金曜日, 7月 21, 2017

越村 信三郎 マルクス主義計量経済学―労働価値説体系への行列および行列式理 論の応用に関する一研究 (1961年)


   ( 経済学リンク::::::::::
NAMs出版プロジェクト: 経済学日本人著者入門書
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_9.html

越村 信三郎 マルクス主義計量経済学―労働価値説体系への行列および行列式理 論の応用に関する一研究 (1961年)

http://nam-students.blogspot.jp/2017/07/1961.html

越村はカレツキらと共にランゲ記念論集に寄稿している。

やさしい資本論(1947年)、図解資本論(1966年)、四元的価値のパラダイム―マルクス経済学と近代経済学の統一のために★ (1989年)なる著作もある。


四元的価値のパラダイム マルクス経済学と近代経済学の統一のために/越村信三郎/

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refISBN=4561860207

https://i.imgur.com/rSoE6cl.jpg


越村の言う四元は以下[記号を改変]、

   消費者  生産者
費用  B2    A4
効用  C1    D3

Aはマルクス
Bはマルサス
Cはワルラス
[Dはプルードン]

経済学史の整理としては有効かつ正しい
[あえて付け加えるならDはプルードン。歴史的にはDからACが分化、元々はBに対抗]

越村はパレートを評価しない。スミス以上に総合的だとは思うが。


C,B>P>D,Aが普通(スミスのパラダイム)。35頁。リカードとマルサスの場合、CとDは背離。生産者ではなく資本家になる。

独占された場合の消費者の費用差益は∞になる。


8頁改変:

図2·1 価値学説の系譜

  労働価値説     効用価値説
   ペティ
  (1623-87)     コンディヤック
    |        (1714-80)
    |          |
   スミス       チュルゴー
   (1723-90)       (1727-81)
    /\         |
【支配労働】【投下労働】  【平均効用】
  |    リカード    |
マルサス  (1772-1823)    セー
(1766-1834)  /\     (1767-1832)
 |    /  \プルードン|
 |   /    \(1809-65)|
 |   |     |   ゴッセン
 | マルクス    |   (1810-58)
 |  (1818-1883)  |  【限界効用】
 |  【平均労働】 | ワルラス
 |   |     |  (1834-1910)
 |   |     |    ジェボンズ
 |   |     |    /(1835-82) 
 |   |   マーシャル /    メンガー
 |   |    (1842-1924)      (1840-1921)
 |   |   【供給・需要】    /
 |   |  /ケインズ83~46\  /
消費者  生産者   生産者  消費者    
の費用B の費用A  の効用D の効用C  

       四元的価値論


(Dは家内制手工業を想定している)


プルードンはスミスの影響を受け、マルクス、ワルラスはプルードン批判から経済学に参入している。

集合力は生産者における効用/費用で測定される。

ストライキは生産者の効用を原理としているがその積極的な活用とは言えない。

ケインズ(1983~1946)はマーシャルの弟子。同時にマルサスの視点を受け継いでいる。

ケインズはスミス、リカードの次の結節点だが図ではマーシャルが再評価される。

ミルが位置付けられていないが(計量…では批判的に扱われている)上の図はサミュエルソンの経済学史の図解より優れている。




サミュエルソン 経済学の系統図 1980&1985,11+12ed.改


           哲学者           実践派
     アリストテレス  聖書          実業家
      前350    /           時事評論家
          \スコラ学派          /
        トマス・アクイナス        /
          1270   \  重商主義者
         /        \__17世紀および
       重農主義者         18世紀
        ケネー          /
        1758       古典学派
           \_____アダム・スミス
                  1776
     _______________|_
    |                 |
   マルサス              リカード
   1798              1817
    |                /  \ 社会主義
    |              ミル    マルクス
    |             1848   1867
    |      新古典学派 /       / |
    |         ワルラス      /  |
    |    _____マーシャル    /   |
    |   /     1890    /   レーニン
   ケインズ/       /     /____1914
   1936       /     /     / \
    |        /     /     /   \
   ケインズ後の___/    新左翼   ソ連    中国
   主流派経済学


   消費者        消費者         生産者      
   の費用B       の効用C        の費用A



            哲学者        実践派
      アリストテレス  聖書       実業家
       前350    /        時事評論家
           \スコラ学派       /
         トマス・アクィナス     /
           1270  \    /
           /       \  /
       重農主義者     重商主義者
         ケネー      17世紀および
        1758      18世紀
            \    /
            アダム・スミス
             1776   
         ______|___ 古典学派
        |ゴドウィンx|   |
        |1793 マルサス |
 (労働価値説)|     1798 |(比較優位)
     リカード(A)   |  xリカード(B)_____
       1817    |   1817        |
       /       |     \         |
  社会主義/ xプルードン |    J.S.ミル     |
   マルクス   1846 |     1848 新古典学派|
   1867      | |        \ワルラス  |
   / | \     |  \       マーシャル  |
  |  |  レーニン ゲゼル \     / 1890  |
  |カレツキ 1914 1916 ケインズ/ /  |   |
  |1933   / \     1936 /   |   |
  |      /   \     |  /   / \  |
  |     /     \    主流派 合理的 シカゴ自由
  新左翼 ソ連       中国  経済学 期待理論 至上主義 


   生産者   生産者   消費者      消費者    
   の費用A  の効用D  の費用B     の効用C  

___________ 

前350 アリストテレス『経済学(偽書?)』『問答集』?『政治学』『ニコマコス倫理学』2:6,13.1:9
1270 トマス・アクィナス『ニコマコス倫理学註解』? 
1758 ケネー『経済表』 
1776 アダム・スミス『国富論』 
1793[ゴドウィン『政治的正義』
1798[マルサス『人口論』(序文にあるように表向きはゴドウィン『探求者』「吝嗇と浪費」への反論)  
1817 リカード『経済学および課税の原理』1章A、7章B☆
1846[プルードン『貧困の哲学~経済における矛盾の体系』
1847[マルクス『哲学の貧困』             
1848 ミル『経済学原理』 
1858[プルードン『革命と教会における正義』未
1860[ワルラス『経済学と正義~プルードンの経済学説の批判的検討と反論』未
1867 マルクス『資本論』 
1874 ワルラス『純粋経済学要論』1874上巻1877下巻
1890 マーシャル『経済学原理』 
1914 レーニン『カール・マルクス』 
1936 ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論』 

☆すべての経済学者に二面性はあるが、特にリカードを二つに分けた。リカードとマルサスによる「穀物条例論争」1815は有名。ただし、リカードは労働価値説を維持したと言える。


以下は番号が違う。


図2·1 価値学説の系譜

  労働価値説     効用価値説
   ペティ
  (1623-87)    コンディヤック
    |       (1714-80)
    |         |
   スミス      チュルゴー
   (1723-90)      (1727-81)
    /\        |
[支配労働】【投下労働】 【平均効用】
  |    リカード   |
マルサス  (1722-1823)   セー
(1766-1834)  /\  (1767-1832)
 |    /  \     |
 |   /    \   ゴッセン
 |  マルクス   |   (1810-58)
 |  (1818-1883)  |  [限界効用]
 |  【平均労働】 | ジェボンズ
 |   |     |  (1835-82)
 |   |     |  /   ワルラス
 |   |     | /    (1834-1910)
 |   |    マーシャル      メンガー
 |   |    (1842-1924)      (1840-1921)
 |   |   【供給・需要】    /
 |   |  /      \   /
消費者  生産者        消費者    生産者
の費用b の費用d       の効用a   の効用c

          四元的価値論



8頁:

訂正:リカード(1772~1823)

https://i.imgur.com/rSoE6cl.jpg



四元的価値のパラダイム マルクス経済学と近代経済学の統一のために

越村信三郎/著

出版社名 白桃書房

出版年月 1989年11月

ISBNコード 978-4-561-86020-4 

4-561-86020-7

税込価格 2,621円

頁数・縦 200P 22cm

商品内容

目次

第1章 四元的価値のパラダイム ☆

第2章 価値論の系譜と死角

第3章 四つの元の関数関係

第4章 単一取引のパラダイム

第5章 一次関数による四元的価値のパラダイム

第6章 二次関数による四元的価値のパラダイム

第7章 完全自由競争市場における需要供給の法則

第8章 四元的価値論における四つの差益

第9章 需要曲線の変化

第10章 三次関数による四元的価値のパラダイム

第11章 従来の独占理論とその矛盾

第12章 独占と四元的価値のパラダイム

第13章 費用の変化と独占

第14章 買い手独占

第15章 寡占と四元的価値のパラダイム

第16章 労賃,利子,地代のパラダイム

第17章 社会主義体制のもとでの価値法則



越村の言う四元は以下、


     効用   費用

生産者  B    A

消費者  C    D


Aはマルクス主義経済学

Cはワルラス他

Dはマルサス他


経済学史の整理としては有効かつ正しい

(あえて付け加えるならBはプルードン、そこからACが分化、元々はDに対抗)


___

以下メモ:


     費用  効用

消費者  B    A

生産者  C    D


Aはワルラス他

Bはマルサス他

はマルクス他

Dはプルードン、そこからACが分化、元々はBに対抗


経済学史の整理としては有効かつ正しい



     費用  効用

消費者  A    C

生産者  B    D


Bはマルクス主義経済学


経済学史の整理としては有効かつ正しい



     効用   費用

生産者  D    B

消費者  C    A


   消費者 生産者

費用  A   B

効用  C   D


        生産者

         B

       +   費用(平等)

消費者    CDA

     効用(自由)


Dはあり得ない…


     費用   効用

生産者  B    A

消費者  C    D


Bはマルクス

Cはマルサス

Dはワルラス


経済学史の整理としては有効かつ正しい

(あえて付け加えるならAはプルードン、そこからBDが分化、元々はCに対抗)




     効用   費用

消費者  B    A

生産者  C    D


Aはマルサス

Bはワルラス

Cはプルードン

Dはマルクス


経済学史の整理としては有効かつ正しい

(あえて付け加えるならCはプルードン、そこからBDが分化、元々はAに対抗)



   生産者  消費者

費用  B    A

効用  C    D


Aはマルサス

Bはマルクス

Cはプルードン

Dはワルラス


経済学史の整理としては有効かつ正しい

(あえて付け加えるならCはプルードン、そこからBDが分化、元々はAに対抗)



   消費者  生産者

費用  B    A

効用  C    D


Aはマルクス

Bはマルサス

Cはワルラス

Dはプルードン


経済学史の整理としては有効かつ正しい

(あえて付け加えるならDはプルードン、そこからACが分化、元々はBに対抗)







____



越村 信三郎 マルクス主義計量経済学―労働価値説体系への行列および行列式理論の応用に関する一研究 (1961年)  

https://www.amazon.co.jp/dp/B000JAMJTQ/
:20頁の3つの商品の交換価値の図解を表紙に採用している。本来は立体図。


国立国会図書館デジタルコレクション - マルクス主義計量経済学 : 労働価値説体系への行列および行列式理論の応用に関する一研究

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3008634

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永続的識別子

info:ndljp/pid/3008634

タイトル

マルクス主義計量経済学 : 労働価値説体系への行列および行列式理論の応用に関する一研究

著者

越村信三郎 著

出版者

東洋経済新報社

出版年月日

1961

請求記号

331.39-Ko661m

書誌ID(NDL-OPACへのリンク)

000001023271


国立国会図書館デジタルコレクション - マルクス主義計量経済学 : 労働価値説体系への行列および行列式理論の応用に関する一研究

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3008634


書誌情報

操作方法

目次・巻号

マルクス主義計量経済学 : 労働価値説体系への行列および行列式理論の応用に関する一研究 [118]

目次

はしがき/p1

I 商品の価値と交換価値の理論/p1

1 生産物と商品の体系―需給テーブル/p1

2 価値の概念/p6

3 価値形態あるいは交換価値/p11

4 2種の商品の交換価値―単純な,個別的な,あるいは偶発的な価値形態/p11

5 多種の商品の交換価値―総体的な,拡大された価値形態/p15

6 一般的等価形態と交換価値/p25

7 貨幣形態/p27

8 商品の価値と交換価値/p28

9 総生産物の価値と各財の交換価値/p34

II 貨幣と価格の理論/p41

10 貨幣の概念/p41

11 価値尺度としての貨幣と商品の価値から価格への転形/p43

12 価格体系のもとにおける需給テーブルと生産物の社会的総平均価格あるいは一般物価水準/p57

13 生産物数量の販路係数と各財の価格体系/p60

14 行列式ΓとDとの連関/p65

15 流通手段としての貨幣と商品の価格/p68

16 蓄財手段としての貨幣の機能/p76

17 支払い手段としての貨幣の機能と商品の市場価格/p78

III 資本と剰余価値の理論/p88

18 資本の概念/p88

19 資本の有機的構成/p92

20 剰余価値および剰余価値率/p97

21 利潤および利潤率/p101

IV 再生産の理論/p108

22 多種部門別に考察した社会的資本の単純再生産/p108

23 3部門別に考察した資本の蓄積と拡大再生産/p114

(A)資本蓄積の基本表式/p114

(B)基準年度当初の収支均等の方程式/p117

(C)剰余価値,現実利潤,および現実価格/p118

(D)次年度の収支均等の方程式/p121

(E)初年度と次年度の再生産表式の連関/p123

(F)現実の利潤,現実の利潤率,および平均利潤率の算定法/p124

(G)生産力関係の定式/p126

(H)一般方程式と特殊方程式/p127

V 生産価格の理論/p137

24 単純な価格体系のもとにおける再生産の構造/p137

25 単純な価格から生産価格への転形と生産価格体系のもとにおける再生産の構造/p147

26 単純な価格体系下の再生産構造と生産価格体系下のそれとの連関/p154

VI 市場価格と経済波動の理論/p159

27 社会的生産の無政府状態と再生産構造の撹乱―資本主義的な市場価格の成立/p159

28 経済波動とその類型/p165

(A)諸部門間の資本移動による各種の運動形態―資本の横波運動/p165

(1)単振動/p166

(2)減衰振動/p170

(3)発散振動/p175

(4)単調減衰運動/p177

(5)単調発散運動/p179

(6)平行運動/p181

(B)各部門内の資本の増減による波動形態―資本の縦波運動/p182

(C)資本の運動の縦波と横波との合成/p184

29 再生産の波動方程式/p184

(1)第0期の市場価格体系下の再生産の構造式/p188

(2)生産価格体系下の単純再生産の構造式/p189

(3)第t期の市場価格体系下の再生産の構造式/p190

付録 行列式と行列/p193

I 行列式/p193

1 行列式の定義/p193

2 行列式の展開/p193

3 行列式の基本性質/p194

4 小行列式と余因子/p197

5 連立1次方程式の行列式による解法/p197

6 消去法/p199

7 (n‐1)個のn元斉1次方程式/p199

II 行列/p200

8 行列の定義/p200

9 相等の定義/p201

10 加法と減法/p201

11 乗法/p201

12 除法/p202

13 転置行列あるいは随伴行列/p204

14 連立1次方程式の行列による解法/p205

索引/p209



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マルクス経済学―価値と価格の理論 (1977年) | 置塩 信雄 

https://www.amazon.co.jp/マルクス経済学-価値と価格の理論-1977年-置塩-信雄/dp/B000J8Y1RG/


剰余価値率の実証研究―労働価値計算による日本・アメリカ・韓国経済の分析 (大阪経済大学研究叢書) | 泉 弘志 1992

https://www.amazon.co.jp/剰余価値率の実証研究-労働価値計算による日本-アメリカ-韓国経済の分析-大阪経済大学研究叢書-泉-弘志/dp/4589016397/


投下労働量計算と基本経済指標: 新しい経済統計学の探究 (大阪経済大学研究叢書) | 泉 弘志 2014

https://www.amazon.co.jp/投下労働量計算と基本経済指標-新しい経済統計学の探究-大阪経済大学研究叢書-泉-弘志/dp/4272111205/


投下労働量計算と基本経済指標 - 株式会社 大月書店

http://www.otsukishoten.co.jp/book/b165083.html

「投下労働量」の概念を応用して、重要な経済指標の優れた測定方法を提示。


著者 泉 弘志 著

出版年月日 2014/02/20

ISBN 9784272111206

判型・ページ数 A5・336ページ

定価 本体4,800円+税


目次

第I部 投下労働量計算とは何か

 第1章  投下労働量計算の目的

 第2章  投下労働量の計算方法

 第3章  投下労働量計算と生産の境界について


第II部 投下労働量計算と経済成長率計測・国際経済規模比較

 第4章  投下労働量計算と経済成長率の計測

 第5章  購買力平価・実質値産業連関表と経済規模の国際比較

 第6章  購買力平価に関する若干の論点について


第III部 投下労働量計算と生産性の計測

 第7章  全要素生産性と全労働生産性

 第8章  生産性計測とキャピタルサービス

 第9章  付加価値生産性と全労働生産性

 第10章 全労働生産性による中国の部門別生産性上昇率の計測

 第11章 産業別生産性水準の日韓比較


第IV部 投下労働量計算と剰余価値率・利潤率

 第12章 剰余価値率の計測 日本1980-1990-2000

 第13章 生産価格と均等利潤率の計算 日本1980-1990-2000

 第14章 剰余価値率の実証研究をめぐる若干の論点



これからのマルクス経済学入門 (筑摩選書) | 松尾 匡, 橋本 貴彦 |本 | 通販 | 2016

https://www.amazon.co.jp/これからのマルクス経済学入門-筑摩選書-松尾-匡/dp/4480016368/

これからのマルクス経済学入門

 叢書名   筑摩選書  

 著者名等  松尾匡/著  

 著者名等  橋本貴彦/著  

 著者等紹介 【松尾】1964年生まれ。神戸大学大学院経済学研究科博士課程後期課程修了。専門は

理論経済学。現在、立命館大学経済学部教授。著書に「近代の復権」など。

 著者等紹介 【橋本】1975年生まれ。立命館大学大学院経済学研究科博士課程後期課程修了。経済

統計学とマルクス経済学を専攻。現在、立命館大学経済学部准教授。

 出版者   筑摩書房

 出版年   2016.3

 大きさ等  19cm 236p

 NDC分類 331.6

 件名    経済学‐社会主義  ≪再検索≫

 要旨    搾取と貧困が深刻化する今、「階級」「疎外」「労働価値説」「唯物史観」といった、マ

ルクス経済学の基礎概念を再検討し、現代的な意義を明らかにする、画期的な書!

 目次    第1章 階級と所有(階級的な見方vsアイデンティティ的な見方;支配階級とは、剰余

の利得者か、それとも生産の支配者か ほか);第2章 疎外論と唯物史観(フォイエル

バッハの宗教批判を引き継ぐ疎外論の図式;疎外が起こる原因とその克服の条件 ほか)

;第3章 投下労働価値概念の意義(価格の規定因としての労働価値説は成り立たない;

労働価値概念の社会的労働配分把握という意義 ほか);第4章 マルクス経済学で日本

社会を数量分析する(投下労働価値による数量分析;投下労働価値と総労働配分 ほか)

 内容    マルクスは資本主義経済をどのように捉えていたのか。「階級」「疎外」「労働価値説」

「唯物史観」といったマルクス経済学の基礎概念を再検討し、現代的意義を明らかにする

、画期的な書。

 ISBN等 4-480-01636-8



「…現代経済理論に対してマルクスの経済学のもつ重要性は、問題の最終的解決について

成否の定かでないこのような試み(注:景気循環理論をめぐる錯綜)などにではなく、主として

『資本論』第二巻、そして一部は第三巻で行われた準備作業にこそある。ここでわたくしは、

マルクスの有名な資本の再生産表式のことを思い浮かべているのだ。」

レオンチェフ「マルクス経済学の現代的意義」(邦訳『経済学の世界』101頁より) 



常識的なことだが近経とマル経の基本タームはズレる

 ストック  フロー
  \   / \     
   \ /   \
  不変資本   可変資本

搾取率、剰余価値率などは上の近経からは出てこない…
マルクスは資本の自己増殖に興味があるから
ストック(広い意味で原始的蓄積)は資本論(さらに産業連関表)の分析の対象ではない
マルクスは草稿で交換に回されるのは全体の10分の1程度と書いている
労働価値説を強調する余り誤解を生んだがストックに関しては後世に委ねたのだ
ピケティなどはマルクスが使える統計を使わなかったと非難している

《マルクスの著作は…18世紀はじめから19世紀にかけて実施された、1800─
1810年のパトリック・コルクホーンの研究に始まり1870年代のギッフェンの
研究へと続く、イギリスの資本ストッ推計の数々の試みにまったく言及して
いない…》21世紀の資本#6

ただし広い意味でマルクスの言う原始的蓄積、資本の有機的構成をピケティも考えているし
ピケティはストックを考察することでマルクスを補完したと言える

パトリック・コルクホーン







カレツキ(カレッキ)「計量経済学モデルと史的唯物論」1964〔"Econometric Model and Historical Materialism"

                 ( 経済学リンク::::::::::
ケインズ=カレツキ往復書簡 Keynes ,Kalecki Correspondence 1937
http://nam-students.blogspot.jp/2015/12/keynes-kalecki-correspondence-1937.html

NAMs出版プロジェクト: 経済計算論争 ランゲ、そしてカレツキ

カレツキ(カレッキ)「計量経済学モデルと史的唯物論」1964〔"Econometric Model and Historical Materialism"

http://nam-students.blogspot.jp/2017/07/1964-econometric-model-and-historical.html

On Political Economy and Econometrics - ScienceDirect 有料

http://www.sciencedirect.com/science/book/9780080115887


On Political Economy and Econometrics: Essays in Honour of Oskar Lange [Kindle edition] by Yong Zhou | Popular Economics | Kindleストア

https://www.amazon.co.jp/Political-Economy-Econometrics-Essays-Honour-ebook/dp/B01DJDHNOU/



ECONOMETRIC MODEL AND HISTORICAL MATERIALISM

On Political Economy and Econometrics, 1965, Pages 233-238

MICHAL KALECKI



カレツキ「計量経済学モデルと史的唯物論」1964

M・カレツキ(カレッキ)
計量経済学モデルと史的唯物論〔"Econometric Model and Historical Materialism"
(On Political Economy and Econometrics--Essays on Honour of Oskar Lange,1964所収)〕
 / Kalecki M. ; 邦訳:経済評論1968/10 [17(11)] 森重泰 訳/154~159 

 計量経済学モデルと史的唯物論とは,社会の発展にたいするふたつの相異なるアプローチをなす。
前者は、考察される期間における計量経済学的変数相互の、およびこれらの変数と過去の諸期間における同一変数のあいだの関数関係を基礎としている。この関係は所与であり、また変化しないものと仮定される。かくして、特定の動態過程が措定されるが、それは、上記の関数関係の不変性という基本的な仮定が満足される場合にのみ現実の発展に対応する。
 史的唯物論は、社会の発展過程をすべての他の社会現象、たとえば政府、文化、科学、技術(*1)など(上部構造)をかたちづくる生産力と生産関係(土台)のそれ〔発展過程ー訳者〕として考える。ここには上部構造もまた土台に影響をおよぼすというフィードバック効果が包合されている。
 これらふたつのアプローチは決して和解しえないものではないと思われる。マルクスの再生産表式は、結局のところ、単純な計量経済学モデルにほかならない。つまり、自然資源、生産関係および上部構造が生産力の発展に影響をおよぼさないという特別の場合には、経済変数の相互関係が変化をうけないという条件も満足され、体系は計量経済学モデルによって規定される径路をたどるであろう。より一般的な場合には、これらの関数関係は他の三領城に発生したなりゆきの衝撃によって変化し、また、経済発展は社会のすべての側面における進歩を反映するために、計量経済学モデルによって示されるよりも、より一層複雑な過程となる。
 この論文の目的は、非常に一般的な言葉でここに提示された問題を、より詳細に検討することにある。われわれはこの基本点に集中しうるように封鎖体系を考察する。

   (1) 発明をふくむ技術学的アイディアは、それらの適用から区別されなければならない。後者は生産力の一要素として分類されるベきである。

   一

 単位期間tにおける体系の経済状態を特徴づける変数の総体をBtで表示しよう。また、その期間の当該諸変数が、期間tとそれ以前のr単位期間のこれらの諸変数の関数で表現されると仮定しよう。このことを、われわれは次式のように記号で表現することができる。
  Bt=f(Bt,Bt-1, ……,Bt-r)   (1)
ただし、fは包含されている諸関係の総体をあらわしている。いは、最近の流行にしたがうと、ひとつのベクトルであると考えることができる。そして、そのベクトルは(いくつかの成分が相互依存関係にあるから)自分自身の関数であり、また、過去r期間の経済状態を表現するベクトルBt-1, ……,Bt-r の関数でもある。rはここでは一定であるが、このことは、期間t-rよりも時間的に遠い期間の変数は期間tの経済状態に直接の影響をおよぼさないという仮定と同値である。他の基本的仮定は、関数fの、つまり、それによって代表されるすべての関係の不変性である。そうだとすると、上記の方程式は経済的変化の径路を決定する。なぜならば、
  Bt+1=ft(Bt+1,Bt, ……,Bt-r+1) 
  Bt+2=ft(Bt+2,Bt+1, ……,Bt-r+2) 
  ……………………………………
となり、Btの決定が B+1の決定をもたらし、後者が B+2 の決定をもたらす、等々となるからである。これが計量経済学的アプローチの核心である。
 f の不変性という決定的な仮定が、どちらかといえばより重大である。というのは、それは、上記の方程式で規定される経済発展が逆にfに抽象化されている経済変数相互の関係を変形させるような自然資源、生産関係、上部構造の領域における変革をもたらさない、ということを前提としているからである。とくに経済発展と生産関係の相互依存関係を捨象すると、計量経済学モデルは機械論的性格をもつことになる。その制約さえ心にとどめるならば、それが有用な分析用具であることは否定されえない。しかし、暗黙のうちに現存しない生産関係を想定し、将来の経済発展にかんする計量経済学モデルを設定することは決して容認することができない。

    二

 計量経済学モデルにおいてさえも、関数fによって代表される関係が絶対に変化しないとは考えられないことに注意しなければならない。なぜならば、経済的関係はどちらかといえば本質的にルーズなものだからである。つまり、そこに包含されるパラメーターは厳密な意味では定数ではなく、定数プラスある小さな不規則要素である。だから、fで表現される経済変数相互の関係は、それらが小さな不規則な撹乱にしたがうという意味では、準不変的である。
 ここに、小さなパラメーターの不規則変化が、当該経済変数の、それに相応する小さな変化をもたらすのか、あるいはその効果が不釣合いなほど大きいのか、という問題が生する。このふたつの代替的な過程を、それぞれ安定的な、または不安定な過程と呼ぶことができる。不安定な過程においては、パラメーターの小さな変化により、体系は突如としてその径路を変化させることになる。しかし、最終的には、新しい安定的な過程が実現され、この過程こそが現実の発展を表現する。これにたいして、さきに考えられた不安定な過程は、一時経過的なものである。なぜならば、それがたまたま存在したとしても、結局、不規則な撹乱の衝撃のもとで上述の安定的な過程によって代置されるからである。(*2)
 それゆえに、関数fで表現される関係によって安定的な動態過程が創出されると想定することができる。つまり、これちの関係の特質は、包含されているパラメーターの小さな変化により変数の大きな変化が生みだされることを阻止するのである。このfの準不変性は、景気循環のような現象が存在することを除外するものではない。それは、たんに経済変数相互の関係に含まれるパラメーターの小変化が、一般に景気循環の径路に深刻な影響をおよばさないということを意味するにすぎない。

    (2) Cf. M.Kalecki, “Observations on The Theory of Growth,” Economic Journal, March 1962.
    不安定な過程が安定的な過程に到達せず、また不規則な攪乱のためにシステムが継続的に激しい振動にさらされることも理論的にはありうる。しかし、このようなシステムはほとんと存続しえないであろう.そして、以下の結節の議論を予想することになるが、いずれにせよ。その極端な不安定性を終結させるためになんらかの制度的転形をおこなわぎるをえないであろう。

    三

 さて、計量経済学モデルから、社会のすべての側面における発展の考察に移ろう。期間tにおける自然資源、生産関係および上部構造の状態を、それぞれAt,CtおよびDtで表示しよう。しかし、状態CtとDtとは、たんに部分的にのみ量的概念(たとえば、資本家階級の富と所得の集中の度合)で表現されうるにすぎない。量的変数の総体であるBtとは対照的に、ここには計測不可能な質的要素が含まれている。Btは生産力とその効果の領域を包括していることに注意しなければならない。
 計量経済学モデルによって創出される過程は、それが領域Bにおける「自生的」変化であることを示唆するB→Bで表示されるであろう。同様にして、他の領域における自生的発展はA→A や C→C,D→Dで表示されるであろう。これらのうち、自然資源の「自生的変化」を示すA→Aは(たとえば海の後退のように)長期間をとれば重要であるかもしれないが、われわれの分析においては、ほとんど関心がなく、無視されるであろう。
 「自生的」過程のほかに、明らかに種々の領域間の相互依存関係、たとえば過去および現在の経済発展が生産関係におよぼす効果やその逆、つまりB→C や C→Bが存在している。重要な相互依存関係は、
 B→A および A→B
 B→C および C→B
 B→D および D→B
 C→D および D→C
である。すなわち、経済発展が他のすべての領域におよぼす効果とその逆および生産関係の変化が上部構造におよぼす効果とその逆である。
 ところで、史的唯物論の基本的公準は、経済発展および生産関係の変化が上部構造にあたえる効果に比して、上部構造の自生的変化がそれほど重要ではないということである。この公準を容認すると、われわれは、つぎの重要な連関を示す表に到達する。ただし、十字は原因―結果関係を表示している。
  ABCD
 A x
 Bxxxx
 C xxx
 D xx

    四

 ここで、経済発展の自然資源や生産関係の領域における進歩および上部構造との相互依存関係を考慮しながら、経済発展(ただし循環的変動を合む経済動態過程を意味する)の問題にたちかえろう。経済発展は(たとえば鉱物資源の疲弊や発見をとおして)、自然資源の状態に、また生産関係や上部構造に深く作用する。さらに、生産関係は(所与の経済状態の枠内での階級闘争の発展のような)内生的変化にしたがう。また、その進歩は上部構造にたいして重要な影響をもっている。
 他面、経済発展は、体系の他の三領城における変化により衝撃をうける。ここでは、とくにフィードバック的な作用が存在するであろう。経済発展は、たとえば生産閲係の変化の原因となり、それは逆に経済発展の径路に影響をおよぼす。
 現在および過去における経済変数の全関係を表示する関数fが変化をうけないという計量経済学モデルの基本的仮定が、もはや保持できないことは明らかである。関数は、毎期A→B,C→B,D→Bの影響によって規定される変化をうける。だから、方程式(1)は、つぎのように書かれなければならない。
   Bt=ft(Bt,Bt-1, ……,Bt-r)  (2)
 この方程式は、fが不変である特別の場合にのみ計量経済学モデルを表現する。そして、それはつぎのふたつの条件が満足される場合に成立する。(a)厳密な意味での経済状態以外の領域においては自生的な変化がまったく存在しないか、あるいは存在するとしても経済発展のパターンに重要な影響をおよぼさないこと、(b)体系の他の領域にたいする経済発展の衝撃に重大なフィードバック効果が含まれていないこと。

    五
 
 節二において、関数fにより計量経済学モデルがうみだす過程の安定性の問題が論じられた。その際、われわれは、小さなfの変化によってはそれほど大きく径路からはみだきないような安定した動態過程をうみだす特質をfが保有していると考えるのが妥当であるという結論に到達した。この場合には、常に存在するfの形状の不規則な小変化は、体系の発展にたいして大きな撹乱をもたらさない。
 そこで、一般に自然資源、生産関係および上部構造の領域における進歩にもとづいて恒常的な変動をみせる関数fが、はたしてこのような性質をもちつづけうるか、ということが問題となる。期間nのfnがこの性質をもつと仮定しよう。時間の経過につれて、関数fの形状が変化し、かくしてある時点n+kにおいては、体系がfの小さな変化による発展径路のかなりの撹乱と無関係ではありえないほどに変形してしまうかもしれない。そうなると、fn+kの形状の小さな不規則変化によって、即座に経済発展の突然の変移が生ずるであろう。その後、節二で示されたように、体系はやがて新しい安定的な径路に到達する。(*3)
 かくして、ftは、正常にはその形状の小変化によって経済変数が大きく変化しないようなタイプの関数であると結論できるであろう。しかし、長期にはわたらないがある臨界的な期間においては、この特質が現われないかもしれない。このような期間においては経済発展径路は突如として変化し、時には体系は数期間にわたり経済状態の極端な不安定性をみせうるかもしれない。 

   (3) 体系が激しい振動にさらされるということも理論的には可能である(前注を参照)。しかし、体系の存続が困難になるということが生産関係および上部構造の領域からの反作用を生ぜしめ、その極端な不安定性を終らせるがために、それらは長く継続しそうもない。

    六

 前節で議論された経済発展の突然の変化は準内生的な要因によっもたらされた。fnからfn+kへの関数fの形状の変化が体系の領域A,C,Dの影響によって発生するということは正しい。そして、fn+kの不規則な小変化により経済変数が大きく変化するために、経済発展変移が現われる。しかし、生産関係と上部構造の傾域でのなりゆきために、過去の発展径路からの突発的な乖離がより直接的に生みだされるかもしれない。
 これらの領域においては、ある問題が徐々に勢力をえて、ついに爆発するという現象がしばしばみられるであろう。この爆発は、関数fを突如として変化させることによって経済発展のパターンをつくりあげる。
 このような爆発的な過程とその原因とは異なった特性をもっているかもしれない。現存の生産関係は経済発展を阻害するかもしれない(そして、停滞や後退すらもたらすかもしれない)。そして、上部構造(政府の形態および構成など)は、到達された生産関係の段階にさえ相応しないかもしれない。このことは生産関係と上部構造の両者の激しい変容をともなう革命をもたらす。しかしまた事態は改革で終わってしまうかもしれず、このときには生産関係と上部構造の変容はそれほど深刻なものではなく、長期にわたって展開する。いずれの場合についても、経済発展は深刻な影響をうけるが、異なった程度においてであろう。
 体系の期待はずれの運動によって必要となる改革は、しばしば生産関係や政府の形態と構成とを根本的に変化させることにはならないであろう。改革は体系の経済的動態にたいしては重大な意味をもってはいるが、たんに政府の政策の適用によって構成されるかもしれない。最近の例をあげると、三十年代の大恐慌は資本主義を根本から揺るがした。しかしながら、その結果として生したものはたんに政府の対不況介入技術だけであった。そして、それは資本主義体制の表面をひっかくだけであるが、にもかかわらず景気循環のパターンにかなりの影響をあたえている。

    む す び

 以上の議論により、社会の進歩を説明する新しい方式が明らかにされた。その焦点はある意味では経済発展にあるが、その径路は現在および過去の経済変数相互の変化する関係を包摂する「一般化された計量経済学モデル」によって決定される(方程式2を参照)。これらの変化は、自然資源、生産関係および上部構造の領域における進歩の衝撃により生じ、また後者は逆に経済発展の径路によって深刻な影響をこうむるのである。

〔訳者あとがき〕 本稿は、M. Kalecki,"Econometric Model and Historical Materialism" in On Political Economy and Econometrics--Essays on honour of Oskar Lange(PWN,1964),を、カレツキ教授およびPWNの許可のもとに訳出したものである。
 現代のポーランドの指導的な経済学者であるカレツキ教授については、今さら紹介する必要もないが、本稿は、カレツキ教授の方法論的基礎を「明快、かつエレガント」――このことはカレツキ教授のひとつの特徴であると思われる――に定式化した、利用しうるほとんど唯一の文献として非常に興味深く、訳出する意味は十分にあると考えられる。なお、カレツキ教授の指示により、二、三訂正補注が加えられている。



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