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水曜日, 5月 15, 2019

リチャード・クー(Richard C. Koo)1954~


リチャード・クー(Richard C. Koo)1954~
フィッシャー "Stabilizing The Dollar"1920,"The Debt-Deflation Theory of Great Depressions"1933メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2017/10/full-text-of-dollar_19.html
(陰と陽…ではフィッシャー負債論が紹介されるもその財政政策の欠如が批判される。ただし以下の図などフィッシャーを改訂したものと言っていい)


ビル・ミッチェル「バランスシート不況と民主主義」(2009年7月3日)

クーはMMT側と認識を共有するがMMT論者ではないと
ミッチェルは指摘している
ビル・ミッチェル「バランスシート不況と民主主義」(2009年7月3日)
https://nam-students.blogspot.com/2019/05/200973.html

Balance Sheet Recession - Japan's Struggle with Uncharted Economics & Its Global Implications 2003

デフレとバランスシート不況の経済学







図表A1-1 バランスシート不況の構造とその対応策

            (当初の資金の流れ)

企業が資産を借金で購入     ← 従来通り貯蓄する家計部門⑤⇨      ⇩

⬇︎

資産価格の下落① ⬅︎[③]                          悪循環④

⬇︎

借金だけが残りバランスシート問題が発生① ⇦バランスシートの修復⑨  

⬇︎                          ⇧

企業行動が利益の最大化から債務の最小化へ ②⇦企業の借金返済を支援⑧     ⇩

                 ⬇︎        ⇧   民間資金需要がないなかで

 ⬇︎                            政府が超低利で資金調達⑦

企業は借金返済へ③  総需要の減少③    ⇦   総需要の維持⑧     ⇩ 

⬇︎               ⬇︎         ⇧

資金需要が激減⑩  景 気 後 退 と デ フ レ ③    ⇦ ☆    財政出動⑥

 ⬇︎        ⬇︎      ⬇︎       ⬇︎ (悪循環を断ち切る) 

 ⬇︎ 中央銀行が慌てて 企業倒産の増加(15) さらなる資産価格の下落③➡︎⤴︎[①へ ] 

   金利を下げる(11)      ⬇︎       ⬇︎              ⇩

 ⬇︎    ⬇︎         銀行の不良債権の増大⑩    民間の資金需要がないなか

 ⬇︎                           で、政府の借り入れが貨幣

企業は借金返済を止める理由はなく ➡︎「流動性の罠」(13)  ⇦    供給を維持する⑩

景気の反応なし(12)


⬅︎問題発生

⇦問題解消

(出所)野村総合研究所(NRI)



「追われる国」の経済学―ポスト・グローバリズムの処方箋Kindle版2019

6件中1 - 6件目のレビューを表示


2019年5月3日
形式: 単行本Amazonで購入
明快な主張である。
マネタリーベースを増やしても、マネーサプライは連動せず、民間融資もまた違った動きをする。
だから金融政策は効かない。日本も、米国も、ユーロ圏も同じである。
その理由はバランスシート不況であり、追われる国の事情である。
・・・
そんなに明快で簡単な話なら、何故いままで気づかなかったのだろう?
そういう気味悪い疑問を抱えながら読み進んでいる。
世の経済学者がフリードマンの亡霊に取りつかれていたいたせいか?
それならケインジアン的な学者からこういった見方が出てきてもおかしくなかったはず。
みなそれぞれ違った側面を捉えるのみで、発見を統合したのが著者だけだったのか?
とはいえ、アベノミクスの理論的(というかなんというか?)裏付けは
著者を待たずとも破綻が明らかであるにもかかわらず、安倍政権はすこぶる元気である。
世の中不思議である。
ミステリーめいてきた本書とその周辺を、背筋に寒いものを感じながら読んでいる。
いまのところ、間違ってないような気がするけどなあ・・・。

5人のお客様がこれが役に立ったと考えています



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2019年5月12日
形式: 単行本Amazonで購入
従来のバランスシート不況の主張に、資本収益率に基づく借り手不在の状況を加味して、平成の間、景気が一向に良くならなかった理由を説明しています。ちょっと長すぎるきらいもありますが、平易に説明されているので、週末の2日間で読み切りました。黒田総裁の金融政策のままだと、日本の将来は、大変なものになるように思われ、ぞっとさせられます。
では、これからどうするの?というところについては、一般国民(特に労働者)に厳しい将来を示さざるを得ないからか、若干あいまいな点もありますが、今後の経済状況を踏まえて自分自身が何をすべきかを考えるにあたっての、重要な出発点・視差を示してくれます。いつか、著者がノーベル経済学賞を受賞するのではないかと想像しています。

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2019年5月11日
形式: 単行本Amazonで購入
 私は、リチャード・クー氏に対して、世の中財政再建一色の中で、ひとり積極的財政政策を唱えている人と、永年思っていて、その主張を把握していなかった。
 時はながれ、米国ではリーマンショック以後、超金融緩和策を実施し、日本も続いた。しかし、待てとも待てとも本当の夜明けは訪れず、低インフレの中にいる。私は量的金融政策は失敗だと思っている。今後の経済は暗くなるのかと自問する中、リチャード・クー氏の本書が脚光を浴びていると知り興味をもった。
 当然ながら、夢ではないから魔法を唱えれば、あっという間に好況という話ではない。中銀や政府に任しておけば済むわけがなく、自分を含む民間がこの問題に取り組まなければ苦境を抜け出せない。
 リチャード・クー氏は、本書の中で新しいアイデアや製品を生み出せるイノベーターを発掘し奨励するのが課題としている。
 そうだとすれば、新たな経済学の切り口を見出し、解決策を提案しているリチャード・クー氏はまさにイノベーターであり、同氏を奨励することを必要とすると考えた。
 追われる国の前途は多難だが、「国破れて山河あり」云々と諦める前に、今やれなければなるぬ対応策はある。それには多くの人の支援を必要とする。
 貴方も本書を読んで、「明るい未来を展望する方法」を検討し、自分の生活に潤いを与えてはいかがでしょうか。



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2019年5月4日
形式: 単行本
これは読む価値大いにあり。まだ半分読み進んだ段階だが、推奨できる。

リチャード・クー氏について私の印象を大雑把に振り返ると、90年台は貿易問題を巡って小宮龍太郎教授(当時東大教授、新古典派)と論争して小宮教授にボコボコに言われ、90年台後半から2000年台初頭は積極財政拡張政策を主張したが、どうもその主張が粗雑で、政府債務の膨張リスクを説く財政学者の批判の集中攻撃を受けたりしていた。そんな感じだったので私はあまりクー氏の主張に乗り気になれなかった。

しかし、バブル崩壊以後の日本経済を「バランスシート不況」と言う視点で読み解いた点は納得感が高く、賛同できた。

久しぶりの今回の著作は、研究し直して、練り上げた感が高い。「リチャード・クーの大逆襲」と言ってもいいかも。

新しい点は、資本主義経済の独自の発展段階論だろう。大きく次の3段階に分かれる。①技術革新と製造業の発展、農村から都市部への労働力の移動が起こる勃興期、②農村から都市への労働力移動が底をついて賃金が上がり始め(ルイス転換点)、内需拡大と格差縮小が起こる黄金期、③先行諸国では賃金が上がり、資本の投資リターンが低下、一方新興国がテイクオフ、キャッチアップ期に入るが賃金が安く、投資リターンは高い。そのため先行諸国の資本が新興国に移転し、先行諸国では労働者の平均実質賃金が停滞し、一部の高スキル労働者との格差が拡大する「追われる国」期。

米国と西欧は1970年に黄金時代が終わり、代わって日本が戦後のキャッチアップで高度成長、勃興し、日本は65年頃にルイス転換点に達し90年代初頭まで黄金期に入った。この時の米国と西欧は日本に「追われる側」になった。

中国は改革開放政策で80年台から2000年台前半に勃興し、2000年台後半にルイス転換点を迎え黄金期に入り、日本は追われる側になった。ただし中国の少子高齢化と賃金高騰で、このままだと次の勃興期を迎えようとするベトナムなど新興国に資本の移転が進みつつある・・・ということだ。

企業の設備投資意欲と資金需要が高い②の時期には金融政策は効果的に働き、財政拡張的な政策は民間の資金需要に対してクラウディングアウトを起こすので好ましくない。ところが③の時期になると、企業が国内では余資基調(貯蓄超過)になるので、金利を下げても金融政策は効果を上げなくなり、追われる側の先進国では低金利、ゼロ金利が一般的になる。そこで景気押し上げ、調整は財政政策を使うしかない。
それなのに主流派経済学者は未だに②の時代に有効だった政策(財政均衡、金融政策を主)に拘泥している・・・というわけだ。


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2019年5月4日
形式: 単行本
素人にも読める経済発展段階論。
ハードカバーで600頁を超えますが、数式はなく、丁寧に説明されているので、素人にも抵抗なく読み通すことができます。丁寧過ぎて、同じ説明がなんども反復されるので鬱陶しいほどですが、ここは著者の親切だと思いました。

水野和夫氏が描いた世界を、少し明るい展望をもって分析するとこうなるのかな、という感じ。
シンプルな理論でスパッと分析する論理を追っていくと、ちょっと頭が良くなったような気がします。ゼロクーポン永久債の会計的説明などは、目からうろこでした。

読後感としては
○人口減少社会において自己ファイナンス可能な公共事業は、著者がいうほどには残っていないだろう。
○財政出動の限界については、それ自体として財政学的な検討が必要だろう。
○MMTの人たちに悪用されないといいなあ。

ちなみに、東洋経済出版社から同様の体裁で公刊された本に、野口旭「世界は危機を克服するーケインズ主義2.0」があります。本書は財政政策押し、野口同書は金融政策(リフレ政策)押しと、内容は対照的ですが、一般読者向けに分かりやすい解説書という点では似たところがあります。
リフレ政策は既に失敗が明らかになり、当時の主唱者たちは出口政策を示さないまま雲隠れしてしまいましたが、本書は日銀を今後待ち受ける試練も明示しています。並べて読むと、時代の変化を感じることができます。

おいしいランチを食べたら、いつか必ず、その代金は支払わないといけないのですね。


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ベスト500レビュアー
2019年5月11日
形式: 単行本
クーの経済理論によると先進国一般にみられる停滞は、大多数の企業がバランスシート悪化の修復に動いた合成の誤謬の結果というものであった。それがマクロ経済に悪影響を及ぼしたのである。
その見解は、今日から見れば卓見であった。
日本を例にとると企業は、生産拠点をアジアに移し残ったものは、生産性の低いサービス業ばかりとなった。
このため、日本企業は金を借入なくなってしまった。
その結果、企業の過剰資金を政府が借り入れた。それは、政府の過剰債務に振り替わった国内の資金循環である。
誰かの資産は、誰かの負債である。資本主義は、バランスシートで動いているのだ。
当時、流行っていた「改革」など子供騙しのようなものであった。彼らは、代替利益に群がる蟻であった。

大部分の経済学者の過ちは、低金利・ゼロ金利が一般的となる先進国では、金融政策は効かなくなるということから眼を反らし、一転して財政政策を主張することに躊躇いがあることだ。
MTTが流行っているのもムベ成る哉である。
財政均衡・金融政策は、現段階でなく前時代の理論である。EUとて同様であるがそれに拘泥するのは知的成熟を欠くとしか言えまい。

現代日本の賃金格差についても良く説明する。新興国のキャッチアップ期には、労働力は安く投資リターンが多い。
そのため、先進国の資金は新興国に移転する。そのため、国内労働者の実質賃金は停滞乃至低下する。但し、一部高スキル労働者の賃金は高い。これが、八方塞がり状態の現代日本の状況である。
財界・財務官僚も一時代前の歌を唄っているのだから、その知的怠慢は情けない限りである。現代日本の閉塞感は、ここから来ている。

ここで、恐ろしい未来が予見できる。
中国である。一部先進国、その他はそれ以前の状態が併存している。中国に投資している先進国は、東南アジアに工場を移転しつつある。そして、いつ破裂するか解からない負債膨れのバブル経済である。
行きつく先は、内乱か対外暴発だろう。




The Holy Grail of Macroeconomics: Lessons from Japan's Great Recession (English Edition) 1st Edition, Kindle版




「バブル後の日本 今、世界が学ぶ」リチャード・クー氏

2012/3/25 16:58 ニュースソース 日本経済新聞 電子版

 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」から「ジャパナイゼーション(日本化)」へ。日本経済の評価が時代とともに移り変わるなか、エコノミストのリチャード・クーさん(58)は「日本の教訓」を世界に向け発信し続けている。今や世界的な市民権を得た「バランスシート不況」理論の生みの親。その素顔は、論争を恐れぬ熱血漢でもある。


  2008年のリーマン・ショック以後、先進各国の経済は日本の後を追うようにデフレの淵をのぞき、「日本病」やジャパナイゼーションと呼ばれた。「日本の経験を教えてほしい」。世界中から引っ張りだこのクーさんは、さながらバランスシート不況論の「伝道師」のごとく駆け回っている。

 世界中から講演を依頼され、昨年は1年の3分の1が海外でした。日本がバブル崩壊後苦しみ抜いてきた経験に今、世界が学ぼうとしているのです。

 米国のサブプライムローンバブルの破裂でも欧州のソブリン危機でも、問題の本質はバランスシート不況にあります。一度バブルができあがってしまうと、それが崩壊する過程では必ずバランスシート不況に陥るのです。保有する資産価格が大きく下がり、企業も家計も借金返済を優先してバランスシートを身軽にしようとする。個々の経済主体にとっては当然の行動ですが、みんなが一斉に同じ行動に走れば、マクロ経済的には資金需要の減少を通じて国内総生産(GDP)を押し下げてしまう。

 そうしてバランスシート不況に陥ると、中央銀行がどんなに金利を低くしたところで資金の借り手はいません。ゼロ金利でも誰もお金を借りようとせず、行き場を失ったマネーは国債市場に流れ込むしかなくなるのです。


  米国の経済学の泰斗たちはかつてデフレに苦しむ日本にこう言った。「デフレから脱却するには日銀がケチャップでも何でも買って大胆な金融緩和をすればいい」と。その彼らも今や、バランスシート不況理論に一目を置く。

 日本が「独り負け」だった頃は米連邦準備理事会(FRB)のセミナーで講演しても、完全に「頭のおかしな人」扱いでした。「日本というヘンな国のヘンな理論」という感じで。日本はツベコベ言わず、うんと輪転機を回してお金を刷れと。同時に銀行を潰して不良債権問題を片付け、構造改革を断行すれば経済は回復するんだと一方的に言われ、もうサンドバッグ状態でした。

 変われば変わるものです。2010年7月、FRBのバーナンキ議長が議会証言をする時に、私も民間の参考人として呼ばれ同席しました。バーナンキ議長が米経済の先行きについて「異例なほど不確か」と発言した、あの時です。待合室で一緒になったので自分の本を渡そうとしたら、「いらない」と言う。「もう読んだよ」と。そして「バブル崩壊後の日本に関する記述はとても参考になった」と感謝されました。

 その本の英題は「The Holy Grail of Macroeconomics」(マクロ経済学の聖杯)といいます。大恐慌研究の第一人者であるバーナンキ議長がかねて「大恐慌に陥ったメカニズムを解明できれば経済学の聖杯を手にできる」と言っていたのを拝借したのです。本ではバーナンキ議長の研究成果をボロクソに書きました。目の前にいる本人からそれをもう読んだと言われて、ちょっと赤面しました。


  他にも学者や政府関係者を相手に数々の激しい論争を巻き起こしてきた。

 別に論争好きなわけじゃありません。でも、たくさんやりましたね。日米貿易摩擦を背景に1994年に書いた「良い円高 悪い円高」では、「米国が貯蓄不足だから貿易赤字が減らない」というIS(貯蓄・投資)バランス論の大家、小宮隆太郎先生にかみつきました。当時の自動車摩擦で米国の企業努力が足りないのはその通りでした。でも、だからといって「悪いのは米国だ」と決めつけ、構造改革努力を怠って市場を開放しなかったら、円高で苦しむのは日本だよ、と伝えたかったのです。もちろん日本を救うためです。

 あの時は「米国の手先」と呼ばれました。その後「何十年に1回起きるか起きないかというバブル崩壊後のバランスシート不況下では、財政出動をためらうな」と主張しました。すると、今度は構造改革を主張する人たちから「裏切り者」と随分批判されました。邦銀への資本注入や不良債権処理では米政府も敵に回しました。


  日米両国の良好な関係を願うのは生い立ちにもよる。1954年、台湾出身の父と上海出身の母の間に誕生。生まれは神戸、育ったのは東京。そして国籍は米国だ。

 ウェブサイトのウィキペディアには「台湾籍」とありますが、正確ではありません。台湾、中国、日本、米国……私のアイデンティティーは、自分でも複雑だと思います。いわゆる故郷といえばサンフランシスコの家が浮かびますが、一番長く住んでいるのは日本です。子ども時代の13年と野村総合研究所時代の28年。もう40年を超えました。長くなりますが、順を追ってお話ししましょう。(山本由里)



野村総合研究所主席研究員。米ジョンズ・ホプキンス大学大学院修了。ニューヨーク連銀を経て1984年野村総研に「外国人研究者第1号」として入社。


http://s.nikkei.com/GRd8OL




リチャード・クーさん『世界同時バランスシート不況』 [新刊情報]


世界同時バランスシート不況―金融資本主義に未来はあるか
  • 作者: リチャード クー
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2009/08
  • メディア: 単行本


この本はなかなか面白いです。
私は経済学は素人なので、内容についてのコメントは差し控えますが、竹中平蔵さんが大臣の間はテレビ出演ができなかった、というのは本当だとしたら驚きです。


彼の説が受け入れられるようになったのは、やはり英語圏で評価されたからのようで、思わず英語版の“The Holy Grail of Macroeconomics”も買ってしまいました。
ま、到底全部は読めないと思いますが…。
で、ざっと見たところ、『世界同時バランスシート不況』と同じような内容のようです。
正直、もう少し違うのかなと思ったのですが、意外ですね。[たらーっ(汗)]
The Holy Grail of Macroeconomics, Revised Edition: Lessons from Japans Great Recession
  • 作者: Richard C. Koo
  • 出版社/メーカー: *Norton agency titles
  • 発売日: 2009/08/17
  • メディア: ペーパーバック
面白いのは、日本語でググると評価は分かれるのですが、英語でググると最近の高い評価だけが目立ちます。これだけギャップがあるのも驚きです。[わーい(嬉しい顔)]
ついつい、「血液型と性格」と関連付けて読んでしまいました。
血液型も、やはり英語で目立たないとダメなのかな?
とは言っても、リチャード・クーさんのように、英語圏でのコネがないから難しいでしょうね。[たらーっ(汗)]

あと、面白いのは、意外や意外、中国に呼ばれて講演していることです。確かに、最近の中国の経済成長は、この世界不況の中ではズバ抜けています。へ~~~っ。
では、なぜ中国はそうしているのか、というのはこの本を読んでのお楽しみです。

ところで、リチャード・クーさんって、何型なんでしょう?(笑)



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リチャード・クーRichard C. Koo)はアメリカ国籍[2]エコノミスト野村総合研究所研究創発センター主席研究員、チーフエコノミスト。
辜朝明
總統接見日本野村總合研究所首席經濟學家辜朝明(辜朝明)(cropped).jpg
プロフィール
出生:1954年[1]
出身地:日本の旗 日本 兵庫県神戸市[1]
職業:エコノミスト
各種表記
繁体字辜朝明
簡体字辜朝明
拼音Gū Cháomíng
和名表記:こ ちょうめい
発音転記:グー チャオミン
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目次

経歴編集

1954年兵庫県神戸市生まれ[1]、東京育ち[2]。1976年カリフォルニア大学バークレー校卒業[3](政治経済)。ジョンズ・ホプキンス大学大学院にて経済学修士課程修了(MA in Economics)。1981年ニューヨーク連邦準備銀行入行。国際調査部、外国局などでエコノミストとして活躍した後、1984年11月野村総合研究所に入社。現在、同社の主席研究員、チーフエコノミスト。内閣府経済動向分析・検討会議委員、早稲田大学客員教授などを務める。
講演活動を世界各地で行っている[4]。2007年6月8日には麻生太郎衆議院議員の政治団体素淮会の支出により講演をした[5][要ページ番号][リンク切れ]

論壇編集

デフレ不況の経済状況を示すモデルとして「バランスシート不況」を提唱している。そのモデルに基づき、1990年代後半からは積極財政政策を強力に主張し、供給側の改革を主張する論陣とぶつかった。そのため、大きな政府を主張する代表的なエコノミストの一人と考えられている。ケインジアンの一人と目されることも多いが、ケインズ経済学の問題点についても指摘している。

バランスシート不況編集

バランスシート不況とは、大多数の民間企業がバランスシート悪化の修復に動く事で、合成の誤謬によってマクロ経済に悪循環をもたらし引き起こされる、デフレによる不況(景気後退)の原因を説明した、リチャード・クーが提唱した経済理論モデルの一つである。
通常景気後退局面では、各国の中央銀行による政策金利の引き下げが行われ物価や景気刺激が誘導される。政策金利は景気が良い場合には高く設定され、景気が悪い場合には低く設定される。これによって、景気が良い場合には預貯金やローンの金利が上がり、通貨の流通が抑えられ、景気が悪い場合には金利が低くなり通貨の流通を促進させる。このように中央銀行によって流動性供給や金融緩和が行われる事で適正な物価や通貨価値の安定といった経済環境をもたらす事ができる。
しかし資産バブル崩壊による景気後退局面では不動産株式などの担保価値を持つ資産価格の下落により、企業は深刻な貸借対照表(バランスシート)悪化の問題に直面することになる。これにより多数の民間企業が大きな負債を抱えた状態となり、この負債圧縮、借金返済のために資産の売却や設備投資の縮小が行われ、これが更なる資産価格下落や景気の悪化を呼び、企業のバランスシートを悪化させる(→合成の誤謬も参照)。そしてこのことが更なる負債圧縮、借金返済を迫り、資産価格の下落や景気悪化をもたらすという悪循環が起きるとする。また、このような場合には企業が設備投資よりも負債の圧縮を優先することから、金融緩和による景気刺激効果が弱まる。
このように大多数の民間企業バランスシート悪化の修復に動く事で、マクロ経済に悪循環をもたらしている状態を「バランスシート不況」と呼んでいる[6]
また田中秀臣は、この論を1930年代にアーヴィング・フィッシャーが提唱したデット・デフレーションの理論[7]を、バランスシート調整の観点から焼き直したものとし、この論説を批判している[8]

良い円高 悪い円高編集

クーは著書『良い円高 悪い円高』において、輸出と輸入の貿易不均衡が是正されて起こる円高は「良い円高」であるとした。また、輸入障壁や商慣行の違いによって輸入が増えない中で、輸出が減る形で貿易不均衡が是正されるように起こる円高を「悪い円高」とし、円高は日本の閉鎖的な貿易慣行に原因があるとした。この、日本の閉鎖的な慣行が円高を招いたとする考えに対し、小宮隆太郎との間で論争となった。小宮は、その国の総投資が総貯蓄を上回るときに経常赤字が発生する(貯蓄投資バランス)のであり、貿易不均衡に為替レートやその国の市場の開放性・閉鎖性は関係ない、と論じた[9]。その後、商慣行などが特段変わらない中で為替レートが円高から円安に転換したこともあり、両者の論争も終息していくこととなった。

人物・家族編集

趣味はカメラプラモデル作り。本職の業務を通じて知り合ったタミヤ社長の田宮俊作らと親交があり、自作のジオラマを自ら撮影した写真集『幻のドイツ空軍』(PHP研究所1998年2011年に完全版が徳間書店より刊行)を出版したこともあるほど。
カメラは特にコンタックスのファンで、コンタックスブランドを持つ京セラがカメラ事業から撤退することを決定した際には、同社の稲盛和夫会長(当時)に直談判して最終モデルの生産を訴えたほど(ただしその要望は実現せず)。一方でライカは「持ってはいるが撮ったことはない」状態のほか、デジタルカメラは「曲線ばかりのグニャグニャしたデザインが好きになれない」との理由で使っていないという[10]
台湾の五大家族といわれる名門の辜一族の一員である。父の辜寛敏は台湾の企業家であり、台湾独立運動家としても知られ、総統府資政を務めた。伯父辜振甫も台湾の財界人であり、海峡交流基金会董事長や総統府資政などを歴任した。祖父の辜顕栄も実業家として巨万の財を築き、後に大日本帝国時代の台湾総督府評議会議員や、台湾初の貴族院議員となった人物である[11]

主な受賞歴編集

  • 日経金融新聞 アナリスト・ランキング エコノミスト部門 第1位 (1995年1996年1997年
  • 日経公社債情報 債券アナリスト人気調査 エコノミスト部門 第1位 (1998年1999年2000年
  • 米インスティテューショナル・インベスター エコノミスト部門 第1位(1998年)
  • 米National Association for Business Economics The Abramson Award 受賞(2001年
  • 米Doctral Fellowship of the Board of Governors of the Federal Reserve(1980年1981年

主な著書編集

  • 『良い円高 悪い円高』東洋経済新報社1994年7月
  • 『投機の円安 実需の円高』東洋経済新報社、1995年12月
  • 『金融危機からの脱出』PHP研究所1998年3月
  • 『日本経済回復への青写真』PHP研究所、1999年2月
  • 『良い財政赤字 悪い財政赤字』PHP研究所、2000年12月
  • 『日本経済 生か死かの選択』徳間書店2001年10月
  • 『デフレとバランスシート不況の経済学』徳間書店、2003年10月
  • 『「陰」と「陽」の経済学』東洋経済新報社、2006年12月
  • 『日本経済を襲う二つの波』徳間書店、2008年7月
  • 『世界同時バランスシート不況』徳間書店、2009年8月 共著
  • 『バランスシート不況下の世界経済』徳間書店、2013年12月

脚注編集

[ヘルプ]
  1. a b c http://www.nri.com/jp/souhatsu/#member03
  2. a b 山本由里 「バブル後の日本 今、世界が学ぶ」リチャード・クー氏 2012年3月25日
  3. ^ http://journalism.berkeley.edu/alumni/richard_c_koo/
  4. ^ http://www.taiwanembassy.org/JP/fp.asp?xItem=96448&ctNode=3522&mp=202 馬英九総統が野村総研のリチャード・クー氏と会見] 【総統府 2009年6月23日】
  5. ^ 平成19年度素淮会収支報告書 総務省平成19年度政治資金収支報告書
  6. ^ リチャード・クーのKoo理Koo論・第1回「『陰』と『陽』の経済学――日本は15年間どんな不況と戦ってきたのか」 - NIKKEI NET・BIZ PLUS
  7. ^ Fisher, Irving (1933), "The Debt-Deflation Theory of Great Depressions"Econometrica
  8. ^ [1], リチャード・クーのバランスシート不況論再批判
  9. ^ 『エコノミストは信用できるか』東谷暁、2003年11月[要ページ番号]
  10. ^ リチャード・クーさん 実際に飛んでいるように工夫を重ねたプラモデル撮影 - どらく(朝日新聞)・2008年9月8日
  11. ^ 日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」 日台関係研究会 「講演者プロフィール」 2006年)12月8日

3 件のコメント:

  1. 568 金持ち名無しさん、貧乏名無しさん (ワッチョイ 41e7-mDEe)[sage] 2019/06/26(水) 13:21:05.52 ID:KiIOiFQ00
    日本は資金が国内で完結し■海外に依存しない■。なぜなら、日本は世界一の対外純資産国で、経常収支が継続して黒字だから。
    さらに、独自の中央銀行と独自の通貨を持つ(通貨発行特権、通貨発行収入、インフレ税、マンキュー4版。MMT現代金融理論、バーニー・サンダーズ
    氏のチーフ経済アドバイザーであったステファニー・ケルトン教授)、変動為替相場制の、戦争も内戦もしていない平和な、生産力が
    ある先進国だから、財政破綻懸念は現状では皆無で日本国債、円は世界有数の安全資産。なんと、長期金利はマイナスで、国債を発行すると
    政府は利息が収入になる。これらの要件から外れるほどリスク資産。(トルコ等)。政府が国債を発行すると、あら不思議、民間の預金が増える。(一種の信用創造)

    ■海外に資金を依存していない■ので、日本政府の債務(借金)=日本民間の債権(預金) (債権=債務、2面等価)、親子の貸し借りのようなもの

    なお、貯蓄と投資の差額が経常収支を決めるという、いわゆるISバランス論は間違い。恒等式で因果関係はない。国内貯蓄と対外資産(貯蓄)は性格が
    違う。対外資産(貯蓄)の増減は、経常収支の増減、損益取引が伴う。日本人の海外投資は、対外資産の項目の付け替え。(リチャードクー、良い円高悪い円高等参照)

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  2. https://premium.toyokeizai.net/articles/-/21138

    海外中銀で引っ張りだこ、 「クー理論」が受ける理由

    野村 明弘

    Richard C. Koo 1954年神戸生まれ。米カリフォルニア大学バークリー校卒業。FRBのドクター・フェローを経て、米ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了。米ニューヨーク連銀を経て、84年野村総合研究所入社。著書に『良い円高 悪い円高』『「陰」と「陽」の経済学』『デフレとバランスシート不況の経済学』など。(撮影:風間仁一郎)

    野村総合研究所チーフエコノミストのリチャード・クー氏は、1990年代後半から日本のデフレ不況に対する積極的な財政政策を主張してきた代表的な論客だ。新著『「追われる国」の経済学 ポスト・グローバリズムの処方箋』では、自身の「バランスシート不況」の考え方を発展させ、リーマンショック後の米欧経済の長期停滞や中国経済の行方にも言及している。国内でのテレビ出演は減ったが、逆に経済の「日本化」が進む海外の中央銀行から講演依頼の絶えないクー氏。最近のMMT(現代貨幣理論)の台頭や米中対立をどうみているのか。

    インタビューのロングバージョン(全文版)はこちら。
    ──金融政策への依存に対し批判を続けています。背景には、バブル崩壊後の日本を基としたバランスシート不況の考え方があります。

    私も最初は中央銀行の役割は非常に大きいと考えていた。だが、90年代の日本を見ていると、金利をゼロにしても何も起きない。大学で学んだ経済学と全然違う。最終的に、資金の借り手がいないのではないかと考えるようになった。

    ──バランスシート不況論に対しては批判もありました。

    何しろ経済学の前提を否定したから。経済学では、実質金利さえ十分に下げれば借り手は絶対に現れるという前提の下に、民間企業が利益を最大化するという考え方が成立している。だが、その前提は満たされていないのではと私は問題提起した。

    ──当時の日本は、借金で購入した資産の価格が暴落し、バランスシートの修復が重要な課題でした。

    それで借金返済を最優先する企業ばかりだったらどうなるか。例えば中央銀行は、量的緩和政策(QE)を行い市中から国債を大規模に買うことなどによって確かに商業銀行まではお金をつぎ込むことができる。だが問題はそこから先。銀行はそのお金を貸さなくてはいけない。ゼロ金利でも借り手がいない状況では、そのお金は設備投資などを通じて実体経済に入ってはいけず、金融システムの中に残り続けることになる。これだけの金融緩和を行っても日本でインフレに火がつかないのはそのためだ。

    「もっとやれ」は思考停止

    ──不良債権処理が終わっても日本の借り手不在は続いています。

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  3. 846 金持ち名無しさん、貧乏名無しさん[] 2019/08/19(月) 07:34:50.45 ID:acIq7z9S
    現状では、円の暴落懸念は皆無。なぜなら
    日本は資金が国内で完結し■海外に依存しない■。なぜなら、日本は世界一の対外純資産国で、経常収支が継続して黒字だから。
    さらに、独自の中央銀行と独自の通貨を持つ(通貨発行特権、通貨発行収入、インフレ税、マンキュー4版。MMT現代貨幣理論、バーニー・サンダーズ
    氏のチーフ経済アドバイザーであったステファニー・ケルトン教授)、変動為替相場制の、戦争も内戦もしていない平和な、生産力が
    ある先進国だから、財政破綻懸念は現状では皆無で日本国債、円は世界有数の安全資産。なんと、長期金利はマイナスで、国債を発行すると
    政府は利息が収入になる。これらの要件から外れるほどリスク資産。(トルコ等)。政府が国債を発行すると、あら不思議、民間の預金が増える。(一種の信用創造)

    ■海外に資金を依存していない■ので、日本政府の債務(借金)=日本民間の債権(預金) (債権=債務、2面等価)、親子の貸し借りのようなもの

    なお、貯蓄と投資の差額が経常収支を決めるという、いわゆるISバランス論は間違い。恒等式で因果関係はない。国内貯蓄と対外資産(貯蓄)は性格が
    違う。対外資産(貯蓄)の増減は、経常収支の増減、損益取引が伴う。日本人の海外投資は、対外資産の項目の付け替え。(リチャードクー、良い円高悪い円高等参照)

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