参考:
スティーヴ・キーン『次なる金融危機』
https://nam-students.blogspot.com/2019/04/can-we-avoid-another-financial-crisis.html
Table 1. Anderson’s hierarchical ranking of sciences (adapted from Anderson, 1972, p. 393)
29:
フィリップ・アンダーソンPhilip Warren Anderson 1923~
1972年
4/4
「科学Xの基本的存在は、科学Yの法則に従う」
「だが、この階層は、科学Xは「単なる応用Y」を意味するのではない。各段階でまったく新しい法則、考え、一般化を要する。それにはインスピレーションや創造性が、前段階と同じ程度に必要だ。心理学は応用生物学ではなく、生物学は化学の応用ではない」
Table 1. Anderson’s hierarchical ranking of sciences (adapted from Anderson, 1972, p. 393)
X Y
Solid state or many-body physics Elementary particle physics
Chemistry Many-body physics
Molecular biology Chemistry
Cell biology Molecular biology
. . . . . .
Psychology Physiology
Social sciences
Psychology
表1 アンダーソンの科学の階層(1972)
X Y
固体物理学もしくは多体物理学 素粒子物理学 ↑小(大ー小)
化学 多体物理学
分子生物学 化学
細胞生物学 分子物理学 Z
… …
心理学 生物学
社会科学 心理学 ↓大(大ー小)
X Y
solid state or elementary particle
many-body physics physics
chemistry many-body physics
molecular biology chemistry
cell biology molecular biology
: :
psychology physiology
social sciences psychology
れねばならないのだろうか.「素粒子の大きな複雑な集合体の振る舞いは、少数の粒子の性質の単純な外挿として理解されるべきではない、ということが分かる。そうではなくて、複雑性のそれぞれのレベルにおいて、新しい性質が現れるのだ。だから、新しい振る舞いの理解には、他の場合と同じように、その性質について私が基本的と思う研究を必要とするL>ao」∽oP円oヾや毬じアンダーソンは、科学には階層が存在するという考えをすすんで受け容れた。つまり、諸科学をほぼ直線的に階層として配列できるというわけだ。その着想に従えば、「科学Xの基本的存在は、科学Yの法則に従う」表1を参照ヽしかし、彼は、X欄のどの科学もY欄の相当する科学の応用版として扱えるという考えを排斥した。「だが、この階層は、科学Xは「単なる応用Y」を意味するのではない。各段階でまったく新しい法則、考え、一般化を要する。それにはインスピレーションや創造性が、前段階と同じ程度に必要だ。心理学は応用生物学ではなく、生物学は化学の応用ではない」ao「∽Fもヽ0毬じ
以上のようなわけで、ミクロ経済学からマクロ経済学を導くことはできない。だが、だからといって、ブランシャールが言うように、広く受け容れられてきた分析的マクロ経済学の核心、つまりその検討と展開の場が、夢想かもしれないことを意味しない。すべての経済学者が賛成する基礎から出発して、マクロ経済学を導き出す道が存在するのだ。だが、実際にその道を進むには、これまで主流派が避けてきた考え--複雑性を受け容れねばならない。
高い層の現象を低い層のシステムから直接的に推定するのは不可能だという発見は、今では純正な科学では共通の認識だ。それが複雑なシステムにおける、いわゆる「創発(エマージェンス)だ。 [参考記事]
ひとつの複雑システムの支配的な諸性質は、考えられた単独の要素の性質よりも、むしろ要素の相互作用に由来する。(中略)
(マクロ経済学のような)高いレベルの現象は(ミクロ経済学のような)低いレベルの現象から導き出され得るし、また導き出されねばならない、という信念の誤りについては、1972年--ルーカスが講演するよりも前に--ノーベル物理学賞受賞者のフィリップ・アンダーソンがつぎのように述べていた。
「この種の考えの主な誤りは、還元主義的な仮説が決して『構築主義的』な仮説を意味しないことだ。あらゆる事柄を単純な法則に還元できる能力は、そうした法則から出発して宇宙を再構築する能力を意味しない」
アンダーソンは、物理学で、とくに「ミクロ」から「マクロ」へと延ばす(外挿する)態度を排斥した。そうした排斥が素粒子の振る舞いにあてはまるならば、人間の行動にはどれほど多く応用されねばならないのだろうか。
「素粒子の大きな複雑な集合体の振る舞いは、少数の粒子の性質の単純な外挿として理解されるべきではない、ということが分かる。そうではなくて、複雑性のそれぞれのレベルにおいて、新しい性質が現れるのだ。だから、新しい振る舞いの理解には、他の場合と同じように、その性質について私が基本的と思う研究を必要とする」
アンダーソンは、科学には階層が存在するという考えをすすんで受け容れた。つまり、諸科学をほぼ直線的に階層として配列できるというわけだ。その着想に従えば、「科学Xの基本的存在は、科学Yの法則に従う」(表1を参照)。しかし、彼は、X欄のどの科学もY欄の相当する科学の応用版として扱えるという考えを排斥した。
表1
「だが、この階層は、科学Xは『単なる応用Y』を意味するのではない。各段階でまったく新しい法則、考え、一般化を要する。それにはインスピレーションや創造性が、前段階と同じ程度に必要だ。心理学は応用生物学ではなく、生物学は化学の応用ではない」(p. 28)
高い層の現象を低い層のシステムから直接的に推定するのは不可能だという発見は、今では純正な科学では共通の認識だ。それが複雑なシステムにおける、いわゆる「創発(エマージェンス)だ。 [参考記事]
ひとつの複雑システムの支配的な諸性質は、考えられた単独の要素の性質よりも、むしろ要素の相互作用に由来する。(中略)
(マクロ経済学のような)高いレベルの現象は(ミクロ経済学のような)低いレベルの現象から導き出され得るし、また導き出されねばならない、という信念の誤りについては、1972年--ルーカスが講演するよりも前に--ノーベル物理学賞受賞者のフィリップ・アンダーソンがつぎのように述べていた。
「この種の考えの主な誤りは、還元主義的な仮説が決して『構築主義的』な仮説を意味しないことだ。あらゆる事柄を単純な法則に還元できる能力は、そうした法則から出発して宇宙を再構築する能力を意味しない」
アンダーソンは、物理学で、とくに「ミクロ」から「マクロ」へと延ばす(外挿する)態度を排斥した。そうした排斥が素粒子の振る舞いにあてはまるならば、人間の行動にはどれほど多く応用されねばならないのだろうか。
「素粒子の大きな複雑な集合体の振る舞いは、少数の粒子の性質の単純な外挿として理解されるべきではない、ということが分かる。そうではなくて、複雑性のそれぞれのレベルにおいて、新しい性質が現れるのだ。だから、新しい振る舞いの理解には、他の場合と同じように、その性質について私が基本的と思う研究を必要とする」
アンダーソンは、科学には階層が存在するという考えをすすんで受け容れた。つまり、諸科学をほぼ直線的に階層として配列できるというわけだ。その着想に従えば、「科学Xの基本的存在は、科学Yの法則に従う」(表1を参照)。しかし、彼は、X欄のどの科学もY欄の相当する科学の応用版として扱えるという考えを排斥した。
表1
X | Y |
---|---|
固体物理学もしくは多体物理学 | 素粒子物理学 |
化学 | 多体物理学 |
分子生物学 | 化学 |
細胞生物学 | 分子生物学 |
... | ... |
心理学 | 生物学 |
社会科学 | 心理学 |
「だが、この階層は、科学Xは『単なる応用Y』を意味するのではない。各段階でまったく新しい法則、考え、一般化を要する。それにはインスピレーションや創造性が、前段階と同じ程度に必要だ。心理学は応用生物学ではなく、生物学は化学の応用ではない」(p. 28)
概要
1958年にフィリップ・アンダーソンがその可能性を初めて指摘した[1]。 その後ネヴィル・モットが多くの物理的考察を行い、その多くが実験などによって実証されているため、 現在では無秩序系における電子物性の基本的性質と考えられている。 局在状態とそうでない状態はエネルギー的にはっきりとわかれており、その境界のエネルギーのことを移動度端と呼ぶ。 フェルミ準位が移動度端の上か下かで電気的性質が大きく変わる。 また、長さや時間のスケールを変換して、不変に保っている性質を取り出す理論をスケーリング理論というが、 アンダーソン局在においては、このスケーリング理論によって多くの理論的考察がなされた。アンダーソンはこの功績からノーベル賞を受賞している。
局在の物理的描像
参考文献
- ^ P.W.Anderson, "Absence of Diffusion in Certain Random Lattices", Phys. Rev., 109, (1958), pp.1492-1505.
- 福山 秀敏:「アンダーソン局在」,物理学最前線 2,共立出版(1983).
- 川畑 有郷:「アンダーソン局在のスケーリング理論」,物理学最前線 13, 共立出版(1985).
- 長岡 洋介、安藤 恒也,高山 一:「局在・量子ホール効果・密度波」(1章1節-2節),現代の物理学 18, 岩波書店(1993).
- 大槻 東巳:「不規則電子系の金属-絶縁体転移」,現代物理学最前線 2,共立出版(2000), pp.75-142.
- 小野 嘉之:「金属絶縁体転移」,(5章-6章),朝倉物性物理シリーズ1,新倉書店(2002).
- 川畑 有郷:「固体物理学」(第6章4節),物理の考え方 3, 朝倉書店(2007).
- 小谷 眞一:「ランダム・ポテンシャルの問題」, 数学、Vol.38, 岩波書店(1986), pp.53-61.
- 氷上 忍:「ランダム・ポテンシャルの問題に対する補足」, 数学, Vol.38,岩波書店(1986), pp.61-65.
- 小谷 眞一:(論説)「ランダム・ポテンシャルの問題 II」, 数学, Vol.38, 岩波書店(1986), pp.193-201.
- 第14回日本数学会彌永賞(小谷眞一):「ランダムなポテンシャルをもつSchrodinger作用素のスペクトル理論」,数学、Vol.38, 岩波書店(1986), p.265.
- 福島 正俊:「ランダムSchrodinger作用素に関する小谷理論」, 数学, Vol.38, 岩波書店(1986), pp.266-269.
- 小沢 真:「ランダム媒質のスペクトル」, 数学, Vol.44, 岩波書店 (1992), pp.306-319.
- 永尾 太郎:「ランダム行列の基礎」, 東京大学出版会(2005).
関連記事
フィリップ・アンダーソン
フィリップ・ウォーレン・アンダーソン(Philip Warren Anderson、1923年12月13日 - )は、アメリカの物理学者。プリンストン大学教授。1977年、ネヴィル・モット、ヴァン・ヴレックとともにノーベル物理学賞受賞。
目次
人物
インディアナポリスで生まれ、イリノイ州のアーバナで育つ。ハーバード大学でジョン・ヴァン・ヴレックの元で学んだ。1949年から1984年まで、ニュージャージー州のベル研究所に勤務し、物性物理学を研究。1967年からケンブリッジ大学教授、1984年からプリンストン大学教授を務めた。
2006年、ホセソレルによる、論文の引用数を基にした統計的研究において、世界で最も創造的な物理学者であるとされた[1]。
主な業績
主な受賞歴
- 1964年 オリバー・E・バックリー凝縮系賞
- 1977年 ノーベル物理学賞
- 1982年 アメリカ国家科学賞
著書
- Concepts in Solids ISBN 9810231954
- Basic Notions of Condensed Matter Physics ISBN 0201328305
- The Theory of Superconductivity in the High Temperature Cuprates ISBN 0691043655
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