旧ソ連との電子戦争を想定して開発したもので、いわば「誘導性の電磁波兵器」なのである。自立型の装甲車を走らせる際に必要とされる電磁波用のレンズとして開発が進められ、その意味では通信用ではなく、あくまで兵器としての使用を前提としたものであった。
 当然、非殺傷兵器としても応用が期待されていた。警察が暴徒化したデモ参加者や群衆を排除する目的で開発されたもので、ミリ単位の電磁波を発する。照射されても死に至ることはないが、照射された瞬間には火炎に包まれたような衝撃を受けることになる。こうした電磁波を恒常的に浴びていると、人体は突然変異を起こす可能性が高まる。現時点では起きないにしても、次世代になってから細胞内に異常が見られるようになり、最終的に突然変異に見舞われることになるとの指摘もあるほどだ。
 加えて、発がん性の恐れも指摘されている。世界保健機関(WHO)では携帯電話用の電波塔の発する電波は、発がん性のレベルは「2b」としている。しかし、研究者のなかには5Gの電磁波は発がん性のレベルは「1」と、もっとも高いリスクがあると判定しているケースもある。問題は、現在広く普及している2G、3G、4Gの使用している電磁波でも脳への悪影響は確認されているわけで、今後5Gがどのような健康被害をもたらすものか、早急な調査と研究が必要とされるということは論をまたないはずだ。
 従来の4Gと比較すれば、5Gの電波の浸透力は格段に強化されることになる。その結果、外部から発せられる電磁波は簡単に住居やビルの壁をすり抜けるため、頑丈な防御壁でもないかぎり、我々は知らない間に1日24時間、人体をむしばむ電磁波を被爆することになりかねない。レンガやコンクリートの壁などは防御の役目を果たさないといわれる。

ロイズ社が驚くべき報告書

 国際機関でも5Gの危険性については対策を求める声が出始めている。国連職員であったクレア・エドワーズさんによれば、「過去20年間で地球上から昆虫の80%が死滅した。もし5Gが本格稼働すれば100%が死に絶えるだろう。昆虫の次は動物、そして人間も同じ運命をたどる」という。彼女は在職中に国連のアントニオ・グレーテス事務総長に繰り返し進言をしたという。しかし、巨大な組織は簡単には動かない。そのため、彼女は職を辞し、民間の立場で5Gのリスクについて講演をし、一般市民に警鐘を鳴らす道を選び、各地で啓蒙活動に取り組んでいる。
 前述の通り、アメリカも中国も5Gの普及と覇権を賭けて通信衛星の打ち上げに余念がない。500万ワットの電磁波が地上の基地局目がけて降り注ぎ、地上の動物や人間にも容赦なく降り注ぐことにもなるだろう。
 そのような宇宙空間から大量に降り注ぐ電磁波が人体に影響をもたらさないわけがない。ここで思い起こされるのはアスベストやヒ素公害である。今でこそ、アスベスト訴訟を通じて人体への発がん作用など悪影響が認知されるようになったが、当初、建築に使われ始めた頃には「人体には無害」と説明されていた。
 2010年、英国の保険会社ロイズ社が驚くべき報告書をまとめた。それは無線通信技術とアスベストを比較したもの。すでに今から9年も前に出されたものだが、さすが世界最大の保険会社である。同社のリスク分析チームは5Gのもたらす危険性について当時から注目していたというわけだ。その結果、ロイズは大手の通信事業会社から5G導入に関連する保険の引き受けを要請されたのだが、すべて拒否したのである。5Gのもたらす健康被害額が膨大になり、とても保険事業としては採算が合わないとの判断が下されたのである。実に冷静な対応であったと思われる。
 とはいえ、日本でも世界各地でも5Gの普及に向けての基地局の整備は着々と進んでいる。また来年になれば、スマホの買い替えも一気に進むに違いない。しかし、5Gの電磁波が人体や自然環境に及ぼす影響については、残念ながら日本においてはまったく問題視されていない。
 今もなお子供から大人までスマホ中毒症に陥っている日本人だが、健康や命を犠牲にしてまで大容量、超高速の通信サービスが本当に必要かどうか、改めて立ち止まって熟考する時ではないだろうか。
(文=浜田和幸/国際政治経済学者)
●浜田和幸
国際政治経済学者。前参議院議員、元総務大臣・外務大臣政務官。2020東京オリンピック招致委員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。

5G、重大な健康被害示す研究相次ぐ…世界で導入禁止の動き、日本では議論すら封印

 欧州各国では遺伝子組み換え作物(GMO)の人体への悪影響に鑑み、その使用を厳しく制限してきたが、新たに5Gに関しても人体への悪影響を防ぐために使用禁止や制限措置を取り始めたわけだ。

基地局周辺で住民の健康被害

 その根拠に挙げられているのは、2005年から今日まで欧米各地の医療・研究機関で継続されている、マウスを使った電磁波の人体への影響に関する研究結果だ。そこで明らかになったのは、人の皮膚や目、そして生殖能力への悪影響が懸念されること。実際に、すでに5Gの基地局が設置された周辺では、相次いで住民の被害が報告されている。
 すでに述べたように、ベルギーのブリュッセルでは5Gの実験、導入が全面的に禁止されることになった。また、同じ時期、スイスでは放射線のもたらす健康被害を調査するシステムが完成するまで、新たな5Gの設置は延期する方針が決定された。
 アメリカでも同様の動きが見られる。ハーバード大学を退職した応用物理学のロナルド・パウウェル博士は「環境保全トラスト」のウェブサイト上に論文を発表し、「5Gの人体への悪影響を防ぐには地域コミュニティーから5Gを排除するしかない。被害を軽減する方法はほかにない。5Gの導入を中止するのがベストの選択だ」と主張する。
 米「フォーブス」誌の報道によると、ニューハンプシャー州では州議会において5Gの健康への影響を調査する委員会の設置が決まった。また、カルフォルニア州のサンフランシスコ市近郊のミル・バレーでは昨年、新たな5G基地局の設置が禁止されたという。ニューヨーク州のシラキュース市では住民の訴えに応じて、5Gアンテナの安全性を検証するため、現場での立ち合い検査の実施が認められた。
 もちろん、5Gを推進する側のAT&Tやベライゾンなど通信事業者は連邦通信委員会(FCC)に働きかけ、5Gの安全性を盛んにアッピールしている。通信事業者団体のCTIAの運営する「携帯電話に関する健康相談」サイトでは「5Gには健康上のリスクはない」と断言。とはいえ、その根拠に挙げられているデータは1996年の実験結果に基づくもの。しかも、人体への影響を試験すると称して使われたのは大人サイズのプラスティック製のマネキンであった。
 さらにいえば、1996年当時の通信アンテナや携帯から出る放射性電波は、現在導入が進む5Gとは比較にならないほどの低周波である。4Gの場合、周波数は6GHzであるが、5Gとなれば30から100GHzになる。一般の市民がこれほど高い周波数にさらされることは前代未聞のこと。
 また、5Gが発するミリメーター波(MMW)も懸念材料になっている。なぜなら、この種のMMWはアメリカの国防総省が開発したもので、空港での危険物監視モニターに使われているのみならず、暴徒の鎮圧に際しても警察が使っている電子銃(ADS)そのものであるからだ。要は、5Gは武器としてもともと開発が始まった技術なのである。実は、WiFiも同様で、その起源は1950年代にさかのぼる。秘密裡に開発が始まった電磁波兵器に欠かせないのがWiFiであった。
 そうした背景もあるせいか、通信機器や電波がもたらす危険性について、ヨーロッパでもアメリカでもさまざまな検証や研究が繰り返されている。当たり前といえば、当たり前のことである。現実に、5Gが原因と思われる健康被害も発生していれば、医学関係者の間でも「無視できない」との見方が広がっていることは周知の事実にほかならない。
 残念ながら、日本ではこうした視点からの研究も対策もまったくといっていいほど講じられていない。「後の祭り」にならないことを祈るばかりだ。便利さだけを売り込むのではなく、それに伴うリスクをきちんと開示することが求められる。
 そこで今回は、欧米の研究者の間で進められている5Gの健康への影響に関する調査の一部を紹介してみたい。日本での議論の呼び水になれば幸いである。

「誘導性の電磁波兵器」

 まずはイスラエルのアリエル大学で物理学を教えるベン・イシャイ博士による、5Gが人体の発汗作用に及ぼす影響に関する実験である。それによれば、「5Gネットワークが使用する周波数は我々の人体内の汗が流れる管に徐々にではあるが破壊的な影響を与える」とのこと。人間の皮膚や人体内の臓器にも悪影響を及ぼすことは避けられないだろう。汗が皮膚を通じて流れ出る管はらせん状になっているが、5Gの発する75から100GHzの周波数はこうした管に影響をもたらすため、発汗作用が異常をきたし、ストレス解消のための発汗作用が機能しなくなる恐れが出てくるというわけだ。
 より注目すべき研究は、ワシントン州立大学の名誉教授で生化学の専門家マーティン・ポール博士による「5Gのもたらす電磁波が人体に及ぼす影響」に関するものである。無線放射線や電磁波の専門家でもある同博士によれば、「5Gの電磁波は人間の生殖能力、脳、心臓機能に影響をもたらし、最終的には遺伝子(DNA)にも作用を与える」とのこと。
 同博士の実験によると、妊娠中の牛が電磁波を発する基地局の近くにいると、生まれた子牛が白内障に罹る可能性が高くなることが判明した。253頭の子牛のうち、32%に当たる79頭が白内障に罹患。基地局からの距離にも影響はあるのだが、100メートルから199メートルの範囲内にいたメス牛から生まれた子牛には、それ以上の距離にいた場合よりも高い確率で重度の白内障が見つかったという。
 もともと5Gは、アメリカ国防総省が冷戦時代に旧ソ連との電子戦争を想定して開発したもので、いわば「誘導性の電磁波兵器」なのである。自立型の装甲車を走らせる際に必要とされる電磁波用のレンズとして開発が進められ、その意味では通信用ではなく、あくまで兵器としての使用を前提としたものであった。
 当然、非殺傷兵器としても応用が期待されていた。警察が暴徒化したデモ参加者や群衆を排除する目的で開発されたもので、ミリ単位の電磁波を発する。照射されても死に至ることはないが、照射された瞬間には火炎に包まれたような衝撃を受けることになる。こうした電磁波を恒常的に浴びていると、人体は突然変異を起こす可能性が高まる。現時点では起きないにしても、次世代になってから細胞内に異常が見られるようになり、最終的に突然変異に見舞われることになるとの指摘もあるほどだ。
 加えて、発がん性の恐れも指摘されている。世界保健機関(WHO)では携帯電話用の電波塔の発する電波は、発がん性のレベルは「2b」としている。しかし、研究者のなかには5Gの電磁波は発がん性のレベルは「1」と、もっとも高いリスクがあると判定しているケースもある。問題は、現在広く普及している2G、3G、4Gの使用している電磁波でも脳への悪影響は確認されているわけで、今後5Gがどのような健康被害をもたらすものか、早急な調査と研究が必要とされるということは論をまたないはずだ。
 従来の4Gと比較すれば、5Gの電波の浸透力は格段に強化されることになる。その結果、外部から発せられる電磁波は簡単に住居やビルの壁をすり抜けるため、頑丈な防御壁でもないかぎり、我々は知らない間に1日24時間、人体をむしばむ電磁波を被爆することになりかねない。レンガやコンクリートの壁などは防御の役目を果たさないといわれる。

ロイズ社が驚くべき報告書

 国際機関でも5Gの危険性については対策を求める声が出始めている。国連職員であったクレア・エドワーズさんによれば、「過去20年間で地球上から昆虫の80%が死滅した。もし5Gが本格稼働すれば100%が死に絶えるだろう。昆虫の次は動物、そして人間も同じ運命をたどる」という。彼女は在職中に国連のアントニオ・グレーテス事務総長に繰り返し進言をしたという。しかし、巨大な組織は簡単には動かない。そのため、彼女は職を辞し、民間の立場で5Gのリスクについて講演をし、一般市民に警鐘を鳴らす道を選び、各地で啓蒙活動に取り組んでいる。
 前述の通り、アメリカも中国も5Gの普及と覇権を賭けて通信衛星の打ち上げに余念がない。500万ワットの電磁波が地上の基地局目がけて降り注ぎ、地上の動物や人間にも容赦なく降り注ぐことにもなるだろう。
 そのような宇宙空間から大量に降り注ぐ電磁波が人体に影響をもたらさないわけがない。ここで思い起こされるのはアスベストやヒ素公害である。今でこそ、アスベスト訴訟を通じて人体への発がん作用など悪影響が認知されるようになったが、当初、建築に使われ始めた頃には「人体には無害」と説明されていた。
 2010年、英国の保険会社ロイズ社が驚くべき報告書をまとめた。それは無線通信技術とアスベストを比較したもの。すでに今から9年も前に出されたものだが、さすが世界最大の保険会社である。同社のリスク分析チームは5Gのもたらす危険性について当時から注目していたというわけだ。その結果、ロイズは大手の通信事業会社から5G導入に関連する保険の引き受けを要請されたのだが、すべて拒否したのである。5Gのもたらす健康被害額が膨大になり、とても保険事業としては採算が合わないとの判断が下されたのである。実に冷静な対応であったと思われる。
 とはいえ、日本でも世界各地でも5Gの普及に向けての基地局の整備は着々と進んでいる。また来年になれば、スマホの買い替えも一気に進むに違いない。しかし、5Gの電磁波が人体や自然環境に及ぼす影響については、残念ながら日本においてはまったく問題視されていない。
 今もなお子供から大人までスマホ中毒症に陥っている日本人だが、健康や命を犠牲にしてまで大容量、超高速の通信サービスが本当に必要かどうか、改めて立ち止まって熟考する時ではないだろうか。
(文=浜田和幸/国際政治経済学者)
●浜田和幸
国際政治経済学者。前参議院議員、元総務大臣・外務大臣政務官。2020東京オリンピック招致委員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。

5G、重大な健康被害示す研究相次ぐ…世界で導入禁止の動き、日本では議論すら封印

 また、5Gが発するミリメーター波(MMW)も懸念材料になっている。なぜなら、この種のMMWはアメリカの国防総省が開発したもので、空港での危険物監視モニターに使われているのみならず、暴徒の鎮圧に際しても警察が使っている電子銃(ADS)そのものであるからだ。要は、5Gは武器としてもともと開発が始まった技術なのである。実は、WiFiも同様で、その起源は1950年代にさかのぼる。秘密裡に開発が始まった電磁波兵器に欠かせないのがWiFiであった。
 そうした背景もあるせいか、通信機器や電波がもたらす危険性について、ヨーロッパでもアメリカでもさまざまな検証や研究が繰り返されている。当たり前といえば、当たり前のことである。現実に、5Gが原因と思われる健康被害も発生していれば、医学関係者の間でも「無視できない」との見方が広がっていることは周知の事実にほかならない。
 残念ながら、日本ではこうした視点からの研究も対策もまったくといっていいほど講じられていない。「後の祭り」にならないことを祈るばかりだ。便利さだけを売り込むのではなく、それに伴うリスクをきちんと開示することが求められる。
 そこで今回は、欧米の研究者の間で進められている5Gの健康への影響に関する調査の一部を紹介してみたい。日本での議論の呼び水になれば幸いである。

「誘導性の電磁波兵器」

 まずはイスラエルのアリエル大学で物理学を教えるベン・イシャイ博士による、5Gが人体の発汗作用に及ぼす影響に関する実験である。それによれば、「5Gネットワークが使用する周波数は我々の人体内の汗が流れる管に徐々にではあるが破壊的な影響を与える」とのこと。人間の皮膚や人体内の臓器にも悪影響を及ぼすことは避けられないだろう。汗が皮膚を通じて流れ出る管はらせん状になっているが、5Gの発する75から100GHzの周波数はこうした管に影響をもたらすため、発汗作用が異常をきたし、ストレス解消のための発汗作用が機能しなくなる恐れが出てくるというわけだ。
 より注目すべき研究は、ワシントン州立大学の名誉教授で生化学の専門家マーティン・ポール博士による「5Gのもたらす電磁波が人体に及ぼす影響」に関するものである。無線放射線や電磁波の専門家でもある同博士によれば、「5Gの電磁波は人間の生殖能力、脳、心臓機能に影響をもたらし、最終的には遺伝子(DNA)にも作用を与える」とのこと。
 同博士の実験によると、妊娠中の牛が電磁波を発する基地局の近くにいると、生まれた子牛が白内障に罹る可能性が高くなることが判明した。253頭の子牛のうち、32%に当たる79頭が白内障に罹患。基地局からの距離にも影響はあるのだが、100メートルから199メートルの範囲内にいたメス牛から生まれた子牛には、それ以上の距離にいた場合よりも高い確率で重度の白内障が見つかったという。
 もともと5Gは、アメリカ国防総省が冷戦時代に旧ソ連との電子戦争を想定して開発したもので、いわば「誘導性の電磁波兵器」なのである。自立型の装甲車を走らせる際に必要とされる電磁波用のレンズとして開発が進められ、その意味では通信用ではなく、あくまで兵器としての使用を前提としたものであった。
 当然、非殺傷兵器としても応用が期待されていた。警察が暴徒化したデモ参加者や群衆を排除する目的で開発されたもので、ミリ単位の電磁波を発する。照射されても死に至ることはないが、照射された瞬間には火炎に包まれたような衝撃を受けることになる。こうした電磁波を恒常的に浴びていると、人体は突然変異を起こす可能性が高まる。現時点では起きないにしても、次世代になってから細胞内に異常が見られるようになり、最終的に突然変異に見舞われることになるとの指摘もあるほどだ。
 加えて、発がん性の恐れも指摘されている。世界保健機関(WHO)では携帯電話用の電波塔の発する電波は、発がん性のレベルは「2b」としている。しかし、研究者のなかには5Gの電磁波は発がん性のレベルは「1」と、もっとも高いリスクがあると判定しているケースもある。問題は、現在広く普及している2G、3G、4Gの使用している電磁波でも脳への悪影響は確認されているわけで、今後5Gがどのような健康被害をもたらすものか、早急な調査と研究が必要とされるということは論をまたないはずだ。
 従来の4Gと比較すれば、5Gの電波の浸透力は格段に強化されることになる。その結果、外部から発せられる電磁波は簡単に住居やビルの壁をすり抜けるため、頑丈な防御壁でもないかぎり、我々は知らない間に1日24時間、人体をむしばむ電磁波を被爆することになりかねない。レンガやコンクリートの壁などは防御の役目を果たさないといわれる。

ロイズ社が驚くべき報告書

 国際機関でも5Gの危険性については対策を求める声が出始めている。国連職員であったクレア・エドワーズさんによれば、「過去20年間で地球上から昆虫の80%が死滅した。もし5Gが本格稼働すれば100%が死に絶えるだろう。昆虫の次は動物、そして人間も同じ運命をたどる」という。彼女は在職中に国連のアントニオ・グレーテス事務総長に繰り返し進言をしたという。しかし、巨大な組織は簡単には動かない。そのため、彼女は職を辞し、民間の立場で5Gのリスクについて講演をし、一般市民に警鐘を鳴らす道を選び、各地で啓蒙活動に取り組んでいる。
 前述の通り、アメリカも中国も5Gの普及と覇権を賭けて通信衛星の打ち上げに余念がない。500万ワットの電磁波が地上の基地局目がけて降り注ぎ、地上の動物や人間にも容赦なく降り注ぐことにもなるだろう。
 そのような宇宙空間から大量に降り注ぐ電磁波が人体に影響をもたらさないわけがない。ここで思い起こされるのはアスベストやヒ素公害である。今でこそ、アスベスト訴訟を通じて人体への発がん作用など悪影響が認知されるようになったが、当初、建築に使われ始めた頃には「人体には無害」と説明されていた。
 2010年、英国の保険会社ロイズ社が驚くべき報告書をまとめた。それは無線通信技術とアスベストを比較したもの。すでに今から9年も前に出されたものだが、さすが世界最大の保険会社である。同社のリスク分析チームは5Gのもたらす危険性について当時から注目していたというわけだ。その結果、ロイズは大手の通信事業会社から5G導入に関連する保険の引き受けを要請されたのだが、すべて拒否したのである。5Gのもたらす健康被害額が膨大になり、とても保険事業としては採算が合わないとの判断が下されたのである。実に冷静な対応であったと思われる。
 とはいえ、日本でも世界各地でも5Gの普及に向けての基地局の整備は着々と進んでいる。また来年になれば、スマホの買い替えも一気に進むに違いない。しかし、5Gの電磁波が人体や自然環境に及ぼす影響については、残念ながら日本においてはまったく問題視されていない。
 今もなお子供から大人までスマホ中毒症に陥っている日本人だが、健康や命を犠牲にしてまで大容量、超高速の通信サービスが本当に必要かどうか、改めて立ち止まって熟考する時ではないだろうか。
(文=浜田和幸/国際政治経済学者)
●浜田和幸
国際政治経済学者。前参議院議員、元総務大臣・外務大臣政務官。2020東京オリンピック招致委員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。