参考:
120年周期説(転載再掲)
http://nam-students.blogspot.jp/2015/10/120.html
ブローデル
http://nam-students.blogspot.com/2019/03/fernand-braudel-1902-1985.html
http://nam-students.blogspot.jp/2006/05/nam_31.html
『史的システムとしての資本主義』,❸T.396@/◎N.22@,23@,
「近代世界システム」,❸T.395,414(-論)/❹A.189,
『人種・国民・階級』,❸T.407@
http://nam-students.blogspot.jp/2010/10/blog-post_7190.html
『近代世界システム 1600-1750』(160?),409@^500,410@^500,418@^500
『人種・国民・階級』(バリバール共著)309@^493
第一章 世界資本主義の段階と反復
1 資本主義の歴史的段階
ウォーラーステインはいう。《スコットランド人は数世代にわたって、大学教育を受けるためにオランダに行くようになった。この事実は、一八世紀末のスコットランド啓蒙主義を説明する、もうひとつの因果連関であった。しかも、スコットランド啓蒙主義こそは、それ自体、イギリス工業の劇的な発展の決定的要因のひとつであった(2)》。
(2) ウォーラーステイン『近代世界システム 一六〇〇─一七五〇』川北稔訳、名古屋大学出版会、六八頁。
…
ウォーラーステインは、ヘゲモニーの交代はつぎのようなパターンで生じる、という。《農=工業における生産効率の点で圧倒的に優位に立った結果、世界商業の面で優越することができる。こうなると、世界商業のセンターとしての利益と「見えない商品」、つまり、運輸・通信・保険などをおさえることによってえられる貿易外収益という、互いに関係した二種類の利益がもたらされる。こうした商業上の覇権は、金融部門での支配権をも もたらす。ここでいう金融とは、為替、預金、信用などの銀行業務と(直接またはポートフォリオへの間接の)投資活動のことである(3)》。
(3) ウォーラーステイン、同前書、四五─四六頁。
[柄谷行人はこのあとアリギの批判を紹介]
このように国家は、生産から商業、さらに、金融という次元に進んでヘゲモニーを確立する。しかし、《特定の中核国が、同時に生産・商業・金融の三次元すべてにおいて、あらゆる中核諸国に対して優位を保っているような状態はほんの短い期間でしかありえない(4)》。
(4) ウォーラーステイン、同前書、四六頁。
もう一つの面で、アメリカはもはや「自由主義的」ではなくなっている。ウォーラーステインはこう述べた。《ヘゲモニーを握った強国が圧倒的に優位に立つに至った時代は、好んで国内に目を向けた時代であったといえよう》。
(7) ウォーラーステイン『近代世界システム 一六〇〇─一七五〇』七三頁。
イマニュエル・ウォーラーステイン(Immanuel Wallerstein、1930年9月28日 - )は、アメリカの社会学者。
『近代世界システム』The Modern World-System
- The Modern World-System: Capitalist Agriculture and the Origins of the European World-economy in the Sixteenth Century, (Academic Press, 1974).
- The Capitalist World-economy: Essays, (Cambridge University Press, 1979).
- 藤瀬浩司・麻沼賢彦・金井雄一訳『資本主義世界経済(1)中核と周辺の不平等』(名古屋大学出版会, 1987年)
- 日南田靜眞監訳『資本主義世界経済(2)階級・エスニシティの不平等、国際政治』(名古屋大学出版会, 1987年)
- The Modern World-System vol. 2: Mercantilism and the Consolidation of the European World-economy, 1600-1750, (Academic Press, 1980).
- 川北稔訳『近代世界システム 1600-1750――重商主義と「ヨーロッパ世界経済」の凝集』(名古屋大学出版会, 1993年)
- Historical Capitalism, (Verso, 1983).
- 川北稔訳『史的システムとしての資本主義』(岩波書店, 1985年)
- The Politics of the World-economy: the States, the Movements, and the Civilizations, (Cambridge University Press, 1984).
- The Modern World-System vol. 3: the Second Era of Great Expansion of the Capitalist World-economy, 1730-1840s, (Academic Press, 1989).
- 川北稔訳『近代世界システム 1730-1840s――大西洋革命の時代』(名古屋大学出版会, 1997年)
- Historical Capitalism, with Capitalist Civilization, (Verso, 1995).
- 川北稔訳『史的システムとしての資本主義[新版]』(岩波書店, 1997年)
- World-Systems Analysis: An Introduction, (Duke University Press, 2004).
- 山下範久訳『入門・世界システム分析』(藤原書店, 2006年)
- European Universalism: the Rhetoric of Power, (New Press, 2006).
- 山下範久訳『ヨーロッパ的普遍主義――近代世界システムにおける構造的暴力と権力の修辞学』(明石書店, 2008年)
- The Modern World-System, vol. 4: Centrist Liberalism Triumphant, 1789–1914, University of California Press, 2011.
- 『近代世界システムIV:中道自由主義の勝利 1789-1914』、川北稔訳、名古屋大学出版会、2013年
略歴
『近代世界システム』
- 1450年-1640年 の時期
- 1640年-1815年 の時期
- 1815年-1917年 の時期
- 1917年-現代
著作
単著
- Africa, the Politics of Independence: An Interpretation of Modern African History, (Vintage Books, 1961).
- The Road to Independence: Ghana and the Ivory Coast, (Mouton, 1964).
- Africa, the Politics of Unity: An Analysis of a Contemporary Social Movement, (Vintage Books, 1969).
- University in Turmoil: the Politics of Change, (Atheneum, 1969).
- The Modern World-System: Capitalist Agriculture and the Origins of the European World-economy in the Sixteenth Century, (Academic Press, 1974).
- The Capitalist World-economy: Essays, (Cambridge University Press, 1979).
- 藤瀬浩司・麻沼賢彦・金井雄一訳『資本主義世界経済(1)中核と周辺の不平等』(名古屋大学出版会, 1987年)
- 日南田靜眞監訳『資本主義世界経済(2)階級・エスニシティの不平等、国際政治』(名古屋大学出版会, 1987年)
- The Modern World-System vol. 2: Mercantilism and the Consolidation of the European World-economy, 1600-1750, (Academic Press, 1980).
- 川北稔訳『近代世界システム 1600-1750――重商主義と「ヨーロッパ世界経済」の凝集』(名古屋大学出版会, 1993年)
- Historical Capitalism, (Verso, 1983).
- 川北稔訳『史的システムとしての資本主義』(岩波書店, 1985年)
- The Politics of the World-economy: the States, the Movements, and the Civilizations, (Cambridge University Press, 1984).
- Africa and the Modern World, (Africa World Press, 1986).
- The Modern World-System vol. 3: the Second Era of Great Expansion of the Capitalist World-economy, 1730-1840s, (Academic Press, 1989).
- 川北稔訳『近代世界システム 1730-1840s――大西洋革命の時代』(名古屋大学出版会, 1997年)
- Unthinking Social Science: the Limits of Nineteenth-century Paradigms, (Polity Press, 1991).
- Geopolitics and Geoculture: Essays on the Changing World-System, (Cambridge University Press, 1991).
- 丸山勝訳『ポスト・アメリカ――世界システムにおける地政学と地政文化』(藤原書店, 1991年)
- After Liberalism, (New Press, 1995).
- 松岡利道訳『アフター・リベラリズム――近代世界システムを支えたイデオロギーの終焉』(藤原書店, 1997年)
- Historical Capitalism, with Capitalist Civilization, (Verso, 1995).
- 川北稔訳『史的システムとしての資本主義[新版]』(岩波書店, 1997年)
- Utopistics or Historical Choices of the Twenty-first Century, (New Press, 1998).
- 松岡利道訳『ユートピスティクス――21世紀の歴史的選択』(藤原書店, 1999年)
- The End of the World as We Know It: Social Science for the Twenty-first Century, (University of Minnesota Press, 1999).
- 山下範久訳『新しい学――21世紀の脱=社会科学』(藤原書店, 2001年)
- 『時代の転換点に立つ――ウォーラーステイン時事評論集成 1998-2002』(藤原書店, 2002年)
- 『世界を読み解く』(藤原書店, 2003年)
- The Decline of American Power: the U.S. in a Chaotic World, (New Press, 2003).
- 山下範久訳『脱商品化の時代――アメリカン・パワーの衰退と来るべき世界』(藤原書店, 2004年)
- The Uncertainties of Knowledge, (Temple University Press, 2004).
- 『イラクの未来――世界を読み解く '04』藤原書店, 2004年
- Alternatives: The United States confronts the World, (Paradigm Publishers, 2004).
- World-Systems Analysis: An Introduction, (Duke University Press, 2004).
- 山下範久訳『入門・世界システム分析』(藤原書店, 2006年)
- European Universalism: the Rhetoric of Power, (New Press, 2006).
- 山下範久訳『ヨーロッパ的普遍主義――近代世界システムにおける構造的暴力と権力の修辞学』(明石書店, 2008年)
- The Modern World-System, vol. 4: Centrist Liberalism Triumphant, 1789–1914, University of California Press, 2011.
- 『近代世界システムIV:中道自由主義の勝利 1789-1914』、川北稔訳、名古屋大学出版会、2013年
- 『知の不確実性:「史的社会科学」へのいざない』(藤原書店、2015年)
共著
- Africa: Tradition and Change, with Evelyn Jones Rich, (Random House, 1972)
- World-systems Analysis: Theory and Methodology, with Terence K. Hopkins, Robert L. Bach, et al., (Sage, 1982).
- Race, Nation, Classe: les Identités Ambiguës, with Etienne Balibar, (La Découverte, 1988).
- Antisystemic Movements, with Giovanni Arrighi and Terence K. Hopkins, (Verso, 1989).
- 太田仁樹訳『反システム運動』(大村書店, 1992年)
- Open the social sciences: Report of the Gulbenkian Commission on the Restructuring of the Social Sciences, with the Gulbenkian Commission, (Stanford University Press, 1996).
- 山田鋭夫訳『社会科学をひらく』(藤原書店, 1996年)
- (川勝平太・山内昌之・網野善彦・榊原英資)『「地中海」を読む』(藤原書店, 1999年)
- (ポール・ブローデルほか)『入門・ブローデル』(藤原書店, 2003年)
- (フランソワ・ドスほか)『開かれた歴史学――ブローデルを読む』(藤原書店, 2006年)
編著
- Social Change: the Colonial Situation, (Wiley, 1966).
- World Inequality: Origins and Perspectives on the World System, (Black Rose Books, 1975).
- Labor in the World Social Structure, (Sage, 1983).
- 『叢書世界システム (1) ワールド・エコノミー』(藤原書店, 1991年)
- 『叢書世界システム (2) 長期波動』(藤原書店, 1992年)
- 『叢書世界システム (3) 世界システム論の方法』(藤原書店, 2002年)
共編著
- The University Crisis Reader vol. 1: the Liberal University under Attack, co-edited with Paul Starr, (Random House, 1971).
- The University Crisis Reader vol. 2: Confrontation and Counterattack, co-edited with Paul Starr, (Random House, 1971).
- The Political Economy of Contemporary Africa, co-edited with Peter C. W. Gutkind, (Sage, 1976).
- Processes of the World-System, co-edited with Terence K. Hopkins, (Sage, 1980).
- The African Liberation Reader, co-edited with Aquino de Bragança, (Zed Press, 1982).
- Households and the World-economy, co-edited with Joan Smith and Hans-Dieter Evers, (Sage, 1984).
- New Findings in Long-wave Research, co-edited with Alfred Kleinknecht and Ernest Mandel, (Macmillan Press, 1992).
- Creating and Transforming Households: the Constraints of the World-economy, co-edited with Joan Smith, (Cambridge University Press, 1992).
- How Fast the Wind?: Southern Africa, 1975-2000, co-edited with Sergio Vieira and William G. Martin, (Africa World Press, 1992).
- The Age of Transition: Trajectory of the World-System, 1945-2025, co-edited with Terence K. Hopkins, (Zed Books, 1996).
- 丸山勝訳『転移する時代――世界システムの軌道 1945-2025』(藤原書店, 1999年)
その他
脚注
参考文献
- 山下範久「生い立ちと思想」川北稔編『知の教科書ウォーラーステイン』講談社<講談社選書メチエ>、2001.9、ISBN 4-06-258222-8
- 川北・坂本・宮崎「作品解説」川北稔編『知の教科書ウォーラーステイン』講談社<講談社選書メチエ>、2001.9、ISBN 4-06-258222-8
外部リンク
- Wallerstein's own fortnightly commentaries on current events
- Festschrift for Immanuel Wallerstein - Part I Journal of World-Systems Research, Vol. VI, Number 2, Summer/Fall 2000
- Festschrift for Immanuel Wallerstein - Part II Journal of World-Systems Research, Vol. VI, Number 3, Fall/Winter 2000
- "Summary of Wallerstein on World System Theory" - Modern History Sourcebook
- Introduction to Social Macrodynamics: Compact Macromodels of the World System Growth by Andrey Korotayev, Artemy Malkov, and Daria Khaltourina[2]
- Theorists - Wallerstein [3] [4] - Rogers State University(Frank Elwell)
- Ander Korotayev, Artemy Malkov, Daria Khaltourina, 「社会のマイクロダイナミクス:世界システムの成長とコンパクト・マクロモデル」情報社会学会誌. 2007. Vol.2. No.1
動画
- The United States facing its decline Conference given at the Université de Montréal Fall 2006 (in French)
- Interview on Cultural Globalization (1999)videos, text & graphics
概要
重要概念
- 世界システム
- ひとつの分業体制に組み込まれた広大な領域のこと。国などのいかなる政治的単位をも超える規模を持つということから「世界」システムと呼ばれる。世界システムは世界経済と世界帝国に分類される。なお、ここで言う世界とは地球上すべてを覆う概念ではなく、より小さな地域的単位を含む。イスラム世界、地中海世界、東アジア世界、新世界、旧世界といった概念を思い浮かべると分かりやすい。従って、時代によっては複数の世界システムが同時に地球上に存在することもあり得る。
- 世界経済
- 政治的統合を伴わない世界システムのこと。近代世界システム以外の世界経済は世界帝国へと変化するか、世界帝国への変化を待たず早期に消滅した。
- 世界帝国
- 政治的に統合された世界システムのこと。官僚制度や防衛・鎮圧のために軍事費によりやがて崩壊した。
- 近代世界システム
- いまだ世界帝国への変化も、消滅もしない特異な世界システム。とある世界システムが他の世界システムを包摂し成長することで成立した。16世紀以来拡大を続け、現在、地球上に唯一存在する世界システムとされる。つまり、この世界の世界システム。
ヘゲモニー(覇権)
世界システム論からみたソ連
日本での受容
批判
世界システム論の扱う範囲はあまりに大きい為、個々の分野の専門家から詳細に関して多くの指摘がなされている。世界システム論に対して寄せられた批判の論点には、西洋中心主義 (Eurocentric)、経済以外の要因が軽視されている事などがある。ウォーラステインの共同作業者でもあり批判者でもあるアンドレ・グンダー・フランクは著書『リオリエント』(1998) において、マルクスやブローデルなどと同様にウォーラステインは「世界経済」を近代西洋に限定しているが、近代以前あるいは以降においてすらも、世界経済の基軸はアジアにあったとした。ウォーラステインはフランクが1800年以降の西欧諸国のヘゲモニーについて軽視しすぎていると応答した。
脚注
- ^ イマニュエル・ウォーラステイン (1981, I, p.xvii)川北稔「まえがき-訳者解説-」。訳者注によれば"The New York Review of Book"でのKeith Thomasによる論評が"jumbo history"「巨視的歴史理論」の初出であるとのこと。なお、訳者川北は「超巨視的」としたが、ここでは単に「巨視的」とした。
- ^ イマニュエル・ウォーラステイン 1981, I, p17.
- ^ さらに世界システム自体は時代によっては複数同時に存在しうる。(イマニュエル・ウォーラステイン 1981, I, p21)
- ^ イマニュエル・ウォーラステイン 1981, I, pp17-19.
- ^ イマニュエル・ウォーラステイン 1981, I, p19.
- ^ イマニュエル・ウォーラステイン 1981, I, p67.
- ^ イマニュエル・ウォーラステイン 1981, II, p281.
- ^ イマニュエル・ウォーラステイン 1981, I, p130,163.
- ^ イマニュエル・ウォーラステイン 1981, I, p231.
- ^ イマニュエル・ウォーラステイン 1981, II, p283-284.
- ^ 川北稔 2001, pp. 75-76.
- ^ 19世紀後半から20世紀前半のシティについてはP.J.ケイン、A.G.ホプキンズ『ジェントルマン資本主義の帝国』IおよびII(名古屋大学出版会、1997)を参照
- ^ 川北稔 2001, pp. 53-55.
関連項目
参考文献
- イマニュエル・ウォーラステイン; 川北,稔訳 『近代世界システム : 農業資本主義と「ヨーロッパ世界経済」の成立』 岩波書店〈岩波現代選書, 63,64〉、1981年。ISBN 4000047329。
- 川北稔 『ウォーラーステイン』 講談社〈講談社選書メチエ, 222 . 知の教科書〉、2001年。ISBN 4062582228。
- I.ウォーラステイン『近代世界システム 1600〜1750 -重商主義と「ヨーロッパ世界経済」の凝集-』川北稔訳、名古屋大学出版会、1993
- I.ウォーラステイン『近代世界システム 1730〜1840 -大西洋革命の時代-』川北稔訳、名古屋大学出版会、1997
- I.ウォーラステイン『反システム運動』太田仁樹訳、大村書店、1992
- I.ウォーラステイン『史的システムとしての資本主義』川北稔訳、岩波書店、1997
- 川北稔編『知の教科書 ウォーラステイン』講談社<選書メチエ>、2001
- 田中明彦『現代政治学叢書19 世界システム』東京大学出版会、1989
外部リンク
- Ander Korotayev, Artemy Malkov, Daria Khaltourina, 「社会のマイクロダイナミクス:世界システムの成長とコンパクト・マクロモデル」情報社会学会誌. 2007. Vol.2. No.1
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