火曜日, 10月 08, 2019

貨幣の額面価値

piece of 8 スペインドル硬貨=レアルはアメリカでは分割されて使われることもあったようだ
スペインドルコインの8分割をbitと呼んだ
ただし本来bitは国王が硬貨価値変更をすることが楽にするための単位呼称だったのではないか
そこに信用貨幣論と商品貨幣論の歴史的混乱がある
金本位制(砂金の重さが単位)、銀本位制も背景にある

piece of 8 はパイレーツオブカリビアン  ワールドエンドでも参照された
以下のディズニー作品1967は基本的に商品貨幣論に基づいている

齊藤 誠 (@makotosaito0724)
金銀含有量が不確実だったため、内在価値を決めることができず、公的な発行者が対銀相場で額面を定め、発行者が保有者に対してその額面で回収に応じていたらしい。すると、エレクトラム貨は鋳造貨幣ではなく、信用貨幣ということになる。ただ、その後の銀貨は鋳造貨幣の性格を持った。



ISHIZUKA Ryouji (@ISHIZUKA_R)
エレクトラム貨に額面はあったのでしょうか。
(ウィキの写真参照)
額面がない貨幣についてはレイが書いていたかと思います。
twitter.com/makotosaito072…



齊藤 誠 (@makotosaito0724)
@ISHIZUKA_R ありました。分数表示だったようです。当初は、大口のもの(硬貨一枚で家畜が何頭も買えてしまうような単位)だけといわれていたのですが、その後の発掘で小口のものもあるとのことです。刻印と額面が計数通貨としての硬貨の必須条件というのが定義のようです。


ISHIZUKA Ryouji (@ISHIZUKA_R)
@makotosaito0724 レイは具体的にどの貨幣とは書いていませんでした。「昔の硬貨を見てみよう。それには神話上の人物や国王の肖像が刻まれているが、額面金額nominal valueは示されていなかった。」『現代貨幣理論入門』訳320ページ。画像だけでは分からないのでレイの誤解か。彼は来日しますからだれか聞いてほしい。


齊藤 誠 (@makotosaito0724)
@ISHIZUKA_R 額面が硬貨そのものに印字されていたかどうかは別問題だと思います。形状や重さごとに通貨単位が決められて、いちいち秤で計るのではなく、一枚、二枚と数えることが貨幣単位の計算となる計数通貨だったと思います。日本の銅銭も、印字はなかったですが、一文でした。



ISHIZUKA Ryouji (@ISHIZUKA_R)
昔の貨幣に額面価値が刻印されていなかった、ということについてはレイと@makotosaito0724さんも一致している。ただし、その解釈は微妙にことなる。レイは額面が印字されていないので、国王はその徴税に際してその枚数を恣意的に増やすことができるという。


ISHIZUKA Ryouji (@ISHIZUKA_R)
@makotosaito0724 つまり貨幣価値を引き下げてしまうことになる。これをcrying down (Primer,p.170)とよぶようだが確定した訳はないのだろうか。邦訳の「こき下ろす」は不適訳か。レイはそのことをもって国家が貨幣を制定する根拠とみなすのではないか。


"Crying down the coinage(reducing the value of a coin s measured in the unit of account - recall that nominal value were not usually stamped on coins until recently)was a common method of increasing tax", E.Tymoigne &R. Wray,Handbook of Alternative Monetary Economics,p.10.


マーティン21世紀の貨幣論#5より
The coin had been “cried down”; or equivalently, one could say that the standard had been “cried up.” 
額面価値が 「切り下げ 」られたということは 、標準が 「切り上げ 」られたということでもある 。


21世紀の貨幣論#5
マネ ーを表象する最も代表的な技術は 、硬貨だった 。高額の硬貨には銀が選ばれ 、少額の硬貨には 、銅などの金より価値の低い金属や合金が使われた 。しかし 、今日の硬貨とちがって 、中世の硬貨には額面は刻印されていない 。表にも裏にも 、数字は記されず 、貨幣を発行する主権者である君主の顔や腕など 、発行権者を示す図柄だけが刻まれていた 。その後 、硬貨を鋳造する政治的権限を持つ君主が硬貨の価値を布告した 。
 この制度は君主に大きな利点があった 。硬貨の額面価値を引き下げるだけで 、鋳造貨幣のすべての保有者に対して一回限りの事実上の富裕税を課すことができる 。君主が告げるだけで 、それまでは 1シリングとして通用していた硬貨が 、 6ペンスになってしまうのだ 。額面価値が 「切り下げ 」られたということは 、標準が 「切り上げ 」られたということでもある 。

The dominant technology for representing money was coinage, with silver the metal of choice for higher-value coins, and bronze or other less valuable metals and alloys for smaller denominations. But unlike today’s coins, medieval types were typically struck without any written indication of their nominal value: there was no number stamped on either face—only the face or arms of the issuing sovereign or some other identifying design. The value of the coins was then fixed by edicts published by the sovereign on whose political authority they were minted. 


The value of the coins was then fixed by edicts published by the sovereign on whose political authority they were minted.
 This system had a great advantage for the sovereign. Simply by reducing the tariffed, nominal value of a coin, the sovereign could effectively impose a one-off wealth tax on all holders of coined money. A certain coin, the sovereign would announce, is no longer good for one shilling, but only for sixpence. The coin had been “cried down”; or equivalently, one could say that the standard had been “cried up.” An offer might then be made to recoin the cried-down issue, upon presentation at the Mint, into a new type. The sovereign could then in addition levy a charge on the re-minting operation.


額面が引き下げられた硬貨を造幣局に持ち込んで 、新しい貨幣に改鋳するように言い渡されることもあり 、君主は改鋳分からも鋳造益を搾り取ることができた 。悪鋳当然ながら 、このやり方は君主の硬貨を使う国民には不評だった 。しかし 、幸運なこともあった 。硬貨には 、部分的ながらも 、自然防御機構が埋め込まれていた 。銀などで鋳造された高額硬貨には 、君主が定める額面価値に関係なく 、金属としての内在的な価値があった 。金属の含有量に見合った公開市場価格で金や宝石の細工師に売ることができたし 、民間の鋳造所に売ることも可能だった 。言ってみれば 、硬貨には 、君主の支払約束に対する持ち運び可能な担保が含まれているということだ 。そうだとすると 、硬貨を発行する君主が定められる額面価値には下限ができる 。硬貨の額面価値を引き下げす




金属主義は国家への自衛か?