参考:
ミハウ・カレツキ (Michal Kalecki)
http://cruel.org/econthought/profiles/kalecki.html
ミハウ・カレツキ (Michal Kalecki), 1899-1970.
その生涯を通じて、カレツキはマクロ経済学の知られざる英雄だった――そして、経済学ではなぜ英語で論文や著作を刊行すべきかという見事な証拠となってい
る。カレツキは、ケインズの『一般理論』で述べられる原理の相当部分をそれ以前に予見していたとされるけれど、でもかれの論文 (1933, 1935)
はポーランド語とフランス語でしか刊行されず、したがってほとんど気がつかれなかった。これをなんとかしようと、カレツキは 1936
年の論文で、自分のほうが先だったという主張を刊行することにしたが……これまたポーランド語でしか発表しなかった!
でも、かれの英語の論文、特に ビジネスサイクル論 (1935, 1937, 1939, 1943, 1954)
は、かれに独自の地位をもたらして、数学的動学を経済学に使う方法を進歩させた点で画期的だった。かれの研究はまた、いくつか 古典派 と マルクス派
の概念を導入していて、かなりの部分を「階級闘争」、所得分配と不完全競争に負っていた――これらの項目は、ケンブリッジのケインズ派たちに大きく影響を
与える――時にロビンソン、カルドア、グッドウィンへの影響が大きい。また現代アメリカのポストケインズ派 経済学にも大きく影響している。
カレツキはほぼ一生にわたって、ワルシャワのビジネスサイクル&価格研究所で過ごした。
ミハウ・カレツキの主要著作
"Mr Keynes's Predictions", 1932, Przeglad Socjialistyczny.
An Essay on the Theory of the Business Cycle, 1933.
"Essai d'une theorie du mouvement cyclique des affaires", 1935, Revue d'economie politique.
"A Macrodynamic Theory of Business Cycles", 1935, Econometrica.
"The Mechanism of Business Upswing", 1935, Polska Gospodarcza.
"Some Remarks on Keynes's Theory", 1936, Ekonomista.
"A Theory of the Business Cycle", 1937, RES.
"A Theory of Commodity, Income and Capital Taxation", 1937, EJ.
"The Principle of Increasing Risk", 1937, Economica.
"The Determinants of Distribution of the National Income", 1938, Econometrica.
Essays in the Theory of Economic Fluctuations, 1939.
"A Theory of Profits", 1942, EJ.
Studies in Economic Dynamics, 1943.
"Political Aspects of Full Employment", 1943, Political Quarterly.
"Professor Pigou on the Classical Stationary State", 1944, EJ.
"Three Ways to Full Employment", 1944 in Economics of Full Employment.
"A Note on Long Run Unemployment", 1950, RES.
Theory of Economic Dynamics: An essay on cyclical and long- run changes in capitalist economy, 1954.
"Observations on the Theory of Growth", 1962, EJ.
Studies in the Theory of Business Cycles, 1933-1939, 1966.
"The Problem of Effective Demand with Tugan-Baranovski and Rosa Luxemburg", 1967, Ekonomista.
"The Marxian Equations of Reproduction and Modern Economics", 1968, Social Science Information.
"Trend and the Business Cycle", 1968, EJ.
"Class Struggle and the Distribution of National Income", 1971, Kyklos.
Selected Essays on the Dynamics of the Capitalist Economy, 1933-1970, 1971.
Selected Essays on the Economic Growth of the Socialist and the Mixed Economy, 1972.
The Last Phase in the Transformation of Capitalism, 1972.
Essays on Developing Economies, 1976.
3 Comments:
ミッチェル
2
Henry, J.F. (2012) The Making of Neoclassical Economics, Routledge Revivals, Abingdon:Taylor & Francis.
17
References Devine, P. (1974) “Inflation and Marxist Theory”, Marxism Today, March, 79–92. Hume, D. (1752) “Of Money”, in D. Hume (ed.), Political Discourses, Edinburgh: Fleming.
ジョーン・ロビンソン(Joan Violet Robinson、1903 - 1983)
http://nam-students.blogspot.com/2018/09/blog-post_14.html@
Prof Stephanie Kelton - The Deficit Myth - 2020/01/15 Harcourt Lecture
https://love-and-theft-2014.blogspot.com/2021/01/prof-stephanie-kelton-deficit-myth.html
(ケルトン がロビンソンを引用)
…
1940年に,〔戦争に明け暮れる] ニュースからの気晴らしのつもりで,わた
しはマルクス (Karl Marx, 1818 ~ 83) を読み始めた。ケインズ革命の光に照
らして『資本論』を読むことによって,わたしはマルクス主義者を自認してい
る人々が見過ごしてきたように思われる多くのものをそのなかに見いだした。
マルクス主義者は健全財政と金本位制のスローガンをもってケインズに応酬し
ていた。そのなかでカレッキーだけが『資本論』第II巻の拡大再生産表式の要
点を理解していて,その基礎のうえに「ケインズ的」理論をうち建てたのであ
る。わたしにとってマルクスの主要な教示は,均衡の見地からではなく歴史の
見地から思考しなければいけないということであった。このことは,もちろん
ケインズ革命の教示でもあった。
…
(ジョーン·ロビンソンの序文、邦訳クリーゲル政治経済学の再構築1978^1975年3頁)
参考:
Stephanie Kelton (@StephanieKelton)
2020/01/13 7:46
Joan Robinson (1943) on the “logic” of austerity. pic.twitter.com/aRooHKEXqh
https://twitter.com/stephaniekelton/status/1216491689218641922?s=21
…
1940年に,〔戦争に明け暮れる] ニュースからの気晴らしのつもりで,わた
しはマルクス (Karl Marx, 1818 ~ 83) を読み始めた。ケインズ革命の光に照
らして『資本論』を読むことによって,わたしはマルクス主義者を自認してい
る人々が見過ごしてきたように思われる多くのものをそのなかに見いだした。
マルクス主義者は健全財政と金本位制のスローガンをもってケインズに応酬し
ていた。そのなかでカレッキーだけが『資本論』第II巻の拡大再生産表式の要
点を理解していて,その基礎のうえに「ケインズ的」理論をうち建てたのであ
る。わたしにとってマルクスの主要な教示は,均衡の見地からではなく歴史の
見地から思考しなければいけないということであった。このことは,もちろん
ケインズ革命の教示でもあった。
…
(ジョーン·ロビンソンの序文より、邦訳クリーゲル政治経済学の再構築1978^1975年3頁)
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