文春学藝ライブラリー『「小さきもの」の思想』柳田国男 柄谷行人編 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784168130113
山人について、農政学について、それぞれ柳田国男のアンソロジーはすでにある。
だから本書の独自性は『遊動論』との関係にある。
引用箇所の1/3~1/2はカバーしてる。
ただ学術的な農政学に関しては省略され、読み物として興味深い(子供社会の)言葉の問題が追加されている。
文学的なプロフィールが冒頭に置かれ、その流れでも読める。
ちくま文庫より一文字小さいし、高いが、計9頁?になる解題は『遊動論』をさらに圧縮しわかりやすいのでオススメ。
「柳田国男の仕事は、一言でいえば、近代の発展の中で急速に廃れ忘れられていくものを記録することであった。それは先ず、消滅してしまうものへの供養であり、 且つ、そこから得た将来に役立つかもしれない知恵を保存することである。(……) 柳田はこのような仕事を、たんに学者としてではなく、詩人、官僚、ジャーナリス トとして現実に深くコミットする中で成し遂げた。(……)本書は、柳田のそのよ うな生涯を展望できるように編集されている」(「はじめに」より)
大正デモクラシー関連の追加は、『遊動論』の持つアクチュアリティーをさらに強化するものだ。沖縄や靖国、国連、官僚制、文化の一元化。現代社会は柳田の問題設定の枠内にある。
折口や熊楠とのやり取りも載せるとさらによかった。
第四章「大正 |第一章 文学と柳田国男
デモクラシー」を担う|第二章 山の人生
第五章民俗学 |第三章 島の人生
=史学の方法 |
----------+-----------
(第二章 山の人生)
第六章日本の歴史 |第七章 小さき者と言語
|第八章 死者との交通
ちなみに、『遊動論』の構成:
第一章1戦後の柳田国男(遊牧民的資本主義=吉本隆明批判)
第二章2山人 (協同組合=協同自助論)
第三章3実験の史学 (国家に抗する小日本主義=小さきもの)
第四章4固有信仰 (互酬制を脱する過去=未来の原理)
付論 ☆二種類の遊動性(遊動民と遊牧民)
1|
3|☆1
ー+ー
2|4
4|
(1と4は両義的。島に肯定的意味付けがなされるのは「ジュネーブの思い出」以降)
収録作品(はじめと各章に一頁づつの解題がつく。☆は『遊動論』で言及されていないもの):
はじめに
第一章 文学と柳田国男:
柳田国男自伝☆
文学の思い出 抄 『故郷七十年』より☆
新体詩 夕づゝ 「野辺の小草」より
第二章 山の人生:
幻覚の実験 『妖怪談義』より☆
幽冥談
九州南部地方の民風
遠野物語 抄
山の人生 抄
山人考 『山の人生』より
山民の生活☆
第三章 島の人生:
日本郷土の特色 『民間伝承論』より
島の話 抄 『青年と学問』より
南島研究の現状 抄 『青年と学問』より
島々の話 その四 抄 『島の人生』より
豆手帖から 抄 『雪国の春』より☆
第四章 「大正デモクラシー」を担う:
ジュネーブの思い出
青年と学問 抄 『青年と学問』より
政党と階級意識☆
七月一日から愈々(いよいよ)排日法の実施につき☆
第五章 民俗学=史学の方法:
実験の史学 抄
単独立証法 『国史と民俗学』より☆
我々の方法 『民間伝承論』より
東北と郷土研究 抄 『東北の土俗』より
比較民俗学の問題☆
第六章 日本の歴史:
親方子方 抄(☆)
労働『郷土生活の研究法』より
親分割拠『明治大正史世相篇』より(☆)
聟入考 抄 『婚姻の話』より☆
旅と商業 『明治大正史世相篇』より☆
家の話☆
第七章 小さき者と言語:
子供と言葉
童児と昔 抄 『小さき者の声』より☆
国語成長のたのしみ(一) 『少年と国語』より☆
キミ・ボク問題 『少年と国語』より☆
知ラナイワ 『毎日の言葉』より☆
昔話と伝統と神話 抄 『口承文芸史考』より☆
嗚滸の文学 抄 『不幸なる芸術』より☆
第八章 死者との交通:
神道私見 抄
日本の祭 抄
先祖の話 抄
柳田国男年譜
編集付記
8 Comments:
文春学藝ライブラリー『「小さきもの」の思想』柳田国男 柄谷行人編 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784168130113
山人について、農政学について、それぞれ柳田国男のアンソロジーはすでにある。
だから本書の独自性は『遊動論』との関係にある。同書における引用箇所の1/3~1/2はカバーしてる。
ただ学術的な農政学に関しては省略され、読み物として興味深い言葉の問題が追加されている。
文学的なプロフィールが冒頭に置かれ、その流れでも読める。
ちくま文庫より一行一文字多い分、活字が小さいし、文庫としては割高だが、
計9頁?になる解題は『遊動論』をさらに圧縮しわかりやすいのでオススメ。
「柳田国男の仕事は、一言でいえば、近代の発展の中で急速に廃れ忘れられていく
ものを記録することであった。それは先ず、消滅してしまうものへの供養であり、
且つ、そこから得た将来に役立つかもしれない知恵を保存することである。(……)
柳田はこのような仕事を、たんに学者としてではなく、詩人、官僚、ジャーナリス
トとして現実に深くコミットする中で成し遂げた。(……)本書は、柳田のそのよ
うな生涯を展望できるように編集されている」(「はじめに」より)
以下収録作品(はじめと各章に一頁づつの解題がつく。☆は『遊動論』で言及されていないもの)
http://nam-students.blogspot.jp/2014/02/blog-post_20.html
台湾マヌケ活動家と柄谷行人が激突!!!!|素人の乱5号店・店主日記
http://ameblo.jp/tsukiji14/entry-11761174212.html
柄谷さんはまだまだ元気だな
今週日曜にイベント
>その林氏を迎え撃つのは、最近高円寺で頭角を現して来た期待の新人で、
>意外と物知りの柄谷行人!
>とんでもない大作戦トークイベントが高円寺で勃発! これは集まるしかない!!
2月23日(日)
街の再開発に抗する日台大作戦トークイベント「台湾マヌケ反乱の襲来」
出演:林暉鈞(台湾マヌケ活動家)×柄谷行人(賢者)×松本哉(素人の乱5号店)
18:00open/19:00start/1500yen
会場:pundit
19分〜
松本君がまぬけというのは褒め言葉ですから
柄谷サンが突然アジテーションを始めるんだよね
柄谷曰く
開発には搾取とルビを振るんです
これは中国語でも英語でもできない
日本語でしか出来ない独自の文化だ
松本るきつら(非行少年)/@luquitwora2014/02/25
トークイベントに行ったら酔っぱらった柄谷行人が名言連発。
「闘争から共同体が生まれる」
「どこ行ってもチェーン店ばかりでつまらない」
「商店街は高円寺にしか残っていない」
「開発という文字に搾取とルビをふれ」
「金に負けちゃだめですよ」
「権力者はコミュニティを破壊することで金を稼いでいる」
404 :考える名無しさん :sage :2014/02/25(火) 15:03:14.34 0
もう終わってるよこれwww
405 :考える名無しさん :sage :2014/02/25(火) 19:12:38.91 0
これのどこが「名言」なんだ
「どこ行ってもチェーン店ばかりでつまらない」
「商店街は高円寺にしか残っていない」
事実誤認ではないか。
406 :考える名無しさん :2014/02/26(水) 00:12:40.17 0
純粋理性批判 (上)
イマヌエル・カント 著 石川 文康 翻訳
単行本 四六判 400頁 刊行 03/05 ISBN 9784480847416 JANコード 9784480847416
※発売日は地域・書店によって前後する場合があります
定価3,780 円(税込)
純粋理性批判 (下)
純粋理性批判 (下)
イマヌエル・カント 著 石川 文康 翻訳
単行本 四六判 576頁 刊行 03/05 ISBN 9784480847423 JANコード 9784480847423
※発売日は地域・書店によって前後する場合があります
定価4,725 円(税込)
407 :考える名無しさん :2014/02/26(水) 13:54:12.60 0
松本るきつら(非行少年)/@luquitwora2014/02/25
@123cdef @jamasyman 霹靂火龍角氏が自分が食べていたカレーライスをスプーンでよそって
「柄谷さん」って言ってあーんの形で柄谷行人氏に食べさせていた。
2回も3回も。 霹靂火氏は「ありがたい」と柄谷氏を拝んでいた。
408 :考える名無しさん :2014/02/26(水) 19:04:34.26 0
(p)http://wearenakasone.com/fm880mhz/729
409 :考える名無しさん :2014/02/26(水) 19:06:11.87 0
(p)http://blog.livedoor.jp/hida_2005/
410 :考える名無しさん :sage :2014/02/26(水) 20:10:58.84 0
素人の乱 12号店/@12gouten2014/02/26
【アナログFM素人の乱】
2月25日放送分:柄谷行人イベント!
街の再開発に抗する日台大作戦トークイベント「台湾マヌケ反乱の襲来」報告!!!
ウクライナに続け/独裁化を回避/落語対決/怒憤/
またもアナログラジオ素人の乱存続の危機 ほか
wearenakasone.com/fm880mhz/729
「松本君がまぬけというのは褒め言葉ですから」
「開発には搾取とルビを振るんです
これは中国語でも英語でもできない
日本語でしか出来ない独自の文化だ」
http://blog.livedoor.jp/hida_2005/archives/51883048.html
翌日、『「ちいさきもの」の思想』の第六章に次の件を見つけた。
〈吾々が深く考えてみねばならぬことは、吾々の中には、一戸として先祖なしに初まった家のないことであって、その先祖の中には不幸にして記録に書き残されず、または幸いにして戦場において華々しい最後を遂げなかったにもかかわらず、人間として最も正しく、日本人として最も立派な武家兼農家の主が、古今千年の間に何千人何万人あったか分からぬということである。外国人等がしばしば日本の人は農民までが勇敢である、忠誠であると批評するのは、吾々の目から観れば滑稽千万なることである。ひとり殺伐なる戦闘事業においてのみならず、さらにまた平和の技術において、学問において、容易く志を立て、教えれば必ずある発達を観るのは、たとい系図の証明がなくとも、また一人の昔知られたる先祖が存在せずとも、必ず由って来たるところのあることは、田舎の歴史を観るものの確信せずにはおられぬことであって、吾々がいたずらに国の古いのを誇るのではなく、世界の中いずれの部分の人間にも、真似る事のできぬ隠れた遺伝のあることを信ずるがために、初めてこの国の永続ということが、何よりも大事な問題となるのである。〉(「家の話」)
林さんは日本人ではないが、この〈隠れた遺伝〉を見せてくれたと思う。
第四章「大正 |第一章 文学と柳田国男
デモクラシー」を担う|第二章 山の人生
第五章民俗学 |第三章 島の人生
=史学の方法 |
----------+-----------
第六章日本の歴史 |第七章 小さき者と言語
|第八章 死者との交通
3|☆1
ー+ー
2|4
4|
(1と4は両義的)
3|☆1
ー+ー
2|☆4
(1と4は両義的)
1|
3|☆1
ー+ー
2|☆4
4|
(1と4は両義的)
1|
3|1
ー+ー
2|4
4|
(1と4は両義的)
第四章「大正 |第一章 文学と柳田国男
デモクラシー」を担う|第二章 山の人生
第五章民俗学 |第三章 島の人生
=史学の方法 |
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(第二章 山の人生)
第六章日本の歴史 |第七章 小さき者と言語
|第八章 死者との交通
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