月曜日, 1月 15, 2018

ライヘンバッハ関連


ライヘンバッハ関連



ライヘンバッハに関する参考書籍

ライヘンバッハの著作


『科学哲学の形成』

 みすず書房, 1985。ライヘンバッハの主著の一つ。冒頭でヘーゲルを一蹴したのち、合理主義的な知識論を徹底的に批判し、正しい哲学的知識論のためには確率論を柱とする経験主義的な知識論の構築が必要、倫理学も同様に伝統的な哲学がもたらした間違いから脱しなければならない等々、ライヘンバッハのクールな持論が展開されます。 

 素人でも読める簡明な説明も素晴らしく、今でも広く読まれるべき啓蒙的な本だと思いますが、絶版なのでそれは望めません。内容的には「合理主義と経験主義」と重なる部分も多いので、量的にもコンパクトなこちらを入門にどうぞ。



『アインシュタインとの論争』

 東京図書, 1969。ボーアやボルンといった当時を代表する研究者が、アインシュタインに批判・疑問をぶつけてアインシュタインがそれに答えるという形式の論集。科学哲学者としてのライヘンバッハの名作「相対性理論の哲学的意義」が収録されています。



『相対性理論の誕生―コペルニクスからアインシュタインまで』

 講談社, 1986。



 ドイツの科学哲学者、ハンス・ライヘンバッハ(Hans Reichenbach, 1891-1953)についてのサイトです。


http://www.geocities.jp/mickindex/reichenbach/idx_reichenbach.html

ライヘンバッハの著作

  • 合理主義と経験主義」(1947) (英)  (和)
     1947年12月30日、アメリカ哲学協会の第21回会議で行なわれた議長講演。「知識を数学的知識と同一視する」という合理主義のプログラムが哲学に及ぼした悪影響が明晰に弾劾され、健全な知識論の構築には「措定」の概念を鍵とした経験主義的な確率論が必要となるというライヘンバッハの持論が展開されます。結びで述べられる、哲学者の仕事は体系の構築ではなく分析であるというクールな哲学観と、哲学者は教育者としての仕事も引き受けるべきだという建設的な意見が感銘を与える名講演。 

  • バートランド・ラッセルの論理学」(1948) (英)  (和) 
     ラッセルが存命中に編まれた論文集『バートランド・ラッセルの哲学』に収録された論文。数の帰納的定義や言語レベルの区別についての分かりやすい解説は流石のもの。また、帰納と確率の論理という観点からラッセルの論理学を検討し、真理概念の問い直しと基礎付け主義からの脱却を説く後半部分は、ライヘンバッハならではの興味深い主張が現れています。ベイズ主義が復興する前から既に言及があるのも面白い。 
     ただし、タイプ理論を3値論理的に解釈するなど、少し癖のある解釈も散見されます。 

  • 意味の検証理論」(1948) (英)   
     論理実証主義の最も重要な支柱であり、また同時にアキレス腱となったドグマ「意味の検証理論」についての解説。 

  • 現象の報告は絶対に確実か?」(1951) (英)   
     1951年12月29日、アメリカ哲学協会の第48回会議において行なわれた講演。 

それ以外