土曜日, 8月 18, 2018

ボワイエ






畠山ボワイエ関連論考

ボワイエ=ロベール(山田鋭夫訳)(1990a)『新版レギュラシオン理論―危機に挑む経済学―』藤原書店(La thorie de la regulation: une analyse critique, Collection Agalma, La Dcouverte, 1986, Paris)。
Boyer, Robert(1988a)“Formalizing Growth Regimes”, In Dosi, G., Ch. Freeman, R. Nelson, G. Silberberg and L. Soete eds.(1988)Technical Change and Economic Theory: The Global Process of Development, Pinter, London.


第3項(d)は「カルドア・フェルドーン効果」(カルドア 2003),つまり総供給=総需要の増加によって生み出される生産性の上昇効果


カルドア=ニコラス(笹原昭五・高木邦彦訳)(2003)『経済成長と分配理論―理論経済学続論(オンデマンド版)―』(ポスト・ケインジアン叢書12)日本経済評論社(FurtherEssayson Economic Theory, Collected Economic Essays, Vol. 5, Gerald Duckworth, 1978, London)。

上記各式についての仮定は以下のごとくである(図1)8)。69まず,生産性は次の3つの要因によって決定される。すなわち,(1)式の右辺第2項・b・は資本深化による効果を,第3項・d・は「カルドア・フェルドーン効果」(カルドア 2003),つまり総供給=総需要の増加によって生み出される生産性の上昇効果を,第1項・a・は研究開発支出,特許数,労働節約的技術革新等で計測されるイノベーションその他の効果を表す。次いで,投資は次の3つの要因によって決定される。すなわち,(2)式の右辺第2項・v・はサミュエルソン型の「加速度係数」(消費の増加が誘発する投資増加分による効果)を,第3項・u・は利潤シェアの効果(古典派的投資決定効果)であり,利潤シェアの変化率を「賃金ギャップ」(生産性変化率と実質賃金変化率の差)(Boyer1988a:611)として表す。そして,第1項・f・は技術革新の利用可能性と関連したシュンペーター効果を含むその他のすべての効果を表す。次いで,消費の変化率は雇用と実質賃金の変化率の関数であるが,2つの要因によって決定される。すなわち,(3)式の右辺第1項・c・は労働者の限界消費性向を,第2項・g・は労働者の基礎消費部分の成長率を表す。最後に,実質賃金は次の3つの要因によって決定される。すなわち,(4)式の右辺第2項・k・は生産性上昇率に対する実質賃金弾力性,つまりインデクセーション率による効果を,第3項・l・は雇用変化率に対する実質賃金弾力性,つまり雇用増減による効果を,第1項・h・は生産性上昇率および雇用変化率以外による実質賃金弾力性への効果を表す。以上が4本の方程式の仮定である。モデルを閉じるために必要な2本の恒等式の仮定は以下である。第1に,総需要は消費および投資からなり,政府支出や純輸出は捨象される。なお,・は前期の総需要に占める消費の割合であり,したがって1・・は前期の総需要に占める投資の割合である。第2に, 雇用変化率は,産出量成長率と生産性上昇率との差として定義する。以上のボワイエ・モデルの雇用変化率に対する実質賃金弾力性が非負・l・0・という仮定はフォード主義的成長体制の場合の仮定であり,名目賃金が雇用変化率に対して伸縮的に決定され,インフレーション率が名目賃金変化率を上回る場合には負・l・0・となる場合もあり得る(この問題は第Ⅳ節で検討する)。次項(2.1.2項)では上記モデルにおける生産性曲線および需要曲線の