以下、http://yojiseki.exblog.jp/7324399/の再送 (
インデックス、
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先日ライプニッツのモナドロジーの図解を紹介したが、http://yojiseki.exblog.jp/7296617/
今度はライプニッツ自身による図解を紹介したい。
(↑図は
ここから)
ライプニッツ著作集9?(p189)より
あるいは(簡易版)、
(以下のようにした方が邦訳との対応がわかり易いかも)
これはライプニッツ研究者の中でもどう扱っていいのか意見の分かれる書簡(デ・ボス宛書簡)にある図だ。
しかし、ここから二進法がライプニッツの基本的な考え方の形式としてあったことがわかる(易経への関心は単なるキッチュではなかった)。
先日紹介した図は片方の側だけ二進法が詳細に展開したが、本来は引用どちらの側も無限*に分割され得るのだ。
スピノザと違うのは属性の扱いだが、ライプニッツは属性を中間領域として保留しているようだ**。
むろん微分の発見者として、その無限というより多様性の認識はスピノザよりも精緻であったと言える。ただし、全体に奉仕する個体という解釈を許すという点で危険があるだろう。
注:
*
厳密には無限には三種類あるという(『ライプニッツ術』p65)。
**
「様態でないものは実体的と言うことができます。(略)また、様態でないような属性的偶有性があるのかどうか、私にはわかりません。」(著作集9巻p187デ・ボス宛書簡より)
デカルトは属性を様態に、スピノザは属性を神の実体に帰属させたが、ライプニッツは態度を保留している。ただし、あえて言えば若干スピノザよりではある。スピノザとライプニッツの類似に関してはドゥルーズの『スピノザと表現の問題』が詳しい。
4 Comments:
3.「 寄せ集め」と 「半実体」
Leibnizはde Bosses宛 の手紙のなかで,興 味深 い概念をあげている。 それは 「半実体semisubstantia」 という概念で,そ の他の ところには見当た りに くい。
「複合 的有 はそれ 自身 によ る一 で はな く,実 体的紐帯 とか(も し くは法学者の,ア ルファ ヌスが彼の論集で ス トァ風 に語 ったよ うに)一 つ の精神 とか によ って,包 括 されていない
ので,半 有(semientia)と 言 うことがで きます。単純実体か らなる寄 せ集 め,例 え ば軍 隊 や石の積み重ね などは半実体(semisubstantia)と 言 えます。...... これ らはすべ て,も しモ ナ ドしか存在せず実体的紐帯が ないとす るな ら,真 で あるとはいえ,単 なる現象 にな るこ とで しょう」[9]。
その手紙には付録として,図 が添え られている[9]。 まず 「永続的絶対 的被造物」 が 「それ自身 による一,充 実 した有」 と 「偶有的一,半 有,現 象」 に分 け られ ている。
一方の 「それ自身による一,充 実 した有」が 「実体」 と 「様態」 に分かれて,「 実体」 が さ ら に 「単 純 実 体 」 と 「複 合 実 体 」 に 分 か れ て い る 。
他方の 「偶有的一,半 有,現 象」 は 「半実体」 と 「半偶有性」 に分けられている。 「半 実体」 の説 明に は 「実体 の集 ま り...天使 の合唱,人 の軍 隊,動 物 の群,養 魚池.家,石, 死体」とあり,「かくしてこれは」とあって 「凝集していない...群,集 団」 と 「凝集して いる...養魚池,家 」 の二 っに分 け られ,「 また」 とあ って 「自然的 ...砂 山,岩,木 の幹」 と「人工的...軍隊,家 」に分けられている。
通常われわれは,軍 隊とか家とか石を,一 っのものと思 っている。Leibnizの 考 えによ れば,実 体の集まり,っ まり 「寄せ集め」で 「現象」にすぎない。de Bosses宛 の手紙で
は,「 半実体」 ともいわれてい るが,や はり 「現象」 と考 えて いる。
[9]Leibniz, G.W.(1989)デ ・ボス宛書簡 佐 々木能章訳 ライプニッツ著作集第9巻 所 収 工 作 舎 東京
http://ir.lib.osaka-kyoiku.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/2777/1/KJ492400199.pdf
http://books.google.co.jp/books?id=ZYEpR8Uxv-QC&pg=PA183&lpg=PA183&dq=Leibniz+++semisubstantia+de+bosses&source=bl&ots=MGVkk_5G4z&sig=K_1EmhkIK0lVHjXHeRb5l75q0Lg#v=onepage&q&f=false
図は以下より
Leibniz Sogenannte Monadologie und Principes de la Nature et de la Grâce Fondés en Raison
Gottfried W. Leibniz
http://books.google.co.jp/books?id=ZYEpR8Uxv-QC
手書き原稿は未見。
冒頭の長文原語図解は以下
http://books.google.co.jp/books?id=Huv3Q0IimL0C&pg=PA730&lpg=PA730&dq=creatura+permanens+absoluta+leibniz&source=bl&ots=1nkjx5fW3a&sig=o9OLAIhzmisCPHPAoVmF_7_iN44&hl=ja&sa=X&ei=NOFMUszcEsapkgWFzICgBQ&ved=0CEoQ6AEwBA#v=onepage&q=creatura%20permanens%20absoluta%20leibniz&f=false
730頁
God. Guil. Leibnitii opera philosophica quae exstant latina, gallica, germanica omnia: 1 (Google eブックス)
Gottfried Wilhelm Leibniz
http://books.google.co.jp/books?id=Huv3Q0IimL0C
半実体の池は、
モナドロジー67以下の比喩を想起させる
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