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無限級数の活用
「無限級数」とは、直感的には「無限個のものを限りなく加える」ことをいう。
このようなアイデアは古くから既にあり、B.C.3世紀頃、アルキメデスが、放物線と直線
で囲まれた部分の面積を、無限個の三角形の面積の和として求めたという話はよく知られ
ている。
しかし、近代に至るまで、その「無限」というものは、数学者達によって敬遠されていた。
「無限」というものを、数学の概念として初めてとらえたのは、カントール(1845~1918)で
ある。
デデキントやカントールらの研究によって、実数の理論ができ、無限級数を含めた微分
積分学が確固たるものになったのは、19世紀も後半になってからのことである。
このページでは、解析学の基礎ともいえる無限級数についていろいろ調べようと思う。
数列 { an } に対して、第 n 部分和 Sn=a1+a2+a3+・・・+an とおく。
数列 { Sn } が収束するとき、無限級数 | は収束するといい、 |
=S ならば、 | =S | ||
である。 Sを、無限級数の和という。 |
級数が収束しないとき、発散するという。
例 無限級数
の収束・発散を調べ、収束するときは和を求めよ。
第 n 部分和 Sn=1+1/2+1/4+・・・+1/2n-1=2(1-(1/2)n) なので、
数列 { Sn } は収束し、n → ∞ のとき、Sn → 2 である。
したがって、無限級数は収束し、その和は、2 である。
(注意) Sn+1/2n-1 を順次計算して、Sn+1/2n-1=2 を示してもよい。
上記のことは、次のように図式化すれば、極限の計算を知らなくても納得できるだろう。
上記の無限級数は、無限等比級数(幾何級数)といわれる。
定理 初項 a、公比 r の無限等比級数 a+ar+ar2+・・・+arn-1+・・・ は、
a=0 または -1<r<1 のとき、収束し、
その和は、a/(1-r) で与えられる。
例 無限級数(調和級数)
は発散する。
この証明は種々考えられるが、私個人的には次の証明が最も簡明だと思う。
左図において、第 n 部分和
Sn=1+1/2+1/3+・・・+1/n
を、柱状の長方形の面積の和と考える。
明らかに、
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