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月曜日, 11月 02, 2015

『フーコー』Foucault (1986),ドゥルーズ:目次(&構造主義関連)

NAMs出版プロジェクト: Foucault (1986)『フーコー』ドゥルーズ:目次
http://nam-students.blogspot.jp/2015/11/foucault-1986.html(本頁)

NAMs出版プロジェクト: ドゥルーズ体系:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/10/blog-post_72.html
NAMs出版プロジェクト: フーコーと行動システム
http://nam-students.blogspot.jp/2012/11/blog-post_13.html
フーコー『狂気の歴史』 Foucault, Michel . Histoire de la folie à l'âgeclassique .1961
http://nam-students.blogspot.jp/2016/01/foucault-michel-histoire-de-la-folie-l.html
言葉と物 Les mots et les choses (ミシェル・フーコー Michel Foucault)1966
http://nam-students.blogspot.jp/2015/03/blog-post.html
Michel Foucault : la justice et la police(付『監獄の誕生』1975目次)
http://nam-students.blogspot.jp/2014/03/blog-post_21.html
フーコー『性の歴史』Histoire de la sexualité 1976-1984:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/11/histoire-de-la-sexualite-1976-1984.html

ドゥルーズ体系:     分子化
      スピノザ 【 分 析 】 プラトンカント
     Hegel\   |   /Heidegger
           千のプラトー
        ライプニッツ| ベルクソン
             \|/
 【規定】差異と反復ーーシネマ①ーー意味の論理学【反省】
             /|\     [修辞学?]
        フーコー/ | (ヒューム
       (Marxアンチ Freud
          /・オイディプス
      サルトル 【 総 合 】 ニーチェNietzsche


 ちなみに、A.O(1972)に続いて『フーコー』(1986)にもダイアグラムと関連してマルコフ連鎖について言及がある。

Foucault (1986)『フーコー』 宇野邦一訳、河出書房新社、1987/河出文庫、2007
http://www.amazon.co.jp/dp/4309462944 
フーコー (河出文庫) [文庫] ジル ドゥルーズ (著), Gilles Deleuze (原著), 宇野 邦一 (翻訳)
文庫: 196ページ
出版社: 河出書房新社 (2014/12/8)
目次:
古文書からダイアグラムへ
 新しい古文書学者―『知の考古学』*
 新しい地図作成者―『監獄の誕生』**
トポロジー、「別の仕方で考えること」
 地層あるいは歴史的形成物、可視的なものと言表可能なもの―知
 戦略あるいは地層化されないもの、外の思考―権力 ☆
 褶曲あるいは思考の内―主体化 ☆☆
付記―人間の死と超人について
 1 「古典主義的」な歴史的形成
 2 十九世紀と歴史的形成
 3 本来の形成にむけて?

Gilles Deleuze
Foucault 1986 144 pages Minuit
http://www.leseditionsdeminuit.fr/f/flip.php?editor=3&livre_id=2019
Foucault
Couverture 1
Du même auteur 4
Titre 5
Copyright 6
Avant-propos 7
DE L’ARCHIVE AU DIAGRAMME 9
 Un nouvel archiviste (L’Archéologie du savoir) 11*
 Un nouveau cartographe (Surveiller et punir) 31**
TOPOLOGIE : « PENSER AUTREMENT » 53
 Les strates ou formations historiques : le visible et l’énonçable (savoir) 55
 Les stratégies ou le non-stratifié : la pensée du dehors (pouvoir) 77 ☆
 Les plissements, ou le dedans de la pensée (subjectivation) 101 ☆☆
ANNEXE. Sur la mort de l’homme et le surhomme 131
I. – LA FORMATION HISTORIQUE « CLASSIQUE » 131
II. – LA FORMATION HISTORIQUE DU XIXe SIÈCLE 134
III. – VERS UNE FORMATION DE L’AVENIR ? 138
Table des matières 142
Justification 144



《何でもかんでもが互いに連鎖するということではない。重要なのはむしろくじびきの連鎖であり、各くじびきは、マルコフ連鎖におけるように…、偶然に、しかし先行するくじびきによって決定された外因性の諸条件のなかで、振る舞う。…それゆえ連続性による連鎖も内面化もなく、ただ諸々の切断と不連続性(変異)を越えていく再連鎖がある。》p.92,邦訳文庫159頁

☆☆
1.死の線 2.戦略的帯域 3.地層 4.襞(主体化の帯域)
 フーコーのダイアグラム 出典=Gilles Deleuze, Foucault, Minuit, 1986.  文庫版228頁
(──凹部生成のダイアグラム)

ドゥルーズが主に言及するのは『言葉と物』及び『性の歴史』(『知への意志』1976年、『快楽の活用(用法)』1984 、『自己への配慮』1984の3巻。続刊予定も未完)。自身の『襞』にも関連する。

聖堂のスケッチ 出典=Gilles Deleuze, Le Pli: Leibniz et le Baroque, Editions de Minuit, 1988.    
参考:
NAMs出版プロジェクト: ライプニッツ:インデックス
http://nam-students.blogspot.jp/2013/05/blog-post_4574.html
言葉と物 Les mots et les choses (ミシェル・フーコー Michel Foucault)1966
http://nam-students.blogspot.jp/2015/03/blog-post.html 

『性の歴史』全三巻をとおしてみると、フーコーは性現象
を考察するための三つの極をつねに設定している。すなわ
ち、行為と快楽と欲望の三つである。…
 古代ギリシャでは、性の行為とその統御が重視され、中
国では、性の快楽とその強化に関心が集中する。ところが
キリスト教では欲望とその根絶が企てられて、性の行為そ
のものはもっぱら子供作りのためのものであり、快楽は理
論上も実際上も無視される。そして現代では、主眼は
欲望とその達成に置かれ、行為はそれほど重要ではなく、
快楽が何かでさえも解らない状態である。  
(「訳者あとがき」より)
フーコー性の歴史3 『自己への配慮』 Le Souci de soi  帯より

http://yojiseki.exblog.jp/9059714/
フーコーとオリンピック
プラトンは法律によらない性の自己統御の例として運動選手を挙げている。
フーコーはそれに批判的に言及する。

「プラトンが言及するのは運動競技者の例であって、彼らは競技で勝利を収めたい欲求があるので、厳しい禁欲の生活法に服して、練習中はずっと女にも若者にも近づかない。ところが欲望という内面の敵にたいする勝利のほうが、競争相手にたいして収めることができる勝利よりはるかにすばらしい(『法律』840、岩波文庫p134)、というわけである。」(邦訳『快楽の活用』p212より)

ちなみに、あとがきで訳者がまとめていたフーコーの性のあり方をめぐった歴史観は以下のような図式になるだろう。


     ギリシア
    (自己統御)
      /\
     /__\
キリスト教    中国
(禁欲)      (快楽)
子作り
     ギリシア
    (行為、自己統御)
      /\
キリスト教/  \中国
(禁欲) \  /(快楽)
      \/
      現代
     (欲望⚪️、行為△、快楽×)


/////////
Foucault,Michel『知の考古学』
http://www.arsvi.com/b1900/6900fm.htm

『知の考古学』

Foucault,Michel 1969 L'Archéologie du Savoir,Editions Gallimard
19810210 中村 雄二郎 訳,改訳新版,現代思想選10,河出書房新社,367p.
←1970 中村 雄二郎 訳,河出書房新社,401p.
19950825 中村 雄二郎 訳,改訳新版,河出・現代の名著,河出書房新社,372p.
20060221 中村 雄二郎 訳,新装版,河出書房新社,372p.


Foucault,Michel 1969 L'Archéologie du Savoir,Editions Gallimard.
19810210 中村 雄二郎 訳 『知の考古学』,改訳新版,現代思想選10,河出書房新社,367p. ISBN-10:4309707106 ISBN-13:978-4309707105 \3567 [amazon][kinokuniya]
←1970 中村 雄二郎 訳 『知の考古学』,河出書房新社,401p. ASIN: B000J9BR22
19950825 中村 雄二郎 訳 『知の考古学』,改訳新版,河出・現代の名著,河出書房新社,372p. ISBN-10:4309706118 ISBN-13:978-4309706115 \3675 [amazon][kinokuniya]
20060221 中村 雄二郎 訳 『知の考古学』,新装版,河出書房新社,372p. ISBN-10:430924369X ISBN-13:978-4309243696 \3675 [amazon][kinokuniya]

■内容

(「BOOK」データベースより)
考古学的記述とは何か―フーコーがその方法論を全面的に開示して、その後の人文諸科学に決定的影響を与えた歴史的名著。

(「MARC」データベースより)
「考古学」とは危険な語である。今や無言の中に凍結させたさまざまな痕跡を呼び起こすように見えるからである。フーコーがその方法論を全面的に開示して、その後の人文諸科学に決定的影響を与えた歴史的名著。

■目次

読者に
例言
Ⅰ 序論 (Introduction)
Ⅱ 言説の規則性 (Les régularités discursives)
   1.言説の統一性 (Les unités du discours)
   2.言説の形成と編制 (Les formations discursives)
   3.対象の形成と編制 (La formation des objets)
   4.言表の諸態様の形成と編制 (La formation des modalités énonciatives)
   5.概念の形成と編制 (La formation des concepts)
   6.戦術の形成と編制 (La formation des stratégies)
   7.注意事項と帰結 (Remarques et conséquences)
Ⅲ 言表と集蔵体 (L'énoncé et l'archive)
   1.言表を定義づける (Définir l'énoncé)
   2.言表の機能 (La fonction énonciative)
   3.言表の記述 (La description des énoncés)
   4.希薄性、外在性、累合 (Rareté, extériorité, cumul)
   5.歴史的〈先験性〉と集蔵体 (L'a priori historique et l'archive)
Ⅳ 考古学的記述 (La description archéologique)
   1.考古学と諸概念の歴史 (Archéologie et histoire des idées)
   2.原(もと)のものと規則的なもの (L'original et le régulier)
   3.さまざまな矛盾 (Les contradictions)
   4.比較に基づく事実 (Les faits comparatifs)
   5.変化と変換 (Le changement et les transformations)
   6.科学と知 (Science et savoir)
Ⅴ 結論 (Conclusion)
訳注
あとがき
索引

■引用

■書評・紹介

■言及


L'Archéologie du savoir — Wikipédia
https://fr.wikipedia.org/wiki/L%27Arch%C3%A9ologie_du_savoir

Table des matières





(ミシェル・フーコー『知の考古学』中村雄二郎訳、河出書房新社、2006年 新装新版使用)
V 結論
―この本の全体にわたって、あなた(フーコー)は、なんとかして、
「構造主義」から、あるいはふつうこの言葉によって解されているものから、抜け出
そうと試みた―
・言説の多様性のなかで語る主体が持ちえた様々な位置と機能を明確にする
こと。
(構造主義のようにすべての語る主体に同一の仕方で適用されるよう
な構築や形態の諸法則を発見するためではなく、反対に)さまざまな差異が
いかに成立し、一つの同じ言説=実践の内部で、人々が異なった対象につい
て語り、対立する意見をもち、矛盾した選択をすることがどうして起こりえ
たのか、そして、あらゆる言説=実践が相互に本性の差異を持つのはなぜか、
を示すこと。
→異なるレヴェルの変換を記述すること。⇒p302参照

―[302]われわれの知の言語(言語について語る言語、構造)を自己の歴史
的厚みのなかで分析できるようにするそれ自身構造主義的な言説について
は、これを還元不可能なもの(例えば「メタ・ラングは存在しない」)と考
える―

―[304]歴史的=超越論的なものの優位において保持される理性、全ての新
しい「真理」を打ち立てる理性は、超越論の援用を免れえない―
・思考史をその超越性の隷属から解放すること、すべての超越性のナルシシス
ムからそれを剥ぎ取ること(「人間は波打ち際の砂の表情のように消滅する
であろう」)。⇒p306参照

→考古学を構造主義へと「中性化」することを拒否する。⇒p308参照

https://1000ya.isis.ne.jp/0545.html
…映画監督ゴダールは、「ぼくがフーコーを好きになれないのは、この時代は人はこのように考え、ある時期からはこのように考えるようになるといったことばかりを言うからだ」と揶揄してみせた。
______
**
Foucault, Michel『監獄の誕生――監視と処罰』
http://www.arsvi.com/b1900/7500fm.htm


Foucault, Michel 1975 Surveiller et punir : Naissance de la prison, Gallimard=197709 田村 俶 訳,『監獄の誕生――監視と処罰』,新潮社,318p. ISBN-10: 4105067036 ISBN-13: 978-4105067038 \4430 [amazon][kinokuniya] ※ =1979 [1977] Alan Sheridan, trans., Discipline and Punish: The Birth of the Prison,Vintage,ix+333p. ISBN-10: 0679752552 ISBN-13: 978-0679752554 US$15.95 [amazon][kinokuniya]

■内容

■目次

  • 第一部 身体刑 (Torture / Torture)
    • 第1章 受刑者の身体 (Le corps des condamnés / The body of the condemned)
    • 第2章 身体刑の華々しさ (L'éclat des supplices / The spectacle of the scaffold)
  • 第二部 処罰 (Punition / Punishment)
    • 第1章 一般化される処罰 (La punition généralisée / Generalized punishment)
    • 第2章 刑罰のおだやかさ (La douceur des peines / The gentle way in punishment)
  • 第三部 規律・訓練 (Discipline / Discipline)
    • 第1章 従順な身体 (Les corps dociles / Docile bodies)
      • 配分の技術 (L'art des répartitions / The art of distributions)
      • 活動の取締り (Le contrôle de l'activité / The control of activity)
      • 段階的形成の編成 (L'organisation des genèses / The organization of geneses)
      • さまざまの力の組立 (La composition des forces / The composition of forces)
    • 第2章 良き訓育の手段 (Les moyens du bon dressement / The means of correct training)
      • 階層秩序的な監視 (La surveillance hiérarchique / Hierarchical observation)
      • 規格化をおこなう制裁 (La sanction normalisatrice / Normalizing judgement)
      • 試験 (L'examen / The examination)
    • 第3章 一望監視方式 (Le panoptisme / Panopticism)
  • 第四部 監獄 (Prison / Prison)
    • 第1章 完全で厳格な制度 (Des institutions complètes et austères / Complete and austere institutions)
    • 第2章 違法行為と非行性 (Illégalismes et délinquance / Illegalities and delinquency)
    • 第3章 監禁的なるもの (Le carcéral / The carceral)
  • 『監獄の誕生』について
  • 固有名詞索引
■引用

◆第3部 規律・訓練
 第1章 従順な身体
「技術=政治の領域。」142 この領域では・・・
①「まず取締りの尺度。・・・細部にわたって身体に働きかけること、細微な強制権を身体に行使すること、力学の水準そのものにおける影響―運動・動作・姿勢・速さを確実に与えること・・・」142
 第2章 良き訓育の手段
「最後に試験は、個人を権力の成果および客体として、知の成果および客体として構成する上述の諸方式の中心に位置している。試験こそが、階層秩序的な監視と、規格化を行う制裁とを結びつけることで、配分や分類や力および時間の最大限の抽出や段階的形成による連続的な累積や適性の最もふさわしい組立てなどの、大がかりな規律・訓練的な機能を確保する。」195

 第3章 一望監視方式

・規律・訓練の諸制度の、深部で起こった各種の過程の顕著な側面について211
(1)「規律・訓練の機能面の逆転。・・・ところが今後、規律・訓練にはその性能があるという理由で、積極的な役目を果たさせて、個々人の効用の可能性を増加させることが求められるようになる。」211
(2)「規律・訓練の諸機能の分散移転。・・・しなやかな取締方式、移し替え取込みうる取締方式に変わるわけである。」212
(3)「規律・訓練の諸機能の国家管理。」

「≪規律・訓練≫は、或る施設とも或る装置とも同一視されえない。それは或る型の権力であり、その権力を行使するために道具・技術・方式・適用水準・標的をともなう或る様式である。」
 →それを「担当」できるものとして
「施設」、「〔権力的〕諸段階」、「装置」、「国家装置(治安警察)」216

(1)「ひとまとめに言いうるとすれば、規律・訓練は人間の多様性の秩序化を確保するための技術である。」
三つの基準→①経費がかからず、②効果を最大限にし、③権力の増大と権力の装置とを結びつける
(2)「規律・訓練は一種の反=法律だと考える必要があるのである。」→2つの理由でもって222-
(3)「・・・それらの方式は組立てられ一般化されて、知の形成と権力の増大が或る円環的な過程によって規則正しく強化し合う、そうした水準に達している点である。」224

Surveiller et punir / Michel Foucault — BNFA, Bibliothèque Numérique Francophone Accessible
http://www.bnfa.fr/livre?biblionumber=26874

  • Quatrième de couverture
  • PREMIÈRE PARTIE. SUPPLICE
    • Chapitre premier. Le corps des condamnés
    • CHAPITRE II
  • II. PUNITION
    • CHAPITRE PREMIER
    • CHAPITRE II. La douceur des peines
  • III DISCIPLINE
    • CHAPITRE PREMIER. Les corps dociles
      • L'ART DES REPARTITIONS
      • LE CONTRÔLE DE L'ACTIVITÉ
      • L'ORGANISATION DES GENESES
      • LA COMPOSITION DES FORCES
    • CHAPITRE II. Les moyens du bon dressement
      • LA SURVEILLANCE HIÉRARCHIQUE
      • LA SANCTION NORMALISATRICE
      • L'EXAMEN
    • CHAPITRE III. Le panoptisme
    • Chapitre Premier. Des institutions complètes et austères
    • CHAPITRE II ;Illégalismes et délinquance
    • CHAPITRE III Le carcéral
    •  
    • 参考:                   
      貫成人『図説・標準 哲学史』より
       
_______  

ドゥルーズ「何を構造主義として認めるか」:
Gilles Deleuze, "A quoi reconnaît-on le structuralisme ?" 
in F. Châtelet, Histoire de la philosophie VIII. Le XXe siècle, Hachette, 1973(1972,執筆1967)

邦訳『無人島1969-1974』所収

第一の規準:記号界(le symbolique)
第二の規準:局所あるいは位置
第三の規準:微分と特異 
第四の規準:分化させるもの、分化させること
第五の規準:セリー
第六の規準:空白の桝目
最後の規準:主体から実践へ


NAMs出版プロジェクト: ドゥルーズ「書誌の計画」1989
http://nam-students.blogspot.jp/2016/11/1989.html

ドゥルーズの書誌の計画1989ではフーコーと構造主義が同一項目にある。
以下の指摘もフーコーの記述の直後にある。

ドゥルーズ
「構造主義は、場所がそれを占めるものに優越すると考える新しい 超越論的哲学と分かちがたい」(「構造主義はなぜそうよばれるか」) 
無人島1969~74下67頁別訳 
 定本版柄谷行人
 「構造主義はなぜそうよばれるか」,❸T.120@ で引用

Gilles Deleuze, "A quoi reconnaît-on le structuralisme ?" 
in F. Châtelet, Histoire de la philosophie VIII. Le XXe siècle, Hachette, 1973(1972,執筆1967)
[5].  Le  structuralisme  n'est  pas  séparable  d'une  philosophie  transcendantale nouvelle,  où  les  lieux  l'emportent  sur  ce  qui  les  remplit.  

    

7 現代研究
 『対話』(一九七七年)〔『ディアローグ--ドゥルーズの思想』〕

 『フーコー』(一九九六年)
 ミシェル・フーコーとの対談〔『無人島』26〕
 ドンズロ『家族に介入する社会』序文〔『狂人の二つの体制』10〕
 フーコーをめぐるテクスト三篇―
  (a)『ヌーヴェル・ロプセルヴァトゥール』誌〔『記号と事件』「芸術作品としての生」〕、
  (b)『リベラシオン』紙〔『記号と事件』「物を切り裂き、言葉を切り裂く」〕、
  (c)『ロートル・ジュルナル』誌〔『記号と事件』「追伸 管理社会について」〕
 装置とは何か(シンポジウム)〔『狂人の二つの体制』50〕

 アラファトの偉大〔『狂人の二つの体制』34〕
 フランソワ・シャトレの哲学についての命題(一九八七年)(『ペリクレスとヴェルディ』)〔『ドゥルーズ・コレクション2』所収、河出文庫〕

 何を構造主義として認めるか(一九七二年)〔『無人島』23〕


ドゥルーズ・コレクション 1 哲学(1)/G.ドゥルーズ 河出文庫 
201505
http://honto.jp/netstore/pd-worklist_0627091807.html
何を構造主義として認めるか 54−101


『何を構造主義として認めるか』 G・ドゥルーズ (河出書房新社) 第3の規準:微分と特異
http://g-clef.blogspot.jp/2009/11/g-3.html
『何を構造主義として認めるか』 G・ドゥルーズ (河出書房新社) 第3の規準:微分と特異
音素そのものを、それが別の音素に結合される音素関係、たとえばb/pと切り離すことはできない。
(P69)

第3のタイプの関係は、いかなる確定した値ももたないが、関係のなかで相互に確定される要素の間に立てられる。ydy+xdx=0やdy/dx=x/yのような関係である。このような関係は記号的であり、対応する要素は微分的関係の内部に捕捉されている。dyはyとの関係においては全く不確定であり、dxもxとの関係においてはまったく不確定である。dyとdxには値も意義もない。しかしながら、関係dy/dxはまったく確定されており、2つの要素はこの関係のなかで、相互に確定されている。
(P70)

微分的関係の確定に対して、特異性が、すなわち、曲線や図形を特徴付ける特異点の分布が対応する(たとえば三角形は3つの特異点をもつ)。こうして、所与の言語に固有の音素的関係が確定されると、特異性が指定され、その近傍で言語の音声と意義が構成される。
(P71)

すべての構造は2つの面を示す。ひとつは、微分的関係のシステムであり、これによって記号要素は相互に確定される。もうひとつは、特異点のシステムであり、これは微分的関係に対応して、構造の空間を描き出す。
(P71)

記号要素は、当の領域のリアルな存在者と対象に受肉する。微分的関係は、存在者の間のリアルな関係に現実化する。特異性は、構造内の位置を同じ数だけあるが、位置を占めにやってくる存在者や対象に対して、想像的な役割や態度を配分する。
(P71)

いつでも、すべての場合において、記号要素とその関係が、それらを実現しにやって来る存在者と対象の本性を確定するし、他方では、特異性によって形成される位置の秩序が、位置を占める限りでの存在者の役割と態度と同時に確定する。
(P72)

ラカンの弟子、セルジュ・ルクレールが別の領域で示すところでは、無意識の記号要素が、必ずや身体の「リビドー的な運動」に関連し、構造の特異性を特定の位置で受肉させる。
(P73)

アルチュセールとその協力者によるマルクス主義の解釈を見てみよう。そこでは、何よりも、生産関係が微分的関係として確定されている。その関係は、リアルな人間や具体的個人の間に立てられるのではなく、始めは記号の値をもつ対象や行為者(生産対象、生産道具、労働力、直接労働者、非直接労働者、これらは所有と領有の関係に把捉される)の間に立てられる。このとき各生産様式は、関係の値に対応する特異性によって特徴付けられる。
(P73)



フーコー:

《表層は深層と対立するのではなく、解釈と対立するのです。フーコーの方法は
一貫してあらゆる解釈法に対立するものでした。どんなことがあっても解釈するな、
ひたすら実験せよ、というわけです……。フーコーにおいてあれほど重要な
主題だった襞とその折りかえしは表皮につながっているのです。》
(3ミシェル・フーコー『記号と事件』)
____

《何でもかんでもが互いに連鎖するということではない。重要なのはむしろ
くじびきの連鎖であり、各くじびきは、マルコフ連鎖におけるように…、
偶然に、しかし先行するくじびきによって決定された外因性の諸条件のなかで、
振る舞う。…それゆえ連続性による連鎖も内面化もなく、ただ諸々の切断と
不連続性(変異)を越えていく再連鎖がある。》(『フーコー』原著p.92,邦訳文庫159頁)

ドゥルーズがA.O.で参照しているのは『言葉と物』第十章2の中段から、

《フーコーが指摘していることは、次のことである。「人文諸科学」はその原理を
生産の中に見いだし、表象が破綻したところに構築されたものであるが、しかし、
これらの人文諸科学は、無意識の表象といったものとして新しい型の表象を
再建しているのだ、ということである。(Les Mots et leschoses, pp. 363-378).》
(注22より。邦訳単行本A.O,508頁)


 定本版柄谷行人
 「構造主義はなぜそうよばれるか」,❸T.120@,  

「構造主義は、場所がそれを占めるものに優越すると考える新しい 超越論的哲学と分かちがたい」(ドゥルーズ「構造主義はなぜそうよばれるか」) 
《 Le  structuralisme  n'est  pas  séparable  d'une  philosophie  transcendantale nouvelle,  où  les  lieux  l'emportent  sur  ce  qui  les  remplit.  》
柄谷行人が引用したのは以下の旧訳から、
「構造主義はなぜそうよばれるか」中村雄二郎訳、中村雄二郎監訳、『シャトレ哲学史VIII――二十世紀の 哲学』所収、白水社、1975

「自発層」とドゥルーズの構造概念

http://www.freeml.com/qualia/9335/latest


第一の規準:記号界(le symbolique)
第二の規準:局所あるいは位置
第三の規準:微分と特異 
第.四の規準:分化させるもの、分化させること
第五の規準:セリー
第六の規準:空白の桝目
最後の規準:主体から実践へ

 
以前、「構造」について書くと言っておきながら、それを果たして
いませんでしたので、今日は、そのことについて簡単な言及をして
おきたいと思います。言及とはいっても、実は、簡単な要約にほか
なりません。誰の要約かと言うと、それはドゥルーズです。ドゥル
ーズの理解する「構造」概念について書いてみたいと思います。ドゥ
ルーズの構造概念は、非人称的、前個体的な「自発層」の解明には
どうしても欠かせない概念なのです。

要約という作業は、読解の基本なのでしょうが、この要約を拒む書
物があるのも事実なのです。代表例がドゥルーズの書物です。『差
異と反復』、『ミル・プラトー』、ライプニッツが主題になってい
る『襞』など数え上げればキリがありません。

理由はいくつかあげられますが、ドゥルーズの書物が要約を拒んで
いる理由を二つほど挙げておきます。ひとつ目は、内容の密度が濃
厚であること。つまり、ドゥルーズの書物自体に説明的な文がほと
んどなく、既に要約的に凝縮されて書かれているからなのです。

もう一点は、通常の書物は、結論に向かって書かれる場合が多いの
ですが、ドゥルーズはそのような記述方式は採用せず、円環的(あ
るいはリゾーム的)な記述スタイルをとっていることです。結論ら
しき言表を見つけるのは不可能に近いのです。『ミル・プラトー』
がその代表例。たとえば、『差異と反復』を読むとき、差異とはな
んだろうか、反復とはなにか、どこかにこの疑問に答えてくれる記
述があるだろうと期待しながらこの書物を読むと、期待は完全に裏
切られます。この疑問に応えてくれる解答などどこにも書かれてな
いからです。

というわけなので、これから紹介する要約は恣意的でかつわかりに
くいものになると思われます。詳しくは、『無人島、1969-1974
(河出書房新社)の「何を構造主義として認めるか」をご覧ください。

ドゥルーズは、「構造とは何か」という問いの設定は行いません。
この問いはドゥルーズによって次のように置き換えられます。「構
造主義者はいかなる点で構造主義として認定されるか、認定の形
式的規準は何か。」

ドゥルーズはその形式的認定規準を七つ掲げます。

1、第一の規準:記号界(le symbolique)
これは、通常、象徴界と訳されている。ラカンのあの有名な象徴界
を思い出して欲しい。現実界、想像界、象徴界。

訳者が、象徴界と訳さなかったのはそれなりの意図があったからな
のでしょう。ラカンとの違いを際立たせたかったのかもしれません。

構造主義の第一の規準は、第三の秩序、第三の王国、すなわち記号
界を発見し認定することである。記号界を想像界と混同するのを拒
否すること、また、記号界を現実界と混同するのを拒否することで
ある。これこそが、構造主義の第一の次元である。(中略)なぜな
ら、構造は、現実界の全ての地層に対して、また、想像界の全ての
天界に対して、より<深い>もの(下部の地層)であるからだ。

記号界は、<発生の原理>に相当し、現実性とイメージを産出しつ
つ構成する。構造とは、非現実的で想像不可能な第三者(記号界の
こと)なのだ。つまり、全体の形成と部分の変化を説明せんとする
「原始的な要素」(記号のこと)の本性である。

第二の規準:局所あるいは位置
構造の原始的要素(記号要素)は何からなるのか。それは方向=意
味以外の何ものでもない。方向=意味は必ず「位置」だけに関わ
る。「位置」とはトポロジカルな関係的な場であり、純粋空間
(spatium)である。はじめに、構造的な純粋空間が存在し、後か
ら現実的な事物や、想像的な出来事がこの空間を占めにやってく
る。

構造とは、<発生>の根源的な場であり、そこからいくつかの帰結
が産出される。たとえば、「意味」は、構造という純粋空間から生
成される。「意味」そのものは、無意味(例:ルイス・キャロルの
かばん語的パラドクシカルな無意味)からの帰結なのだ。構造主義は、
新しい唯物論(アルチュセール的)、新しい無神論、新しい反人間
主義(フーコー的)を産出する。

第三の規準:微分と特異
構造の原始的要素が、純粋空間に関わるとしても、その肝心な記号
要素(位置の単位)とは何なのか。言語学のモデルで説明しよう。
原始的な記号要素に相当するものは音素だ。音素は、言葉の背後に
潜在し、文字や音節、音として受肉され、イメージや概念を構成す
る。

構成されたイメージや概念と音素との関係を考察してみよう。これ
らの関係は微分的な関係なのだ。たとえば、円の方程式(X2+
Y2=1)は「構成されたもの」に対応し、dy/dx=ーx/yは
「記号要素」に相当する。ドゥルーズは記号の本性を、このような
微分的関係(dy/dx)において考察する。根源的なものとしての
「発生の場」は、微分的な構造を有しているのだ。微分的な関係の
システム、これが構造を規定する重要な一面だ。

構造すなわち、「発生の場」に欠かせないものがもうひとつある。
それは特異性のシステムだ。これは数学的な特異点のこと。この特
異性のシステムが構造の第二の側面を規定する。

ある領域に構造はあるのか、という問いは、ドゥルーズによれば、
次のように言い換えられる。この領域から、記号要素、微分的関
係、特異点を取り出すことができるか、と。

主体とは、地位の占有者や職務の遂行者などではなく、真の主体は
構造そのものなのである。すなわち、微分と特異、微分的関係と特
異点、相互規定(例:dy/dx)と充足規定(例:dy/dx=ーx/y)
である。

簡単にまとめよう。記号要素は、当の領域のリアルな存在者と対象
に受肉する。微分的関係は、存在者の間のリアルな関係に現実化す
る。特異性は、構造内の位置と同じ数だけあって、位置を占めに
やってくる存在者や対象に対して、想像的な役割や態度を配分す
る。

第4の規準:分化させるもの、分化させること
構造を構成する要素、すなわち、記号要素・微分的関係・特異点の
ゆえに、構造はかならず無意識的なものである。構造は全て下部構
造、ミクロ構造である。したがって、構造は<現実的なもの>では
ない。<現実的なもの>とは、その中で構造が受肉するもの、ある
いはむしろ構造が受肉しながら構成するものである。

<潜在性>なる語が構造の有様や構造の理論を正しく示している。
潜在的なものは、現実的ではないが、固有のリアリティを呈し、抽
象的ではない独自の理念性を有する。すべての構造は潜在的共存の
多様体である。

完備に微分化されている構造は、二つの道に沿って<分化>(現実
化)する。「種」に向かう道と「部分」に向かう道である。種と部
分を生産するのである。産出される現実的なもの、たとえば、法的
関係、政治的関係などの背後に微分的なメカニズムが覆い隠されて
いるのである。

つまり、構造とは微分的無意識なのだ。その無意識はいつでも<問
題的>である。構造とは、微分的な「問いの場」、「問題の場」に
ほかならないのである。問題が解かれるようにして、分化の線に即し
ながら構造は現実化する。

長くなってしまいました。残りの三つの規準は省略です。上記の4つ
の規準でドゥルーズの構造概念はだいたい把握できると思います。
第五の規準:セリー
第六の規準:空白の升目
第七の規準:主体から実践へ

意識やクオリアの問題を、問題としてどのように規定付けていくの
か、それらの問題構造の内実はいかなる状態空間として記述される
のか、こういった問題自身の問題化が重要なのではないでしょうか。
この問題化に際し、異彩を放っているのが、ドゥルーズの提起して
いる<構造>という問題圏域なのだろうと思われます。



 

13 件のコメント:

  1. Foucault,Michel『知の考古学』
    http://www.arsvi.com/b1900/6900fm.htm
    >HOME >BOOK
    『知の考古学』

    Foucault,Michel 1969 L'Archéologie du Savoir,Editions Gallimard
    =19810210 中村 雄二郎 訳,改訳新版,現代思想選10,河出書房新社,367p.
    ←1970 中村 雄二郎 訳,河出書房新社,401p.
    →19950825 中村 雄二郎 訳,改訳新版,河出・現代の名著,河出書房新社,372p.
    →20060221 中村 雄二郎 訳,新装版,河出書房新社,372p.
    last update:20131014

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    ■Foucault,Michel 1969 L'Archéologie du Savoir,Editions Gallimard.
    =19810210 中村 雄二郎 訳 『知の考古学』,改訳新版,現代思想選10,河出書房新社,367p. ISBN-10:4309707106 ISBN-13:978-4309707105 \3567 [amazon]/[kinokuniya]
    ←1970 中村 雄二郎 訳 『知の考古学』,河出書房新社,401p. ASIN: B000J9BR22
    →19950825 中村 雄二郎 訳 『知の考古学』,改訳新版,河出・現代の名著,河出書房新社,372p. ISBN-10:4309706118 ISBN-13:978-4309706115 \3675 [amazon]/[kinokuniya]
    →20060221 中村 雄二郎 訳 『知の考古学』,新装版,河出書房新社,372p. ISBN-10:430924369X ISBN-13:978-4309243696 \3675 [amazon]/[kinokuniya]

    ■内容

    (「BOOK」データベースより)
    考古学的記述とは何か―フーコーがその方法論を全面的に開示して、その後の人文諸科学に決定的影響を与えた歴史的名著。

    (「MARC」データベースより)
    「考古学」とは危険な語である。今や無言の中に凍結させたさまざまな痕跡を呼び起こすように見えるからである。フーコーがその方法論を全面的に開示して、その後の人文諸科学に決定的影響を与えた歴史的名著。

    ■目次

    読者に
    例言
    Ⅰ 序論 (Introduction)
    Ⅱ 言説の規則性 (Les régularités discursives)
       1.言説の統一性 (Les unités du discours)
       2.言説の形成と編制 (Les formations discursives)
       3.対象の形成と編制 (La formation des objets)
       4.言表の諸態様の形成と編制 (La formation des modalités énonciatives)
       5.概念の形成と編制 (La formation des concepts)
       6.戦術の形成と編制 (La formation des stratégies)
       7.注意事項と帰結 (Remarques et conséquences)
    Ⅲ 言表と集蔵体 (L'énoncé et l'archive)
       1.言表を定義づける (Définir l'énoncé)
       2.言表の機能 (La fonction énonciative)
       3.言表の記述 (La description des énoncés)
       4.希薄性、外在性、累合 (Rareté, extériorité, cumul)
       5.歴史的〈先験性〉と集蔵体 (L'a priori historique et l'archive)
    Ⅳ 考古学的記述 (La description archéologique)
       1.考古学と諸概念の歴史 (Archéologie et histoire des idées)
       2.原(もと)のものと規則的なもの (L'original et le régulier)
       3.さまざまな矛盾 (Les contradictions)
       4.比較に基づく事実 (Les faits comparatifs)
       5.変化と変換 (Le changement et les transformations)
       6.科学と知 (Science et savoir)
    Ⅴ 結論 (Conclusion)
    訳注
    あとがき
    索引

    ■引用


    ■書評・紹介


    ■言及



    *作成:石田 智恵 更新:箱田 徹
    UP:20080901 REV:20081209, 20090816, 20100417, 20130823, 1014
    ◇Foucault,Michel  ◇哲学・政治哲学・倫理学  ◇身体×世界:関連書籍 1980'  ◇BOOK 
     
    TOP HOME (http://www.arsvi.com)◇

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  2. Foucault, Michel『監獄の誕生――監視と処罰』
    http://www.arsvi.com/b1900/7500fm.htm
    『監獄の誕生――監視と処罰』

    Foucault, Michel 1975 Surveiller et punir: Naissance de la prison, Gallimard.
    =1977 田村 俶 訳,『監獄の誕生――監視と処罰』, 新潮社

    このHP経由で購入すると寄付されます

    ■Foucault, Michel 1975 Surveiller et punir : Naissance de la prison, Gallimard=197709 田村 俶 訳,『監獄の誕生――監視と処罰』,新潮社,318p. ISBN-10: 4105067036 ISBN-13: 978-4105067038 \4430 [amazon]/[kinokuniya] ※ =1979 [1977] Alan Sheridan, trans., Discipline and Punish: The Birth of the Prison,Vintage,ix+333p. ISBN-10: 0679752552 ISBN-13: 978-0679752554 US$15.95 [amazon]/[kinokuniya]

    ■内容

    ■目次
    第一部 身体刑 (Torture / Torture)
    第1章 受刑者の身体 (Le corps des condamnés / The body of the condemned)
    第2章 身体刑の華々しさ (L'éclat des supplices / The spectacle of the scaffold)
    第二部 処罰 (Punition / Punishment)
    第1章 一般化される処罰 (La punition généralisée / Generalized punishment)
    第2章 刑罰のおだやかさ (La douceur des peines / The gentle way in punishment)
    第三部 規律・訓練 (Discipline / Discipline)
    第1章 従順な身体 (Les corps dociles / Docile bodies)
    配分の技術 (L'art des répartitions / The art of distributions)
    活動の取締り (Le contrôle de l'activité / The control of activity)
    段階的形成の編成 (L'organisation des genèses / The organization of geneses)
    さまざまの力の組立 (La composition des forces / The composition of forces)
    第2章 良き訓育の手段 (Les moyens du bon dressement / The means of correct training)
    階層秩序的な監視 (La surveillance hiérarchique / Hierarchical observation)
    規格化をおこなう制裁 (La sanction normalisatrice / Normalizing judgement)
    試験 (L'examen / The examination)
    第3章 一望監視方式 (Le panoptisme / Panopticism)
    第四部 監獄 (Prison / Prison)
    第1章 完全で厳格な制度 (Des institutions complètes et austères / Complete and austere institutions)
    第2章 違法行為と非行性 (Illégalismes et délinquance / Illegalities and delinquency)
    第3章 監禁的なるもの (Le carcéral / The carceral)
    『監獄の誕生』について
    固有名詞索引
    ■引用

    ◆第3部 規律・訓練

     第1章 従順な身体

    「技術=政治の領域。」142 この領域では・・・
    ①「まず取締りの尺度。・・・細部にわたって身体に働きかけること、細微な強制権を身体に行使すること、力学の水準そのものにおける影響―運動・動作・姿勢・速さを確実に与えること・・・」142

    3部

    「最後に試験は、個人を権力の成果および客体として、知の成果および客体として構成する上述の諸方式の中心に位置している。試験こそが、階層秩序的な監視と、規格化を行う制裁とを結びつけることで、配分や分類や力および時間の最大限の抽出や段階的形成による連続的な累積や適性の最もふさわしい組立てなどの、大がかりな規律・訓練的な機能を確保する。」195

     第3章 一望監視方式

    ・規律・訓練の諸制度の、深部で起こった各種の過程の顕著な側面について211
    (1)「規律・訓練の機能面の逆転。・・・ところが今後、規律・訓練にはその性能があるという理由で、積極的な役目を果たさせて、個々人の効用の可能性を増加させることが求められるようになる。」211
    (2)「規律・訓練の諸機能の分散移転。・・・しなやかな取締方式、移し替え取込みうる取締方式に変わるわけである。」212
    (3)「規律・訓練の諸機能の国家管理。」

    「≪規律・訓練≫は、或る施設とも或る装置とも同一視されえない。それは或る型の権力であり、その権力を行使するために道具・技術・方式・適用水準・標的をともなう或る様式である。」
     →それを「担当」できるものとして
    「施設」、「〔権力的〕諸段階」、「装置」、「国家装置(治安警察)」216

    (1)「ひとまとめに言いうるとすれば、規律・訓練は人間の多様性の秩序化を確保するための技術である。」
    三つの基準→①経費がかからず、②効果を最大限にし、③権力の増大と権力の装置とを結びつける
    (2)「規律・訓練は一種の反=法律だと考える必要があるのである。」→2つの理由でもって222-
    (3)「・・・それらの方式は組立てられ一般化されて、知の形成と権力の増大が或る円環的な過程によって規則正しく強化し合う、そうした水準に達している点である。」224

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  3. フーコー:

    《表層は深層と対立するのではなく、解釈と対立するのです。フーコーの方法は
    一貫してあらゆる解釈法に対立するものでした。どんなことがあっても解釈するな、
    ひたすら実験せよ、というわけです……。フーコーにおいてあれほど重要な
    主題だった襞とその折りかえしは表皮につながっているのです。》
    (3ミシェル・フーコー『記号と事件』)
    ____

    《何でもかんでもが互いに連鎖するということではない。重要なのはむしろ
    くじびきの連鎖であり、各くじびきは、マルコフ連鎖におけるように…、
    偶然に、しかし先行するくじびきによって決定された外因性の諸条件のなかで、
    振る舞う。…それゆえ連続性による連鎖も内面化もなく、ただ諸々の切断と
    不連続性(変異)を越えていく再連鎖がある。》(『フーコー』原著p.92,邦訳文庫159頁)

    ドゥルーズがA.O.で参照しているのは『言葉と物』第十章2の中段から、

    《フーコーが指摘していることは、次のことである。「人文諸科学」はその原理を
    生産の中に見いだし、表象が破綻したところに構築されたものであるが、しかし、
    これらの人文諸科学は、無意識の表象といったものとして新しい型の表象を
    再建しているのだ、ということである。(Les Mots et leschoses, pp. 363-378).》
    (注22より。邦訳単行本A.O,508頁)

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  4. Moment's Notice: 『何を構造主義として認めるか』 G・ドゥルーズ (河出書房新社) 第3の規準:微分と特異
    http://g-clef.blogspot.jp/2009/11/g-3.html
    『何を構造主義として認めるか』 G・ドゥルーズ (河出書房新社) 第3の規準:微分と特異
    音素そのものを、それが別の音素に結合される音素関係、たとえばb/pと切り離すことはできない。
    (P69)

    第3のタイプの関係は、いかなる確定した値ももたないが、関係のなかで相互に確定される要素の間に立てられる。ydy+xdx=0やdy/dx=x/yのような関係である。このような関係は記号的であり、対応する要素は微分的関係の内部に捕捉されている。dyはyとの関係においては全く不確定であり、dxもxとの関係においてはまったく不確定である。dyとdxには値も意義もない。しかしながら、関係dy/dxはまったく確定されており、2つの要素はこの関係のなかで、相互に確定されている。
    (P70)

    微分的関係の確定に対して、特異性が、すなわち、曲線や図形を特徴付ける特異点の分布が対応する(たとえば三角形は3つの特異点をもつ)。こうして、所与の言語に固有の音素的関係が確定されると、特異性が指定され、その近傍で言語の音声と意義が構成される。
    (P71)

    すべての構造は2つの面を示す。ひとつは、微分的関係のシステムであり、これによって記号要素は相互に確定される。もうひとつは、特異点のシステムであり、これは微分的関係に対応して、構造の空間を描き出す。
    (P71)

    記号要素は、当の領域のリアルな存在者と対象に受肉する。微分的関係は、存在者の間のリアルな関係に現実化する。特異性は、構造内の位置を同じ数だけあるが、位置を占めにやってくる存在者や対象に対して、想像的な役割や態度を配分する。
    (P71)

    いつでも、すべての場合において、記号要素とその関係が、それらを実現しにやって来る存在者と対象の本性を確定するし、他方では、特異性によって形成される位置の秩序が、位置を占める限りでの存在者の役割と態度と同時に確定する。
    (P72)

    ラカンの弟子、セルジュ・ルクレールが別の領域で示すところでは、無意識の記号要素が、必ずや身体の「リビドー的な運動」に関連し、構造の特異性を特定の位置で受肉させる。
    (P73)

    アルチュセールとその協力者によるマルクス主義の解釈を見てみよう。そこでは、何よりも、生産関係が微分的関係として確定されている。その関係は、リアルな人間や具体的個人の間に立てられるのではなく、始めは記号の値をもつ対象や行為者(生産対象、生産道具、労働力、直接労働者、非直接労働者、これらは所有と領有の関係に把捉される)の間に立てられる。このとき各生産様式は、関係の値に対応する特異性によって特徴付けられる。
    (P73)

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  5. 千葉雅也:2013年度業績一覧 | 立命館大学大学院 先端総合学術研究科
    www.r-gscefs.jp/?p=5051
    対談)清水高志・千葉雅也「ポスト・ポスト構造主義のエステティクス」、『現代思想』第42 巻1号、22-36頁、2014年1月・(対談)千葉雅也・蓮實重彦「 ... in Japan,” Asian Frontiers Forum: Questions Concerning Life and Technology after 311, National Taiwan University, Taipei, 30 May, 2013. ... テレビ出演・構成)清水富美加・千葉雅也 ・マキタスポーツ「哲子の部屋」(ドゥルーズの哲学について、映画『HK 変態仮面』などを 教材 ...
    蚊居肢: 2月 2016
    kaie14.blogspot.com/2016_02_01_archive.html
    2016年2月1日 ... なぜか若いカルテットの演奏を聴くと、ときどきドキッとするのだが、いいなあ、この四人、 このなんという軽やかさ! .... que toute référence au vide produit un excès sur le compte-pour-un, une irruption d'inconsistance » (Badiou, L'être et l'événement,) .... ドゥルーズは、「構造主義は、場所がそれを占めるものに優越すると考える新しい 超越論的哲学と分かちがたい」(「構造主義はなぜそうよばれるか」) ...



    http://1libertaire.free.fr/DeleuzeStructuralisme.html

    Gilles Deleuze, "A quoi reconnaît-on le structuralisme ?""Nouveau millénaire, Défis libertaires"
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    Gilles Deleuze, "A quoi reconnaît-on le structuralisme ?"
    in F. Châtelet, Histoire de la philosophie VIII. Le XXe siècle, Hachette, 1973


    Origine : http://www.structuralisme.fr/index.php?option=com_content&task=view&id=36&Itemid=1
    On demandait naguère « qu'est-ce que l'existentialisme ? ». Maintenant : qu'est-ce que le structuralisme? Ces questions ont un vif intérêt, mais à condition d'être actuelles, de porter sur des œuvres en train de se faire. Nous sommes en 1967. On ne peut donc pas invoquer le caractère inachevé des œuvres pour éviter de répondre, c'est seulement ce caractère qui donne un sens à la question. Dès lors « Qu'est-ce que le structuralisme? » est appelé à subir certaines transformations. En premier lieu, qui est structuraliste? Il y a des coutumes dans le plus actuel. La coutume désigne, elle échantillonne à tort ou à raison : un linguiste comme R. Jakobson; un sociologue comme C. Lévi-Strauss; un psychanalyste comme J. Lacan; un philosophe qui renouvelle l'épistémologie, comme M. Foucault, un philosophe marxiste qui reprend le problème de l'interprétati

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  6. « A QUOI RECONNAIT-ON LE STRUCTURALISME ? » | A francia ...
    www.jgypk.hu/.../_a_quoi_reconnaiton_le_structuralisme__.ht...
    Dans « A quoi reconnaît-on le structuralisme ? » (1972) Gilles Deleuze (1925- 1995) entreprend la détermination des « conditions minima » d'une structure en recensant les critères formels de reconnaissance d'une strucutre : le symbolique, ...


     何を構造主義として認めるか〔『無人島』〕

    フーコーと共に現代研究に分類1989

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  7. AlKarmel Magazine
    http://www.alkarmel.org/index.html


    http://s3.amazonaws.com/academia.edu.documents/30213846/Intro_PDF.pdf

    2. In particular, see the series of articles on the plight of the Palestinian people including „Les gêneurs‟ in Le Monde, 7 avril 1978, translated as „Spoilers of Peace‟, (Deleuze 2007: 161–3); „Les Indiens de Palestine‟ in Libération, 8–9 May 1982, translated as „The Indians of Palestine‟, (Deleuze 2007: 194–200); „Grandeur de Yasser Arafat‟ in the Revue d‟Études Palestiniennes 10, 1984, translated as „The Importance of Being Arafat‟ (Deleuze 2007: 241–5); and „Les Pierres‟ in Al-Karmel 29, 1988, translated as „Stones‟ (Deleuze 2007: 3389).

    AWSAccessKeyId=AKIAJ56TQJRTWSMTNPEA&Expires=1479603549&Signature=5c7MeoRXK5JP1Ufs%2B1AwM1%2FWOjU%3D&response-content-disposition=attachment%3B%20filename%3Dwith_Paul_Patton_Deleuze_and_the_Postco.pdf

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  8. 書誌の計画(1989年。引用者:『ドゥルーズ書簡』2016邦訳10~17頁より。単著のみ抜粋)

    1 ヒュームからベルクソンヘ
     『経験論と主体性』(一九五三年)
     一九五五年の未刊の講義〔『ドゥルーズ書簡』「ヒューム講義」〕

     『カントの批判哲学』(一九六三年)
     四つの定式……(一九八六年)〔『批評と臨床』〕

     べルクソニスム(一九六六年)〔『ベルクソンの哲学』〕
     ベルクソンにおける差異の概念(一九五六年)〔『無人島』〕

    2 古典研究
     『スピノザと表現の問題』(一九六八年)
     『スピノザ、実践の哲学』(一九八一年)
     『襞(ライプニッツとバロック)』(一九八八年)
     『リベラシオン』紙のインタビュー(一九八八年九月)〔『記号と事件』「ライプニッツについて」〕

    3 ニーチェ研究
     『ニーチェと哲学』(一九六二年)
     『ニーチェ』人生と作品〔『ニーチェ』ちくま学芸文庫〕

    5 批評と臨床
     『ザッヘル・マゾッホ紹介』(一九六七年)〔『マゾッホとサド』〕
     『プルーストとシーニュ』[(一九六四年,一九七四年)]
     『カフカ』(一九七五年)〔『カフ力マイナー文学のために』〕

    5 美学
     『感覚の論理学、ベーコン』(一九九一年)
     『重合、ベーネ』(一九七九年)

    5 映画研究
     『運動イメージ』(一九八三年)
     植樹者の技芸〔『無人島』39〕
     ベケットの『フィルム』〔『批評と臨床』第四章〕
     『6×2』をめぐる3つの問い(『カイエ〔・デュ・シネマ〕』誌)〔『記号と事件』〕
     英語版『運動イメージ』序文〔『狂人の二つの体制』38〕

     『時間イメージ』(一九八五年)『シネマ2*時間イメージ』
     「結晶イメージ」(『枠外』誌、一九八六年)〔『記号と事件』「想像界への疑義」〕
     『カイエ〔・デュ・シネマ〕』誌のインタビュー〔『狂人の二つの体制』〕

    7 現代研究
     『対話』(一九七七年)〔『ディアローグ ドゥルーズの思想』〕
     クレソールヘの手紙〔『記号と事件』「口さがない批評家への手紙』〕

     『フーコー』(一九九六年)
     ミシェル・フーコーとの対談〔『無人島』〕

     アラファトの偉大〔『狂人の二つの体制』〕
     フランソワ・シャトレの哲学についての命題(一九八七年)(『ペリクレスとヴェルディ』)〔『ドゥルーズ・コレクション2』所収、河出文庫〕

     何を構造主義として認めるか(一九七二年)〔『無人島』〕

    8 『意味の論理学』(一九六九年)

    9 『アンチ・オイディプス』(一九七二年)

    10『差異と反復』(一九六八年)
     ドラマ化の方法〔『無人島』〕
     英語版序文〔『狂人の二つの体制』〕

    11 『千のプラトー』(一九八〇年)
     リベラシオン紙のインタビュー〔『記号と事件』「『千のプラトー』を語る」〕
     イタリア語版序文〔『狂人の二つの体制』〕


    編者注
    * 書誌の計画は、おそらく一九八九年に外国の出版社のために執筆された。…


    (389頁の訳者による解説文「後期」参照)

    ________________




    (1985年アラブ人向け、アンソロジー案。134~137頁)

    エリアス・サンバール宛て
    一九八五年七月一五日 月曜日



    1 『ザッヘル・マゾッホ紹介』
    2 『カフカ』
    3 『アンチ・オイディプス』
    4 『千のプラトー』
      (1)「古典主義、ロマン主義、現代芸術」#11
      (2)「ノマドロジー」#12
      (3)「樹木とリゾーム」#0
    5 『運動イメージ』(「二つの空間類型、黒澤と溝口」…)
    6 『プルーストとシーニュ』(第七章)
    7 『ニーチェと哲学』
    8 『スピノザ、実践の哲学』
    9 『意味の論理学』
      (1)「プラトン主義とは何か」付録
      (2)「命題とは何か」#3
    10『差異と反復』「思考の要請」#3

    * エリアス・サンバールとパレスチナの詩人マフムード・ダルウィーシュが主導した計画は、ドゥルーズ自身によって選び出されたテ
    クストのアンソロジーを出発点として、アラブの読者にドゥルーズの思想を知らしめようとするものであった。このアンソロジーは、当
    時ダルウィーシュが編集してした雑誌Al-Karmilに一部掲載された…

    AlKarmel Magazine
    http://www.alkarmel.org/index.html

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  9. Moment's Notice: 『何を構造主義として認めるか』 G・ドゥルーズ (河出書房新社) 第3の規準:微分と特異
    http://g-clef.blogspot.jp/2009/11/g-3.html
    『何を構造主義として認めるか』 G・ドゥルーズ (河出書房新社) 第3の規準:微分と特異
    音素そのものを、それが別の音素に結合される音素関係、たとえばb/pと切り離すことはできない。
    (P69)

    第3のタイプの関係は、いかなる確定した値ももたないが、関係のなかで相互に確定される要素の間に立てられる。ydy+xdx=0やdy/dx=x/yのような関係である。このような関係は記号的であり、対応する要素は微分的関係の内部に捕捉されている。dyはyとの関係においては全く不確定であり、dxもxとの関係においてはまったく不確定である。dyとdxには値も意義もない。しかしながら、関係dy/dxはまったく確定されており、2つの要素はこの関係のなかで、相互に確定されている。
    (P70)

    微分的関係の確定に対して、特異性が、すなわち、曲線や図形を特徴付ける特異点の分布が対応する(たとえば三角形は3つの特異点をもつ)。こうして、所与の言語に固有の音素的関係が確定されると、特異性が指定され、その近傍で言語の音声と意義が構成される。
    (P71)

    すべての構造は2つの面を示す。ひとつは、微分的関係のシステムであり、これによって記号要素は相互に確定される。もうひとつは、特異点のシステムであり、これは微分的関係に対応して、構造の空間を描き出す。
    (P71)

    記号要素は、当の領域のリアルな存在者と対象に受肉する。微分的関係は、存在者の間のリアルな関係に現実化する。特異性は、構造内の位置を同じ数だけあるが、位置を占めにやってくる存在者や対象に対して、想像的な役割や態度を配分する。
    (P71)

    いつでも、すべての場合において、記号要素とその関係が、それらを実現しにやって来る存在者と対象の本性を確定するし、他方では、特異性によって形成される位置の秩序が、位置を占める限りでの存在者の役割と態度と同時に確定する。
    (P72)

    ラカンの弟子、セルジュ・ルクレールが別の領域で示すところでは、無意識の記号要素が、必ずや身体の「リビドー的な運動」に関連し、構造の特異性を特定の位置で受肉させる。
    (P73)

    アルチュセールとその協力者によるマルクス主義の解釈を見てみよう。そこでは、何よりも、生産関係が微分的関係として確定されている。その関係は、リアルな人間や具体的個人の間に立てられるのではなく、始めは記号の値をもつ対象や行為者(生産対象、生産道具、労働力、直接労働者、非直接労働者、これらは所有と領有の関係に把捉される)の間に立てられる。このとき各生産様式は、関係の値に対応する特異性によって特徴付けられる。
    (P73)




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  10. 収録作品:ドゥルーズ・コレクション 1 哲学(1)/G.ドゥルーズ 河出文庫 - 本:hontoネットストア
    http://honto.jp/netstore/pd-worklist_0627091807.html
    収録作品一覧
    ドゥルーズ・コレクション 1 哲学(河出文庫)

    ドゥルーズ・コレクション 1 哲学 (河出文庫)
    G.ドゥルーズ(著)/ 杉村 昌昭(訳)/ 鈴木 創士(訳)/ 立川 健二(訳)/ 前田 英樹(訳)/ 松葉 祥一(訳)/ 三脇 康生(訳)/ 宇野 邦一(監修/訳)/ 小沢 秋広(訳)/ 小泉 義之(訳)/ 財津 理(訳)
    作品 著者 ページ
    無人島の原因と理由 8−18
    セリー・ノワールの哲学 19−28
    ドラマ化の方法 29−53
    何を構造主義として認めるか 54−101
    ドゥルーズ/ガタリが自著を語る ドゥルーズ 述 102−135
    狂人の二つの体制 136−144
    『意味の論理学』イタリア語版への覚え書き 145−149
    宇野への手紙−いかに複数で書いたか 150−154
    フェリックスのために 155−157
    内在−ひとつの生… 158−165
    ベルクソン、1859−1941 168−192
    ベルクソンにおける差異の概念 193−239
    カフカ、セリーヌ、ポンジュの先駆者、ジャン=ジャック・ルソー 240−248
    彼は私の師だった 249−256
    ジルベール・シモンドン 個体とその物理−生物的な発生 257−264
    断層と局所の火 265−278
    ヒューム 279−295
    ニーチェと思考のイマージュについて 296−312
    ノマド的思考 313−337

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  11. 201605
    収録作品:ドゥルーズ・コレクション 2 権力/芸術(2)/G.ドゥルーズ 河出文庫 - 紙の本:honto本の通販ストア
    http://honto.jp/netstore/pd-worklist_0627154796.html

    ドゥルーズ・コレクション 2 権力/芸術 (河出文庫)
    G.ドゥルーズ(著)/ 守中 高明(訳)/ 宇野 邦一(監修/訳)/ 稲村 真実(訳)/ 江川 隆男(訳)/ 小沢 秋広(訳)/ 笠羽 映子(訳)/ 財津 理(訳)/ 笹田 恭史(訳)/ 菅谷 憲興(訳)/ 杉村 昌昭(訳)/ 鈴木 創士(訳)/ 鈴木 秀亘(訳)/ 丹生谷 貴志(訳)/ 廣瀬 純(訳)/ 松葉 祥一(訳)/ 宮林 寛(訳)
    作品 著者 ページ
    知識人と権力 フーコー 述 8−24
    欲望と快楽 25−41
    ミシェル・フーコーの基本的概念について 42−68
    装置とは何か 69−86
    ペリクレスとヴェルディ−フランソワ・シャトレの哲学 88−110
    集団の三つの問題 112−134
    『牧神たちの五月後』への序文 135−144
    社会的なものの上昇 145−157
    ヌーボー・フィロゾフ及びより一般的問題について 158−170
    哲学は数学者や音楽家にとって何の役に立ちうるのか 171−174
    六八年五月〈革命〉は起こらなかった 175−180
    ヤーセル・アラファトの偉大さ 181−187
    ディオニス・マスコロとの往復書簡 ディオニス・マスコロ 著 188−196
    エレーヌ・シクスーあるいはストロボスコープのエクリチュール 198−203
    冷たいものと熱いもの 204−214
    植樹者の技芸 215−219
    プルーストを語る 220−268
    『女嫌い』について 269−278
    金持ちのユダヤ人 279−283
    計算せずに占有する−ブーレーズ、プルーストと時間 284−298
    リヴェットの三つの環 299−305
    創造行為とは何か 306−329
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  12. ドゥルーズ・コレクション 1 哲学(1)/G.ドゥルーズ 河出文庫
    201505
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    収録作品一覧
    ドゥルーズ・コレクション 1 哲学(河出文庫)

    ドゥルーズ・コレクション 1 哲学 (河出文庫)
    G.ドゥルーズ(著)/ 杉村 昌昭(訳)/ 鈴木 創士(訳)/ 立川 健二(訳)/ 前田 英樹(訳)/ 松葉 祥一(訳)/ 三脇 康生(訳)/ 宇野 邦一(監修/訳)/ 小沢 秋広(訳)/ 小泉 義之(訳)/ 財津 理(訳)
    作品 著者 ページ
    無人島の原因と理由 8−18
    セリー・ノワールの哲学 19−28
    ドラマ化の方法 29−53
    何を構造主義として認めるか 54−101
    ドゥルーズ/ガタリが自著を語る ドゥルーズ 述 102−135
    狂人の二つの体制 136−144
    『意味の論理学』イタリア語版への覚え書き 145−149
    宇野への手紙−いかに複数で書いたか 150−154
    フェリックスのために 155−157
    内在−ひとつの生… 158−165
    ベルクソン、1859−1941 168−192
    ベルクソンにおける差異の概念 193−239
    カフカ、セリーヌ、ポンジュの先駆者、ジャン=ジャック・ルソー 240−248
    彼は私の師だった 249−256
    ジルベール・シモンドン 個体とその物理−生物的な発生 257−264
    断層と局所の火 265−278
    ヒューム 279−295
    ニーチェと思考のイマージュについて 296−312
    ノマド的思考 313−337



    収録作品:ドゥルーズ・コレクション 2 権力/芸術(2)/G.ドゥルーズ 河出文庫 201506
    http://honto.jp/netstore/pd-worklist_0627154796.html

    ドゥルーズ・コレクション 2 権力/芸術 (河出文庫)
    G.ドゥルーズ(著)/ 守中 高明(訳)/ 宇野 邦一(監修/訳)/ 稲村 真実(訳)/ 江川 隆男(訳)/ 小沢 秋広(訳)/ 笠羽 映子(訳)/ 財津 理(訳)/ 笹田 恭史(訳)/ 菅谷 憲興(訳)/ 杉村 昌昭(訳)/ 鈴木 創士(訳)/ 鈴木 秀亘(訳)/ 丹生谷 貴志(訳)/ 廣瀬 純(訳)/ 松葉 祥一(訳)/ 宮林 寛(訳)
    作品 著者 ページ
    知識人と権力 フーコー 述 8−24
    欲望と快楽 25−41
    ミシェル・フーコーの基本的概念について 42−68
    装置とは何か 69−86
    ペリクレスとヴェルディ−フランソワ・シャトレの哲学 88−110
    集団の三つの問題 112−134
    『牧神たちの五月後』への序文 135−144
    社会的なものの上昇 145−157
    ヌーボー・フィロゾフ及びより一般的問題について 158−170
    哲学は数学者や音楽家にとって何の役に立ちうるのか 171−174
    六八年五月〈革命〉は起こらなかった 175−180
    ヤーセル・アラファトの偉大さ 181−187
    ディオニス・マスコロとの往復書簡 ディオニス・マスコロ 著 188−196
    エレーヌ・シクスーあるいはストロボスコープのエクリチュール 198−203
    冷たいものと熱いもの 204−214
    植樹者の技芸 215−219
    プルーストを語る 220−268
    『女嫌い』について 269−278
    金持ちのユダヤ人 279−283
    計算せずに占有する−ブーレーズ、プルーストと時間 284−298
    リヴェットの三つの環 299−305
    創造行為とは何か 306−329

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  13. ドゥルーズ
    「構造主義は、場所がそれを占めるものに優越すると考える新しい 超越論的哲学と分かちがたい」(「構造主義はなぜそうよばれるか」) .

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