LCとTTは貿易取引における代金決済手段です。
LC(通常はL/Cと書きます)はletter of credit(信用状)の事で、銀行による支払確約状です。
通常荷為替手形の振り出しを伴う為、荷為替信用状(Documentary letter of credit)を示す事が多いですね。
輸入の場合、貴社が取引銀行に依頼しL/Cを中国の輸出者あてに開設することになります。
開設されたL/Cは中国国内の銀行経由輸出者に渡り、輸出者は輸出通関、船積を行いL/Cに記載された必要書類と荷為替手形を自分の取引銀行に提示した時点で代金を受け取ります。
それらは日本のL/C開設銀行に送られ、内容に瑕疵がない場合貴社の口座から代金が引き落とされ決済されるものです。
この場合貴社の口座に決済時に必要な金額がある事が前提ですが、始めてのL/C取引の場合、貴社と銀行との信頼関係によるところが大きいかと思います。
TT(T/T)はTeregrafic transfer remittance(電信送金決済)の事で、銀行による保証は無く貴社の取引銀行口座から輸出者の取引銀行に代金を振り込む行為となります。
L/Cのように銀行による保証が無い為、貴社と輸出者の信頼関係によって代金決済することになります。
逆に貴社にとってはL/Cの開設手数料負担が有りませんので有利な方法とも言えます。
但し支払時期は前払い、貨物到着時後払い、期日指定の後払い等がありますので、相手方としっかり条件を決める必要があります。
輸入通関に必要な書類は、商業送り状(Commercial invoice)、船荷証券(Bill of lading)、梱包明細書(Packing list)等が有りますが、実際には通関業者に確認される方が良いと思います。
決済通貨に関しては、貴社の利益を確定する意味で円建ての方が良いと思います。
最近の\/US$の為替動向を見てるとあまり円高方向に進むように思えないので為替リスクを持たない意味で良い選択だと思います。
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3種類の外国送金方法
貿易取引の支払いは、一般的に銀行経由で行われます。
※郵便為替でも送金できますが、銀行経由が一般的です。
決済方法には、今までご紹介してきた「信用状(L/C)決済」「D/P決済、D/A決済」と呼ばれる荷為替手形決済がありますが、今からご紹介するのは、輸入者が銀行に依頼して商品代金を輸出者に送金する外国送金についてです。
記事のタイトルで挙げた「T/T(ティーティー)送金(=電信送金)」は外国送金の代表的な方法ですが、今回は、この「T/T送金」を含めた外国送金の3つの方法すべてをご紹介します。
電信送金(Telegraphic Transfer/T/T)
輸出者や輸入者の立場から見れば、国内で行われている銀行振込のような感覚でお金を支払い、お金を受け取る送金方法です※。銀行から銀行への支払指示を電信(Cable)で送付するため、電信送金と呼ばれます。
※国内の銀行振込では日本銀行を通して行われますが、国際間の場合は、銀行間で結ばれるコルレス契約によって成り立っています。
普通送金(Mail Transfer/M/T)
基本的には電信送金と同じ仕組みなのですが、銀行から銀行への連絡(支払指図)が電信ではなく、郵便で行われるのが特徴です。郵便で行われるため、銀行への手数料は安く済むのですが、電信送金よりも支払いに時間がかかります。
送金小切手(Demand Draft/D/D)
名前の通り、小切手で支払う方法です。(商品代金を支払う)輸入者が銀行から送金小切手の交付を受け、輸出者(受取人)に送付し、輸出者は小切手を受け取ったら、現地の銀行(支払銀行)に小切手を呈示し(裏書きをして)現金を受け取ります。
外国送金のリスク
最後に、外国送金の注意点をお話ししておきます。
外国送金は、荷為替手形決済(信用状決済、D/P、D/A決済)に比べて手続きが簡単で、銀行手数料も安くなるため、近年は電信送金での支払いは増えている※のですが、この送金方法は、本当に契約通りに送金してもらえるかどうか、輸入者(送金人)次第というリスクがあり、輸出者と輸入者のあいだに信頼関係がなければ成り立ちません。
※海外に支社や事務所を持つグループ企業が増加していることも、電信送金が増えている要因のひとつです。
ですから、初めての取引先との契約における支払条件では、電信送金での支払いを採択するにしても、前金と後払いに分けての支払契約を結ぶなど、上記リスクを軽減させるなど注意が必要です。
貿易事務の仕事では、支払条件を決めるということはあまりないかもしれませんが、外国送金のリスクについては理解しておきましょう。
本日ご紹介した外国送金のうち、もっともポピュラーな送金方法がT/T送金こと電信送金だとご紹介しましたが、実務の現場では「ティーティー送金がありました」「ティーティーでの支払いです」などと使います。今まさに貿易事務を目指している方は、そんな風に使うんだ…ということも頭のスミに入れておいてもらえたらと思います!
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