放送大学 現代経済学('13,'19) 依田 高典
参考:
関係番組
グローバル経済史 水島司
https://www.wakaba.ouj.ac.jp/kyoumu/syllabus/PU02060200211/initialize.do
モーリス・アレ:世代重複モデル(OLG:overlapping generations model)再考
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/qlgoverlapping-generations-model.html
スマートグリッド・エコノミクス [プリント・レプリカ] Kindle版 2017
依田高典 (著), 田中誠 (著), 伊藤公一朗 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B079PXQYTQ/
現代経済学 (放送大学教材) 単行本 – 2013/3/1
依田 高典 (著)238頁
https://www.amazon.co.jp/4595314299/
現代経済学 (放送大学教材) 単行本 – 2019/3/20
依田 高典 (著)265頁
https://www.amazon.co.jp/dp/4595319487/
https://www.ouj.ac.jp/hp/kamoku/H30/kyouyou/C/syakai/1639218.html#syllabus
2019年版は45分3人づつにした改訂版
https://www.wakaba.ouj.ac.jp/kyoumu/syllabus/PU02060200211/initialize.do
2019#9
NAMs出版プロジェクト: オリバー・ハート 2016ノーベル経済学賞 契約理論
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/2016_39.html
コンセプトは以下と重なる。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MAY31EP/
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000195597
ノーベルの遺言にはなかった経済学賞は、1969年に新設され、50年の歴史があります(他の賞は1901年創設)。英語では、The Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel、つまり「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」が正式名称となります。他の賞に倣って、スウェーデンの王立科学アカデミーが受賞者の選考に当たっているので、「ノーベル経済学賞」に見えるが、ノーベル財団は、経済学賞の選考プロセスの中で、Not a Nobel Prizeという項目を立てて注意を喚起しているのです。また、ノーベル経済学賞が、左翼系の経済学者たちを排除しているという意味で「偏向」しているという批判もあります。
とはいえ、経済学賞の創設からほぼ半世紀、経済学は科学としても発展してきました。例えば、「期待」をどう経済モデルに組み込むべきか?、「合理的経済人」モデルから「限定合理性」へ、ゲーム理論による数学的分析の精緻化などです。90年代から現在にいたるまで、ノーベル経済学賞はその範囲を広げ、心理学、社会学など周辺領域の優れた研究にも与えられるようになり、総合的人間科学が対象となってきました。
本書では、半世紀に亘るノーベル経済学賞の歴史を振り返ることで、現代経済学のエッセンスをわかりやすく紹介します。
(内容的には上が先でいい。まず副題がいい)
関係番組
グローバル経済史 水島司
https://www.wakaba.ouj.ac.jp/kyoumu/syllabus/PU02060200211/initialize.do
モーリス・アレ:世代重複モデル(OLG:overlapping generations model)再考
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/qlgoverlapping-generations-model.html
スマートグリッド・エコノミクス [プリント・レプリカ] Kindle版 2017
依田高典 (著), 田中誠 (著), 伊藤公一朗 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B079PXQYTQ/
現代経済学 (放送大学教材) 単行本 – 2013/3/1
依田 高典 (著)238頁
https://www.amazon.co.jp/4595314299/
現代経済学 (放送大学教材) 単行本 – 2019/3/20
依田 高典 (著)265頁
https://www.amazon.co.jp/dp/4595319487/
https://www.ouj.ac.jp/hp/kamoku/H30/kyouyou/C/syakai/1639218.html#syllabus
2019年版は45分3人づつにした改訂版
https://www.wakaba.ouj.ac.jp/kyoumu/syllabus/PU02060200211/initialize.do
放送大学「 現代経済学('19)」(テレビ科目紹介)7:30
https://youtu.be/e1S2-FKT_3I2019#9
NAMs出版プロジェクト: オリバー・ハート 2016ノーベル経済学賞 契約理論
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/2016_39.html
現代経済学(’19)
Contemporary Economics ('19)
主任講師名:依田 高典(京都大学大学院教授)
【講義概要】
現代の経済学の内容と歴史をアルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞(いわゆるノーベル経済学賞)の歴史を振り返る形で概観していく。ノーベル経済学賞は、1968年にスウェーデン国立銀行が設立300周年祝賀の一環として、ノーベル財団に働きかけ、設立された賞である。スウェーデン王立科学アカデミーにより選考され、ノーベル財団によって認定される。ノーベル経済学を振り返れば、現代の経済学の色々な顔が見えてくるはずである。
【授業の目標】
経済学の理論の細部には立ち入らず、ノーベル経済学賞受賞者の生い立ちと研究業績の現代社会的意義について、分かりやすく解説していきたい。
【履修上の留意点】
特になし。
現代の経済学の内容と歴史をアルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞(いわゆるノーベル経済学賞)の歴史を振り返る形で概観していく。ノーベル経済学賞は、1968年にスウェーデン国立銀行が設立300周年祝賀の一環として、ノーベル財団に働きかけ、設立された賞である。スウェーデン王立科学アカデミーにより選考され、ノーベル財団によって認定される。ノーベル経済学を振り返れば、現代の経済学の色々な顔が見えてくるはずである。
【授業の目標】
経済学の理論の細部には立ち入らず、ノーベル経済学賞受賞者の生い立ちと研究業績の現代社会的意義について、分かりやすく解説していきたい。
【履修上の留意点】
特になし。
各回のテーマと授業内容
第1回 ノーベル経済学賞の誕生
フリッシュ/サミュエルソン 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ラグナル・アントン・キティル・フリッシュ(受賞 1969年) 受賞理由 経済過程の動学分析への貢献 ポール・サミュエルソン(受賞 1970年) 受賞理由 静学的および動学的経済理論への貢献 【キーワード】 ノーベル経済学賞、計量経済学、数理経済学 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第2回 ミクロ経済学の新展開
ヒックス/アロー/ナッシュ 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ジョン・R・ヒックス(受賞 1972年) 受賞理由 一般均衡理論および社会厚生理論への貢献 ケネス・J・アロー(受賞 1972年) 受賞理由 一般均衡理論および社会厚生理論への貢献 ジョン・F・ナッシュ・Jr.(受賞 1994年) 受賞理由 非協力ゲームの均衡の分析への貢献 【キーワード】 一般均衡理論、社会選択理論、ゲーム理論 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第3回 マクロ経済学の新展開
ソロー/ルーカス/プレスコット 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ロバート・M・ソロー(受賞 1987年) 受賞理由 経済成長理論への貢献 ロバート・E・ルーカス・Jr.(受賞 1995年) 受賞理由 合理的期待形成仮説への貢献 エドワード・C・プレスコット(受賞 2004年) 受賞理由 リアル・ビジネス・サイクル理論への貢献 【キーワード】 経済成長理論、合理的期待形成仮説、リアル・ビジネス・サイクル理論 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第4回 計量経済学の説明する力
クライン/ヘックマン/シムズ 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ローレンス・R・クライン(受賞 1980年) 受賞理由 景気変動・経済政策の経済モデルへの貢献 ジェームズ・J・ヘックマン(受賞 2000年) 受賞理由 ミクロ計量経済学への貢献 クリストファー・A・シムズ(受賞 2011年) 受賞理由 マクロ計量経済学への貢献 【キーワード】 マクロ計量経済学、ミクロ計量経済学、ベクトル自己回帰モデル 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第5回 シカゴ学派の反ケインズ革命
フリードマン/スティグラー/ベッカー 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ミルトン・フリードマン(受賞 1976年) 受賞理由 消費分析・金融史・金融理論と貨幣政策への貢献 ジョージ・J・スティグラー(受賞 1982年) 受賞理由 産業構造・市場の役割、規制の原因と影響への貢献 ゲーリー・S・ベッカー(受賞 1992年) 受賞理由 広範な人間行動と相互作用へのミクロ経済分析への貢献 【キーワード】 マネタリズム、産業組織論、人的資本論 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第6回 金融経済学の功罪
トービン/マーコヴィッツ/ショールズ 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ジェームズ・トービン(受賞 1981年) 受賞理由 金融市場と支出・雇用・生産・価格の関連への貢献 ハリー・M・マーコヴィッツ(受賞 1990年) 受賞理由 資産形成の安全性の理論への貢献 マイロン・S・ショールズ(受賞 1997年) 受賞理由 金融派生商品(デリバティブ)価格決定への貢献 【キーワード】 ファイナンス理論、ポートフォリオ理論、金融工学 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第7回 国際経済学の巨星たち
オリーン/マンデル/クルーグマン 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ベルティル・オリーン(受賞 1977年) 受賞理由 国際貿易および資本移動の理論への貢献 ロバート・A・マンデル(受賞 1999年) 受賞理由 通貨体制の金融・財政政策、最適通貨圏への貢献 ポール・クルーグマン(受賞 2008年) 受賞理由 貿易パターンと経済活動の立地の分析への貢献 【キーワード】 ヘクシャー・オリーン定理、マンデル・フレミング・モデル、空間経済学 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第8回 情報経済学の説明する力
アカロフ/スティグリッツ/ティロール 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ジョージ・A・アカロフ(受賞 2001年) 受賞理由 情報非対称性のある市場の分析への貢献 ヨゼフ・E・スティグリッツ(受賞 2001年) 受賞理由 情報非対称性のある市場の分析への貢献 ジャン・ティロール(受賞 2014年) 受賞理由 市場支配力と規制の分析への貢献 【キーワード】 アカロフのレモン、アドバース・セレクション、モラル・ハザード 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第9回 市場と組織の経済学のはざま
コース/ウィリアムソン/ハート 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ロナルド・H・コース(受賞 1991年) 受賞理由 取引費用と財産権の発見と明確化への貢献 オリバー・E・ウィリアムソン(受賞 2009年) 受賞理由 経済的統治に関する分析への貢献 オリバー・ハート(受賞 1998年) 受賞理由 契約理論への貢献 【キーワード】 コースの定理、新制度派経済学、契約理論 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第10回 社会経済学が見据える射程
ミュルダール/ハイエク/セン 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 グンナー・ミュルダール(受賞 1974年) 受賞理由 貨幣理論・経済変動理論と経済・社会・組織の相互依存性分析への貢献 フリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエク(受賞 1974年) 受賞理由 貨幣理論・経済変動理論と経済・社会・組織の相互依存性分析への貢献 アマルティア・セン(受賞 1998年) 受賞理由 所得分配の不平等の理論、貧困・飢餓の研究への貢献 【キーワード】 累積的因果関係論、オーストリア学派、経済倫理学 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第11回 歴史と政治の経済学の交差点
ノース/シェリング/ディートン 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ダグラス・C・ノース(受賞 1993年) 受賞理由 経済史の経済理論や数量分析への貢献 トーマス・C・シェリング(受賞 2005年) 受賞理由 ゲーム理論における対立と協力の理解への貢献 アンガス・ディートン(受賞 2015年) 受賞理由 消費・貧困・福祉の分析への貢献 【キーワード】 クリオメトリクス、フォーカルポイント、ディートンのパラドックス 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第12回 市場を設計する経済学
スミス/ヴィックレー/ロス 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ヴァーノン・L・スミス(受賞 2002年) 受賞理由 行動経済学と実験経済学への貢献 ウィリアム・S・ヴィックレー(受賞 1996年) 受賞理由 情報非対称性下の経済的誘因への貢献 アルヴィン・E・ロス(受賞 2012年) 受賞理由 安定配分の理論と市場設計の実践への貢献 【キーワード】 実験経済学、オークション、マッチング 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第13回 行動経済学の下克上
サイモン/カーネマン/セイラー 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 ハーバート・A・サイモン(受賞 1978年) 受賞理由 経済組織内部の意思決定プロセスへの貢献 ダニエル・カーネマン(受賞 2002年) 受賞理由 行動経済学と実験経済学への貢献 リチャード・H・セイラー(受賞 2017年) 受賞理由 行動経済学への功績 【キーワード】 限定合理性、プロスペクト理論、ナッジ 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第14回 経済学の未来を担う大器
クラーク賞の受賞者達 クラーク賞を受賞した経済学者と研究分野 デヴィッド・カード 研究分野 労働経済学 スティーブン・レヴィット 研究分野 社会経済学 マシュー・ラビン 研究分野 行動経済学 エスター・デュフロ 研究分野 開発経済学 ラジ・チェティ 研究分野 公共経済学 マシュー・ゲンツコウ 研究分野 産業経済学 【キーワード】 実証経済学、構造推定、フィールド実験 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
第15回 ノーベル経済学賞の忘れもの
ハロッド/森嶋通夫 長年、ノーベル賞候補に挙げられながら、受賞がかなわなかった、受賞に値する経済学者 ロイ・ハロッド 研究分野 経済動学・経済成長論の創始 森嶋通夫 研究分野 広範な分野における数理経済学上の貢献 【キーワード】 シカゴ学派、ハロッドのナイフ、動学的経済理論 執筆担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) 放送担当講師名:依田 高典(京都大学大学院教授) |
コンセプトは以下と重なる。
ノーベル経済学賞 天才たちから専門家たちへ (講談社選書メチエ) Kindle版
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000195597
ノーベルの遺言にはなかった経済学賞は、1969年に新設され、50年の歴史があります(他の賞は1901年創設)。英語では、The Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel、つまり「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」が正式名称となります。他の賞に倣って、スウェーデンの王立科学アカデミーが受賞者の選考に当たっているので、「ノーベル経済学賞」に見えるが、ノーベル財団は、経済学賞の選考プロセスの中で、Not a Nobel Prizeという項目を立てて注意を喚起しているのです。また、ノーベル経済学賞が、左翼系の経済学者たちを排除しているという意味で「偏向」しているという批判もあります。
とはいえ、経済学賞の創設からほぼ半世紀、経済学は科学としても発展してきました。例えば、「期待」をどう経済モデルに組み込むべきか?、「合理的経済人」モデルから「限定合理性」へ、ゲーム理論による数学的分析の精緻化などです。90年代から現在にいたるまで、ノーベル経済学賞はその範囲を広げ、心理学、社会学など周辺領域の優れた研究にも与えられるようになり、総合的人間科学が対象となってきました。
本書では、半世紀に亘るノーベル経済学賞の歴史を振り返ることで、現代経済学のエッセンスをわかりやすく紹介します。
- はしがき
- 第一章 百家争鳴のパイオニアたち 1969-1979
- 1 もっとも幸福な時代
- 2 発展の礎
- 3 観察ツールの確立
- 4 思想への影響
- 第二章 ケインジアンと自由市場主義者 1980-1989
- 1 大恐慌時代に育って
- 2 ケインジアンたち
- 3 自由市場主義者
- 4 アレとドブリュー
- 第三章 「非―経済学」の包摂 1990-1999
- 1 新しい分野への評価
- 2 金融工学の誕生
- 3 制度の経済学
- 4 孤高の人=セン
- 5 ゲーム理論
- 6 新古典派経済学の精緻化
- 7 ユーロの理論的基礎
- 第四章 「社会科学」への拡大 2000-現在
- 1 予測市場とダークホースの時代
- 2 データ分析の発展
- 3 「市場」も「計画」も相対化
- 4 人はなぜ「協力」するのか
- 5 思考実験としての経済学
- あとがき
(内容的には上が先でいい。まず副題がいい)
現代経済学('13)
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をご利用ください

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講義概要
現代の経済学の内容と歴史をアルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞(いわゆるノーベル経済学賞)の歴史を振り返る形で概観していく。ノーベル経済学賞は、1968年にスウェーデン国立銀行が設立300周年祝賀の一環として、ノーベル財団に働きかけ、設立された賞である。スウェーデン王立科学アカデミーにより選考され、ノーベル財団によって認定される。ノーベル経済学を振り返れば、現代の経済学の色々な顔が見えてくるはずである。
※詳しくはシラバスへ
※詳しくはシラバスへ
- 開設年度
- 2013年度

- 科目区分
- コース科目(社会と産業コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(社会と産業コース)
〔2008年度以前〕専門科目(社会と経済専攻)

- 科目コード
- 1639218

- 単位数
- 2単位

- 単位認定試験
試験日・時限 - 2017年度 第2学期:2018年1月27日(土曜)2時限(10時25分~11時15分)
- 2018年度 第1学期:2018年8月5日(日曜)4時限(13時15分~14時05分)

- 単位認定試験
平均点 - (2016年度 第2学期)69.5点
- (2017年度 第1学期)70.6点

- 備考

授業の目標
経済学の理論の細部には立ち入らず、ノーベル経済学賞受賞者の生い立ちと研究業績の現代社会的意義について、分かりやすく解説していきたい。
シラバス
回 | テーマ | 内容 | 執筆担当講師名 (所属・職名) | 放送担当講師名 (所属・職名) |
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1 | ノーベル経済学賞の誕生 -フリッシュとサミュエルソン- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1969年ラグナル・フリッシュ「経済過程の分析に対する動学的モデルの発展と応用を称えて」 1970年 ポール・サミュエルソン「静学的および動学的経済理論の発展に対する業績と、経済学における分析水準の向上に対する積極的貢献を称えて」 【キーワード】 ノーベル経済学賞、理論経済学、数理経済学 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
2 | 現代ミクロ経済学の構築 -ヒックス、アロー- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1972年 ジョン・ヒックス、ケネス・アロー「一般的経済均衡理論および厚生理論に対する先駆的貢献を称えて」 【キーワード】 一般均衡理論、厚生経済学、社会選択理論 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
3 | 社会経済学の射程 -ミュルダール、ハイエク- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1974年 グンナー・ミュルダール、 フリードリヒ・ハイエク「貨幣理論および経済変動理論に関する先駆的業績と、経済現象・社会現象・組織現象の相互依存関係に関する鋭い分析を称えて」 【キーワード】 社会経済学、開発経済学、制度経済学 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
4 | アメリカ・ケインジアンの活躍 -クライン、トービン- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1980年 ローレンス・クライン「景気変動・経済政策を分析する上での経済的なモデル・手法の開発に対して」 1981年 ジェームズ・トービン「金融市場とその支出決定・雇用・生産物・価格との関連性の分析を称えて」 【キーワード】 景気循環論、経済政策、ケインズ経済学 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
5 | 反ケインズ革命ののろし -フリードマン、ルーカス- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1976年 ミルトン・フリードマン「消費分析・金融史・金融理論の分野における業績と、安定化政策の複雑性の実証を称えて」 1995年 ロバート・ルーカス「合理的期待仮説の理論を発展、応用し、1970年代以降の財政・金融政策などマクロ経済理論に大きな影響を与えた事を称えて」 【キーワード】 マネタリズム、合理的期待形成学派、サプライサイド経済学 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
6 | シカゴ学派の繁栄 -スティグラー、ベッカー- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1982年 ジョージ・スティグラー「産業構造や市場の役割・規制の原因と影響についての独創的な研究を称えて」 1992年 ゲーリー・ベッカー「非市場に於ける行動を含めた広範にわたる人間の行動と相互作用へのミクロ経済学分析の応用を称えて」 【キーワード】 産業組織論、人的資本理論、シカゴ学派 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
7 | 動学的マクロ経済学の発展 -ソロー、プレスコット- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1987年 ロバート・ソロー「経済成長理論への貢献を称えて」 2004年 エドワード・プレスコット「動学的マクロ経済学への貢献:経済政策における動学的不整合性の指摘と、リアルビジネスサイクル理論の開拓を称えて」 【キーワード】 経済成長論、景気循環論、リアルビジネスサイクル理論 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
8 | 金融経済学の革新 -マーコヴィッツ、ショールズ- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1990年ハリー・マーコウィッツ「資産形成の安全性を高めるための一般理論形成を称えて」 1997年マイロン・ショールズ「「金融派生商品(デリバティブ)価格決定の新手法」に対して。オプション評価モデルであるブラック-ショールズ方程式の開発と理論的証明」 【キーワード】 ポートフォリオ理論、金融工学 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
9 | 国際経済学の精緻化 -オリーン、マンデル- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1977年ベルティル・オリーン「国際貿易に関する理論および資本移動に関する理論を開拓した業績を称えて」 1999年 ロバート・マンデル「さまざまな通貨体制における金融・財政政策(「マンデル・フレミング・モデル」)と、「最適通貨圏」についての分析を称えて」 【キーワード】 国際経済学、貿易論 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
10 | 市場と組織の経済学 -コース、ウィリアムソン- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1991年 ロナルド・コース「制度上の構造と経済機能に於ける取引コストと財産権の発見と明確化を称えて」 2009年オリヴァー・ウィリアムソン「経済的なガヴァナンスに関する分析を称えて」 【キーワード】 取引費用経済学、制度経済学、組織経済学 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
11 | ゲームと情報の経済学 -ナッシュ、アカロフ- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1994年ジョン・ナッシュ「非協力ゲームの均衡の分析に関する理論の開拓を称えて」 2001年ジョージ・アカロフ「情報の非対称性を伴った市場分析を称えて」 【キーワード】 ゲーム理論、ナッシュ均衡、情報経済学 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
12 | 行動経済学の流行 -サイモン、カーネマン- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1978年 ハーバート・サイモン「経済組織内部での意思決定プロセスにおける先駆的な研究を称えて」 2002年ダニエル・カーネマン「行動経済学と実験経済学という新研究分野の開拓への貢献を称えて」 【キーワード】 限定合理性、行動経済学、プロスペクト理論 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
13 | 歴史と倫理の経済学 -ノース、セン- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 1993年ダグラス・ノース「経済理論と計量的手法によって経済史の研究を一新したことを称えて」 1998年 アマルティア・セン「所得分配の不平等にかかわる理論や、貧困と飢餓に関する研究についての貢献を称えて」 【キーワード】 経済史、経済倫理学 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
14 | ノーベル賞経済学者の活躍 -スティグリッツ、クルーグマン- | 今回取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由 2001年ジョセフ・E・スティグリッツ「情報の非対称性を伴った市場分析を称えて」 2008年 ポール・クルーグマン「貿易のパターンと経済活動の立地に関する分析の功績を称えて」 【キーワード】 情報非対称性、空間経済学、新貿易論 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
15 | ノーベル経済学賞の忘れもの -ハロッド、森嶋通夫- | 長年、ノーベル賞候補に挙げられながら、授賞がかなわなかった、授賞に値する経済学者 ロイ・ハロッド「経済動学・経済成長論の創始を称えて」 森嶋通夫「広範な分野における数理経済学上の貢献を称えて」 【キーワード】 経済動学、経済成長論、数理経済学 | 依田高典 (京都大学大学院教授) | 依田高典 (京都大学大学院教授) |
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第8回関連
第8回で取り上げる経済学者とそのノーベル経済学賞受賞理由
1990年ハリー・マーコウィッツ「資産形成の安全性を高めるための一般理論形成を称えて」
1990年ハリー・マーコウィッツ「資産形成の安全性を高めるための一般理論形成を称えて」
ハリー・マーコウィッツ
目次
略歴
- 1927年 イリノイ州シカゴで生まれる。
- シカゴ大学でBAをとり、その後はシカゴ大学に付属していたコウルズ委員会のメンバーとなり経済学に力を入れる。
- 1952年 ランド・コーポレイションに入る。
- 1955年 シカゴ大学からPh.D.を取得する。
- 1955年~1956年 エール大学に移ったコウルズ財団(Cowles Foundation)で勤務する(ジェームズ・トービンの誘いによる)。
- 1959年 『ポートフォリオ選択論』の本を出す。
- 1962年 CACI International(旧名California Analysis Center)という会社を作る。
- 1989年 ジョン・フォン・ノイマン理論賞を受ける。
- 1990年 ノーベル経済学賞を受賞。
- 1990年 ニューヨーク市立大学Baruch Collegeの教授となる。
- 現在 カリフォルニア大学サンディエゴ校にあるRady School of Managementでadjunct professorとして教えるとともに、Harry Markowitz Co.の事務所でコンサルタントを行っている。
人物
著書
日本語訳
- 『ポートフォリオ選択論――効率的な分散投資法』、鈴木雪夫監訳、山一証券投資信託委託株式会社訳、東洋経済新報社、1969年
原書
- Markowitz, H.M. (March 1952). "Portfolio Selection". The Journal of Finance 7 (1): 77–91. doi:10.2307/2975974. JSTOR 2975974.
- Markowitz, H.M. (April 1952). "The Utility of Wealth". The Journal of Political Economy (Cowles Foundation Paper 57) LX (2): 151–158.
- Markowitz, H.M. (April 1957). "The Elimination Form of the Inverse and Its Application to Linear Programming". Management Science 3 (3): 255–269. doi:10.1287/mnsc.3.3.255.
- Markowitz, H.M. (1959). Portfolio Selection: Efficient Diversification of Investments. New York: John Wiley & Sons. (reprinted by Yale University Press, 1970, ISBN 978-0300013726; 2nd ed. Basil Blackwell, 1991, ISBN 978-1557861085)
- Markowitz, H.M. (October 1, 1979). Belzer, Jack; Holzman, Albert G.; Kent, Allen. eds. "SIMSCRIPT", Encyclopedia of Computer Science and Technology. 13. New York and Basel: Marcel Dekker. pp. 516. ISBN 978-082-472-263-0.
- Markowitz, H.M. and E. van Dijk (March/April 2003). "Single-Period Mean-Variance Analysis in a Changing World". Financial Analysts Journal 59 (2): 30–44. doi:10.2469/faj.v59.n2.2512.
- Markowitz, H.M. (September/October 2005). "Market Efficiency: A Theoretical Distinction and So What?". Financial Analysts Journal 61 (5): 17–30. doi:10.2469/faj.v61.n5.2752.
- Markowitz, H.M. (2009). Harry Markowitz: Selected Works. World Scientific-Nobel Laureate Series: Vol. 1. Hackensack, New Jersey: World Scientific. pp. 716. ISBN 978-981-283-364-8.
脚注
- ^ この年は同部門において3人(ハリー・マーコウィッツ、マートン・ミラー、ウィリアム・シャープ)の受賞者が出たため、賞金は約3000万円であった。
参考
外部リンク
- ハリー・マーコウィッツ
- An Hour with Harry Markowitz: Interviewed by Mark Hebner
- The Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel, 1990
- Autobiography, The Nobel Prizes 1990, Editor Tore Frängsmyr, [Nobel Foundation], Stockholm, 1991
- Banquet Speech, December 10, 1990
- Nobel Prize Lecture: Foundations of Portfolio Theory, December 7, 1990 ( PDF format)
- Oral history interview with Harry M. Markowitz, Charles Babbage Institute, University of Minnesota – Markowitz discusses his development of portfolio theory, sparse matrices, and his work at the RAND Corporation and elsewhere on simulation software development (including computer language SIMSCRIPT), modeling, and operations research.
- History of Finance, interviews, The American Finance Association
- Adjunct Professor of Finance, bio, Rady School of Management, University of California at San Diego
- 1st Global Engages Dr. Harry M. Markowitz, 1st Global
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2 Comments:
2019年版は書き直し
45分3人づつ
西川
佐々木周作「チーム研究の作法:フィールド実験の立上げから運営まで」『日本労働研究雑誌』を読んでて、やはりフィールド実験面白そうだと思う。フィールド実験の導入としては、依田高典・田中誠・伊藤公一朗『スマートグリッド・エコノミクス』が良いようで、Gerber & Greenを読む前に読もうと思う。
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