日曜日, 11月 18, 2018

藤井聡太全局集より データで見る藤井将棋



藤井聡太全局集より
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相掛かりは後手番でのみ採用
6勝3敗 
データで見る藤井[聡太]将棋
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藤井猛「玉を安全な場所に退避させること。
これは将棋の基本戦術です。
自陣の左側と右側、安全なのはどちらでしょうか。
相手が居飛車ならば、相手の飛角はともに自陣の左側を睨んでいます。
ということは、相手の狙いから離れた自陣右側が一番安全ということになります。
右側に玉を囲うのが理に適っているのです。
よく『振り飛車とは飛車を左に移動する戦法』だと言われることがあります。
しかし、振り飛車の本質から言えば、『振り飛車とは玉を右に囲う戦法』というのが正確な言い方です。
囲いを作るスペースを右側に作るために、邪魔な飛車を左に移動しているに過ぎません」 


 
居飛車の最大の特徴は自分だけの意思で戦型を決められないということ
まず相居飛車の場合は主に矢倉、角換わり、相掛かり、横歩取り、一手損角換わり、雁木の6個の戦型がある
もちろんこれら全部を覚える必要はないんだが自分がやりたくなくても相手次第でやらざるを得ない場合がある

ざっくり言うと居飛車党同士が対戦する場合は次のようにして戦型が決まる
まず先手が矢倉角換わり相掛かりの中からやりたい戦型を選ぶ
次に後手がそれを受けて立つか拒否して横歩取り一手損角換わり雁木のどれかに持ち込むかを選ぶ

例えば自分が先手番だったら相掛かりや矢倉が分からなければ角換わりを目指していくのだけれど相手に拒否されて横歩取りや雁木に持ち込まれることがある
つまり角換わりしか指せないというような人は居飛車は指せないということになるわけだ

もちろん振り飛車党は振り飛車党で相振り飛車が大変だ
しかし相振り飛車はプロ間で昔はほとんど指されなかったので相居飛車ほど定跡が多くない

次に居飛車対振り飛車の対抗型の場合
これも居飛車のほうが圧倒的に覚えることが多い
なぜかと言うと振り飛車側が戦型を決められるから
振り飛車側は例えば自分は中飛車をやると決めているなら中飛車だけ勉強すればいい
それに対して居飛車党は中飛車対策も四間飛車対策も三間飛車対策も向かい飛車対策もゴキゲン対策も角交換四間対策も石田流対策もしないといけないわけだ
振り飛車の側からどの戦型にするか決められるのでその戦型に絞って勉強できる振り飛車のほうが覚える量は少なくて済むのである 


>>14
なるほどね
まとめるとこういうことか

振り飛車党…(例えば自分が四間飛車をやると決めていれば)四間飛車対抗型と相振り飛車の2つだけ勉強すればOK

居飛車党…(例えば自分が角換わりをやると決めていたとしても)角換わりと横歩取りと雁木と対中飛車と対四間飛車と対三間飛車と対向かい飛車と対ゴキゲンと対角交換四間と対石田流の10個を勉強する必要あり

ってことね
その理由は振り飛車は自分の意思で戦型決められるけど居飛車は相手次第でいろんな戦型やらないといけないから 


 居飛車のほうが強い理由は居飛車穴熊で居飛車のほうが固くできるから
こういうとなぜ居飛車穴熊は固いのか?振り飛車穴熊は駄目なのか?と疑問に思うだろうから先に答えておくと両者の最大の違いは角の位置
居飛車穴熊は角が囲いに参加している形になっていて無駄がない
角を移動した場合でもすきができないので金銀4枚で囲うことができる
それに対して振り飛車穴熊は角が囲いの反対側に取り残されていて角頭が弱点になっている
この角頭を守るために銀を使うと4枚で穴熊を組めない
ということで居飛車穴熊よりも必然的に薄くなるというわけ 


 美濃囲いも硬いんだけど居飛車穴熊が硬すぎる
しかしてんてーは「振り飛車の利点は玉が相手の飛角の睨みを外れていること」と語っている
これは裏を返せば「居飛車の短所は玉が振り飛車側の角に睨まれていること」ということ
これを鋭くついたのが藤井システム
まさに天才 



飛車を振るのに1手かかる
だから1手遅くして右に玉を囲うので
短手数で囲わなければならないので銀を一つ突き出すだけの
美濃囲いが基本になる

対抗形は急戦と持久戦という言われ方をするのだけれども
これはいつでも攻めを仕掛ける状態を互いに作った後に
囲いを更に固い形に組むかどうか?というやり取りのこと

だから美濃囲い→高美濃→銀冠などに組み替える手順が発生する
これをじっくりやると最終的に居飛車穴熊が出てきて
玉を安全に囲うという方法において飛車を振るほうが苦労してしまう
ということが発生する

居飛車穴熊の特性上、駒が一か所に固まるが為に
組んだ後に飛車を振りやすくなるという駒組みの条件が緩くなる為に
飛車を縦に振ったり横に振ったりする方法があって
独特の感覚を必要とされると言われる理由が縦に振る方法のことを指す

駒が固まると飛車が振りやすくなるというのは他の戦法でもあって
矢倉中飛車や雀刺しが存在する理由にもなる

将棋は現在のところ完全な結論が出ていないゲームなので断言はしないのだけれども
居飛車は組んだ後に飛車を振りなおす権利を持っている為に
どちらかというと組んだ後に少し有利な条件で指させてもらっている気がします