水曜日, 5月 07, 2014

ヴァイトリングと『アイアンホース』とプルードン

                      (プルードンリンク::::::::::

19世紀前半のドイツに登場した手工業職人ヴィルヘルルム・ヴァイトリング(wiki)(1808~71)は、一般に暴力主義的な左翼運動家と思われているが、アメリカに渡ってからはプルードンのアソシエーション志向に共鳴し、大陸横断鉄道建設などにも関わったと言う。
石塚正英氏の研究が詳しい、、、、

http://www.geocities.jp/ishizukazemi/text.html (文字化け注意)
石塚正英主要著作解説
 8 社会思想の脱・構築――ヴァイトリング研究、単著、世界書院、1991.5. ドイツ三月革命前の労働者革命家ヴァイト リングは、19世紀中葉以降のアメリカにおい ては、もはやヨーロッパ当時のような秘密結社や武装蜂起でなく、労働 者による労働者の ための交換銀行を設立することによって理想社会を実現しようと邁進する。ドイツ・ヨー ロッパ時 代の<前期ヴァイトリング>は直接行動に革命成就の突破口を見出そうとしてい たが、アメリカ時代の<後期ヴァイ トリング>は、労働者銀行(交換銀行)・協同組合・ アソシエーション(大陸横断鉄道建設)を基盤として経済的変革に よって労働者共和国ア メリカを建設するべく大衆運動を拡大していった。その際、ヴァイトリングの思想と行動 におけ るそのような変化は転向というものでなく、<前期>と<後期>は一貫していたと いう結論を本書で提示している。恩 師の大井正に献じる。ヴァイトリング研究第4作。     

『社会思想の脱・構築――ヴァイトリング研究』(世界書院、1991.5) ←資料的にも充実した名著。
 
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27 アソシアシオンのヴァイトリング、単著、世界書院、1998.11. 19世紀ドイツの思想家ヴァイトリングは、19世紀後半 にアメリカにわたり労働者だけか らなる協同企業を設立し、大陸横断鉄道を建設に意欲を燃やした。結果は失敗だ ったもの の、この試みは一種の社会主義であり、かつソ連とは違って最初から国家を想定しない社 会主義であった。 それを本書では「アソシアシオン」と呼んでいる。ヴァイトリングは、 ニューヨークを拠点にして、東部の資本家と競争し つつ連邦政府に鉄道建設の許可を求め る。また、鉄道が完成した段階では沿線沿いでキヨスクのような企業を経営 し、利益はす べてこれに参加する労働者の共有とする計画を立てた。序章として次の論文を収録してい る。「ヴァイト リング思想の源泉としてのセネカとイエス」。また、構成は以下のとおり。 「第一部 ヴァイトリングと現代」、「第二部  ヴァイトリング・イン・ニューヨーク」、 「第三部 ヴァイトリングとその時代」。ヴァイトリング研究第5作。アソシアシオ ン研 究第2作。    
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さて、大陸横断鉄道建設(wiki)はジョンフォードのサイレントの傑作『アイアンホース』で感動的に描かれている。
(当然ながら、映画にヴァイトリングは出てこない。主にリンカーンの功績が強調される。)

最後のシーンなどは史実に忠実だと言うことが分かる。 以下は実際の写真。

追記:
ヴァイトリングは失意の中で生涯を閉じたとされているがその『大衆運動』を後の市井の孤高の哲学者エリック・ホッファーはどう思っただろうか?
ヴァイトリングは陸をつなごうとしたが、後の在野の孤高の哲学者エリック・ホッファーは海に面していた、、、、

2 Comments:

Blogger yoji said...

ヴァイトリングは、遍歴職人活動家としてスイス、フランス、イギリス各都市で義人同盟を組織していた頃は、キリスト教的扇動家として知られ、多くの職人たちをひきつけて離さなかった。その際ヴァイトリングを魅力ある存在とした根拠の一つは、彼のメシア主義である。そのような発想のもとにヴァイトリングは、1838年に義人同盟の綱領的文書として上述の『人類、そのあるがままの姿とあるべき姿』を発表し、1841~1842年には雑誌『ドイツ青年の救いを叫ぶ声(Der Huelferruf der Deutschen Jugend)』を編集し、1845年には友人の手で『貧しき罪人の福音(Das Evangelium eines armen Suenders, Berlin 1845)』を刊行する。そしてこう述べる。
旧約聖書にもまた、私有財産は神によって選ばれた人びとに尊重されない、とある・・・・・諸君はキリスト者だ、そうだろう? だから諸君は、少なくともコムニオーンとコムニステンという言葉について、名前くらいは知っていよう

たとえ暴力的な蜂起という手段に訴えようとも、ヴァイトリングの説くメシア主義的共産主義は、19世紀前半期ドイツの手工業職人の心を強烈にとらえた。コムニステンはコムニオーン(共同の食事)から由来すると語ったり、ヤーヴェはモーセの口を借りて、ユダヤ教徒は搾取者エジプト人から物品を奪いかえせと言ったとして盗奪をプラスに語ったりするヴァイトリングは、やがてアメリカに渡ると、中国で1851~1864年にかけて生じた太平天国をニューヨークのドイツ人に報道しつつ、ついに中国に「貧しき罪人」イエスの弟がメシアとして出現したと宣伝した。洪秀全が上帝会(ヤーヴェの会)を組織して原始キリスト教的平等組織の樹立を目指したことを報道したのだった。
しかし、19世紀後半に科学的なものの見方が人びとの間で勢いをつけ、とくに進化主義=ダーウィニズム的な考え方に労働者大衆と社会主義指導者たちが慣れ親しむようになると、メシア主義はそのままの形態や宣伝方法では労働者の支持を得にくくなっていき、合理主義と物的欲望拡大の前に、無力となっていった。原始キリスト教的清貧を旗印とするプロパガンダよりも、それに代えてダーウィニズム的なプロパガンダが俄然優勢となるのだった。
ヴァイトリング思想の1848年前の前期と1850年代の後期の双方に一貫している特徴は、共産主義的であると同時にアナキズム的だったということである。その根拠は、三月前ヴァイトリングの独裁理論と若きバクーニンのそれとを比較し、1850年代ヴァイトリングのアソシアシオン論とプルードンのそれとを比較するとはっきり認識できる。


wiki日本語版だけにプルードンの記述あり

12:14 午前  
Blogger yoji said...


https://youtube.com/watch?v=c_DR_VQpY-A
大陸横断鉄道建設はジョンフォードのサイレントの傑作『アイアンホース』で感動的に描かれている。
(当然ながら、映画にヴァイトリングは出てこない。主にリンカーンの功績が強調される。)

最後のシーンなどは史実に忠実だと言うことが分かる。 以下は実際の写真。

https://lh3.googleusercontent.com/-TuV6zgP3NtA/U2qReYNvjWI/AAAAAAAAdzc/SoMBYNTxU1k/s640/blogger-image-400856030.jpg

2:44 午前  

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