1973], The General Theory and After : Part 11 Defence and Develo-pment, in CW Vol. 14.
という認識が貨 幣の価値保蔵機能の重視に反映されていると思われるのである・ だがここで注目すべきことは,流動性選好説をめぐってのロバートソン・オ リーンらとの論争の過程において,ケインズが貨幣需要の4番目の動機として r金融動機」を導入したことである.ケインズは,1937年の論文r利子率の 「事前的」理論」において,この金融動機を流動性選好説の「笠石」(copmg stone),すなわちその最後の仕上げをなすものと位置づけている(Keynes [1973コp・220).カーンはこのことについて次のような説明を行なっている. 「ケインズによるr金融」の概念の提示は,投資率の決定に関する『一般理論』 の説明に対する重要な修正である.……ケインズはここで,利子率とはかかわ りなくより重要な抑止カとして作周する,資金の利用可能性を導入した」 (Kahn[1984]邦訳249-50頁).ケインズによる金融動機の導入は彼の貨幣 的分析をカレッキのそれに近づけるものと言ってよい.実際に,ケインズ自身, 信用供与には一定の制限があるとして,「この指摘はカレッキ「景気循環の理・ 論」〔Kalecki[1937aコ〕……にょってなされた」(Keynes[1973コP・208,〔〕 内は引用者のもの)と述べ,この側面に関してのカレツキの先行性を認めてい る20)、ケインズによる金融動機の認識は,その世界観についてはともかく,少’ なくとも経
Kahn, R. F. [1984], The Makrng of Keylees' General Theory, Cambridge : Cam-bridge University Press (ケインズ一般理論の形成1987 LP).
ケインズ『一般理論』の形成 (岩波モダンクラシックス) 単行本 – 2006/10/24
ケインズ『一般理論』の形成 | |
叢書名 | 岩波モダンクラシックス ≪再検索≫ |
著者名等 | リチャード・カーン/〔著〕 ≪再検索≫ |
著者名等 | 浅野栄一/訳 ≪再検索≫ |
著者名等 | 地主重美/訳 ≪再検索≫ |
出版者 | 岩波書店 |
出版年 | 2006.10 |
大きさ等 | 20cm 387p |
注記 | The making of Keynes’ general theory./の翻 訳 |
NDC分類 | 331.74 |
件名 | ケインズ ジョン・メイナード |
要旨 | 難解なことで知られる『一般理論』はどのように誕生したのか?ケインズの学問上の盟友 R.カーンが、20世紀最大の経済学者のダイナミックな思想展開を6回の講演でわかり やすく解説。同時代の諸学説の影響や交友関係を通してケインズ理論の核心に肉薄する本 書は、初学者から研究者に至るまで必携のケインズ入門書である。 |
目次 | 第1講 初期ケインズ以前の経済学者への論評;第2講 貨幣数量説;第3講 『貨幣論 』と経済政策問題一九二八‐一九三一年;第4講 「乗数」から『一般理論』へ;第5講 『雇用・利子および貨幣の一般理論』;第6講 ケインズの個人的交友関係;討論 |
内容 | 「一般理論」はどのように誕生したのか。ケインズの学問上の盟友R.カーンが、彼のダ イナミックな思想展開をわかりやすく解説。同時代の諸学説の影響や交友関係を通して、 ケインズ理論の核心に肉薄する入門書。 |
ISBN等 | 4-00-027146-6 |
1973], The General Theory and After : Part 11 Defence and Develo-pment, in CW Vol. 14.
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