《もしも、底上げということで、一番底辺の人たちの所得が上がるのであれば、格差
というのは正当化できると思います。
私の本を見ていただきますと、一番最初のところ、これはフランス人権宣言、1789年のものが
書いてあって、共通の利益があった場合のみ、この社会的差別というものが許容されるんだ
と。
ですから、格差というのも、いろいろな社会における社会集団すべてに貢献するのであれば、
格差というのは認められるべきであると私も思います。 》
http://blogos.com/article/104352/
トマ・ピケティ氏、「民主主義は闘争。誰もが関わらなければならない」と日本の若者にメッセージ
21世紀の資本
はじめに
「社会的差別は、共同の利益に基づくものでなければ、設けられない」
──人権宣言、第1条、1789年
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ピケティ関連資料:
《確かに日本の格差は米国ほどではない。しかし、上位10%の富裕層の所得は、国民所得
全体の30~40%まで広がっています。日本がゼロに近い低成長なのに、上位の所得が増
えているということは、裏を返せば、実質的に購買力を減らしている人がいるということです。
日本の最高所得税率は1960~70年代より下がっています。上位10%の所得が増えてい
るのに、税率が低い状態では格差が広がるばかり。所得税の累進性を高めるべきです。》
日刊ゲンダイ|「21世紀の資本」著者ピケティ氏がアベノミクスに“ダメ出し”
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156823/2
>>608
《もしも、底上げということで、一番底辺の人たちの所得が上がるのであれば、格差
というのは正当化できると思います。
私の本を見ていただきますと、一番最初のところ、これはフランス人権宣言、1789年のものが
書いてあって、共通の利益があった場合のみ、この社会的差別というものが許容されるんだ
と。
ですから、格差というのも、いろいろな社会における社会集団すべてに貢献するのであれば、
格差というのは認められるべきであると私も思います。 》
《日本の場合には、上位所得層、つまり上位の10%の富裕層というのが、30~40%ぐらい
全体の所得を取るようになってきていると思います。しかし、その間、成長はほとんどゼロに
近かった。つまり、成長なき、あるいは非常に低成長の中で、トップに行く分け前が増えてい
くということになりますと、絶対的な、それ以外の所得層に対して行くものがなくなっていく
ことになります。 》
http://blogos.com/article/104352/
トマ・ピケティ氏、「民主主義は闘争。誰もが関わらなければならない」と日本の若者にメッセージ
邦訳ピケティ184頁より
《…日本の民間財産は、1970年時点で国民所得3年分だったのが2010年には
6年分に増加しており、これは貯蓄フローからほぼ完璧に予測される通りだ(注10)。》
《注10.もっと正確に言うと時系列データによれば民間資本/国民所得比率は1970年の299%
から2010年には601%に上昇。一方、貯蓄の蓄積フローからの予測は299%から616%だっ
た。したがって誤差は国民所得300%の増加のうち15%、あるいはわずか5%。貯蓄フロー
から、1970年から2010年までの日本の民間資本/国民所得比率増加分の95%が説明でき
る。すべての国についての計算の詳細は、オンライン専門補遺にある。》
《原版にはオンラインの専門補遺とインターネットサイトが存在する。これを日本語に翻訳
したものは http://cruel.org/books/capital21c/ にある。》
西鶴『世間胸算用』などを分析する必要があるが、宵越しの金は持たない、はβが1未満という
ことだろうか?
http://www.wanogakkou.com/hito/0200/0200_01.html
西鶴『日本永代蔵』、三井八郎右衛門高利について
《3.寸、尺売り
反物と呼ばれる物は当然に一反二反で販売されるのが一般的である。しかし越後屋
(店の名称)では、必要な長さだけでも売ってくれた。そのため、宵越しの金を持
たないいなせな職人達には喜ばれ口から口へと顧客が広まっていった。
4.注文生産
当時の江戸には参勤交代による単身赴任の武士や全国から集まった多くの若い職人達
の注文に短時間で応じられるように若い娘達をずらりと一列に並べ流れ作業で部門、
部門を縫い上げて最後に一つに完成させるという方式を採用している。
5.番傘の貸し出し
突然の雨に備えて沢山の番傘を店に置き顧客に貸し出した。傘には越後屋の名前が
大きく書かれており、それぞれに通し番号が書かれてあった。顧客はその傘を借り
て帰る道すがら、越後屋の宣伝に一役かわされており又いずれの日に返しにいけば
再度顧客になる可能性も高い。傘を返しに来なくとも使用することで越後屋の動く
宣伝となってくれる。傘に通し番号をつけたことで、爾来番傘の名前は通称となった。》
西鶴『世間胸算用』なども分析する必要があるが、宵越しの金は持たない、はβが0~1
ということだろうか?
この場合も、日本の例が象徴的だ。1980年代の資本/所得比率の莫大な上昇と1990年代前半の急落を理解しようとするなら、支配的現象が不動産および株のバブル形成とその崩壊だったことは明らかだ。でも1970─2010年を通じて見受けられた展開を理解しようとすると、数量効果が価格効果を上回るのは明白だ。日本の民間財産は、1970年時点で国民所得3年分だったのが2010年には6年分に増加しており、これは貯蓄フローからほぼ完璧に予測される通りだ(10)。
10.もっと正確に言うと時系列データによれば民間資本/国民所得比率は1970年の299%から2010年には601%に上昇。一方、貯蓄の蓄積フローからの予測は299%から616%だった。したがって誤差は国民所得300%の増加のうち15%、あるいはわずか5%。貯蓄フローから、1970年から2010年までの日本の民間資本/国民所得比率増加分の95%が説明できる。すべての国についての計算の詳細は、オンライン専門補遺にある。