美大生が1人で作った新宿の巨大地下地図「新宿地下考現学」
ありそうでなかったもの。その一つが、新宿の巨大な地下の道の全体が見渡せる地図だ。それを1人で作り上げた美大生がいる。名前は志田成美さん(東京藝術大学大学院 美術研究科)。修了制作展で巨大な手作り地図「新宿地下考現学」を展示したところ、地図ファンを中心に話題に。果たしてどのようにして制作したのか、志田さんにお話を聞いてみた。――非常に大きな地図ですね!
「タテ2.2m、ヨコ3mです。布地のキャンバスに書きました」
――なぜ、巨大な地図を作ろうと??
「新宿の広大な地下道は、東は新宿三丁目、西は新宿公園までつながっているのですが、百貨店等の地下施設の連続であるため、それぞれの利害が絡んで、1枚にまとまった地図がなかったんです。それで作ろうと思ったのと、私は小さい頃からずっと新宿で育って、自分でも地下の道にもっと詳しくなりたいという気持ちもあって作りました」
「生まれも育ちも新宿」と聞いただけで、なんだかカッコイイではないか。志田さんは新宿が大好きだそうで、地図を通じて新宿の良さを再発見していただけたら…とも語っていた。
しかし、こんな大きな地図をどうやって作っていったのだろうか?早速、聞いてみた。
「まずはエリアを分けて、ひたすらメモをしながら調査しました。一度歩いただけでは分からないので、何度も追加調査を重ねましたね。その後は地図をデータ化する作業をしまして、業者さんにお願いして布地のキャンバスに出力した後、布地に直接書けるダーマートグラフで文字を書きました」
――ひょっとして、文字を書き間違えたらアウトなのでは!?
「そうなんです!砂消しでは消えないので、字を間違えたら消せません。だから真剣に書きましたよ(汗)」
ちなみに、調査を始めてから地図が完成するまで、3~4ヶ月もかかったという。
そんな苦労が報われたのか、展示は連日大盛況。
――たくさんの方が鑑賞されていましたが、反応はいかがでしたか?
「お陰様で、特におじさまの方々の食いつきが良かったです(笑)。やっぱり、地図が好きな方が多いんだな~と実感しました。もちろん、老若男女、色々な層の方が立ち止まってくださいましたが、特に熱心に鑑賞されていたのは、やっぱりおじさまですね。『昔、このへんによく行ったんだ』とか言いながら」
●新宿駅南口・階層地獄
――通路を把握するのに一番大変だったのは、どのあたりでした?
「新宿駅の南口です。とにかく階層の構造が複雑で、京王新線やルミネ1の構造を平面の地図で表現するのが大変でしたね。かといって『別紙参照』という感じにはしたくなかったので、1枚で表現しました。階層の違いは線の色を変えて書いていきました」
●「フェイクエスカレーター」という罠
地図の中に「フェイクエスカレーター」という文字を発見。早速、どういうことなのか聞いてみると…
「エスカレーターはあるけど、地上部分まで続いているわけではなく、途中でおりて、その先は階段で上がらないといけない所です」
それを「フェイクエスカレーター」というのは、なんともうまい表現だ。「フェイクエスカレーター」は、俗に言う、「アメとムチ」みたいなものである。
「そうなんです!砂消しでは消えないので、字を間違えたら消せません。だから真剣に書きましたよ(汗)」
ちなみに、調査を始めてから地図が完成するまで、3~4ヶ月もかかったという。
そんな苦労が報われたのか、展示は連日大盛況。
――たくさんの方が鑑賞されていましたが、反応はいかがでしたか?
「お陰様で、特におじさまの方々の食いつきが良かったです(笑)。やっぱり、地図が好きな方が多いんだな~と実感しました。もちろん、老若男女、色々な層の方が立ち止まってくださいましたが、特に熱心に鑑賞されていたのは、やっぱりおじさまですね。『昔、このへんによく行ったんだ』とか言いながら」
●新宿駅南口・階層地獄
――通路を把握するのに一番大変だったのは、どのあたりでした?
「新宿駅の南口です。とにかく階層の構造が複雑で、京王新線やルミネ1の構造を平面の地図で表現するのが大変でしたね。かといって『別紙参照』という感じにはしたくなかったので、1枚で表現しました。階層の違いは線の色を変えて書いていきました」
●「フェイクエスカレーター」という罠
地図の中に「フェイクエスカレーター」という文字を発見。早速、どういうことなのか聞いてみると…
「エスカレーターはあるけど、地上部分まで続いているわけではなく、途中でおりて、その先は階段で上がらないといけない所です」
それを「フェイクエスカレーター」というのは、なんともうまい表現だ。「フェイクエスカレーター」は、俗に言う、「アメとムチ」みたいなものである。
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