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『目に見えるものの署名』フレドリック・ジェイムソン:書評
Amazon.co.jp: Japan in the World: Tetsuo Najita, Perry Anderson, Masao Miyoshi, Harry Harootunian: 洋書
http://www.amazon.co.jp/Japan-World-Tetsuo-Najita/dp/0822313685/2・6 詩的同位系と言述の面
コミュニケーションの同位系概念は、内容面で、単に比喩論のみならず、閉じた語り構造の規則を基礎づける
ために不可欠であるようにわれわれには思える。人は、この同位系(意味素範疇の重複的な束として考えられ
る)を、個々の言述的表出から分け隔てる距離に価値を与え、この距離によって比喩の構造的身分を定義し、次
いで言述の連辞的表出においてすでに認められた詩的関係(提喩、換喩、反語法等々)の位相論を使って、その
完全な目録を構成することができる。他方レヴィ=ストロースがオイディプス神話の分析をしっかりとなしえた
のは、物語の同位系レベルの決定によってなのである。そしてルイーズ・ラベのあるソネは、「あなたを愛してい
ます」というただひとつの言表の同位系的変容の一連鎖で構成されたものとして現れうる(リュヴェ)。
記述の同じ手法はさらに一層簡単に表現面に適用されうる。そうすれば、音素によってではなく、弁別特徴に
よって分節された音韻的同位系から出発して、詩的対象の「一般的調性(トナリテ)」の構造と同時に、表現の「比喩論」を
確立しうるのである。
グレマス「構造言語学と詩論」『意味について』327頁より
5 詩の快感
5・1 快感と不快感の共示
詩的コミュニケーションが、全体として、快感を産み出すものであるのが明白であるとしても、このコミュニ
ケーションの対象である音韻論的、意味論的実質が、そのあらゆる分節のレベルで、ときにその快を表す項を、
ときにその不快を表す項を表示する自己受容的範疇によって共示されることは疑いの余地がない。もしわれわれ
が提案した通り、実質の意味作用とは区別された、詩の形相の意味作用の存在を認めるなら、見かけ上の矛盾は
取り除かれるかもしれない。実質は快をもたらすと同時に不快をもたらす同位系の変異によって共示されるのに
対して、詩の形相(重複性と、表現と内容の一致によって基本的に表出された)は、恒久不変性と真理という
「意味効果」を引き起こすために、純粋な快感となるだろうからである。
同334頁
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ポストモダニズム
ジェイムソン「イタリアの実存」『目に見えるものの署名』邦訳253頁より
「?」の位置にはパゾリーニの後期の作品が位置し得るがジェイムソンはパゾリーニに言及していない。
313頁より
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