ラグランジュの未定乗数決定法
予算制約に苦しみながら、それでも効用関数を最大にしようと足搔くとき、人はラグランジュの未定乗数決定法を用います。
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ラグランジュの未定乗数決定法の直観的な意味を説明しておきます。この方法の見どころは、今までどこにも出てこなかった新しい変数(ラムダ)を突然持ち出して、これを使って効用関数と予算制約を1つにつないでしまうことです。
たとえば、私たちが買い物に行くとき、欲しいものをたくさん買って物欲を満たすだけでなく、財布の中にもできるだけ多くお金を残したいですよね。財布の中に残るお金とは、所得から使った額を引いたものです。ということは、残金を気にしつつ効用を最大にすることは、
効用関数 + λ ×(所得 - 支出額)
を最大にすることと同じです。ここで(ラムダ)が必要になるのは、所得や支出が「お金」の単位であるのに対して、効用関数は「タナカ」とかいう意味のわからない単位であるからです。したがって単位をそろえるために係数を掛けています。このが、「未定乗数」と呼ばれるもので、これはいわば効用関数と予算制約をつなぐ「糊」の働きをしいます。
効用関数に予算制約を糊付けしたものをラグランジュ関数といいます。あとは、これを偏微分して0とすれば最適解の候補が見つかるわけで、この条件をラグランジュの一階の条件と呼んでいます。
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