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火曜日, 11月 24, 2015

『感覚の論理―画家フランシス・ベーコン論』ドゥルーズ

 
                   (美術リンク::::::::::
『感覚の論理―画家フランシス・ベーコン論』ドゥルーズ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/11/francis-bacon-logique-de-la-sensation.html(本頁)
 NAMs出版プロジェクト: ドゥルーズ体系:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/10/blog-post_72.html

ドゥルーズ体系(改訂版):     
      スピノザ 【 分 析 】 プラトンカント 
     Hegel\ 差異と反復  /Heidegger
           \  |  /
        ライプニッツ| ベルクソン
    アンチ  ABC\|/
【規定】オイディプスーーシネーーー意味の論理学【反省】カフカ
             /|\     [修辞学]
        フーコー/ | (ヒューム
       (Marx) |  Freud フロイトマゾッホ
          /千のプラトー \
      サルトル 【 総 合 】 ニーチェ  プルースト ベーコン

             潜在的 
           実在的+可能的  
             現働的 

             virtualité
           réalité+possibilité
             actualité 


ドゥルーズ体系:     分子化
      スピノザ 【 分 析 】 プラトンカント 
     Hegel\   |   /Heidegger
           千のプラトー
        ライプニッツ| ベルクソン
             \|/
 【規定】差異と反復ーーーシネーーー意味の論理学【反省】カフカ
             /|\     [修辞学]
        フーコー/ | (ヒューム
       (Marxアンチ Freud      フロイト 
          /・オイディプス
      サルトル 【 総 合 】 ニーチェ  プルースト ベーコン

             潜在的 
           実在的+可能的  
             現働的 

             virtualité
           réalité+possibilité
             actualité  

新訳:
http://urag.exblog.jp/22506695/
フランシス・ベーコン 感覚の論理学
ジル・ドゥルーズ著 宇野邦一訳
河出書房新社 2016年2月 本体3,000円 46判上製256頁  ISBN978-4-309-24749-6

帯文より:「ベーコンはいつも器官なき身体を、身体の強度的現実を描いてきた」。ドゥルーズ唯一の絵画論にして最も重要な芸術論、新訳。「器官なき身体」の画家ベーコンの図像に迫りながら「ダイアグラム」と「力」においてドゥルーズの核心を開示する名著。

目次:
刊行者の序
はじめに
1 円、舞台
2 古典絵画と具象との関係についての注釈
3 闘技
4 身体、肉そして精神、動物になること
5 要約的注釈:ベーコンのそれぞれの時間と様相
6 絵画と感覚
7 ヒステリー ★★

8 力を描くこと
9 カップルと三枚組みの絵
10 注釈:三枚組みの絵とは何か ☆☆☆
11 絵画、描く前……
12 図表〔ダイアグラム〕
13 アナロジー
14 それぞれの画家が自分なりの方法で絵画史を要約する
15 ベーコンの横断
16 色彩についての注釈
17 目と手

訳者解説〈図像〉の哲学とは何か ★

ベーコン作品リスト

★…宇野さんは本作をこうも解説しておられます。
《ベーコンの表現の中心を、ドゥルーズは〈図像〉(Figure)と命名した。そして〈図像〉は、〈表象〉ではなく〈感覚〉に統合されるという。〈感覚〉は〈神経〉でありそこを行き交う〈波動〉である。『アンチ・オイディプス』から『千のプラトー』を通じて発見し、鍛錬し、多様化してきた「器官なき身体」の概念を、ドゥルーズは、この本の6-7章で、またたくまに彼の絵画論の中核に導入している。「図像」とは、絵画における「器官なき身体」だというのである。しかし単に「器官なき身体」が絵画論に適用されたのではない。ここで「器官なき身体」はさらに多様化され、新しい次元に踏み込んでいる》(234頁)。

ドゥルーズ自身の言葉によればこうです。
《器官なき身体は、器官に対立するというより、有機体と呼ばれる諸器官のあの組織作用に対立するのだ。それは強度の内包的身体である。それはひとつの波動に貫かれ、この波動は身体の中にその振幅の変化にしたがって、もろもろの水準や閾を刻みこむのである。だから身体は器官をもたないが、閾や水準をもっている。したがって感覚は質的であったり、質を備えたりするのではなく、強度的現実をもつだけで、この現実は感覚の中の表象的与件を貴兄するのではなく、むしろ同質異形的な変化を規定するのである。感覚は波動である》。
《身体はまるごと生きているが、非有機的である。だから感覚は、有機体を貫いて身体に達するときには過剰で痙攣的な様相を呈し、有機的な活動の限度を逸脱するのである。全肉体において、感覚はじかに神経の波動や生命的感動に向けられる。多くの点でベーコンにはアルトーと共通点があると思われる。〈図像〉とは、まさに器官なき身体である、器官なき身体とは肉体であり神経である。波動がそれを横断し、その中に諸水準を刻み込む。感覚とは、波動と、身体に働きかける〈諸力〉との出会いのようなものである。「情動的体操」であり、叫び-息なのだ。感覚がこのように身体と結ばれると、感覚はもはや表象的であることをやめ、現実的になる》。
《ベーコンはいつも器官なき身体を、身体の強度的現実を描いてきた》(「7 ヒステリー」より、64-66頁)。

#10における能動的と受動的リズムの記述は興味深い。スピノザを想起させる。

☆☆☆

《カントは瞬間において把握される大きさとして強度を定義して、強度の原理を明らかにした。つまりこの大きさに含まれる複数性は、否定=0への接近によってしか表象されないと、彼は結論したのである(69)。それなら感覚が上位の、またはより高い水準にむかうときも、この上位の水準のゼロへの接近によらなければ、つまり落下によらなければ、感覚はそれを体験することができない。感覚がどんなものであれ、感覚の強度的実在性とは、多かれ少なかれ「大きい」深さへの下降の実在性であり、上昇の実在性ではない。…落下とは、まさに能動的リズムなのである(70)。それなら、ベーコンのそれぞれの絵において、落下にあたるものを(感覚によって)規定することが可能になる。こうして絵から絵へと変化していく能動的なリズムを規定することができよう。そして絵において現前する反対の特性は受動的リズムの役割を担うだろう。

69 カントの「知覚の先取的認識」Kant, Critique de la raison pure,les anticipations de la perception.〔カント『純粋理性批判』上、篠田英雄訳、岩波文庫、一九六一、二四一頁〕

70 サルトルは、フロベールを分析しながら、落下をめぐる挿話の重要性を、「歴史的アンガージュマン」という観点から説明した。しかし彼は、これに否定的すぎる意味を与えている。落下が長期的には能動的かつ肯定的な投企に介入することを認めているにもかかわらず(L'idiot de la famille, éd. Gallimard, t. II〔『家の馬鹿息子』4、鈴木道彦・海老坂武監訳、人文書院、二〇一五〕)。



 ______純_粋_理_性_批_判______
(緒言)  |     |     |  手引き=判断表
|     |     |  緒言 |概念分析 |範疇表
| 空間  |  時間 |     |演繹   |
|  (感 性 論)  |__(論 理 学)__|
|     |     |  /分 析 論   |  
|     |     |   図式| 付録: |
|     |     |原則分析 |反省概念 |
|_原  理  論___|体系_根拠|___(無)
|  (感性論と論理学)|     |     |
| 概 念 |  霊魂 | 緒言  |  訓練 |
|     |     |     |     |
|(論 理 学)推 理_|___方 法 論___|
|/弁 証 論  存在論|     |  (図式)  
量 世界 質|  神  | 規準  | 建築術_|
|二律背反 |宇宙 神学|     (体系)  |
関係__様相|_論___|_____|__|歴史|




旧訳:
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784588158018
感覚の論理―画家フランシス・ベーコン論
    ドゥルーズ,ジル【著】〈Deleuze,Gilles〉/山県 煕【訳】
    法政大学出版局(2004/09発売)

  Francis Bacon Logique de la sensation Vol. I  1981
  Francis bacon logique de la sensation en 2 tomes1 janvier 1980
  de GILLES DELEUZE

【目次】

1. 円形
2. 昔の絵画と形象化の作用との関係についての覚書
3. 競技
4. 身体、肉そして精神、動物−生成
5. 要約的覚書──ベーコン絵画の発展と位相
6. 絵画と感覚
7. ヒステリー
8. 力を画くこと
9. 絡み合う二人と三枚組絵
10. 覚書、三枚組絵とは何か
11. 画かれるまえの絵画・・・・・・
12. 標識図
13. アナロジー
14. 画家はみな、自分なりに絵画の歴史を要約する・・・・・・
15. ベーコンの旅
16. 色彩についての覚書
17. 眼と手


訳者あとがき 『感覚の論理』による小栗康平『眠る男』試論
事項索引
人名索引
フランシス・ベーコン作品名索引
http://honto.jp/netstore/pd-book_02480249.html#productInfomation
    2006/04/24 01:13
    ドゥルーズの絵画論としては唯一と言っていい書籍。版権問題等で長らく陽の目を見なかったが、ようやく出版。とはいえ図版はモノクロ、製本が甘く真ん中で 割れる、訳者のあまり必要のない小論、ドゥルーズの参考文献を吟味せず訳するなど、時間をかけた割にはあまりにひどい出来。だがこれは著者には全く関係の ない話。ベイコンの絵画に色彩の移調作用を指摘し、リーグルの「触視的」という用語を転用してベイコンの質に言及する様は秀逸。リーグルやグリーンバーグ などを参照しているのは視野が広いが、絵画に即しての論証は疑問点もいくつか残る。


内容説明:
ゴッ ホやゴヤ以来の、20世紀最大の色彩画家の一人フランシス・ベーコン。現代の絵画に多大な影響を与えたこの画家の作品(97点収録)を素材に、絵画とは何 か、芸術とは何かを問い、「感覚の論理」を読み解こうとする哲学者ドゥルーズの思想的冒険。絵画を構成する三要素(構造・形体・輪郭)、あるいは力、リズ ム、時間、相互性などをキーワードにベーコン芸術のさまざまな位相の展開を解釈、歪み・変形した人物像に表現されるその特異な世界を明らかにする。

著者紹介:
ドゥルーズ,ジル[ドゥルーズ,ジル][Deleuze,Gilles]
1925 年パリ生まれの現代フランスの哲学者。1969年からパリ第八大学教授をつとめる。主な著書に、17世紀の哲学者スピノザを現代に再生させた主著の一つで もある『スピノザと表現の問題』をはじめ、『意味の論理学』、『差異と反復』、『プルーストとシーニュ』、『ベルクソンの哲学』、『カントの批判哲学』、 『シネマ』(2巻)などがある。また精神分析学者フェリックス・ガタリとの共同著作に、『カフカ』、『アンチ・オイディプス』、『千のプラトー』などがあ り、その多くが邦訳されている。1995年11月4日パリで死去

山県煕[ヤマガタヒロシ]
1938年生まれ。東京大学大学院博士課程修了(美学専攻)。大阪芸術大学教授、神戸大学名誉教授

20世紀最大の色彩画家ベーコンの作品(97点収録)を素材に,絵画とは何か,芸術とは何かを問い,「感覚の論理」を読み解く思想的冒険。

http://bibliotheque.ecolecamondo.fr/bib/56614
http://www.recensio.ubi.pt/modelos/sinopses/sinopse.php3?codsinopse=26
Francis Bacon-Logique de la sensation-I / Gilles Deleuze
Auteur principal: Deleuze, Gilles, 1925-1995
Langue:français.
Publication:Paris, La Différence, 1994
Description: 112 p. ; 27 cm
ISBN: 2729101608.
Collection: La vue et le Texte
Cote: 7.071 BAC 3 -1
Résumé:Table des matières

I-Le rond, la piste
II-Note sur la figuration dans la peinture ancienne
III-L'athlétisme
IV-Le corps, la viande et l'esprit, le devenir-animal
V-Note récapitulatrice :périodes et aspects de Bacon
VI-Peinture et Sensation
VII-L'hystérie
VIII-Peindre les formes
IX-Couples et tryptyques
X-Qu'est-ce qu'un tryptyque
XI-La peinture avant de peindre
XII-Le diagramme
XIII-L'analogie
XIV-Chaque peintre à sa manière résume l'histoire de la peinture...
XV-La traversée de Bacon
XVI-Note sur la couleur
XVII-L'oeuil la main




______________

主な著作より:
  • Spinoza: Philosophie pratique (1981)
    • 『スピノザ 実践の哲学』鈴木雅大訳 平凡社 1994/平凡社ライブラリー 2002
  • Francis Bacon: Logique de la sensation (1981)
  • Cinéma 1: L'image-mouvement (1983)
    • 『シネマ1 運動イメージ』財津理、斎藤範訳 法政大学出版局、2008 
  • Cinéma 2: L'image-temps (1985)
    • 『シネマ2 時間イメージ』宇野邦一ほか訳 法政大学出版局、2006 
_________

ドゥルーズ体系:     分子化
      スピノザ 【 分 析 】 プラトンカント ベーコン
     Hegel\   |   /Heidegger
           千のプラトー
        ライプニッツ| ベルクソン
             \|/
 【規定】差異と反復ーーーシネーーー意味の論理学【反省】
             /|\     [修辞学?]
        フーコー/ | (ヒューム
       (Marxアンチ Freud
          /・オイディプス
プルースト サルトル 【 総 合 】 ニーチェ

             潜在的 
           
実在的+可能的  
             現働的 



ドゥルーズ体系:     分子化
      スピノザ 【 分 析 】 プラトンカント ベーコン
     Hegel\   |   /Heidegger
           千のプラトー
        ライプニッツ| ベルクソン
             \|/
 【規定】差異と反復ーーーシネーーー意味の論理学【反省】カフカ
             /|\     [修辞学]
        フーコー/ | (ヒューム
       (Marxアンチ Freud      フロイト 
          /・オイディプス
      サルトル 【 総 合 】 ニーチェ     プルースト

             潜在的 
           実在的+可能的  
             現働的 

             virtualité
           réalité+possibilité
             actualité 

重合 (叢書・ウニベルシタス) 単行本 – 1996/5
カルメロ ベーネ (著), ジル ドゥルーズ (著), & 3 その他

http://nam-students.blogspot.jp/2011/07/blog-post.html
シネマ2

 第8章 映画、身体と脳、思考

265頁 カルメロ・ベーネ『カプリッチ』 
Carmelo Bene - Capricci (1969)

https://www.youtube.com/watch?v=af-pHcC_M3Y 
カルメロ・ベーネ
参考文献:
http://www.fondazionecarmelobene.it/
http://it.wikipedia.org/wiki/Carmelo_Bene
ジル・ドゥルーズ「マイナー宣言」in『重合』法政大学出版局
ジル・ドゥルーズ「マンフレッド、なみはずれた革新」in『狂人の二つの体制』河出書房新社
(ちなみにベーネはパゾリーニ『アポロンの地獄』にクレオン(=イオカステの弟)役で出演している。) 


叢書・ウニベルシタス 528
重合
C.ベーネ:著, G.ドゥルーズ:著, 江口 修:訳
四六判 / 170ページ / 上製 / 定価:2,000円 + 税  
ISBN978-4-588-00528-2(4-588-00528-6) C1398 [1996年05月 刊行]
ベーネ『リチャード三世』とドゥルーズ『マイナー宣言』を収録。伝統的文学の支配をすり抜ける両者のテクストの〈重合〉が人間の欲動に解放と交通の可能性を拓く

http://www.otaru-uc.ac.jp/~eguchi/sabu01.html
4)『重合』 カルメロ・ベーネ/ジル・ドゥルーズ、1996年5月(法政大学出版局)¥2,000
 中身は、ベーネの『リチャード三世』とドゥルーズの『マイナー宣言』。『重合』というタイトルで損をしている。帯の惹句は「伝統的な文学の支配機制をすり抜ける二つのテクストの《重合》が、人間の欲動に解放と交通の可能性をひらく。」と格好良いが、欲動など本当に解放されてしまったらどんなことになるかは、シュールレアリスト達の実験で死にかかった連中がいたことを考えれば、想像するだにおぞましい。まさにその「おぞましさ」を現出させることが『リチャード三世』の目的だろう。商大演劇戦線あたりが取り上げてくれれば面白いのだが。この作品は亡き花田圭介先生に薦められて取り組んだが、刺激的な仕事だった。これを翻訳していたときつねに念頭から去らなかったのが、F. ベーコンの絵 Van Gogh in a landscape 57 だ、たぶんこれも神経を直にゆさぶる《重合》の典型だ。


Sovrapposizioni (Con Gilles Deleuze; contiene Riccardo III di Carmelo Bene e Un manifesto di meno di G. Deleuze), Feltrinelli, Milano 1978 (ristampa ampliata: Quodlibet, Macerata, 2002).

'One Less Manifesto' (1978) in Superpositions (with Carmelo Bene).


Superpositions, en collaboration avec Carmelo Bene, les éditions de Minuit, Paris, 1979, 131p

カントは瞬間において把握される大きさとして強度を定義して、強度の原理を明らかにした。つまりこの大きさに含まれる複数性は、否定=0への接近によってしか表象されないと、彼は結論したのである(69)。


#10
69 カントの「知覚の先取的認識」Kant, Critique de la raison pure,les anticipations de la perception.〔カント『純粋理性批判』上、篠田英雄訳、岩波文庫、一九六一、二四一頁〕

8 件のコメント:

  1. 新訳


    注目新刊:ドゥルーズのベーコン論新訳、ほか : ウラゲツ☆ブログ
    http://urag.exblog.jp/22506695/


    フランシス・ベーコン 感覚の論理学
    ジル・ドゥルーズ著 宇野邦一訳
    河出書房新社 2016年2月 本体3,000円 46判上製256頁  ISBN978-4-309-24749-6

    帯文より:「ベーコンはいつも器官なき身体を、身体の強度的現実を描いてきた」。ドゥルーズ唯一の絵画論にして最も重要な芸術論、新訳。「器官なき身体」の画家ベーコンの図像に迫りながら「ダイアグラム」と「力」においてドゥルーズの核心を開示する名著。

    目次:
    刊行者の序
    はじめに
    1 円、舞台
    2 古典絵画と具象との関係についての注釈
    3 闘技
    4 身体、肉そして精神、動物になること
    5 要約的注釈:ベーコンのそれぞれの時間と様相
    6 絵画と感覚
    7 ヒステリー
    8 力を描くこと
    9 カップルと三枚組みの絵
    10 注釈:三枚組みの絵とは何か
    11 絵画、描く前……
    12 図表〔ダイアグラム〕
    13 アナロジー
    14 それぞれの画家が自分なりの方法で絵画史を要約する
    15 ベーコンの横断
    16 色彩についての注釈
    17 目と手

    訳者解説〈図像〉の哲学とは何か
    ベーコン作品リスト

    ★まもなく発売(2月22日取次搬入)。原書は、Francis Bacon - Logique de la sensation (Seuil, 2002)です。訳者解説での説明をお借りすると、「同書は初めにÉditions de la Différenceより1981年10月に、ドゥルーズのテクストとベーコンの画集の二冊を合わせたかたちで刊行され、日本では法政大学出版局から、これを一冊におさめた訳書『感覚の論理――画家フランシス・ベーコン論』(山縣煕訳)が2004年9月に刊行された。本書『フランシス・ベーコン 感覚の論理学』は、のちに図版を簡略にし、判型も縮小して一冊にまとめたSeuil社の新版を翻訳したものだが、テクスト自体は、初版では段落ごとに入っていた空白がなくなっていること以外に移動は見あたらない」。

    ★さらに宇野さんは本作をこうも解説しておられます。「ベーコンの表現の中心を、ドゥルーズは〈図像〉(Figure)と命名した。そして〈図像〉は、〈表象〉ではなく〈感覚〉に統合されるという。〈感覚〉は〈神経〉でありそこを行き交う〈波動〉である。『アンチ・オイディプス』から『千のプラトー』を通じて発見し、鍛錬し、多様化してきた「器官なき身体」の概念を、ドゥルーズは、この本の6-7章で、またたくまに彼の絵画論の中核に導入している。「図像」とは、絵画における「器官なき身体」だというのである。しかし単に「器官なき身体」が絵画論に適用されたのではない。ここで「器官なき身体」はさらに多様化され、新しい次元に踏み込んでいる」(234頁)。

    ★ドゥルーズ自身の言葉によればこうです。「器官なき身体は、器官に対立するというより、有機体と呼ばれる諸器官のあの組織作用に対立するのだ。それは強度の内包的身体である。それはひとつの波動に貫かれ、この波動は身体の中にその振幅の変化にしたがって、もろもろの水準や閾を刻みこむのである。だから身体は器官をもたないが、閾や水準をもっている。したがって感覚は質的であったり、質を備えたりするのではなく、強度的現実をもつだけで、この現実は感覚の中の表象的与件を貴兄するのではなく、むしろ同質異形的な変化を規定するのである。感覚は波動である」。「身体はまるごと生きているが、非有機的である。だから感覚は、有機体を貫いて身体に達するときには過剰で痙攣的な様相を呈し、有機的な活動の限度を逸脱するのである。全肉体において、感覚はじかに神経の波動や生命的感動に向けられる。多くの点でベーコンにはアルトーと共通点があると思われる。〈図像〉とは、まさに器官なき身体である、器官なき身体とは肉体であり神経である。波動がそれを横断し、その中に諸水準を刻み込む。感覚とは、波動と、身体に働きかける〈諸力〉との出会いのようなものである。「情動的体操」であり、叫び-息なのだ。感覚がこのように身体と結ばれると、感覚はもはや表象的であることをやめ、現実的になる」。「ベーコンはいつも器官なき身体を、身体の強度的現実を描いてきた」(「7 ヒステリー」より、64-66頁)。

    ★本の中ほどにはベーコンの三枚組み作品6点と絵画1点がカラーで収録されています。やはりベーコンの絵はモノクロよりかはカラーの方が断然印象が違います。

    ★なお、ベーコンの全画集全5巻が今年(2016年)の4月28日にThe Estate of Francis Baconより刊行される模様です。未公開だった100枚以上の絵画を含む、ファン垂涎の決定版です。『FRANCIS BACON: CATALOGUE RAISONNÉ』(5 vols, Ed. by Mark Harrison, Contrib. by Rebecca Daniels & Krzysztof Cieszkowski, London: The Estate of Francis Bacon, 2016. 24,5 x 31 cm, a total of 1584 pages with 900 coloured illustrations, cloth cover in cloth slipcase)。財団のニュースでは値段が書かれていませんが、ケルンの名門版元Walther Königの書店部門からもらった案内では1400ユーロでした。昨今のレートでは約17万5千円でしょうか。買えそうにないです。関連ニュースはこちら。ご参考までに5巻本の概要をケーニヒ書店から以下に転記しておきます。

    Volume I-III, 400 pages each - Catalogue Raisonné:
    - more than 500 paintings are included indicating the title, year, technique, size, provenance, single and group exhibitions, completed by a comprehensive commentary
    - each painting is reproduced in colour, often supplemented by close-ups
    - the Catalogue Raisonné covers more than 100 paintings which are reproduced here for the first time
    - the new work will cover 60 % more paintings than the Catalogue Raisonné by Rothenstein/Alley published in 1964
    - Editor Martin Harrison, the pre-eminent expert on Francis Bacon's work alongside research assistant Rebecca Daniels will meet every requirement the reader demands of a scientific reference work

    Volume IV and V with 192 pages each will cover:
    - a comprehensive introduction to the edition
    - an illustrated chronology, indices and a "user's guide"
    - a catalogue of Bacon's sketches
    - an illustrated bibliography, compiled by Krzysztof Cieszkowski

    Due to the extenisve and knowledgeable commentaries to the works which are completely reproduced here for the first time and the extremely interesting material published in Volume IV and V mostly for the first time this comprehensive edition is a reference source for the reception of the work of Francis Bacon.

    ★また、河出書房新社さんでは3月末に『アルトー後期集成(II)』(宇野邦一・鈴木創士監修、管啓次郎・大原宣久訳、河出書房新社、2016年3月、本体4,000円、46判上製400頁、ISBN978-4-309-70532-3)がついに刊行されるようです。版元紹介文に曰く「世界にも類のない後期アルト-の集成、ついに完結。最後の著書として構想された『手先と責苦』をはじめて全訳。極限の思考と身体がうみだした至高にして残酷なる言葉」。同集成は第I巻が2007年3月刊、第III巻が同年6月刊でした。実に9年ぶりの続巻にして完結編となります。

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  2. 重合 (叢書・ウニベルシタス) 単行本 – 1996/5
    カルメロ ベーネ (著), ジル ドゥルーズ (著), & 3 その他

    http://nam-students.blogspot.jp/2011/07/blog-post.html
    シネマ2

     第8章 映画、身体と脳、思考

    265頁 カルメロ・ベーネ『カプリッチ』
    Carmelo Bene - Capricci (1969)

    https://www.youtube.com/watch?v=af-pHcC_M3Y
    カルメロ・ベーネ
    参考文献:
    http://www.fondazionecarmelobene.it/
    http://it.wikipedia.org/wiki/Carmelo_Bene
    ジル・ドゥルーズ「マイナー宣言」in『重合』法政大学出版局
    ジル・ドゥルーズ「マンフレッド、なみはずれた革新」in『狂人の二つの体制』河出書房新社
    (ちなみにベーネはパゾリーニ『アポロンの地獄』にクレオン(=イオカステの弟)役で出演している。)


    http://www.otaru-uc.ac.jp/~eguchi/sabu01.html
    4)『重合』 カルロス・ベーネ/ジル・ドゥルーズ、1996年5月(法政大学出版局)¥2,000

     中身は、ベーネの『リチャード三世』とドゥルーズの『マイナー宣言』。『重合』というタイトルで損をしている?
     帯の惹句は「伝統的な文学の支配機制をすり抜ける二つのテクストの《重合》が、人間の欲動に解放と交通の可能性
     をひらく。」と格好良いが、欲動など本当に解放されてしまったらどんなことになるかは、シュールレアリスト達の
     実験で死にかかった連中がいたことを考えれば、想像するだにおぞましい。まさにその「おぞましさ」を現出させる
     ことが『リチャード三世』の目的だろう。商大演劇戦線あたりが取り上げてくれれば面白いのだが。この作品は亡き
     花田圭介先生に薦められて取り組んだが、刺激的な仕事だった。これを翻訳していたときつねに念頭から去らなかっ
     たのが、F. ベーコンの絵 Van Gogh in a landscape 57 だ、たぶんこれも神経を直にゆさぶる《重合》の典型だ。


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  3. 哲学・思想・倫理
    > ポスト構造主義
    叢書・ウニベルシタス
    叢書・ウニベルシタス 528
    重合

    C.ベーネ:著, G.ドゥルーズ:著, 江口 修:訳
    四六判 / 170ページ / 上製 / 定価:2,000円 + 税 
    ISBN978-4-588-00528-2(4-588-00528-6) C1398 [1996年05月 刊行]
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    ベーネ『リチャード三世』とドゥルーズ『マイナー宣言』を収録。伝統的文学の支配をすり抜ける両者のテクストの〈重合〉が人間の欲動に解放と交通の可能性を拓く。

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  4. yoji さんは書きました...

    http://www.otaru-uc.ac.jp/~eguchi/sabu01.html
    4)『重合』 カルメロ・ベーネ/ジル・ドゥルーズ、1996年5月(法政大学出版局)¥2,000

     中身は、ベーネの『リチャード三世』とドゥルーズの『マイナー宣言』。『重合』というタイトルで損をしている?
     帯の惹句は「伝統的な文学の支配機制をすり抜ける二つのテクストの《重合》が、人間の欲動に解放と交通の可能性
     をひらく。」と格好良いが、欲動など本当に解放されてしまったらどんなことになるかは、シュールレアリスト達の
     実験で死にかかった連中がいたことを考えれば、想像するだにおぞましい。まさにその「おぞましさ」を現出させる
     ことが『リチャード三世』の目的だろう。商大演劇戦線あたりが取り上げてくれれば面白いのだが。この作品は亡き
     花田圭介先生に薦められて取り組んだが、刺激的な仕事だった。これを翻訳していたときつねに念頭から去らなかっ
     たのが、F. ベーコンの絵 Van Gogh in a landscape 57 だ、たぶんこれも神経を直にゆさぶる《重合》の典型だ。


    Sovrapposizioni (Con Gilles Deleuze; contiene Riccardo III di Carmelo Bene e Un manifesto di meno di G. Deleuze), Feltrinelli, Milano 1978 (ristampa ampliata: Quodlibet, Macerata, 2002).

    'One Less Manifesto' (1978) in Superpositions (with Carmelo Bene).


    Superpositions, en collaboration avec Carmelo Bene, les éditions de Minuit, Paris, 1979, 131 p.

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  5. カントは瞬間において把握される大きさとして強度を定義して、強度の原理を明らかにした。つまりこの大きさに含まれる複数性は、否定=0への接近によってしか表象されないと、彼は結論したのである(69)。

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  6. #10
    69 カントの「知覚の先取的認識」Kant, Critique de la raison pure,les anticipations de la perception.〔カント『純粋理性批判』上、篠田英雄訳、岩波文庫、一九六一、二四一頁〕

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  7. Batman - Partyman (Museum Scene)
    https://youtu.be/yjD9X2mPIXY
    Jack Nicholson and Francis Bacon

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  8. 地域通貨花子1
    ⁦‪@TiikituukaHana‬⁩


    ⁦‪@harryhew‬⁩ Batman - Partyman (Museum Scene)
    youtu.be/yjD9X2mPIXY
    Jack Nicholson and Francis Bacon pic.twitter.com/grL7SP03Hh

    2022/03/17 12:12


    https://twitter.com/tiikituukahana/status/1504294550826745858?s=21

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