ダリオ氏、中央銀行はMMT的新たな仕組みにとって代わられる 2019/5/3
スティーブン・ヘイル「解説:MMT(現代金融理論)とは何か」(2017年1月31日)
ビル・ミッチェルによるマンキュー批判
いったい誰がこれらが「原則」だと言っているのか? それはどうやって決めたのか?いつ? 現実との対応関係はあるのか? 要するにかの言明群は、「これは最も洗練された車です」というような言明と似ている。そうである可能性はあるが、他社のセールスマンは違った見方をしているだろう。
ギッティンズは言う。
経済学とは、人々(そして社会)が織りなすトレードオフについて、また直面するトレードオフを人々が解決する時の手助けについてものだ。社会が直面する典型的なトレードオフは、効率性と公平性の対立だ。 資源配分の効率性とは、限られた資源から社会が最大限の利益を得ることを目指すものだ。 一方、公平性は、資源から得られる利益が社会の構成員の間で公平に分配されることを目指す。 しばしば、ケーキを大きくする(効率の向上)ためにできることが、ケーキのスライスを不均等にする(不公平にする)してしまったり、そのちょうど逆のことが起こる。
このナンセンスを無知なわれわれが聞き流していると、次はこう言われる。経済学とは、競争的主体の間における限られた資源の分配についてのもので、私たちはいつも公平と効率の間の厳しい選択に迫られているのだが、合理的個人である我々はどうすれば最善の選択ができるかがわかるという。
これらの概念そのものは常も漠然としている – いつも上の引用のような感じだ。ところがこれらのメッセージはすぐに政治的になものに進化し、公共的な討論に登場するようになる(それを推すのはこの教義を教える経済学者たちだろう)。
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ダリオ氏、中央銀行はMMT的新たな仕組みにとって代わられる 2019/5/3
ダリオ氏、中央銀行はMMT的新たな仕組みにとって代わられる
Ben Holland現在の形での中央銀行はいずれ時代遅れになり、現代金融論(MMT)のような別の仕組みに取って代わられるのは「不可避」だと、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツを創立したレイ・ダリオ氏が論じた。
MMTとは、独立機関としての中央銀行が政策金利の調整を通じて経済を誘導するのではなく、政府が歳出と税制によって経済を運営するという考え方。米国のような基軸通貨を発行する国の破綻はあり得ず、一般に思われている以上に歳出の余地があると論じており、財政赤字や国家債務に対する懸念を和らげる。ただしこれはインフレが抑制されているという条件付きだが、今はその状態にある。
MMTを巡る議論はここ最近で活発になってきた。資産家ウォーレン・バフェット氏やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長など、金融経済界の有力者から批判の声が相次いでいるが、ダリオ氏はMMTを受け入れる以外、政策当局に選択肢はないも同然だという。
ダリオ氏はソーシャルネットワーキングサイトのリンクトインに投稿し、政策当局の課題は「金融政策が機能しない状況で、大半の国民が経済的恩恵を享受できるようにすること」だと指摘した。
同氏によると、政策金利の引き下げや量的緩和として知られる資産購入といった措置は、景気刺激策として能力をほぼ出し尽くしてしまった。同氏が「MP3」と命名した第3世代の金融政策がこれに取って代わり、その特徴はMMTの論点に大筋同調する「財政と金融の政策協調」だが、必ずしもMMTの理論を厳格に実践するものではないという。
このシフトはすでにかなり進行しているとダリオ氏は指摘。日本や欧州はゼロ金利付近から脱却できない。米国も経済が崩れればその状態に戻る可能は高く、財政政策による主導権奪取はすでに、「概して現実に起きている」と述べた。
原題:Dalio Says Something Like MMT Is ‘Inevitable’, Like It Or Not
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