日曜日, 2月 25, 2018

谷山豊

Jacobi多様体と数体

JaCObi多様体と数体D§1.緒 言虚2次体上の類体はすべて,虚数乗法を持つ楕円函数のモズルと,周期の等分値とにより生成され得るというのが,古典的な虚数乗法論の主要な結果である。所で,この理論の,より高次の体への一般化を試みたものとしては,これまで, Hёcke[2],[3]の理論があるにすぎない。ここでは,此等の理論を特別の場合として含む,下般的な虚数乗法論を作ることを目標とする。一方,代数体上定義された代数曲線の←函数に対し,HasSeは,それが全複素平面で有理型で,普通の型の函数等式を満すであろうと予想した。この予想は, α“π+妙π+ε=0という形の方程式で定義される曲線に対して0まWeil[8]により,虚数乗法を持つ楕円曲線に対してはDeuring[1]により,それぞれ肯定的に解決された。ここでは,上の理論の応用として虚数乗法を十分多く持つ曲線及びAbel多様体に対し, この予想を証明する。§2.準 備"Aをσ次元Abel多様体,班(4)を4のendomorphismの環,10(4)を,γ(4)の係数環の,有理数体への拡大により得られるalgebraとする。 班(A)の元は, Aの1次第1種微分の空間の1次変換を引き起すから, 此の空間の基底ωl,…・,物を用いて,班(A)を逆表現することが出来る。S(μ),μC)(■)を,此の逆表現の行列とする.今以上すべてのものが,有限次代数体んの上で定義されているとする。Tをたの素イデアルとし,此等のものをmOd.鶉でreduceして得られるものを,対応する記号の上に~をつけて表わすことにする。補助定理1.ほとんどすべての(つまり有限個を除く)恥に対し, AはAbel多様体で,μ→μは,班(■)から2(4/1)の中への同型写像であり,又う1,…。,あσは4の1次第1種微分の空間の基底で,それによるγ(a)の逆表現をS(μ)と書けば,S(μ)=S(μ).この補助定理の中で除かれた素因子Tを,スの例外素因子という。以後mOd.弔で考えることは,例外でない撃に限ることにし,一々断らない。`ほとんどすべての'という形容詞も省略することがある。仮定1.以後,2(4)が,2σ次の代数体Kのorderと同型な環Rを含むと仮定する。Kを含む最小の正規体をKと書く。Rのすべての元に対し, S(μ)は, ん。KIこおいて,同時に対角形に変換される。そのとき,Xの=(1し)にと書ける.σtはKから複素数体の中への同型写像で,特にσlは恒等写像とする。以後μとμlを同一視する。補助定理2.σOを,Kの複素共範同型とすれば, σl,・…,σク,σOσl,…・,σOσσ lま, K から複素数体の中への, 2g個の同型写像すべてである。それ故とくに,4が単純ならば,Kは,総実なるσ次の体るの,総虚な2次の拡大である。系.たがKを含むとき,σをのλへの接続の一つを再びσをで表すことにする.そのときたの数βに対して, Nκ/K(βσrl.…βσ『1)のすべての共輌は,その絶対値が(Nの1/2である。ここでNは絶対ノルムを表わす。

§3.Hasseの←函数まず,RがKのprincipal orderでぁるとする。 Rのイデアルαに対し, αα=0,Vα〔αを満す4の点αを,4のα分点という, αが,αより本当に大きいどんなイデアル6に対してもう分点でないとき,本来のα分,点という,α分点はN(α)個, 本来のα分点は′(a)個ある,ただしψ(a)はαのEuler函数。それ故,αを本来のα分点とするとき,グを,λ(α)/んの同型写像とすれ|ゴ, ασ=μσα なるμσ(Rがある.ルを含むmOd.oでの剰余類をくσ〉と書けば,〈σ)|まσにょリー意に定まり, αと素なdll余類である.んはすべてのμの定義体だから, αστ=(μσα)τ=μσμτα。それ故,σ→〈σ〉は,ん(α)/んのGalois群から,mOd.αの素剰余類群の中への同型写像を与える。特に,た(α)/ん|まAbel拡大である。さて,″をスのん上のgeneric point(以下G.P.と略す)とする.零をたの素因子とする.そのとき, ″→″珊はオのendomorphismであるが,仮定1より,それは,Rの中に逆像π"を有する。(″N撃は,夕の座標のヽ印乗を座標に持つ点を表わす。)又,例外素因子と素なんのイデアルお=撃1・…撃γに対し1ぉ=π澪1…・πttγと定義する.仮定2.λ⊃て(§3のみ)。補助定理3。わ(π魅)=Nた/K(おσrl.…魅σ,1),今,上に考えたイデアル0が,Kの判別式の2倍と素であるとする.適当な自然数Fを取れば,た(α)は, た上のIFを法とするStrahl類体に含まれる。ここでFがαで割れるとしてよい。σ(撃)をん(α)/んでの,零のFrobenius 自己同型とすれば, ″■)=α騨=元摯″だから,π"は〈σ(弔)〉に属する.故に, σ(8)をん(α)/んでの, おのArtin記号とすれば‐πぉC〈σ(魅)〉.特に, たの数βに対し,β=l mod.Fならば,πくβ)=l mOd.α。それ故補助定理2の系と補助定理3とより,αについての仮定を使えば,此のようなβに対しては,π〈β)〓Mκ/K(βσ11・…βσア1)。それ故,χ(8)=π魅/lπぉ10またの量指標である。さて,4の,Hasseのζ―函数は例外でない恥に対する■の合同ζ―函数の無限積として定義される。所が後者は,4の,λ上ノ次の点の個数Ⅳレから計算される°,所が″′は,4の,部-1分点の個数,故に″′=N(π孫-1).以上をまとめて,定理1.仮定1,2の下に,スのん上のζ―函数ζИ(s)は,次のように表わせる.00〓のた1.1じル←~誉″F好嘲→mμここでχは上に定義された量指標,ルはKの2σ個の同型写像で,積は,一定のμに対しては, ρtの, μ項の組合せすべてにわたる.LはんのL―函数,0(s)は,簡単な形の有理函数で,例外素因子に由来するD。系,Cを,有限次代数体ん上定義された代数曲線で,そのJacobi多様体が,上の定理の条件を満すものとする。そのときCの←函数に対しても,Hasseの予想が成立つ.即ちそれは,量指標のL―函数により表せる.§4.不分岐拡大体の構成仮定3.以後RはKのprincipal orderとする。KのGalois群をGとし,KIこ対応するその部分群を″とする。Σ腸`σ=ク                            `=1Σ腸じ を満すσ全体の作る,Gの部分群`=1を,G*とする。K*を,G*に対応する,Kの部分体とする。そのとき次の形の分解が成『:説等謹7111[Hil〔:|||ll・i〔il::i:告はKのイデアルになる。そのときたの素イデアル弔で, N″/κ*=摯='メ なるものに対し,(π雫)=「(p)∫.仮定4.κ*の,ほとんどすべての1次素イデアルゃに対し,「(p)は,Kの,どんな真部分体のイデアルにもならない

補助定理4.以上の仮定が成立てば,4は単純である。又K*の1次の,の, んにおける素因子恥に対し,λも単純である.したがって2(4),γ(4)は共にRに同型である.補助定理5.αをんの上のG.P。とする。Rのイデアルαに対し,4から,或るAbel多様体Bへの準同型′αで,    ん(スα“)=∪α(.ん(αの を満すものがある.此のスα,Bは同型を除き一意に定り,ん上で定義され得る。そして,スαA筈′6Aは,Kでα~6なること,即ち,α=6(β)なるKの数βがあることと同等である。ゃを,K*の1次素イデアル,Tをπにおけるその素因子とすれば, 明かに π(夕)=π(々む)グ).ただし夕=坤。ここでB〓λαスとして,2(ス)と班C)との同型対応を, スノ=μりαなるμ∈班(■)とμ*C班(め とを対応させることにより固定する。そのとき, 班(4)のイデアル6の像をう*と書けば,明かに,26りα4室れA・一方, たの同型写像σに対し,4から4σへの準同型スがあると仮定する.σは)(4)から班(4σ)への同型♂:μ→μσを引き起す。故に,′→μ*は,I(4σ)の自己同型である。所が,補助定理6.仮定4の下に,班(4)の自己同型Σに対し, 表現S(μΣ)とS(μ)とが同じ特性根を持てば,Σは実は恒等置換である.系.S(/)がS(μ)と同じ特性根を持てιゴ,メ′=μ*.ここで,解析的理論を援用しなければならない。Endomorphism環がRと同型で,同一の表現S(のを許容するような,互いに同型でないAbel多様体をス1,・…,4んとすれば,Riemann行列の理論より,4tの間には,上への準同型が存在し,さらに,4t=λot4と取れる。今此等の中で,単因子がすべて1であるRiemann形式を持うものをAl,…・,4んとすれば, これらも, その中の一つスにより,ス|=′●,4と書けるが,そのときαじはKのイデアルで,Kの,指数2の実体K。(補助定理2を見よ)へのノルムαFじが,KOの狭い意味での主類に属するものの作る,Kのイデアル類すべてにわたる。此のような類の作る群をCと書けば,Cの位類は, それ故ん′である。簡単のためん/K*を正規とし,そのGalois群をGとする.σ(6に対し,2(4σ)はRと同型で, 又4σもすべての単因子1なるRiemann形式を持つから,4σ笙′α“)4と書け,これにより,α(σ)を含むイデアル類[σ]が一意に定まる。勿論[σ](α.又τ(6に対し, 4στ笙′3(のスOC/〓′。“口。(っ4。所が,τは,K*の上の自己同型だからS(μτ)はS(μ)と同じ固有値を持つ,故に補助定理6の系よりμr=μ*, 従らて α(σ)τ=α(σ)*, 結局4στ≡′。(τ)。(のス・故にσ→[σ]は,GからCの中への準同型写像である。そのkernelをるとし, 0に対応する: んの部分体をでとすれば, K/K*のGalois群はCの部分群と同型,故にAbel群である。αをスのん上のG.P。とする。ゎをK*の1次素イデアルとし, σ(p)を, pの,K″0でのFrobenius自己同型とすれば,pの, んでの素因子弔でreduCtiOnして,π(ασQ))=π(F2)=π(′r5)″),貝日ち 五σ(D笙々簿√.2(a)笙R笙班(4)(補助定理4)ょり,これから,「(や)C[σ(p)].特にσ(p)∫=11ま「(p)∫~1と同等。それ故,K*のイデアル6で,「(6)がKで単項イデアルになるものすべての作る群をIとすれば,定理2.Kは,イデアル群rに対する,K*の類体である.特に,Cの各類が,「(6)なる形のイデアルで代表されるときは,[K:K*]=ん′.此れは,`類方程式'の既約性を意味する.§5.分点の体における分解法則κ*のイデアル数の系を一つ選びの, イデ

アル6を表すイデアル数をβと書く。「(β)=βτrl……βτ『11まnにより1の算根因子を除き定まり,従って,本質的には, イデアル数の系の選び方によらない。絶対値を比べれば,π摯=ε′Γ(合)イがわかる。ただし畢0まんの素イデアル, Nたノκ*弔=pt,=(お),又ε′は1の幕根である。Kに含まれる1の薫根の集合をEと書き,スの点αに対し,Eα=Σε(2(εα)なる, 0次元のcycleを定義する.そしてん(¢)0を,んを含み,その上でEαが有理的になる最小の体とする。αをKのイデアル,αを,スの,本来のα分点とする。K*の素イデアルゎがんでノ次に分解するとする。一方/0を合同式ε′′Γ(合)′0≡ε mOd.αが成立つ最小の自然数とする。ここにε′′は1の軍根,ε〔E。今Fを,ノと/0との最小公倍数とすれば,π絆=ε′″′Γ(合)F=ε2(α), ε2CE, だから, Eα Oま石yで不変,故にEαはた上高々F//次,故にス計上高々F次である。EαのKX上の次数は,弔のん(α)0/んでの分解の次数に等しい.それを島とすれば,それ故FO≦ユー方定義より, π澪。〃万〓τZなるε〔Eがあるから,π澪″≡ε(a).貝口ちε′r(3)「o=ε(a).又鳥力`/の倍数であることは明かだからF≦F。,故にF=FO.故に,ε′「(β)=ε mod.α,ε(Eを満すイデアル(β)の作る群をf・と書けば,定理3.ん(α)。は,んと, ィデアル群Icに対する,K*の類体との合成体である。系。4がK上で定義されていれば,K(α)oは,■に対する,K*の類体である。

註1)二三の事情のため,この題名は内容に多様体と数体                 I“そぐわないものになった。妥当な題名は,`Abel多様体と数体'であろう。
2)以下に現われる概念の定義,主要性質についてはヽヽreil[6],Shimura[5],Hecke[4]その他を見られたい。
3)補助定理2はこの補助定理を使って証明される.従ってこれを先に書いた方が良いかもしれない.4)Weil[7].
5)Rがprincipal orderでないときは,principal orderのときに帰着される。
6)定義はHecke[4].

文  献
[1]M. Deuring, Die Zetafunktionen eineralgebraischen Kurven vom Geschlecht Eins,Nachr.Akad,Wiss.Gёttingen,(1953),85-94.
[2]E.Hecke,Hёhere Modulfunktionen undihre  Anwendung auf  die Zahlentheorie,Mtth.Ann.,71(1912),137.
[3]E.Hecke,Ober die Konstruktion relat市ABEL―scher Zahlkёrper durch Modulfunk―tionen von zwei Variablen, WIath. Ann., 74(1913), 465-510.
E4] E.Hecke, Eine neue Art von Zetafunk―tionen und ihre Beziehing zur Verteilungder Primzahlen, Ⅱ, Math.Z.,6(1920),11-51.
[5]Go Shimura, ReductiOn of algebraicvarieties with resp∝t to a discrete valuatiOnof the basic neld, Amer.」.Math。,77(1955) 134-176.
[6]A.Weil, Vari6t6s ab61iennes et courbesalg6briques,Paris, 1948.
[7]A.Weil,Number of sOhtiOns of equationsin flnite nelds, Bull. Amer. Math. Soc., 55(1949), 497-508.
[8]A.Weil,Jacobi sums as`Gr6ssenchar‐aktere',Trans.Amer.Math.Soc.,73(1952),487-495.(本研究は文部省研究助成金(昭29年)によるものである






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