坂口安吾 将棋の鬼 勝負師
藤井猛『四間飛車上達法』
2005年
郷田戦
3三角
ひふみん解説
羽生善治四冠当時が「藤井システム炸裂」の対局を解説をしていたので
藤井猛著『四間飛車上達法』(2017/12)は総合的な心構えの本だ。
《四間飛車の醍醐味は、相手の力を利用して投げること》#2:28(#3:89,#5:218参照)
ただし四間飛車と同時に美濃囲いの本とも言える。
《振り飛車戦法は「美濃囲い戦法」と呼んでもいいくらいだと私は思っています。》#1:8頁
だから『美濃囲い上達法』という書名でも良かった。さらに言えば藤井システムは2八玉より居玉(#5後半~本書#5前半では主に3一玉)の方が安全という考え方だから、藤井システムにはもう一段階ステップアップする必要がある。
急戦か持久戦か?将棋、特に藤井システム導入においてこの判断が本質なので急戦と持久戦を一冊に収める必要がある。つまり急所全4巻を俯瞰する本が必要だし、本書がそれだ。ただし辞典的な本ではなく心構えの本と考えた方がいい。
#2,3で急戦、#4,5で持久戦を扱う。この分類が正しい。
#5:199で銀の位置で飛車角の道を止めるか止めないかの違いが生まれるという説明がありこれも重要。
#2:64頁で急所3(≒第4章212~3頁)が参照(角打ちは100頁)
急戦が#2,3なので『四間飛車の急所』の各巻を章に見立てた場合の3巻までと同じ構成
急所第4巻(これも急戦書と分類されるが持久戦への一歩とも言える)の(後手)41金型は、常に扱われる。これは(先手と見立てて)67銀とセットと考えるなら#2で扱われていると言えるが、角交換への第一歩と考えるなら急戦から持久戦への変化の手順と言える。
#1:19頁
②角道を開けて攻める 急戦
③角道を止めて 固める 持久戦
角道止める 角道開ける
攻める 無理 急戦
固める 持久戦 高度(少し触れる)
紹介されている実戦は以下の3つ(最初の2つは後手藤井猛。玉の位置は8二か2八)
第2章66~75頁
青野照市 vs. 藤井猛 第87期棋聖戦二次予選(2015/12) - 無料の棋譜サービス 将棋DB2
https://shogidb2.com/games/ad6517c4b3cb274ff98a2fbe21719dd87134aaa3 ~#67
【将棋】藤井先生の超・初心者向け振り飛車講座 最初は中飛車がオススメ
動画では「理解されない」と言っているのに、
《振り飛車が指せますね。…「振り飛車が指せる」という感覚がもてれば、
それだけでかなりの上級者ではないかと思います。》81頁
幅広い層に向けた本だがここがリトマス試験紙になる
やはり中級者以上向けか?
もしくは第1章を読むことで初級者が中級者になるのか?
上達本読んでるけどいいな。藤井先生がそこにいるようだ。
「ここまでで何か質問ありますか」とかステキな文章だ。どっかで読んだことあるテイストだなぁと思ってたら
永世7冠の「上達するヒント」テイストなんだな。口語で語りかけるように書かれる内容は
ハッとさせられる事が多い。でも完全初心者向けという感じでもないな。指しこなし本よりは、ちょっと難しいと思う。
「美濃に囲うために飛車を振る」とか「飛車先、角道両方から避けてるのは2八。だからそこに囲う」とかかっこいい。
■目次
第1章 対抗形とは何か──駒組みの基本と隠された仕組み
第2章 攻めについて――6七銀型と棒銀
第3章 一手争いについて――7八銀型と右銀急戦
第4章 主導権をにぎったら――持久戦と6六銀型
第5章 攻めエリアを拡大せよ――5六銀型と藤井システム
(副題にあるように自陣左銀の位置で分類される。#2:6七銀、#3:7八銀、#4:6六銀、#5六銀)
(ちなみに急所1では先手居飛車側の5七銀、4六銀が扱われる。3,4巻では金の位置が重視される。
なお、後手振り飛車3二銀(=7八)、4三銀(=6七)型は急所:3,#3,4でそれぞれ扱われる。上のテーマ図は急所2:#2,3で先後逆で扱われるものに似ている。)
#5:199で銀の位置で飛車角の道を止めるか(6六銀)止めないか(5六銀)の違いが生まれるという説明がありこれも重要。#2における6七銀を基本とすべきか…
#2,3で急戦
#4,5で持久戦を扱う
この分類が正しい
#2:64頁で急所3(≒第4章212~3頁)が参照
角打ちは100頁
急戦が#2,3なので『四間飛車の急所』の各巻を章に見立てた場合の3巻までと同じ構成
急所第4巻(これも急戦書と分類されるが持久戦への一歩とも言える)の(後手)41金型は、常に扱われる。これは(先手と見立てて)67銀とセットと考えるなら#2で扱われているが、角交換への第一歩と考えるなら急戦から持久戦への変化の手順と言える。
19頁
②角道を開けて攻める 急戦
③角道を止めて 固める 持久戦
角道止める 角道開ける
攻める 無理 急戦
固める 持久戦 高度(少し触れる)
#3:105~6:
パート2テーマ図
美濃囲いvs船囲い、飛車角銀総交換後
参考:
急所第4巻
このシリーズの対居飛車急戦の最後の巻だろうと思われます。(推測)
第1巻で概要 第2巻、第3巻で対居飛車急戦の本筋的なところを詳細
この第4巻では、バリエーションのある△43銀、△41金型で待つ指し方を詳細に解説しています。
すなわち先手が▲57銀左型急戦できた場合 居飛車には棒銀、ナナメ棒銀、▲45歩戦法、鷺宮戦法を選べる選択権があります。
従来先に△52金左と上がっていた場合 後手は、△12香(有力)、△54歩、△64歩、△43銀を選べますが先手もこれらに対してある程度の研究で向かっていけます。(解説した棋書も多い)
これに対して△41金、△43銀型で待って▲57銀左戦法を取った場合 後手は、△54歩、△64歩、△12香、△32金と変化できます。
これらは、今までのパターンと違って居飛車に的を絞らせない指し方です。この4パターンをいろいろな居飛車の急戦に対しての指し方を詳細に解説しています。バリエーションを増やすにはもってこいです。
本の中でも述べられていますがどれが最善手かというよりは、自分にあった指し方がその人の最善手ですと。
実戦例(実戦での応用)も13例(巻末には13全棋譜)解説されいて参考になります。
テレビの解説を聞いてもよくわかると思うのですが藤井さんは研究を人一倍されてきた人なのでその理論的な解説は定評があります。
是非応援したいものです。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)[帯と同文]
稀に見る親切さ!かつてない四間飛車講義、開講!
級位者の方へ。これまでの本では伝えにくかったことを教えます。
有段者の方へ。藤井理論が染み込み、ぶれない軸ができ上がります。
…■守りの手は基本的に価値が高いが、攻めにかける手はそうとは限らない。■四間飛車は攻めの銀のポジションによって性質が変わる。■美濃囲いの左銀を自在に使えているか?■藤井システムの基本を教えます。
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