月曜日, 10月 25, 2010

C.G. Jung - death is not the end

BBCのジョン・フリーマン「貴方は今、神を信じますか?」

ユング「今ですか?・・・お答えしにくいですね、私は知っているのです。私には信じる必要がありません。私は知っているのですから」



Transcript of film interview between John Freeman and Jung on subject of the psyche not being confined by space and time [BBC Face to Face Interview, 1959 (Matter of Heart DVD)]

参考:
http://www.jungiananalyticpraxis.com/Jung%20dream%20collective%20unconscious.htm

多分柄谷行人の読者などはユングを軽視するだろうが、例えば「死の欲動」などのコンセプトはシュピールライン経由でユングにプライオリティがある(シュピールラインによればユングのそれはフロイトのものと違い、抑圧ではなく抑制だそうだが)。以下は死の二年前(1959年)のBBCによるTVインタビュー。生い立ち、フロイト、死について語っている。この放送が好評で『人間と象徴』が編集されたという。

ちなみに冒頭の言葉はユングが自宅のドアの石盤に刻んだエラスムスの言葉「呼び出そうと呼び出すまいと、神は臨在す」(もとはギリシア時代の信託)を連想させる(『ユングの世界』の付録のブラックによるBBCインタビュー記事より)。

以下、youtubeで公開されている動画(Matter of HeartとしてDVD化されている)とネット上で公開されているテクスト。
ちなみにユングのインタビュー動画は全部で三つあり、それぞれ1955年BBCのBlackによるもの(『ユングの世界』に一部邦訳有り、一部youtubeで視聴可能)、1957年Evansによるもの(『無意識の探求』にすべてではないが大部分の邦訳有り、全音声itunesで販売有り、一部youtubeで視聴可能)、1959年BBCのFreeman(邦訳未確認、DVD販売あり、youtebeで全視聴可、冒頭で引用し次に紹介するもの)によるものの三つがある。すべて英文テキストはhttp://www.scribd.com/doc/33631495/C-G-Jung-Speaking-Interviews-and-Encountersで読める。以下、年代をさかのぼって動画を紹介する。

http://www.scribd.com/doc/33631495/C-G-Jung-Speaking-Interviews-and-Encounters
C.G. Jung Speaking: Interviews and Encounters



















最後の部分のみ抜粋。テクスト。


Interviewer: I know that you say death is psychologically just as important as birth and like it is an integral part of life, but surely, it can't be like birth if it is an end. Can it?

Jung: Yes. If it is an end and there we are not quite certain about this end because we know that there are these pecular faculties of the psyche- that it isn't entirely confined to space and time. You can have dreams or visions of the future. You can see around corners and such things. Only igonrants deny these facst (ja - german). Its quite evident that they do exist and have existed always. Now these facts show that the psyche- in part, at least- is not dependent on these confinements. And then what? When the psyche is not under that obligation to....live in time and space alone- and obviously, it doesn't. Then, in .. to that extent, they psyche is not submitted to those laws and that means a..a practical continuation of life of a sort of psychical existence beyond time and space.

Interviewer: Do you- yourself believe that death is probably the end or do you believe....

Jung: Well, I can't say - wissen Sie ? (german translated wold be: you see ?)- the word "believe" is a difficult thing for me. I don't "believe"; I must have a reason for a certain hypothesis. Either I know a thing; and when I KNOW it, I don't need to believe it. If I- I don't allow myself, for instance, to believe a thing just for sake of believing it. I can't believe it! But when there are sufficient reasons for a certain hypothesis, I shall accept these reasons naturally. And to say "We have to recon with the possibility of [so and so]." You know?

Interviewer: Well...now you told us that we should regard death as being a goal and to stray away from it is to evade life and life's purpose. What advice would you give to people in their later life to enable them to do this when most of them must, in fact, believe that death is the end of everything?

Jung: Well...you see I have treated many old people and its quite interesting to watch what their conscious doing with the fact that it is apparantly threatened with the complete end. It disregards it. Life behaves as if it were going on and so I think it is better for old people to live on...to look forward to the next day; as if he had to spend centuries and then he lives happily, but when he is afraid and he doesn't looks forward; he looks back. He petrifies. He gets stiff and he dies before his time, but when hes living on, looking forward to the great adventture that is ahead, then he lives. And that is about what your concious is intending to do. Of course it is quite obvious that we're all going to die and this is the sad finale of everything, but never-the-less, there is something in us that doesn't believe it, apparently, but this is merely a fact, a psychological fact. Doesn't mean to me that it proves something. It is simply so. For instance, I may not know why we need salt, but we prefer to eat salt too because we feel better. And so when you think in a certain way, you may feel considerably better. And I think if you think along the lines of nature, then you think properly.

参考:
http://www.dangerousminds.net/comments/face_to_face_with_carl_jung/



追記:
以下は1957年のEvansによるインタビュー
(テクストは上記と同じhttp://www.scribd.com/doc/33631495/C-G-Jung-Speaking-Interviews-and-Encountersで収録、公開されている。)








元型が力であることはおわかりになったと思います。元型は自律性をもち、突然われわれを襲って捕えるのです。それは発作のようなものなのです。たとえば、一目惚れというようなことがあります、これがまさにその例なのです。われわれは、気づかぬままに、自分自身の中に女性についての一定のイメージすなわち、こんな女性というイメージを持っているのです。こんな女性、あるいは、少なくともわれわれの好むタイプにきわめて似た女性を見たときに、たちまちわれわれは発作に襲われ、捕われてしまうのです。そして後になって、それがとんでもない誤ちであったと気づくこともあるのです。ところで、ある男性が、自分の選んだ女性が、実は、選んだ通りの女性でなく、自分が捕われていたのだと、はっきり理解し、分別することができたとしましょう。彼は彼女がまったく良いところがなく、とんでもない食わせ者であることを知り、それをわたしに告げるでしょう。「どうぞ、先生。どうすればあの女を追い出せるでしょうか」。こう言いながら、やはり彼はそうすろことができません。彼は彼女の指の中に握られた粘土のようなものです。これが元型なのです。彼はそれをすべて自分の心のなせる業だと考えているけれども、そのようなことが起るのは、アニマ(anima)の元型のためなのです。
(略)
さて、少し複雑な問題にはいりますが、アニマは元型であり、男性がわずかではあるが女性あるいは女性的な遺伝的要素を持っている、ということをあらわすものです。アニマは、男性の中で現れなかったり、隠れたりしているものです。しかし常に存在しており、男性の中の女性らしさとして作用しているのです。
すでに十六世紀において、人文学者たちが、男性はアニマを持っており、それぞれの男性は自分の内に女性性を持っている、ということに気づいております。彼らはすでにその頃そのことについて述べており、したがってアニマは現代の発見ではないのです。(略)

『無意識の探求』66〜69頁






世界は一本の細い糸に繋がっています。(略)われわれ自身が非常に危険なのです。心が非常に危険なのです。もし何か心が狂うとすれば、どうなるでしょうか。だからこそ、今日、心がどんな力をもっているのか、また、心についていろいろのことを知るということがどれ程重要であるのかが、われわれに明らかにされてきています。しかし、われわれは心については何も知っていません。それどころか正常人の心理的な過程が、とにかく重要であるという考えなどには誰も耳を傾けようとはしません。「ああ、自分は頭に描いたものをまさにその通りもっており、周囲にあるものがすべてであり、与えられたものに満足するように教えられ、その考えを信じ、とくに、快的な家に住み、十分な食事をとっているならば、そのときには何も理想はいらない」と考える人もいます。しかしこれは大きな誤りなのです。なぜなら、人間は、まさに産み出されてくるものであり、しかも、白紙の状態で生まれてくるのではなくて、ひとつの現実をもったものとして生まれてくるものだからです。

『無意識の探求』90頁





ご存知のように、人間は、統計的真理の世界で生きているときには、完全ではありません。人間は、人間の全歴史を含んだ、人間の<全体性>が関係している世界に生きなければなりません。それは単に統計的なものではないのです。
(略)
あらゆることが統計化されるときには、すべての個人的な特性は一掃されてしまうのです。もちろん、これはまったく適切ではありません。事実、人間が統計化されるということは生命のないものとなります。というのは、もしあなたがたが人間の神話、すなわち、人間の歴史的な全系列を一掃してしまうならば、人間的な平均値となり、ひとつの数字となってしまうのです。すなわち、人間は何でもないことになります。人は特有の価値、すなわち、人間自身の独持の価値ある経験を奪われてしまうのです。
(略)
われわれは、歴史を無視した、白紙の状態で今日生まれてくるものと考えているのです。しかし、人間は常に神話の中で生活してきました。人が自分の中に歴史を持たずに生まれてくると考えるのは、病気なのです。それは絶対に異常です。なぜならば、人間は平凡に生まれてくるのではないのです。人間はある特定の歴史的意味をもった歴史的設定の中に生まれてくるのです。したがって、人間は歴史的な流れと関係をもつことができたときにのみ完全になるのです。もし、過去からの関係をもたずに成長しているならば、目や耳を持たずに生まれながら、しかも外界を正確に知覚しようとするようなものなのです。自然科学は「過去と関係を持つ必要はない。過去を一掃することができる」と主張するかもしれません。しかし、それは人間を骨抜きにすることなのです。
(略)

『無意識の探求』152-153頁

http://htmlimg2.scribdassets.com/7oqdynddkwlj44s/images/187-b7b70738cd/000.jpg



そこでわたしはこの遠く離れた過去を現在のこの瞬間に結びつけるような媒体を、常に探し続けました。
驚いたことに、わたしは、それが化学の歴史として理解されている錬金術(Alchemy)であることに気づきました。
(略)
その作業によって、普遍的無意識との関係のもとでの、われわれの無意識の発達、ならびにわれわれの意識が経験してきた変化、さらにどうして人間の無意識が神話のイメージと関わりがあるのか、などが明らかにされたからであります。
(略)
それは現在われわれが物事を理解する上での方法の基礎なのです。したがって、それは意識閾下にある本来の秩序のようなものなのです。われわれが元型をより広い観点からながめたときこそ、元型の展開や元型の活動の様相は、そのようにすばらしく見えることになります。おそらく今日以降、聴衆者諸君は過去の中へと振り返ってながめてみれば、いかにして現在の瞬間が過去から展開してきたかに気づくことでしょう。
(略)
錬金術の考え方がどのように中世の意識に働きかけたかの例を通して、まさにそれと同じように、無意識がわれわれ自身にはたらきかけているのがおわかりでしょう。

『無意識の探求』62頁〜64頁
"I was always looking for some meaning between, something that linked that remote past w/ the present moment. I found to my amazement it is alchemy. It is the basis of our modern way of conceiving dreams. And therefore it is, as it were, right underneath the threshold of consciousness. This is a wonderful picture of how the development of archetypes - that means, the movement of archetypes looks - when you look upon them as a form evolved. Maybe from today you look back into the past and you see how the present moment has evolved out of the past. And we can construct or even predict our... the cultures of our days when we know what it has been yesterday."



Jung on elementary psychology: a discussion between C. G. Jung and ... - Google ブック検索結果
Richard I. Evans, Carl Gustav Jung - 1979 - Psychology - 241 ページ
Text pages 70—74 dr. evans: In other words, in a sense dr. junc: Or, for instance, you see— taking a more concise archetype like the archetype of the ford; the ford through a river. Now that is a whole situation. You have to cross a .... For instance, you get into a situation, you don't know what the situation is, you suddenly are seized by an emotion or by a spell, ... it can suddenly seize you— it is like a seizure. So, for instance, falling in love at first sight,
books.google.co.jp/books?isbn=0710003439...


4 one-hour discussions between Jung and Evans, Aug. 5-8, 1957.
以下、
http://nirc.nanzan-u.ac.jp/Hito/watanabem/links/jungbib-b.htm
より
 『無意識の探求――ユングとの対話』 リチャード・I・エヴァンズ著 河合隼雄解 説 浪花博・岡田康伸訳 誠信書房 1978
 「C・G・ユング」『現代心理学入門』(下) リチャード・I・エヴァンス著 犬 田充訳 講談社学術文庫 1983 (『無意識の探求』に収録されたインタビュ ーの抜粋)
*"The Houston Films." in C.G. Jung Speaking

Evansによるインタビューはitunesでも音源(前後編別売り)が販売されている。
http://itunes.apple.com/us/album/carl-jung-in-his-own-words/id354001491

Blackによるインタビュー(1955)は以下のDVDの素材に使われている(川島書店『ユングの世界』に部分的邦訳有り)。ただし大部分がEvansのインタビュー(1957)。
The World Within: C.G. Jung in His Own Words
http://www.lib.berkeley.edu/MRC/PsychVid.html#historic











ちなみに、フロイトのBBC放送(音声のみ)は以下。
http://www.pakistan.tv/videos-sigmund-freuds-voice-bbc-broadcast-recording-[5jJ6Lhk1pNg].cfm

2 Comments:

Blogger yoji said...

http://bobdylan.com/songs/death-not-end/

Death Is Not The End
Written by: Bob Dylan


When you’re sad and when you’re lonely
And you haven’t got a friend
Just remember that death is not the end

And all that you’ve held sacred
Falls down and does not mend
Just remember that death is not the end

Not the end, not the end
Just remember that death is not the end

When you’re standing at the crossroads
That you cannot comprehend
Just remember that death is not the end

And all your dreams have vanished
And you don’t know what’s up the bend
Just remember that death is not the end

Not the end, not the end

Just remember that death is not the end

When the storm clouds gather ’round you
And heavy rains descend
Just remember that death is not the end

And there’s no one there to comfort you
With a helpin’ hand to lend
Just remember that death is not the end

Not the end, not the end
Just remember that death is not the end

Oh, the tree of life is growing
Where the spirit never dies
And the bright light of salvation shines
In dark and empty skies

When the cities are on fire
With the burning flesh of men
Just remember that death is not the end

And you search in vain to find
Just one law-abiding citizen
Just remember that death is not the end

Not the end, not the end
Just remember that death is not the end

Copyright © 1988 by Special Rider Music


9:25 午後  
Blogger yoji said...

0:04 / 4:30
Nick Cave & the Bad Seeds - Death Is Not the End (Bob Dylan)


https://www.youtube.com/watch?v=VJwE86Prckw

9:31 午後  

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