精神=ストック
参考:
ソレル 1847~1922
http://nam-students.blogspot.jp/2014/02/vs.html
ソレル 1847~1922
http://nam-students.blogspot.jp/2014/02/vs.html
転載:100分de名著 レヴィ・ストロース“野生の思考”#1 「構造主義の誕生」 書き起こし
http://nam-students.blogspot.jp/2016/12/20161205-httpkakiokoshihatenablogcoment.html
イスラム金融関連
ユヌス Muhammad Yunus グラミン銀行 2006年ノーベル平和賞受賞
マルセル・モース(Marcel Mauss、1872年5月10日 - 1950年2月10日)は、フランスの社会学者、文化人類学者。ロレーヌ出身で、エミール・デュルケームの甥にあたる。デュルケームを踏襲し、「原始的な民族」とされる人々の宗教社会学、知識社会学の研究を行った。
人物情報 | |
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生誕 | 1872年5月10日 フランスロレーヌ地域圏 ヴォージュ県 エピナル |
死没 | 1950年2月10日(77歳没) フランス パリ |
国籍 | フランス |
学問 | |
学派 | フランス社会学派 |
研究分野 | 宗教社会学、 知識社会学、 文化人類学 |
研究機関 | パリ大学民族学研究所 |
人物
エピナル生まれ。ボルドー大学に入学し、デュルケーム、アルフレッド・エスピナス、en:Octave Hamelinの下で哲学を学ぶ。またパリの高等研究実習院でインド宗教史を専攻。1902~30年は同研究院〈非文明民族の宗教史〉講座、1931~39年からはコレージュ・ド・フランス社会学講座を担当する。また、この間、1926~39年にかけてリュシアン・レヴィ=ブリュールが創設したパリ大学民族学研究所で民族誌学を講じた。
研究・思想
代表著作の『贈与論』はポトラッチ、クラなどの交換体系の分析を通じて、宗教,法,道徳,経済の諸領域に還元できない「全体的社会的事実」の概念を打ち出し、クロード・レヴィ=ストロースの構造人類学に大きな影響を与えた。
著作
- 1898, Essai sur la nature et la fonction du sacrifice, (with Henri Hubert)
- 1901, La sociologie: objet et méthode, (with Paul Fauconnet)
- 『国民論 他二篇』 森山工編訳、岩波文庫、2018年
- 1902, De quelques formes primitives de classification, (with Durkheim)
- 『分類の未開形態』 小関藤一郎訳、法政大学出版局、1980年
- 1902, Esquisse d'une théorie générale de la magie, (with Henri Hubert)
- 『エスキモー社会 その季節的変異に関する社会形態学的研究』 宮本卓也訳、未來社、1981年、新装版2010年
- 1924, Essai sur le don
- 1950, Sociologie et anthropologie
関連文献
- モース研究会 『マルセル・モースの世界』 平凡社新書、2011年5月、※日本語文献では初の入門書。
関連項目
外部リンク
『贈与論ーアルカイックな社会における交換の形態と理由』 ( ぞうよろん、Essai sur le don: forme et raison de l'échange dans les sociétés archaïques ) は、フランス出身の社会学者、文化人類学者であるマルセル・モースによる社会学、文化人類学の書籍。
贈与論 Essai sur le don | ||
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著者 | マルセル・モース | |
訳者 | 山田吉彦(1943)、有地亨(2008)、吉田禎吾・江川純一(2009)、森山工(2014) | |
発行日 | 1925年 1943年、2008年、2009年、2014年 | |
ジャンル | 社会学、文化人類学 | |
国 | フランス | |
言語 | フランス語 | |
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モースは本書において、贈与の仕組みと、贈与によって社会制度を活性化させる方法を論じた。モースは社会学者のエミール・デュルケームが1898年に創刊をした『社会学年報』に当初から協力し、デュルケームやアンリ・ユベールと共著論文を発表し、多数の論考を執筆した。また、同誌に関与したジョルジュ・ダヴィは契約の起原の研究を通してモースと関心を共有し、モースは本書でも論じている全体的給付の研究を進める。第1次大戦末期にデュルケームが没したのち、モースは同誌を主導するなどフランス社会学派の中核的存在となった。一方で、人類学者のブロニスワフ・マリノフスキは著書『西太平洋の遠洋航海者』で贈与にもとづく経済制度を提示し、当時の西欧で考えられていた原始経済観を批判した[1]。こうした状況の中で本書は執筆された。
目次
- 序論 贈与について、とりわけ、贈り物に対してお返しをする義務について
- 第1章 贈り物を交換すること、および、贈り物に対してお返しをする義務
- 全体的給付、男の財、女の財
- 与えられた物の霊
- その他の主題 / 備考
- 第2章 この体型の広がり。気前の良さ、名誉、貨幣
- 寛大さに関する諸規則
- 贈り物の交換の原理と理由と強度
- アメリカ北西部
- 第3章 こうした諸原理の古代法および古代経済における残存
- 人の法と物の法
- 古典ヒンドゥー法
- ゲルマン法
- 第4章 結論
- 倫理に関する結論
- 経済社会学ならびに政治経済学上の結論
- 一般社会学ならびに倫理上の結論
内容
全体的社会的現象
モースは本書で「全体的社会的現象」をテーマとした。全体的社会的現象とは、社会集団の宗教的、法的、倫理的、審美的、政治的、経済的な側面が一気に表れる現象で、いずれか1つには還元できない[2]。そうした全体的社会的現象として、モースは贈与と交換による全体的給付の体系を取り上げた。本書の結論にあるように、モースは全体的社会的現象が社会制度を活性化させると考えた。
贈与と交換の主な事例について、モースは民族誌学の資料からはポリネシア、メラネシア、アメリカ北西部を選び、古代法からはローマ法、ヒンドゥー法、ゲルマン法を選んだ。中でもアメリカ北西部の儀式であるポトラッチに注目し、競覇型の全体的給付と呼んでいる[3]。マリノフスキが研究したトロブリアンド諸島の交易であるクラのほかに、ラドクリフ=ブラウンのアンダマン諸島研究、フランツ・ボアズのアメリカ先住民研究などを援用した。
贈与の義務
贈与と交換について、いかなる規則によって贈り物を受け取るとお返しをする義務が生じるのか、また、贈り物にはいかなる力があって受け手にお返しをするように仕向けるのかを特に論じた[4]。
物を与え、返すのは、互いに敬意を与え合うためである。人は自分自身や自分の財を他者に負っており、何かを与えるのは自分自身を与えることにつながる[5]。贈与は双方的なつながりを作って他者を受け入れることにつながり、集団間の戦いを防ぐ。また、集団間の贈与で獲得した財は構成員に再配分される。このため、贈り物は与えなくてはならず、受け取らなくてはならず、しかも受け取ると危険なものになり得る。モースは贈与を構成する3つの義務として、与える義務、受け取る義務、返礼の義務をあげた[6]。
- 与える義務:与えるのを拒んだり、招待をしないのは、戦いを宣するに等しい。ヨーロッパの伝承にもあるように、招待を忘れると致命的な結果となる。
- 受け取る義務:贈り物を受け取らなかったり、結婚によって連盟関係を取り結ばない、といったことはできない。受け取りを拒むのは、返礼を恐れているのを表明することにもつながる。
- 返礼の義務:この義務を果たさないと、権威や社会的な地位を失う。権威や社会的地位が財や富に直結する社会では、返礼が激しい競争をもたらす場合がある。
贈与と霊的な力
モースは、贈り物は人に対してでありつつも、神々や霊、自然の存在を念頭になされている点を指摘した[7]。この世にある物の真の所有者は神々や霊であり、したがって交換が必要な相手、交換が危険な相手、そして交換が容易な相手も彼らだという思想にもとづく。モースはこの点を契約=供儀につなげて考察し、アラビア語のサダカ、ヘブライ語のツェダカ( zed aqua )などの施しの体系化に通じるとした。
贈り物には霊的な力が宿っており、贈り物はもとの所有者や聖所に戻りたがるという性質も持つ。贈り物と霊的な力の関係について、メラネシアのマナ、ポリネシアのマオリ族のハウ、ローマ法のレス( res )、サンスクリットのラー( rah )やラティー( rath )の語を用いて説明している。
現代との関係
『贈与論』以外の論文
評価と影響
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クロード・レヴィ=ストロースの構造人類学をはじめとして、社会学、人類学、民族学などの人文科学に広範な影響を与えた[13]。ジョルジュ・バタイユ、ジャック・デリダらの思想家にも影響を及ぼしている。
書誌情報
- 原書
- Essai sur le don: forme et raison de l'échange dans les sociétés archaïques (1925)
- 主な日本語訳
出典・脚注
参考文献
関連項目
ー
返信削除「…マルセル・モースは、信用取引の起源に贈与を見出している。
《贈与は必然的に信用の観念を生じさせる。発展は経済上の規則を
物々交換から現実売買へ、現実売買から信用取引へ移行せしめたの
ではない。贈られ、一定の期限の後に返される贈与システムのうえに、
一方では、以前には別々になっていた二時期を相互に接近させ、単純化
することによって、物々交換が築かれ、他方では、売買現実売買と信用
取引と貸借が築かれた。なぜならば、われわれがいま描写している段階を
越えたいかなる法(とくに、バビロニア法)も、われわれの周囲に残存する
すべての古代社会が知っている信用を知らなかったということを証明する
なにものも存しないからである(18)》。
(18)モース『社会学と人類学』1、二九〇頁。[贈与論]
信用は、取引の当事者の間の共同性の観念に支えられる。債務を負う者は
どうしても返済しなければならないのだ。…
貨幣と信用によって、商品交換は空間と時間を超えておこなわれるように
なる。あとで述べるが、商品交換が空間的に拡張されたとき、商人資本の
活動が可能になる。異なる空間の間での中継的交換が剰余価値をもたらす
からである。ここで大事なのは、貨幣および信用がもたらす時間性の問題で
ある。貨幣および信用によって、現存する他者のみならず、将来の他者との
交換が可能になるのだ。少なくとも、そのように思念される。そして、この
ことは、商人資本とは違ったタイプの資本を派生させる。」
(柄谷行人『世界史の構造』)