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火曜日, 6月 16, 2015

レーン=メイドナー・モデル


                ( 経済学リンク::::::::::) 
NAMs出版プロジェクト: レーン=メイドナー・モデル
http://nam-students.blogspot.jp/2015/06/blog-post_9.html
NAMs出版プロジェクト: Thorstein Veblen, 1857-1929.

日銀も採用しているDSGEは考慮するショックの変数は多いが、ショック個々の関係性に哲学がない。だからアクセルとブレーキを同時に踏むような政策を平気で取る…
累進課税の理論的根拠はヴィクセルらによれば限界効用理論にある。
ただしピケティは限界生産理論を大企業役員の高給の根拠になっているとして否定する。
だからピケティの世界資本税の根拠は限界効用ではない。

ヴィクセル、スウェーデン学派は国家主義*と自主管理主義に分かれる。
後者のミュルダールも、ミルを援用し累進課税を否定する。
ピケティは所得ではなく資本税を考えているので資本を平等にすべきという別の原理が背後にある。
あるいは、公共財を増やすべきという思想がある。

なおミュルダールは動学の導入においてルーカス批判を先取りする。
あくまで自主的福祉の範疇にあるが限定的福祉国家政策に自由主義要素は必須なのだ。
それは条件における平等だ。ミュルダールはウェーバーの価値自由からさらに自由に事実を導入する。限界効用は諸刃の刃として否定されるが、自由平等事実という理念が維持される。

*この場合の国家主義は国家による調整に積極的という意味だ。そもそも思想的にもソ連に対抗するから国家計画経済は受け付けない。

以下、吉川洋マクロ経済学234頁より
《スウェーデンの経済学者ヴィクセル(Johan G. K. Wicksell,1851-1926)は、景気循環を子どもの
乗る木馬にたとえた。木馬は外部からの「衝撃」(ショック)がなければ動かない。
しかし、木馬はたった1回の外的ショックによっても振動を繰り返す。つまり
木馬は、外からのショックを振動に変換するメカニズムを備えているのである。
マクロ経済の変動も外的なショックと、それを循環へと変換換する内的なメカニ
ズムによって生み出されれる。これがヴィクセルの考えであった。》


http://beta.tutor2u.net/economics/blog/who-scared-the-rocking-horse
The core theme of the talk drew on on a famous quote from Knut Wicksell (1918)

“If you hit a rocking horse with a stick, the movement of the horse will be very different from the stick. The hits are the cause of the movement, but the system's own equilibrium laws condition the form of movement"

paper.ImakethesepointsonlybecausethesecarelessmistakesaremadebyNorwegianand Danisheconomists,who-morethananyoneelse-shouldbeabletoverifyseriousreferencesin theoriginallanguageswithoutanydi¢culty.Justforcompletion,andtosavefuturestudents thetoilIhadtoundergotostraightensimplefacts,therstmentionoftherockinghorse metaphorbyWicksellwasin1918,inareviewarticleofalittleknownbookbyanevenlesser knowneconomistbythenameofKarlPetander([69],p.71,footnote1). y Iamdeeplyindebtedtomyfriendsandcolleagues,ProfessorsGianniPegorettiandStefano Zambelliforstraighteningandstrengtheningmyscholar

[69]Wicksell,Knut(1918),"Ett Bidrag till Krisernas Teori",a Review Article of: Goda och Dåliga Tider by Karl Petander,Ekonomisk Tidskrift,Vol. 20,#2,pp.66-75. 

http://core.ac.uk/download/pdf/6262799.pdf


The Mathematization of Macroeconomics A Recursive ... - CORE

 
(Adobe PDF)

core.ac.uk/download/pdf/6262799.pdf


《1980年代から1990年代以来、ヨーロッパの富裕国や日本で実現された、きわめて高い水準の民間財産水準(国民所得の年数で測ったもの)は、マルクス主義の論理をそのまま反映したものだ。》
21世紀の資本
フローからストックへ、マルクスの言う本源的蓄積へ、無限蓄積とピケティが言う搾取の論理はさほど本書では重要ではない。低成長期は資本が、ストックが重要になるということ。
~~~~~~~

レーン=メイドナー・モデル

北欧では、企業間の労働力移動に関して政府が「積極的労働市場政策」と呼ば
れる政策を導入し、職業訓練や職場移転する間の所得保証等をおこなっている。
雇用の流動化(フレキシビリティ)と社会保障による安全(セキュリティ)を
組み合わせている(フレキシキュリティ)。スウェーデンモデルともいわれる。
日本では雇用調整助成金という逆?の手法がとられている。
現在では全EUでフレキシキュリティが労働市場の推奨モデルとされている。

利潤率/賃金
   |              _ 従来の賃金水準
   |             |/|\
   |            _| | |
   |合理化あるいは    |/| | |
   |   倒産     _| | | 余剰
   |   ⬇︎     |/| | | |
   |        _|⬇︎|⬇︎|⬇︎| |
   |_______|/|_|_|_|/ 同一労働同一賃金*
   |     | | | | | |
   |    _|/連帯的賃金政策 |
   |⬆︎ ⬆︎|⬆︎| | | | | |
   |  _|/| | | | | |
   | | | | | | | | |
   |_|/| | | | | | |
   | | | | | | | | | 
   |/| | | | | | | |
   | | | | | | | | |
   | | | | | | | | |
   |_|_|_|_|_|_|_|_|
    企 企 企 企|企 企 企 企
    業 業 業 業|業 業 業 業
    1 2 3 4|5 6 7 8
           ➡︎
         労働力移動

    レーン-メイドナー・モデル概念図
(『高学歴貧困女子が読み解くピケティ』105頁より )

高収益企業と低収益企業の賃金を平均して同一に設定する。高収益企業は払う
賃金が下がるので、余剰を再投資に回してさらに発展するとともにイルフレも
抑制できる。低収益企業は経営努力して効率を高めていく。高められなければ
淘汰されることになる。




メイナード×、メイドナー○

ミュルダールの経済学 福祉国家から福祉世界へ    藤田菜々子/著   
著者等紹介 1977年三重県生まれ。99年名古屋大学経済学部卒。2005年名古屋大学大学院経 済学研究科博士後期課程修了。現在、名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授。主な業 績「ミュルダールにおける福祉国家と福祉世界-累積的因果関係論による統合的理解」な ど。
  出版者   NTT出版  出版年   2010.2  大きさ等  22cm 317p  NDC分類 331.75 
 件名    ミュルダール,カルル・グンナー  
要旨    スウェーデンの経済学者グンナー・ミュルダールの多様な研究を、累積的因果関係論の視 点から再配置し、彼の福祉国家論や低開発経済論を再評価する。経済学の知られざる巨人 ミュルダールが残したものは何であったのか、その中心的なメッセージとは。 
 目次   
ミュルダール経済学の全体像;
第1部 伝記(グンナー・ミュルダール―人と業績);
第 2部 ミュルダール経済学の方法と理論(「価値前提の明示」の方法論;
累積的因果関係 の理論;累積的因果関係論の諸潮流とミュルダール);
第3部 福祉国家から福祉世界へ (一九三〇年代スウェーデンの人口問題;
人口論におけるケインズとミュルダール―イギ リスとスウェーデンの「福祉国家の合意」;
福祉国家の形成;
低開発経済の動態;
福祉世 界の構築);
ミュルダールから現代へ  
内容    経済学の知られざる巨人が残したものとは。スウェーデンの経済学者グンナー・ミュルダ ールの多様な研究を、累積的因果関係論の視点から再配置し、彼の福祉国家論や低開発経 済論を再評価する。 

藤田菜々子「スウェーデン・モデルとミュルダールの経済思想ー福祉・経済・価値規範ー」『比較経済体制研究』20号 - Economics Lovers Live ReF
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/touch/20140525/p1

[]藤田菜々子「スウェーデン・モデルとミュルダールの経済思想ー福祉経済・価値規範ー」『比較経済体制研究』20号 Add Star

 藤田さんから頂戴しました。スウェーデンモデルを普遍主義的福祉政策、連帯的賃金政策、積極的労働政策の3点からその形成史と変容に、どのようにミュルダールが関与していったのかを中心にまとめた論文です。スウェーデンの戦前から現在までにかけての経済社会モデルの構築がよくわかってその意味でも便利な論文ですね。こういう学術論文も掲載誌がわかれば町の図書館でもコピーサービスなどをうけられますのでぜひ利用して読んでください。
 藤田さんの既刊の論著でも書かれているミュルダールの人口減少対策についての考えも面白いですね。人口減少デフレ説めいたところには留保がありますが、1)出生率低下は女性の育児と労働の両立不可能性⇒「消費の社会化」で対処、2)人口減少は貧困と需要不足のリスクを増す⇒消費の社会化で対処、3)消費の社会化のコアは長期的な人的資本(若年層)への積極的投資⇒労働生産性の向上。
 戦後のレーン=メイナードモデルの採用過程とその内容もよくわかって個人的にとても便利ですね。戦後のさまざまな経験を経て、ミュルダールの立場が『福祉国家を超えて』の段階では、以前の官僚主義的な上からの改革志向から、「ボトムアップ型の多層的ガバナンスをあるべき福祉国家像」と考えてきたり、「福祉世界」論を展開していく思想的変容が、当時のスウェーデン社会の推移と比較されてわかりやすく説明されています。
ミュルダールの経済学―福祉国家から福祉世界へ

ミュルダールはウェーバーの目的手段に事実を加える(『経済学説と政治的要素』解説より)



日本はスウェーデンになるべきか PHP新書 : 高岡望 | エルパカBOOKS ...

www.hmv.co.jp>...>社会・政治>高岡望 204頁参照

世界トップクラスの所得・国際競争力を誇り、年金・医療・雇用・税制にも個性的な政策が並ぶスウェーデン。日本はスウェーデンのような国になるべきなのか。本書では、スウェーデン的生き方と本質について論じる。  

【著者紹介】
高岡望 : 1959年生まれ。スウェーデン公使。ストックホルム商科大学付属研究所EIJS理事。東京大学教養学部国際関係論分科卒業。82年、外務省入省。83年よりオックスフォード大学ベリオールカレッジ留学(~85年)。93年、在エジプト日本国大使館。96年、在ニューヨーク日本国総領事館。2001年、外務省文化交流部人物交流課長。02年、在イタリア日本国大使館(05年より公使)。06年、法務省入国管理局登録管理官。08年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)    

ダウンロード - 現代経済理論ゼミ

 
(Adobe PDF)
 
k-u-modern-eco-theo.jimdo.com/.../現代経済理論演習13.pdf...
この総合的政策は「レーンメイドナーモデル」と呼ばれ、1950年代に. 労働組合が 提案し、それを社会民主党政府と経営者団体が受容して実施された。この. 総合的政策 は選択的経済政策と普遍主義的福祉政策とを組み合わせたものであり、選. 択的経済 政策 ...

藤田菜々子「スウェーデン・モデルとミュルダールの経済思想ー福祉・経済 ...

d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/touch/20140525/p1
スウェーデンモデルを普遍主義的福祉政策、連帯的賃金政策、積極的労働政策の3点 からその形成史と変容に、どのようにミュルダールが ... 戦後のレーンメイナードモデル の採用過程とその内容もよくわかって個人的にとても便利ですね。

2014-05-25 - Economics Lovers Live ReF - はてなダイアリー

d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20140525
戦後のレーンメイナードモデルの採用過程とその内容もよくわかって個人的にとても 便利ですね。戦後のさまざまな経験を経て、ミュルダールの立場が『福祉国家を超えて』 の段階では、以前の官僚主義的な上からの改革志向から、「ボトム ...


坂本龍馬は黒鉄ヒロシの曾々祖母に「いずれ、均(ナラ)しの世が来るぜよ」と言ったという。
平等院鳳凰堂の平等は仏教由来だが、対応する和語も一応あるということだ。
灌漑工事や畑作りにイメージ的に結びついているのだろうが、均しはストックに、
収穫はフローに対応する言葉と言える


坂本龍馬は黒鉄ヒロシの曾々祖母に「いずれ、均(ナラ)しの世が来るぜよ」と言ったという。
平等院鳳凰堂の平等は仏教由来だが、対応する和語も一応あるということだ。

(天皇は空虚な中心として機能したが、そのゼロ記号としての機能は今後もっと意識化される
必要がある。そうでないと官僚に利用されるだけだ。具体的には天皇家は京都に帰還すべき
だろう。地方自治が日本の課題だということだ。)

「均し」に話を戻すと、
灌漑工事や畑作りにイメージ的に結びついているのだろうが、そう考えると均しはストックに、
収穫はフローに対応する言葉と言えるかもしれない。
分配する以前の生産の場が平等でなければならない、、、

坂本龍馬は黒鉄ヒロシの曾々祖母に「いずれ、均(ナラ)しの世が来るぜよ」と言ったという。
平等院鳳凰堂の平等は仏教由来だが、対応する和語も一応あるということだ。

(天皇は空虚な中心として機能したが、そのゼロ記号としての機能は今後もっと意識化される
必要がある。そうでないと官僚に利用されるだけだ。具体的には天皇家は京都に帰還すべき
だろう。地方自治が日本の課題だということだ。)

「均し」に話を戻すと、
灌漑工事や畑作りにイメージ的に結びついているのだろうが、そう考えると均しはストックに、
収穫はフローに対応する言葉と言えるかもしれない。後者は自由を連想させる、、、
分配する以前の生産の場が平等でなければならない、、、

政治的には柄谷行人の言うくじ引きこそが平等を実現するのだが、これはまた別の話だ。



参考:
ミルダル、 傍島 省三



21世紀の資本第五章より
21世紀の資本第五章の表によれば、日本は企業の内部留保が多い。
1990年代以降、特に財閥が持ち株会社=ホールディングスとして復活したのも大きいだろう。
来日時は高齢者に富が集中することも議論されたが…。
また、ピケティが富の所有者を三段階に分けたのが画期的だ。
例えば資本家という言葉だと各時代によって解釈が変わるが、
所得上位者10%中位40%下位50%に分ければどの時代にも適応できる。

ピケティの指摘では、低成長期に資本、ストックが重要になる。
全体が成長していないのに格差が拡大することが問題視される。
格差そのもの、その固定化はそこまで問題視されない**。
格差の拡大が低成長の原因だという仮説がそこにある。
この仮説によってピケティとマルクスが再び交わる。


ピケティはスウェーデンの平等主義を実態から遊離しているとしてあまり評価しないようだ。
ただスウェーデン学派には見るべきものがある。
教育、育児が重要になるのは無論だが、
同一労働同一賃金がないと国家による分配にすべてを委ねるという結論になってしまう。
スウェーデン学派は自由主義と国家主義にさらに分かれるが、この同一労働同一賃金を
主張したのは自由主義的、限定的福祉国家主義者(ミュルダール等)だ。
(ミュルダールの動学志向はRBC,DSGEに近い部分がある)

国家主義的?なヴィクセルは累進課税の根拠を限界効用理論に求めたが、
ピケティは限界生産性は大企業の役員の莫大な報酬を正当化するとして否定する。
ならばピケティの資本税の根拠は何か?
ここでピケティは永久平和論のカントに近づく。

**
《もしも、底上げということで、一番底辺の人たちの所得が上がるのであれば、格差
というのは正当化できると思います。 
私の本を見ていただきますと、一番最初のところ、これはフランス人権宣言、1789年のものが
書いてあって、共通の利益があった場合のみ、この社会的差別というものが許容されるんだ
と。 
ですから、格差というのも、いろいろな社会における社会集団すべてに貢献するのであれば、
格差というのは認められるべきであると私も思います。 》
http://blogos.com/article/104352/
トマ・ピケティ氏、「民主主義は闘争。誰もが関わらなければならない」と日本の若者にメッセージ

21世紀の資本
はじめに
  「社会的差別は、共同の利益に基づくものでなければ、設けられない」 
──人権宣言、第1条、1789年

/////////

ピケティ関連資料:

 《確かに日本の格差は米国ほどではない。しかし、上位10%の富裕層の所得は、国民所得
全体の30~40%まで広がっています。日本がゼロに近い低成長なのに、上位の所得が増
えているということは、裏を返せば、実質的に購買力を減らしている人がいるということです。
日本の最高所得税率は1960~70年代より下がっています。上位10%の所得が増えてい
るのに、税率が低い状態では格差が広がるばかり。所得税の累進性を高めるべきです。》
日刊ゲンダイ|「21世紀の資本」著者ピケティ氏がアベノミクスに“ダメ出し”
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156823/2


>>608
《もしも、底上げということで、一番底辺の人たちの所得が上がるのであれば、格差
というのは正当化できると思います。 
私の本を見ていただきますと、一番最初のところ、これはフランス人権宣言、1789年のものが
書いてあって、共通の利益があった場合のみ、この社会的差別というものが許容されるんだ
と。 
ですから、格差というのも、いろいろな社会における社会集団すべてに貢献するのであれば、
格差というのは認められるべきであると私も思います。 》


《日本の場合には、上位所得層、つまり上位の10%の富裕層というのが、30~40%ぐらい
全体の所得を取るようになってきていると思います。しかし、その間、成長はほとんどゼロに
近かった。つまり、成長なき、あるいは非常に低成長の中で、トップに行く分け前が増えてい
くということになりますと、絶対的な、それ以外の所得層に対して行くものがなくなっていく
ことになります。 》
http://blogos.com/article/104352/
トマ・ピケティ氏、「民主主義は闘争。誰もが関わらなければならない」と日本の若者にメッセージ



邦訳ピケティ184頁より
《…日本の民間財産は、1970年時点で国民所得3年分だったのが2010年には
6年分に増加しており、これは貯蓄フローからほぼ完璧に予測される通りだ(注10)。》

《注10.もっと正確に言うと時系列データによれば民間資本/国民所得比率は1970年の299%
から2010年には601%に上昇。一方、貯蓄の蓄積フローからの予測は299%から616%だっ
た。したがって誤差は国民所得300%の増加のうち15%、あるいはわずか5%。貯蓄フロー
から、1970年から2010年までの日本の民間資本/国民所得比率増加分の95%が説明でき
る。すべての国についての計算の詳細は、オンライン専門補遺にある。》

《原版にはオンラインの専門補遺とインターネットサイトが存在する。これを日本語に翻訳
したものは http://cruel.org/books/capital21c/ にある。》

西鶴『世間胸算用』などを分析する必要があるが、宵越しの金は持たない、はβが1未満という
ことだろうか?



http://www.wanogakkou.com/hito/0200/0200_01.html
西鶴『日本永代蔵』、三井八郎右衛門高利について

《3.寸、尺売り
反物と呼ばれる物は当然に一反二反で販売されるのが一般的である。しかし越後屋
(店の名称)では、必要な長さだけでも売ってくれた。そのため、宵越しの金を持
たないいなせな職人達には喜ばれ口から口へと顧客が広まっていった。


4.注文生産
当時の江戸には参勤交代による単身赴任の武士や全国から集まった多くの若い職人達
の注文に短時間で応じられるように若い娘達をずらりと一列に並べ流れ作業で部門、
部門を縫い上げて最後に一つに完成させるという方式を採用している。


5.番傘の貸し出し
突然の雨に備えて沢山の番傘を店に置き顧客に貸し出した。傘には越後屋の名前が
大きく書かれており、それぞれに通し番号が書かれてあった。顧客はその傘を借り
て帰る道すがら、越後屋の宣伝に一役かわされており又いずれの日に返しにいけば
再度顧客になる可能性も高い。傘を返しに来なくとも使用することで越後屋の動く
宣伝となってくれる。傘に通し番号をつけたことで、爾来番傘の名前は通称となった。》


西鶴『世間胸算用』なども分析する必要があるが、宵越しの金は持たない、はβが0~1
ということだろうか?



この場合も、日本の例が象徴的だ。1980年代の資本/所得比率の莫大な上昇と1990年代前半の急落を理解しようとするなら、支配的現象が不動産および株のバブル形成とその崩壊だったことは明らかだ。でも1970─2010年を通じて見受けられた展開を理解しようとすると、数量効果が価格効果を上回るのは明白だ。日本の民間財産は、1970年時点で国民所得3年分だったのが2010年には6年分に増加しており、これは貯蓄フローからほぼ完璧に予測される通りだ(10)。


10.もっと正確に言うと時系列データによれば民間資本/国民所得比率は1970年の299%から2010年には601%に上昇。一方、貯蓄の蓄積フローからの予測は299%から616%だった。したがって誤差は国民所得300%の増加のうち15%、あるいはわずか5%。貯蓄フローから、1970年から2010年までの日本の民間資本/国民所得比率増加分の95%が説明できる。すべての国についての計算の詳細は、オンライン専門補遺にある。



1 件のコメント:

  1. 累進課税の理論的根拠はヴィクセルらによれば限界効用理論にある。
    ピケティは限界生産理論を大企業役員の高給の根拠になっているとして否定する。
    だからピケティの世界資本勢の根拠は限界効用ではない。
    ヴァクセル、スウェーデン学派は国家主義と自主管理主義に分かれる。
    後者のミュルダールも、ミルを援用し累進課税を否定する。
    ピケティは所得ではなく資本税を考えているので資本を平等にすべきという別の原理が背後にある。
    あるいは、公共財を増やすべきという思想がある。
    なおミュルダールは動学の導入においてルイス批判を先取りする。
    あくまで自主的福祉の範疇にあるが限定的福祉国家政策に自由主義要素は必須なのだ。
    それは条件における平等だ。ミュルダールはウェーバーの価値自由からさらに自由に事実を導入する。限界効用は諸刃の刃として否定されるが、自由平等事実という理念が維持される。

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